カテゴリー別アーカイブ: ★番外編「おさかな」

伊豆大島の海・海底ジオパーク(2)

伊豆大島のダイビング、「ここにしかない景色」はケイカイの”早朝ハンマー”。

Dive in Izu oshima|テンクロスジギンポ、トラウツボ、ハンマーヘッドシャーク 伊豆大島ダイビング

エントリー場所から溶岩の海岸で、潜航していくと溶岩の流れが迷路のような水路を創り出しています。ここはまさに「海底ジオパーク」。

Underwater Geopark,Keikai Beach, Izuoshima, 海底ジオパークのようなケイカイを行くオーナー

溶岩の水路を潜航していきます。夜明けと同時でまだ海の中も暗いのです。

ハンマーヘッドシャーク ケイカイ浜 伊豆大島 Hammerhead Shark Izu Oshima keikai Beach (4)

エントリーしてすぐにハンマーの姿が。5~30匹ほどの群れで次々に現れました。水深15mくらい、しかも潮を避けて岩につかまりながらハンマーを観察。初心者の方にもハンマーチャンスがあるポイントです!

ハンマーヘッドシャーク ケイカイ浜 伊豆大島 Hammerhead Shark Izu Oshima keikai Beach (3)

正面からやってくるハンマー。しかも近い!

ハンマーヘッドシャーク ケイカイ浜 伊豆大島 Hammerhead Shark Izu Oshima keikai Beach (2)

毎朝、日の出直後の時間がハンマー遭遇チャンスとのこと。6月半ばから10月半ばくらいまで見られるそうで、我々は3回潜って3回ともハンマーに出会えました。

ハンマーヘッドシャーク ケイカイ浜 伊豆大島 Hammerhead Shark Izu Oshima keikai Beach

夜明けとともに深い海から上がってきてサメの一級漁場を目指しているのでしょうか・・・。

お祝いの飾り、ハンマーヘッドシャーク 100本記念ケーキ

そしてこちらは100本記念ダイブを”ケイカイのハンマー”で迎えたお客様のお祝いケーキのデコレーション。西遊大阪支社の前田梨恵さん作です。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Sep 2021, Keikai Beach, Izu-oshima, Tokyo, JAPAN

抱卵するオイランヨウジ Banded Pipefish(屋久島)

オイランヨウジ Banded pipefish 屋久島 (1)

屋久島一湊湾で観察したオイランヨウジ Banded Pipefishのペアです。オイランヨウジはベースの体色は白くて吻端から尾びれにかけて赤褐色の横じまがあり、まさに「花魁(おいらん)」のイメージの華やかな尾びれを持つヨウジウオ科の魚。

オイランヨウジのペア(屋久島)A Pair of Ringed pipefish

オイランヨウジ Banded pipefish 屋久島 (6)

オイランヨウジはオスが育児嚢を持ち抱卵します。100個ほどの卵を抱き、卵は10日ほどで孵化、体長6mmの稚魚が誕生します。

オイランヨウジ Banded pipefish 屋久島 (3)

オイランヨウジは動物プランクトン食。このカップルのひそむ岩の隙間の入り口は小さな小さな稚魚で溢れ、捕食に大忙しでした。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2021, 屋久島、鹿児島

Special Thanks : 潜り屋さま

ニシキフウライウオ Harlequin ghost pipefish(屋久島)

ニシキフウライウオ Harlequin ghost pipefish 屋久島 (6)

屋久島の海で出会えたニシキフウライウオ Solenostomus paradoxus のペアです。2匹で擬態する、それはそれは美しい光景でした。

ニシキフウライウオのペア(屋久島)A pair of Harlequin ghost pipefish

ニシキフウライウオはカミソリウオ科カミソリウオ属の仲間で、以前はカミソリウオの種内変異だと考えられていましたが1994年に独立種になりました。

ニシキフウライウオ Harlequin ghost pipefish 屋久島 (9)

