カテゴリー別アーカイブ: ■陸の生き物

親子ヒグマ、カラフトマスを狙う

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (10)

知床半島の相泊から知床を岬を越えてヒグマクルーズ。カラフトマスを求めて海岸にやってきたヒグマ親子を発見。

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (11)

見つけたときには、お母さん熊が定置網に沿ってカラフトマスを探し、子熊2頭が海岸で待っていて、さらにその後ろにオジロワシがおこぼれをもらうために待機。漁師とヒグマとオジロワシのコラボ風景。

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (1)

じゃれあう海岸の兄弟熊。

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (9)

海へ入るのかな?この後、1頭が入りましたが、もう1頭は入れません。

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (4)

そこにお母さん熊がやってきました。

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (5)

2頭で「入っておいでよ」と促しているような光景。

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (6)

でも、お母さん熊が海から上がり、子熊たちがそれを追いはじめました。

知床半島 ヒグマの親子 カラフトマスを狙う Shiretoko Brwonbear (7)

私たちに見られていたのが嫌だったのでしょう、漁師さんによると、カラフトマスがいて夢中になっていると船のことは気にしないが、いなかったら船を見たら遠くに行ってしまうね、と。

親子熊の「カラフトマス捕獲レッスン」を邪魔したようで大変申しわけないです。

国後と根室海峡

この日は「ヒグマ・フォトスペシャルツアー」の最終日。国後島と根室海峡の景色も見納めです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Aug 2020, 知床半島

Special Thanks : 天神幸吉さま、森田将平(知床サライ)

知床岬を越えて・知床半島の親子ヒグマ

知床半島のヒグマ Ezo-Brownbear Shiretoko 親子ヒグマ (4)

風も波もない穏やかな海況の日、相泊から知床半島の岬を周り、斜里町のルシャ手前までヒグマを求めてクルーズしました。

天神さんの船で岬を越える

知床岬が見えてきました!知床半島の航行は場所によってコロコロ天候が変わり、急に風が吹いたり波が立ったりします。この日は知床としては「ベタなぎ」でしたがそれでも長時間船に乗っていると波をかぶることもありました。

知床岬の灯台

知床岬の灯台です。ここを抜けるとオホーツク海に入り、知床連山によって分け隔てられた羅臼側と斜里側の天気の違いにも驚かされます。が、この日は両方とも穏やかな晴天でした。

知床岬は30~40mの台地になっていて、開拓時代に伐採された植生が戻っていません。一方、エゾシカが増えすぎて植生を荒らしているという話も聞きます。知床半島の中部から北にかけての地域は1964年に国立公園になり、2005年には世界遺産に指定された地域。現在は動力船での上陸は認められておず、船から自然景観と野生動物を観察します。

廃屋となった番屋

羅臼側と同様、斜里側の海岸にも廃屋となった番屋が。羅臼側にくらべてより人の手が入りにくい地形でもあります。

知床半島のヒグマ Ezo-Brownbear Shiretoko 親子ヒグマ (3)

いました・・・親子ヒグマ。

知床半島のヒグマ Ezo-Brownbear Shiretoko 親子ヒグマ (5)

お母さん熊のあとを追う愛らしい姿。

知床半島のヒグマ Ezo-Brownbear Shiretoko 親子ヒグマ (2)

こちらを気にする子熊。この後、私たちの船が気になったのか海岸から離れて山の方へ移動していきました。

知床半島のヒグマ Ezo-Brownbear Shiretoko 親子ヒグマ (6)

別の親子ヒグマです。ものすごく小さな子熊を連れて歩いていました。

知床半島のヒグマ Ezo-Brownbear Shiretoko 親子ヒグマ (7)

お母さん熊が草を食べながら斜面を登っていきます。そして追う2頭の子熊。

知床半島のヒグマ Ezo-Brownbear Shiretoko 親子ヒグマ (9)

やはり私たちの船を気になるのですね、ごめんなさい。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation :  Aug 2020, 知床半島

Special Thanks : 天神幸吉さま、森田将平(知床サライ)

知床半島・羅臼のヒグマ、カラフトマスを獲る

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (9)

8月下旬、知床半島にカラフトマスが押し寄せてきました。でも雨が少なく、川に水量がないと鮭たちは川を上れず、河口に近い海に集まっています。

そこに定置網を設置するのが羅臼の漁師、そして同じ場所で鮭を獲るのがヒグマ。この季節のヒグマは一番お腹を空かせていてやせ細っています。なかなか川に上ってこないカラフトマスを求めて、ヒグマも海に入ります。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (12)

知床半島のペキンノ鼻付近で見た、ヒグマの鮭狩りの様子です。なんと背後にはオジロワシが「早う獲れ!」とばかりに控えています。そしてこのヒグマは海へ・・・。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (6)

海に入るヒグマ。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (2)

何度も顔をつけて海の中のカラフトマスを探して泳ぎます。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (10)

メスのカラフトマスを捕まえました!

