カテゴリー別アーカイブ: ■動物を観察した地域・国

知床半島のヒグマ(2) ヒグマの親子

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (17)

知床半島、羅臼側の海岸で観察したヒグマの親子です。知床岬の方へ船を進めていた時、海岸を歩く親子グマ、海岸で何かをほじくって食べている3頭のヒグマを発見。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (19)

それにしてもこの親子グマ、模様が「パンダ」のよう。知床半島のクマは、その色や模様に個体差が大きく、パンダ柄、白っぽい子、黒っぽい子、首元に「ツキノワ」のある子など、様々なんだそうです。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (20)

お母さんクマのあとをついて歩く子グマ。この親子が歩く方向の海岸で何かを食べていたヒグマは、この親子の存在に気が付くと山の斜面を駆け上っていきます。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (22)

よじ登った崖の上から親子ヒグマが通過するのを待つヒグマ。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (21)

上に逃げたヒグマ、下に海岸を歩く親子グマ。ヒグマは私たちのボートが近づいてもさほど気にしないのですが、それがクマ同士となると話は別。距離が必要なようです。また、ヒグマによってはボートが近づくのが嫌いな子もいるそうです。

知床半島 オジロワシ White-tailed Eagle (1)

海岸にはカラフトマスを狙ってオジロワシ White-tailed Eagle も来ていました。

知床半島 オジロワシ White-tailed Eagle (2)

攻撃的なオジロワシたちです・・。

Photo & Text  : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Aug 2016, 羅臼町<知床半島> – 北海道

Reference – 知床らうすリンクル *8月24日に羅臼で起こった土砂災害の際には皆様に大変お世話になりました。深く御礼申し上げます。

 

知床半島のヒグマ(1)

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (10)

知床半島のヒグマたちの観察記録です。知床半島の羅臼側では瀬渡し船で海岸にやってくるヒグマたちを観察できます。ツアーでは夕方までのチャーター船でたっぷりとヒグマたちを観察しました。

羅臼から車で相泊港へ。ここから瀬渡し船に乗り海岸にそって半島を北上します。海岸は岩場が続き、山がそのまま海に落ちているような場所もあれば、砂利のビーチになっている場所が何か所もあります。そういった場所には番屋があり、昆布漁やマス漁が行われる7~9月始めまで漁師さんたちが寝泊まりをして作業をします。最盛期の昭和40年代には50軒もの番屋があったそうです。

半島から川が流れ出る場所には遡上を待つカラフトマスが集まり、それを狙ったヒグマが現れます。ペキンの鼻の海岸でガイドさんが「シロ」と呼ぶヒグマがいました。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (1)

海岸の浅瀬でカラフトマスを捕まえたヒグマ。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (5)

あっという間に一匹たいらげて、口から魚の尻尾をぶらさげて歩くヒグマ。かわいいです。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (7)

この時期のヒグマは一番痩せています。それでもこの子はかなりスリム。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (8)

水の中のカラフトマスを見ています。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (9)

一生懸命カラフトマスを追いかけています。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (11)

捕まえたと思ったら、失敗。「え?」みたいな顔のヒグマ。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (10)

ようやくカラフトマスを捕まえました。水から出て茂みの中へ行ってしまいました。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (6)

再び海岸に現れたら、何やら不機嫌。しばらく海岸を歩いた後、海の中へ入っていきました。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (2)

海に入ったヒグマ。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (12)

顔に海藻がついたヒグマ。漁師さんのカラフトマスの網のあたりに泳いでいきます。

知床半島 カラフトマス

網の中にはたくさんのカラフトマスが入っていました。

羅臼 知床半島 ヒグマ Ezo Brown Bear (14)

カラフトマスを捕まえました。お腹からはイクラが・・・。

Photo & Text  : Mariko SAWADA

Observation : Aug 2016, 羅臼町<知床半島> – 北海道

Reference – 知床らうすリンクル *8月24日に羅臼で起こった土砂災害の際には皆様に大変お世話になりました。深く御礼申し上げます。

 