鰭や体に多数の皮弁があり、縞模様の斑紋があります。ベースの体の色は白色透明ですが縞模様の色はバリエーションは様々。

ニシキフウライウオ Harlequin ghost pipefish 屋久島 (5)

大きい方がメス、小さい方がオスです。オスが抱卵するヨウジウオの仲間と違い、カミソリウオの仲間はメスが受精した卵を腹鰭で保護します。

ニシキフウライウオ、英名はHarlequin ghost pipefish または Ornate ghost pipefishで、”Harlequin”は道化者、”Ornate”は華やかな、という意味です。和名のニシキフウライウオも素敵ですが、英名も負けていません。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2021, 一湊湾、屋久島

Special Thanks : 潜り屋さま

 

ゾウアメフラシ Aplysia gigantea(冠島、若狭湾)

ゾウアメフラシ Aplysia gigantea 冠島 若狭湾  (3)

京都の日本海側、若狭湾の冠島で見た巨大アメフラシです。大きな海藻のような・・・え??と思って近づくと巨大なアメフラシがモリモリと海底を移動していました。

大きさは60センチくらいでしょうか、子犬のような大きさでした。写真と動画だけでゾウアメフラシと決めていいのかわからないのですが、調べていてゾウアメフラシAplysia gigantea の可能性が高いと思いました。ゾウアメフラシは最大70センチほどになる種で、日本、西オーストラリアで確認されている種です。

ゾウアメフラシ(冠島)Aplysia gigantea

とても活発に動くゾウアメフラシです。

ゾウアメフラシ Aplysia gigantea 冠島 若狭湾  (2)

アメフラシの名前は、刺激を与えたときに出す紫色の液体が海中で雨雲のように見えることに由来するといいます(諸説あり)。

そして英名はSea Hare =ウミウサギ。中国語でも「海兎」。この頭の2本の突起がウサギの耳にように見えることからついている名前です。

ゾウアメフラシ Aplysia gigantea 冠島 若狭湾  (5)

夢中で撮影。動きがあり、観察がとても楽しいゾウアメフラシでした。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Aug 2021, Kaumuri-jima, Kyoto 冠島、京都

Special Thanks : 冠島ダイビングサービスさま

コブダイの頼子・波左間海中公園(館山、千葉)

館山 TATEYAMA diving 頼子 Yoriko コブダイ Asian sheepshead wrasse (2)

波左間海中公園は東京湾と太平洋のちょうど境い目にあり、川から入る栄養と黒潮の影響を受けた、都心から2時間以内でこれるお魚ポイントです。そしてここを有名にしているのが、海底神社とコブダイの頼子。

YORIKO Asian sheepshead wrasse コブダイの頼子・波左間海中公園

コブダイは「タイ」とついていますがベラの仲間で、雌から雄に性転換する”雌性先熟”(しせいせんじゅく)の魚。最初に「雌」として成熟して繁殖を行った後、雄に性転換して再び繁殖に参加する魚です。

そしてこの「頼子」は、以前は「頼朝」という雄と一緒に雌でしたが、ある日縄張り争いに負けたのか「頼朝」が姿を消しました。その後「頼子」は雄化し、現在に至ります。コブダイの寿命は20年ほどと考えられていますが、「頼子」はもう30年を越えるといいます。波左間海中公園で愛され大事にされ、もう寿命なんか忘れた神秘的な存在になっているようです。

館山 TATEYAMA diving 頼子 Yoriko コブダイ Asian sheepshead wrasse

こちらが有名な波左間海中公園にある、世界で唯一の海底神社。1997年に館山の須崎神社を分社して建立された正真正銘の神社です。

館山 TATEYAMA diving Seapen ヤナギウミエラ (2)

もうひとつ、波左間海中公園で有名なのが「ヤナギウミエラの群生」。初めて見ました。潮によって砂地の表面に出ていたり、出ていないこともあるそうで、群生が見れてラッキーでした。ウミエラは英語名が”Sea pen”、まさに「羽根ペン」のような形をしていますね!