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (8)

筋子が溢れだしています。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (11)

泳ぎながら食べるのはしんどいので海岸へ。しばらくは私たちにお尻をむけてむしゃむしゃとカラフトマスを食べていました。メインの部分を食べ終わると、再び海へ。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (1)

すかさず、オジロワシが食べ残しを押さえました。そしてそれをカラスたちが狙っています。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (4)

一方、ヒグマの方は、カラフトマスを獲るのかと思えば、定置網のブイで遊び始めました。まだ子供らしい一面を残した若い個体です。見ているお客さまも胸キュンな瞬間でした。

知床半島 羅臼 ヒグマ ペキンの鼻 カラフトマス ヒグマ・フォト 知床サライ broen bear in Shiretoko (5)

やがて遊ぶのにも飽きて海岸へ。夏の終わりのヒグマのひと時です。

 

Photo : Mariko SAWADA, Kiyoshi AOKI  *These photos were taken during a tour in late August 2020.  Text : Mariko SAWADA

Special Thanks : 天神幸吉さま、森田将平(知床サライ)

知床半島のヒグマクルーズで見たワイルドライフ!

ヒグマ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ  知床サライ 西遊旅行 (4)

今年もヒグマシーズンがやってきました!カラフトマスが遡上するシーズンの知床、ヒグマも海岸で待ちわびているのです。そしてヒグマだけではなく釣り人も。

知床のヒグマクルーズで見た、ワイルドライフの紹介です。キタキツネは港で漁のおこぼれを狙う姿が見られました。海鳥はクルーズでも、岬付近もいい感じです。

ウミネコ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ (2)

ウミネコさんたち。町や港近くでは圧倒的にオオセグロカモメが多いですが、船で少し出るとウミネコの数がぐっと増えます。

キアシシギ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ (9)

海岸にいたキアシシギ。渡りの季節です。同時期の野付半島にはキアシシギ、トウネンがたくさんいました。

ウトウ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ 知床サライ 西遊旅行(7)

ウトウです。もう繁殖地は離れていますが、まだ嘴の付け根の突起がありました。

オジロワシ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ 知床サライ 西遊旅行 (8)

そして海側からとんできたオジロワシが獲っていたものは・・・ウトウです・・・。

ウミウ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ 知床サライ 西遊旅行 (3)

海岸の岩礁には多数のウミウが。

ヒグマ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ  知床サライ 西遊旅行(6)

知床半島の羅臼側、赤岩地区で見た雄のヒグマ。野花の中のパンダ熊(この模様の熊を、私たちはパンダ熊と呼んでいます)。

ヒグマ 知床半島 羅臼 ヒグマクルーズ  知床サライ 西遊旅行(5)

赤岩の、廃屋となった番屋の前を闊歩するヒグマ。かつてここに暮らしていた人によると、こんなにヒグマがいるとは知らなかったそうです。

人が住まなくなり、少しづつ知床半島がもとの姿にもどりつつある過程でしょうか。羅臼側は釣り人が半島に上陸したりトレッカーが岬まで歩くことができ、ヒグマとの距離感が難しい場所です。双方にとって良い、距離感・共生ができるといいのですが。

 

Photo & text :Mariko SAWADA * The photos were taken during the tour in late August 2020.

Special Thanks : 天神幸吉さま、森田将平(知床サライ)

(動画)初夏のキタキツネの親子(知床半島)

6月の北海道、知床半島。相泊から羅臼に向けて移動していると海岸をうろつくキタキツネの姿が。海岸の岩の隙間から魚を見つけ出しくわえて走り出しました。

知床半島・相泊のキタキツネ、子育ての季節|西遊旅行

6月はキタキツネの親は大忙しです。

キタキツネ 知床半島 子育て Ezo Red Fox Shiretoko Pninsula (1)

魚をくわえて走る親キツネ。

キタキツネ 知床半島 子育て Ezo Red Fox Shiretoko Pninsula (2)

帰ってきた親にお乳をねだる子ギツネ。

キタキツネ 知床半島 子育て Ezo Red Fox Shiretoko Pninsula (3)

キタキツネの子供の目はブルーグレー。

キタキツネ 知床半島 子育て Ezo Red Fox Shiretoko Pninsula (4)

正真正銘のモフモフです。2匹いたの子ギツネのうち1匹は忍耐強くこちらを見ていました。今年はコロナ自粛のため観光客がほとんど来ていなかったので、この子ギツネにとって写真を撮られるのは初めてかもしれません。