冬の道東 雪裡川のねぐらへ帰るタンチョウ(鶴居村)

ねぐらへ向かうタンチョウ Red-crowned Crane (2)

2月の鶴居村のタンチョウです。鶴たちは夕方、凍らない”雪裡川”のねぐらへと帰っていきます。連なって夕方の空を飛ぶタンチョウの美しいこと・・・。

ねぐらへ向かうタンチョウ Red-crowned Crane (7)

夏の間は湿原に縄張りを持って夫婦(家族)単位で暮らすタンチョウですが、冬は一緒に餌を食べ、一緒に空を飛びます。高台への道から雪裡川へと帰っていくタンチョウの姿を待ちました。

ねぐらへ向かうタンチョウ Red-crowned Crane (6)

ねぐらへ向かうタンチョウ

ねぐらへ向かうタンチョウ Red-crowned Crane (10)

夕日の中を飛んでいきます。

オオハクチョウ

タンチョウを待っていたらオオハクチョウも飛んできました!

ねぐらへ向かうタンチョウ Red-crowned Crane (14)

空が暗くなり始め、気温もずいぶん下がりました。

ねぐらへ向かうタンチョウ Red-crowned Crane (13)

夕焼けの中を飛ぶタンチョウを、日没まで見送りました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Feb 2016 , 鶴居村 – 北海道

Reference : 北海道野鳥ハンディガイド(北海道新聞社)、Faura No.26特集タンチョウ

 

冬の道東 エゾフクロウ Ural Owl

エゾフクロウ Ural Owl (2)

2月に道東の鶴居村・標茶町を訪問したときに観察したエゾフクロウ(フクロウの亜種)です。冬のねぐらにしている木にいました。

フクロウ Ural Owlはスカンジナビアから東アジアにかけての広大な地域に分布するフクロウで、アジアでは中国の東北部、北朝鮮、サハリン、そして日本では北海道から九州にかけて分布するそうです。

エゾフクロウ Ural Owl (1)

北海道の亜種エゾフクロウは、フクロウの中でも最も白っぽい羽色をしています。

エゾフクロウ Ural Owl (3)

森の中の止まり木にいたエゾフクロウの夫婦。ねぐらにいなかったので探していたら、真後ろの木の上にいました。時々薄目を開けてこちらを見ているようです。ふくろうは雄と雌の見分けがつきにくいのですが、メスの方が少し大きいことが多いです。

エゾフクロウ Ural Owl (4)

ハート型の顔盤がかわいい、エゾフクロウです。夏に同じ場所へ行きましたがいませんでした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2016 , 鶴居村、標茶町 – 北海道

Reference : 北海道野鳥ハンディガイド(北海道新聞社)、Faura No.26特集タンチョウ、Helm Field Guides “Bird of East Asia”

 

道東の冬 タンチョウ・オオハクチョウ・エゾフクロウ(鶴居村・標茶町)

タンチョウ Red-crowned Crane 釧路湿原 (7)

2月半ばに訪れた道東の鶴居村、標茶町で出会ったワイルドライフの記録です。

2月の鶴居村はたくさんの観光客(特に中国の団体客がすごいですね!)でにぎわいます。その目的はタンチョウ。大きなレンズで撮影する、その先にあるのは本当に美しいタンチョウの姿。早朝の音羽橋に始まり、給餌場、阿寒国際ツルセンターの給餌タイム、そして夕方の飛翔ポイントまでタンチョウのあらゆる姿を楽しむことができます。

タンチョウ Red-crowned Crane 釧路湿原 (6)

とうもろこし畑にたくさんのタンチョウが来ていました。給餌による保護が実り、1400羽を越えるようになったタンチョウ。タンチョウは漢字で「丹頂」と書きます。「頭=頂」が「赤い=丹」という意味で、英語名も Red-crowned Crane。

タンチョウ Red-crowned Crane 釧路湿原 (8)