館山 TATEYAMA diving Seapen ヤナギウミエラ

群生するヤナギウミエラ。

館山 TATEYAMA diving dream

そして他にもお魚ポイントがあります。”Dream”と呼ばれる漁礁ではソフトコーラルとキンギョハナダイの創り出す美しい光景が。アカオビハナダイ、カワシワハナダイの姿も。

館山 TATEYAMA diving タカノハダイのクリニーニングステ-ション

こちらはタカノハダイ(ヒダリマキ)のクリーニングステーション。タカノハダイの名前は体の縞が「鷹の羽根」に似ていることに由来するそうです。尻尾の水玉の方も気になります。

館山 TATEYAMA diving 仲がいいミギマキ

こちらは仲のいいミギマキです。

 

Image : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2021,Hasama Marine Park, Tateyama, CHIBA

Special Thanks : NAKAO MIKIさま – Ocean★TATEYAMA

ギンガメの季節!粟国島

粟国島 ギンガメトルネード AGUNI DIVE IN JAPAN

5月、ギンガメアジの季節を迎えた粟国島の海へ。ギンガメアジの群れ・トルネードだけでなく、ロウニンアジ、イソマグロと大物が集っています。婚姻色のギンガメアジのカップルも多く、生命感あふれる海でした。

DIVE IN AGUNI ISLAND 粟国島の海

 

Image : Mariko SAWADA

Observation : May 2021, Aguni Island, Okinawa

Special Thanks : 粟国島 AGUNI-JIMA Sea-Base Diving

(動画)レビジャヒヘド諸島のロカ・パルティーダ

レビジャヒヘド諸島(ソコロ諸島)のロカ・パルティーダのお魚映像です。ジャイアントマンタ、ギンガメアジ、ハンマーヘッドシャーク、キハダ、ハガツオの大群、お魚天国。

Roca Partida ソコロ諸島、ロカ・パルティーダ

Videography : Mariko SAWADA

Observation : Dec2018, Roca Partida, Revillagigedo National Park,  Mexico

Special Thanks : Club Azur, M/S Valentina

北米最大の海洋保護区・レビジャヒヘド諸島のロカ・パルティーダ

オニイトマキエイ Giant Manta ジャイアントマンタ ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (11)

メキシコのバハカリフォルニア半島の南西400キロ離れた太平洋沖にあるレビジャヒヘド諸島Archipiélago de Revillagigedo(または、ソコロ諸島)。

サンベネディクト島(San Benedicto)、ソコロ島(Socorro)、ロカ・パルティーダ島(Roca Partida) 、クラリオン島(Clarión)の4つの火山島から成り東西250キロ広がっています。メキシコ海軍がソコロ島とクラリオン島に駐屯する以外は無人島です。一般的な「ソコロ・ダイビングクルーズ」ではこのクラリオン島を除く3つの島を訪れます。

バハカリフォルニア半島の先端の町ロス・カボス(カボ・サン・ルーカス)から、まる1日以上かけて到着する「絶海の孤島」。秘境マニアなら絶対に興奮する火山島の景色、そして「北米の熱帯地域で最も自然が残されている」と称賛される海があります。

12月半ばに訪れたレビジャヒヘド諸島のロカ・パルティーダ Roca Partida。

ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (5)

ロカ・パルティーダ Roca Partida は、ソコロ・ダイビングクルーズのハイライトであり、外洋のど真ん中に火山活動でできた岩礁がそびえ、魚影濃く、オオモノとの出会いも期待できる場所。

オニイトマキエイ Giant Manta ジャイアントマンタ ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (9)

Giant Manta -オニイトマキエイはその代表的なもの。レビジャヒヘド諸島では個体の大きさが知られています。

オニイトマキエイ Giant Manta ジャイアントマンタ ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (10)