野付半島のキタキツネは道路で観光客を待っているなーと思うことがあるのですが(餌付けは絶対にやめてください)、知床半島の方ではキタキツネはもっとワイルドに感じます。

 

Photo / video & text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2020, 相泊・知床半島、北海道 Aidomari, Shiretoko Peninsula, Hokkaido

シモフリオオリス (3) Grizzled giant squirrel(ホートンプレインズ国立公園、スリランカ)

シモフリオオリス ホートンプレインズ (4)

ヌワラエリヤから高度をあげたどりついたホートンプレインズ国立公園 Horton Plains National Park。標高2,000mを越えるホートンプレインズ国立公園は草原・森があり、この地域だけの固有種も存在する大切な生態系の残された場所です。

シモフリオオリス ホートンプレインズ (2)

スリランカといえばシモフリオオリス。ここ、ホートンプレインズ国立公園のシモフリオオリスは色が黒いのです。セイロンメジロをおいかけて散策していたら「なんの音??」。シモフリオオリスが固い大きな実をかじる音でした。

シモフリオオリス Grizzled giant squirrel ホートン・プレインズ国立公園 Horton Plains National Park (1)

実を求めて木から木へと移動するシモフリオオリスです。

ホートン・プレインズ国立公園 Horton Plains National Park アカマングース (17)

今回の訪問で観察したその他の哺乳類は、アカマングース Ruddy Mongoose。この2頭は公園入口の建物付近を歩き回り、多くの観光客の注目を集めていました。このアカマングース、インドとスリランカの固有種です。

ホートン・プレインズ国立公園 Horton Plains National Park サンバー鹿 (7)

こちらはサンバー鹿。ホートンプレインズでは大きな群れと出会うこともあります。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2020, Horton Plains National Park, Sri Lanka

スリランカゾウ(ブンダラ国立公園、スリランカ)

スリランカゾウ セイロンゾウ Sri Lanka Elephant ブンダラ国立公園 Bundala National Park (2)

スリランカの海岸部にあるブンダラ国立公園 Bundala National Park。鳥の観察に来た国立公園ですが、スリランカゾウ Sri Lanka Elephant との素敵な遭遇がありました。

スリランカゾウ セイロンゾウ Sri Lanka Elephant ブンダラ国立公園 Bundala National Park (3)

立派なタスカー(牙ありゾウ)がやってきて、ジープ道で砂浴びを始めました。スリランカゾウ(セイロンゾウ)はアジアゾウの亜種でスリランカ固有のものとされています。ウダワラウェ国立公園、ヤーラ国立公園では観察できるチャンスは高いですが、ブンダラ国立公園で出会えるとは思っていませんでした。

スリランカゾウ セイロンゾウ Sri Lanka Elephant ブンダラ国立公園 Bundala National Park (4)

スリランカゾウが砂浴びを続け、その周りは通行できないジープがたまり始めました。少しゾウが草陰にはいったすきに私たちも移動。かなり近くで観察することができ大迫力。お客様も興奮されてました。

クロビタイセアカモズ Bay-backed Shrike ブンダラ国立公園 Bundala National Park (1)

この日、もうひとつのレアな出会いはクロビタイセアカモズ Bay-backed Shrike。”Birds of Sri Lanka”の本の一番最後にある”Vagrants to Sri Lanka” に載っている迷鳥。インドやパキスタン・ネパールで見られる鳥ですが、「最近スリランカでも見られるようになった」と報告のある鳥です。連れてきてくれたガイドによると、自分はこの場所の1羽しか知らないとのことでした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2020, Bundala National Park, Sri Lanka

シモフリオオリス (2) Grizzled giant squirrel(カウダラ国立公園、スリランカ)

シモフリオオリス Grizzled giant squirrel カウダラ国立公園 Kaudulla National Park (7)

シギリヤに近いカウダラ国立公園 (Kaudulla National Park)で観察したシモフリオオリス (Grizzled giant squirrel )です。

シモフリオオリス Grizzled giant squirrel カウダラ国立公園 Kaudulla National Park (2)

この日はスリランカゾウも野鳥も見たいということで、カウダラ国立公園で野鳥を見てその道中でスリランカゾウの群れとの遭遇を期待して出かけました。スリランカゾウは、ミンネリヤ国立公園、カウダラ国立公園、エコパークの間を水が多い場所を避けて移動していました。ほとんどの観光客はゾウのいるエコパークへ。カウダラ国立公園は私たちしかいませんでした。木が動いたので鳥かと思って振り返ると、いたのはシモフリオオリス。

シモフリオオリス Grizzled giant squirrel カウダラ国立公園 Kaudulla National Park (4)