タンチョウの親子が飛んできました。

オオハクチョウWhooper Swan 1

タンチョウだけでなくオオハクチョウ Whooper Swan の親子も畑にやってきました。

オオハクチョウ Whooper Swan 2

オオハクチョウの親子の飛翔

鶴居村から標茶町にかけての森ではエゾシカやキタキツネたち、野鳥と出会うチャンスも。

アカゲラ Great Spotted Woodpecker

アカゲラ Great Spotted Woodpecker

エゾシカ Ezo sika deer

林の向こうからこちらを見ていたエゾシカ Ezo sika Deer

エゾフクロウ Ural Owl 釧路湿原

冬の方が観察しやすいエゾフクロウ Ural Owl

キタキツネ Ezo red fox

雪原を走っていたキタキツネ Ezo Red Fox。 冬のキタキツネはモコモコしてとてもかわいいです。(夏もかわいいですが)

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Feb 2016 , 鶴居村、標茶町 – 北海道

ハシブトウミガラス Brunnich’s Guillemot – ベーリング海・チュクチ海(極東ロシア)

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (9)ベーリング海、チュクチ海沿岸で出会ったハシブトウミガラス Brunnich’s Guillemotの観察記録です。冬の北日本にもやってくるそうですが、ベーリング海、チュクチ海の沿岸にある断崖は夏になるとハシブトウミガラスの巨大な営巣地となります。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (11)

これはチュクチ海のコリューチン島の断崖です。夏の2~4か月の繁殖期のみ断崖にいて、それ以外の季節は海で暮らします。海で暮らすというのは、海に浮いているか、飛んでいるかということで、ハシブトウミガラスは小魚やエビを捕食し、陸地のもの(虫や木の実)は食べません。夏の繁殖シーズンが終わるとこの断崖は空っぽになり、また翌年同じ個体が戻ってきて営巣します。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (10)

断崖の営巣地です。ハシブトウミガラスとウミガラスがまざっています。この2種は営巣地も飛ぶ時も一緒にいることが多いです。遠目で見分けるのは難しいですが、夏のハシブトウミガラスのくちばしの喉の方に白いラインが入るのが特徴で、体の色もウミガラスよりもより黒っぽいです。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (12)

巣をよく見ていたら雛が見えました。この雛の巣立ちは、ここから飛びたつのではなく、まず海に落ちて泳ぐところから始まり、それをオスが面倒を見ます。ダイブして餌の魚を捕って教え、2~3週間で飛べるようになるそうです。メスはオスが海で養育中も巣に残り、この営巣地を去るギリギリまで「ここは私の場所」であることを主張し、次の年にもここへ戻ってきます。断崖の場所争いは熾烈だそうです。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (2)

ハシブトウミガラスの足は体の下の方についており、これは泳ぐのに適しているのだそうです。ダイブして魚やエビを捕まえるのに50~60mの深さまで潜りますが、泳ぐのには足を使わず羽で泳ぎます。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (1)

群れを作って飛んでいるハシブトウミガラス、そのうちの何匹かは魚を縦に銜えています。これはハシブトウミガラス、ウミガラスの写真の楽しみのひとつです。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (8)

そしてもうひとつの写真の楽しみが断崖から羽と足を広げて降りてくるハシブトウミガラスの格好。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (4)

ハシブトウミガラスは断崖からふわりと海に落ちてきて、海から助走をつけて羽ばたいて飛び立ちます。

ハシブトウミガラス Brunnich's Guillemot Thick-billed Murre ベーリング海 (5)

ハシブトウミガラスのこの格好が、愛らしくてたまりません。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2016 , Kolyuchin Island, West coast of Wrangel Island – Russia Far east

Reference :  Samuel Blanc, Helm Field Guides “Birds of East Asia”, A complete guide to Arctic Wildlife (Richard Sale)

セイウチを食べるホッキョクグマ ウランゲリ島(極東ロシア)

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (10)

ロシア北東チュクチ海、ウランゲリ島東部からヘラルド島へ向かう途中の朝7時ごろ、朝ごはん中のシロクマたちと出会いました。初めは7頭くらいかと思っていましたが、周囲には20頭ほどのホッキョクグマが肉の匂いに集まっていました。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (7)