カッポレをひきつれて。

ハンマーヘッドシャーク ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (1)

岩場からすこし沖に出るとハンマーヘッドシャーク。

キハダ ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (2)

目の前を通過するキハダ。

キハダ ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (8)

ロカ・パルティーダの岩肌とキハダ。

ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (6)

そして圧巻の魚影。

ハガツオ ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (3)

Striped Bonito, ハガツオの大群です。

ハガツオ ソコロ諸島 レビジャヒヘド諸島 ロカパルティーダ Socorro Roca Partida Revillagigedo (4)

カツオの群れを追う、シルキーシャーク。夢のような時間でした。

レビジャヒヘド諸島はもともと島の周囲10キロ(6海里)が保護区(レビジャヒヘド国立公園 Revillagigedo National Park)でしたが、2009年~10年にサメの生息活動地域調査が行われた結果、保護のために周囲74キロ(40海里)を保護区にする提案がなされました。そして2016年にレビジャヒヘド諸島は世界遺産に登録され、2017年に国立公園の保護区が7倍にあたる150,000平方キロに拡大され北米最大の海洋保護区となりました。

世界の海が汚染と過剰な漁業により枯渇していくなか、海洋保護区の拡大の話は未来への希望をつないでくれます。

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : Dec 2018, Revillagigedo National Park, Mexico

Special Thanks : Club Azur, M/S Valentina

(動画)DIVING IN BONIN ISLANDS

西遊旅行の小笠原ツアー特集「世界自然遺産 小笠原諸島」のコンテンツ用に作った、小笠原のダイビングを紹介するビデオです。季節とかいろいろですが、ワイルドな海です!

DIVING IN BONIN ISLANDS

2本目はヒレナガカンパチに追われるニセタカサゴの群れですが、後半はザトウクジラの歌がバックです。

DIVING IN BONIN ISLANDS 2

 

Video & text : Mariko SAWADA

Special Thanks : Fisheye – OGASAWARA

ハンマーヘッドシャーク Hammerhead sharks(与那国島)

与那国ハンマー Yonaguni Hammerhead sharks Diving at Yonaguni Island (2)

4月上旬、ハンマーシーズンとしては終盤の与那国島で合宿を行いました。社員4名、お客様4名でダイビングのスキルアップ研修と離島ライフを満喫。

この時期としては期待していなかったハンマーの遭遇がありとてもラッキーでした。

与那国島のハンマーヘッドシャーク

与那国ハンマー Yonaguni Hammerhead sharks Diving at Yonaguni Island (1)

期待していなかったハンマーヘッドシャークの群れとの遭遇。

与那国ハンマー Yonaguni Hammerhead sharks Diving at Yonaguni Island (4)

与那国で群れでいるのはみんな雌で、かみついたりはしないとのこと。深い場所にいるサメですが、今回は-25~30mと比較的浅い場所で遭遇できました。

与那国ハンマー Yonaguni Hammerhead sharks Diving at Yonaguni Island (3)

もちろん与那国海底遺跡も訪問。潮の関係で逆回りしましたが、「通常周り」のほうが感動が大きいと思いました。

与那国合宿 (4)

そして合宿と言えば、BBQ。Guesthouse FIESTAのオーナーが手際よく準備。

与那国合宿 (3)

与那国と言えばカジキ。金城釣具店の新鮮なお刺身です。滞在中、カンパチ、アオチビキなども楽しませていただきました。

与那国合宿 (2)

そして”島どうふ”、今シーズン最後の”島パクチー”を添えて冷ややっこでいただきました。

与那国合宿 (1)

このヤギは食事ではありません!一生をペットとして保障された、2月生まれのダイビングショップ与那国マーリンの子ヤギです。海も陸も楽しんだ与那国合宿でした。

 

Image & text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2021, 与那国、沖縄

Special Thanks : 与那国マーリン、Guesthouse FIESTA