初めて見たときはその大きさに驚きました。頭からしっぽまで60Cmを超えます。シモフリオオリスはスリランカと南インドのカルナータカ州、タミル・ナードゥ州、ケララ州の森に生息している、「スリランカ・南インド固有種」です。

シモフリオオリス Grizzled giant squirrel カウダラ国立公園 Kaudulla National Park (1)

葉をかじるシモフリオオリス。手が器用に動き、大変愛らしい動きをするシモフリオオリスです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2020 ,Kaudulla National Park, Sri Lanka

シロアシギツネ Indian Desert Fox(小カッチ湿地、インド)

シロアシギツネ、White-footed fox、Vulpes vulpes pusilla、小カッチ湿地、Little Rann of Kutch (2)

インドのグジャラート州、小カッチ湿地のサファリで出会ったシロアシギツネです。

シロアシギツネはアカギツネのたくさんいる亜種のうちのひとつ。インドには3亜種いるとされ、そのうちのラジャスタン州のタール砂漠とグジャラート州のカッチ湿地に生息するのがシロアシギツネです。英語ではWhite-footed foxIndian desert foxと呼ばれ、学名は Vulpes vulpes pusilla

シロアシギツネ、White-footed fox、Vulpes vulpes pusilla、小カッチ湿地、Little Rann of Kutch (1)

グジャラートの小カッチ、Little Rann of Kutchの午後のサファリで、巣穴から出て寝ているシロアシギツネを見つけました。

シロアシギツネ、White-footed fox、Vulpes vulpes pusilla、小カッチ湿地、Little Rann of Kutch (3)

もう夕方、巣穴の周りでウトウトしたり、毛づくろいしたり。

シロアシギツネ、White-footed fox、Vulpes vulpes pusilla、小カッチ湿地、Little Rann of Kutch (4)

ようやく起き上がりました。もしかして狩りにお出かけ?などと勝手な期待を持ちながら観察していましたが、もう日没(冬の日は短い!)。巣穴をあとにしました。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2019, Little Rann of Kutch, Gujarat, India

★インドでのサファリ/野生動物撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます★

サハラ砂漠のフェネック Fennec(チャド)

フェネック Fennec チャド Tchad (2)

ハルマッタンの熱い風が吹くチャド。かつては川が流れていたというバハル・エル・ガゼル Bahr el Ghazalの北にある砂漠でフェネック(アラビア語でFoxの意味)のかわいい姿を見ることができました。

フェネック Fennec チャド Tchad (7)

フェネックはサハラ砂漠で見られる犬科最少の動物。キツネ属に属し、フェネックギツネともよばれ、実際にその姿も耳の大きな小型キツネ。
体長は40Cmほどですが、耳は15Cm。その大きな耳は放熱の役割をするうえ、強力な聴力で獲物の動きを察することができるそうです。毛皮は強い日差しをさえぎって体を守り、熱い砂の上を歩けるように足の裏も毛で覆われ、毛の色は砂漠と同じ保護色。さらには熱さに対応した腎機能も備え、乾燥と灼熱のサハラで暮らすことに見事に適応した動物です。

フェネック Fennec チャド Tchad (4)

「砂色」の毛皮をまとったフェネック、当然見つけるのは楽ではなく、砂漠の移動中に見かけたときは、いつも走って逃げる“うしろ姿”。今回は偶然にもキャンプ地のそばに巣穴があり、近くで観察することができました。

フェネック Fennec チャド Tchad (3)

夜行性で砂に巣穴を掘ってくらします。夜間に、虫や小動物を捕食するため、朝、夕方に巣穴付近で活動する姿をみかけました。この巣穴、入り口は小さいですが細長く、奥は10mほど続いているとのこと。

フェネック Fennec チャド Tchad (6)

日本でもペットとして飼育されているフェネック。調べていて、そのペットとして愛くるしい姿の写真や、かわいくてたまらないという飼い主の方のコメントもたくさん拝見しました。でも、サハラの大自然の中で見る、フェネックのたくましさ、美しさも格別です!

チャド Tchad バハル・エル・ガゼル Bahr el Ghazal (2)

フェネックの巣のあった砂漠の近くでのキャンプ。4月のチャドは、それはそれは猛暑。本当に夜が待ち遠しいものです。

チャド Tchad バハル・エル・ガゼル Bahr el Ghazal (1)

翌朝、再びフェネックと出会えないか巣の近くへ行ってみましたが、出会えませんでした。そしてチャドの首都ンジャメナを目指します。途中出会った、リビアからサハラを越えてきた人々のトラック。ここでは人もたくましい!

※この記事は2011年6月のブログ「African Dream」の記事をリニューアルしたものです。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : April 2011, Bahr el Ghazal , Tchad

Special thanks to Tambola, Ousmane & Togoi – SVS