ホッキョクグマたちが食べていたのはセイウチです。2016年のウランゲリ島付近は氷が多く、ホッキョクグマもセイウチも氷があるうちは氷の上で暮らし、溶けてなくなると島へ上陸します。

ホッキョクグマにとって、セイウチのハンティングはリスクが高いのであまり行わないとのこと。なので、今食べているセイウチも狩りより、既に死んでいたか弱っていた個体だろうとのことでした。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (8)

ホッキョクグマは社交的な動物で、ここに集まっているクマは家族というわけではなく、一緒に食べることができます。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (6)

左の黄色っぽいクマは、ホッキョクグマのファイバー状の中空の毛に藻類が入り色がついたもので、一般的に年をとったホッキョクグマほど黄色っぽく、若いクマほどより白いそうです。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (2)

仲良く食べているのかと思っていましたが、あとから来たクマに威嚇しています・・・

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (4)

セイウチを独り占めしたいホッキョクグマ

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (9)

お腹がいっぱいになったクマたちは泳いで別の氷へ移動していきます。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (5)

こちらは次にセイウチに近づこうとしているクマでしょうか。

ウランゲリ島 ホッキョグマ セイウチ Wrangel Island Polar Bear (1)

周りにはまだまだホッキョクグマたちが待っていました。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2016 , East of Wrangel Island – Russian Far east

Reference :  Katya Ovsyanikova

 

ホッキョクグマの親子 ウランゲリ島(極東ロシア)

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (8)

チュクチ海のウランゲリ島周辺でホッキョクグマの親子と出会いました。

ウランゲリ島 Wrangel Islandはロシアの北東部チュクチ海にある大きな島。東西100キロ、南北80キロありその形は「眠っているホッキョクグマの子供」のようです。

ウランゲリ島は1867年に初めてヨーロッパ人が上陸し「発見」した島で、1900年代初めは「探索」の名目でアメリカとロシアがその領土権を争いましたが1911年にロシアが領土宣言し、1926年には居住地を作りました。一時は島の開発も検討され集落が作られ、アメリカとの緊張が高まると軍事基地が置かれましたが、現在はそのほとんどが廃墟。

1976年に自然保護区となり、1997年に島の周囲12海里が海洋保護区に、2004年にはユネスコの自然世界遺産に登録されました。

2016年8月のウランゲリ島周辺は、氷が多く、ホッキョクグマたちはまだ島には上陸せずほとんどが氷の上で暮らしていました。夜21時、ホッキョクグマの親子を見つけました。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (6)

2頭の小熊をつれたホッキョクグマ。お母さんクマが船を気にしながら歩いています。ホッキョクグマの繁殖地であり、「ホッキョクグマ揺籃の地」と言われるウランゲリ島でさえ、そのデン(巣穴)の数は1990年代の調査から4分の一ほどまで減り、減少が心配されています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (4)

小熊も船を見上げています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (9)

氷の向こう側へ行ってしまいました。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (2)

再び姿を現し、お母さん熊が様子をうかがっています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (3)

小熊たちも姿を現しました。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (12)

氷の上から船が遠ざかるのを見ています。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (14)

夜21時30分、暗くなり、霧も出てきました。ホッキョクグマの親子にお別れです。

ウランゲリ島 ホッキョクグマの親子 Wrangel Island Polar Bear (15)

霧と氷の中に消えていきました。

Photo & Text  :  Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation :  Aug 2016 , East of Wrangel Island – Russian Far east

ルリムネハチクイBlue-breasted Bee-eater (エリトリア)

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (7)

エリトリアの首都アスマラ郊外の水辺で出会った、ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater。

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater はアフリカのハチクイで、地域により個体差があり、エリトリア、エチオピアの500~2,000mの林に暮らす種は、他の地域のものよりも少し大きく、額の青いライン、胸の茶色がよりくっきりしているそうです。

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (2)

英名のBlue-breasted (ルリムネ)はちょっとわかりにくい名前で、実は青いのは胸ではなく喉で、色も青かったり、個体によっては紫っぽかったり、黒っぽかったりするそうです。また幼鳥は喉が青くありません。

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (1)

ルリムネハチクイを観察していたら、そのうち飛んで林の方へ。そこで見たのは、ひっついて枝にとまっていた10羽のルリムネハチクイたち。

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (10)

これは、たまらない、光景。ずーっと見てると、右の鳥が一度飛びったって左側に移動したり、入れ替わりが行われたりもしていました。

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (3)

時間は夕方5時、そろそろ暗くなり始めた頃でした。みんなで飛び立つ様子もありません。夜はこうやって集まって寝るのでしょうと、とガイドさん。きっとお気に入りの「枝」があるんでしょうね!

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (9)

ずっと停まっていてくれるので、三脚をたてて細部を見ることができました。ひたいの青色、喉元の青・紫色のバンド、完璧です!

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (8)

寝る準備をしているのでしょうが、目はパッチリ。

ルリムネハチクイ Blue-breasted Bee-eater エリトリア (6)

暗くなるまで観察させていただきました。集団で枝にとまって寝るルリムネハチクイ、感激ものです。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Dec 2015 ,Suburb of Asmara, Eritrea

Reference : Helm Field Guide “Horn of Africa”, Wikipedia(EN)

★エリトリアは560種以上の「アフリカの角」の野鳥が観察出来る国。紅海の海抜0mから標高3,000m以上の高原まで変化に飛んだバードウォッチングが楽しめる場所です。個人旅行・グループ旅行の手配についてはお気軽に、担当までお問い合わせください。

↓↓↓ ツアー情報★エリトリアを訪問するコース(これはバードウォッチングのコースではありませんが、各地でたくさんの野鳥と出会うチャンスがあります)↓↓↓

知られざるアフリカの角 エリトリア
アクスム王国の遺跡から紅海のダラク諸島、ブリ半島まで

キガシラセキレイ Citrine Wagtail(デオサイ高原、パキスタン)

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (3)

夏のパキスタン、デオサイ高原で出会ったキガシラセキレイ Citrine Wagtail。 繁殖羽のオスは黄色い頭と黒い翼のコントラストが美しく、花咲き乱れる高原を飛ぶ姿をあちこちで見かけました。

> デオサイ高原についてはこちら

デオサイ高原 パキスタン バラパニ(5)

パキスタンのキガシラセキレイは夏の繁殖期は北部山岳地帯、ヒマラヤの川沿いや湖沼地帯で過ごし、冬は南のインダス平野部に渡り越冬します。写真はデオサイ高原のバラパニ付近(標高4,000m)。キャンプ地に近い河原でキガシラセキレイたちを観察することができました。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (9)

河原に現れた繁殖羽のキガシラセキレイのオス。頭の毛が濡れています。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (7)

繁殖期のオスは黄色い頭、メスは薄い黄色い色をしていますが、幼鳥や、1年目の若鳥は灰色の体をしています。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (8)

キガシラセキレイの若鳥

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (5)

キガシラセキレイの若鳥、河原の石の間の虫を捕まえていました。

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (20)

繁殖羽のオス

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (13)

虫を捕食

キガシラセキレイ Citrine Wagtail デオサイ高原 (18)

緑の草原のキガシラセキレイ

デオサイ高原 パキスタン (2)

満月の夜でした。バラパニのキャンプ地の光景です。標高4,000m、透きとおる、冷たい空気の夜。

デオサイ高原 パキスタン (3)

朝、霜が降りていました。7月でも十分な防寒が必要です。

デオサイ高原 パキスタン (4)

霜が降りて、キラキラ光る草原。日が昇って氷が解けるまでの、ほんの短い時間だけの輝きです。

デオサイ高原 パキスタン ナンガパルバット

快晴のデオサイ高原、バラパニから東にハイキングに出かけると、途中の丘からは世界第9位峰のナンガパルバット 8,125mが姿を現しました。大きなヒマラヤの「山塊」の頂上まできれいに見えました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jul 2016 , Deosai National Park – Pakistan

Reference : Helm Field Guide “Birds of Pakistan”, Wikipedia(EN) (JP)