カテゴリー別アーカイブ: ◇ インド India

インドの森のドール(アカオオカミ) (2)

ペンチ国立公園 ドール (1)

インドのペンチ国立公園で出会ったドール(アカオオカミ)の家族のレポートです。

昨年、同じペンチ国立公園でも観察できたドールですが、今年は4回のサファリ中、4回ともドールを観察することができました。サファリのスタッフによると、「増えている」と。森の開発により生息地を奪われ、かつては「駆除」対象であったドールの家族の姿をたっぷり観察できました。

>>インドの森のドール(アカオオカミ)(1) はこちら

ペンチのドール

暑い日中は寝て過ごします。

ペンチ国立公園 ドール (2)

夕方、気温が下がるころに動き始めました。

ペンチ国立公園 ドール (4)

ベンガルトラがこないかな、と待っていた水場にドールの家族がやってきました。お母さんと子どもたちです。子供たちは水の中に飛び込みます。

ペンチ国立公園 ドール (5)

頭を振って、水遊びするドールの子供たち!

ペンチ国立公園 ドール (8)

お母さんがちょっと怒ったのでしょうか。

ペンチ国立公園 ドール (10)

ドールファミリーみんなで水遊びです。ひとしきり遊んだあと、再び森へと消えていきました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2016 , Pench National Park, Madhya Pradesh, India

★ベンガルトラのツアーを随時発表しています。西遊旅行の野生動物ツアー一覧からチェック!

★トラのサファリ予約は国立公園の事前予約が必要です。観察チャンスが高く人気のある国立公園ではかなり早くから予約が埋まります。ご検討の方はお早めにご相談ください。

★インドでのサファリ/野生動物撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます。

ベンガルトラと出会う! ペンチ国立公園(1)

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (15)

4月下旬、インド中央部ペンチ国立公園で出会ったベンガルトラのサイティングです。

午後のサファリは3時からスタートしますが、暑すぎるため、気温が下がりトラが活動し始める時間まで待たなくてはなりません。でも、暑い日にはトラは早めに水場にやってきて「水浴」する姿も見られます。

12~13歳のライヤカサと呼ばれるペンチ国立公園で最大の雄が水に入っていました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (1)

水を飲んで舌なめずりをしています。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (2)

そしてそばには、先ほどしとめたと思われるサンバー鹿の死体がありました。水辺には、トラがサンバーを食べるのを見ようとたくさんのジープが集まりました。サファリ終了の18時30分ギリギリまで待ちましたがトラは動きませんでした。

翌朝、サファリの開始とともに同じ水場にやってきましたが、サンバー鹿の死体もトラの姿もありません。トラは夜の間にサンバー鹿を運んでしまっていました。残念。でも、大きな鹿でしたからこの近くにいるはずです。そう思い、待ちました。

ボネリークマタカ

待っている間にちょっとバードウォッチング。ボネリークマタカ Bonelli’s eagle です。

インドハッカ

インドハッカ Common Myna がトカゲを捕食。なんども地面にぶつけて殺し、大変残酷な食べ方でした。そして、待つこと1時間、トラの登場です。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (4)

林の向こうからトラの姿が。水辺に近い林に獲物を運んで食べていました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (7)

こっちに近づいて来ました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (8)

お腹いっぱい・・・、ペンチの森最大の雄の貫録です。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (11)

水辺へと下ってきます。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (13)

そして、水には後ろ足から入っていきます。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (14)

朝の沐浴。水辺はたくさんのジープが集まり、カメラのシャッター音がなり続ける中、こちらをじーっと見ていました。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (9)

間もなく水から出て林へ。気温が上がり始め、もう寝る時間です。後ろ足の肉球がかわいらしい、パグマークそのまんまです。

ペンチ国立公園 ベンガルタイガー (16)

ペンチの森へと消えていきました・・・

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2016 , Pench National Park, Madhya Pradesh, India

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カンムリワシ Crested Serpent Eagle(ペンチ国立公園、インド)  

Crested Swerpent Eagle カンムリワシ (6)

インドのペンチ国立公園のサファリで観察したカンムリワシCrested Serpent Eagle の記録です。

カンムリワシはインドに広く分布し、英語名に「冠」と「蛇」がつく通り、「冠羽」があり、蛇をよく捕食するのが特徴の鷲です。ちょうどその2つの特徴がばっちり見れたサイティングでした。

Crested Swerpent Eagle カンムリワシ (7)

木の上から「獲物」を狙うカンムリワシ。白い点々模様があるのも特徴です。飛び立ったと思った次の瞬間、もう蛇を捕まえていました。

Crested Swerpent Eagle カンムリワシ (1)

その獲物を狙ってもう1羽のカンムリワシが登場。バトルが始まりました。

Crested Swerpent Eagle カンムリワシ (3)

戦いがエスカレートしていきます。

Crested Swerpent Eagle カンムリワシ (2)

お腹に蹴りが入りましたが、蛇を捕まえた方もものすごい威嚇です。かなわないと思ったのか、あきらめて離れていきました。

ペンチ国立公園へはベンガルトラの観察でやってきましたが、カンムリワシに大興奮、まさにワイルドライフ!

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2016  Pench National Park, Madhya Pradesh, India

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インドヤイロチョウ Indian Pitta(バンダウガル国立公園、インド)

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インド中央部、バンダウガル国立公園で観察したインドヤイロチョウ Indian Pitta。

インドヤイロチョウはインド亜大陸に暮らすヤイロチョウ科の鳥。冬は南インドとスリランカに、夏はインド中央部からヒマラヤ山麓の森にやってきて繁殖します。インド中央部・北部でサファリをしていると「夏の訪れを告げる鳥」として、バードウォッチャーだけでなくタイガーフォトグラファーにも愛されている小鳥です。

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とっても鮮やかで、体の割に足は長め、短い尾を持ちます。

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飛ぶと羽に白い模様が。

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インドヤイロチョウはとてもシャイな小鳥で、声はするけど見るのは簡単ではありません。バンダウガル国立公園で見たときは、サファリルートにたくさんの毛虫が落ちてきていて、それを捕まえに地面へと降りていました。

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背中はきれいな緑~青色。ヤイロチョウの名の通り、鮮やかな色どりです。

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後ろ姿、真っ赤なお尻があまりにかわいらしい。

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片足あげています・・・。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2016 , Bandhavgarh National Park, Madhya Pradesh, India

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ランタンボールのベンガルトラ -2「T-25 子育てをしたオストラ」(インド)

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (12)

ランタンボール国立公園のベンガルタイガー、T-25 Dollarダラーメイル(別名Zalimザリーム)のサイティング・レポートです。
母トラから離れ自分のなわばりを持って独り立ちしたころ、T-25は人間が嫌いで、ご機嫌が悪いと車を追いかけたりしていたといいます。また、縄張りを拡張するために他のトラのテリトリーまで奪いにいく獰猛さでしられ、ヒンディ語で「ひどく悪い」という意味のZalim ザリームという名前がつけられていました。

そんなT-25がトラ関係者を驚かせる行動がありました。
2011年、T-25が2匹の子トラを連れて歩いている光景が見られました。T-25の2匹の子トラ Bina-1とBina-2です。母トラのT-5が病気のために死んだ後、父トラのT-25が2匹の子供の面倒を見ていたのです。他のトラから子供たちを守るだけではなく、しとめた獲物を与え、訓練をし、母トラとしての役割をしているのが観察されました。このころから、T-25は以前のように獰猛ではなくなったといいます。彼の呼び名も ZalimからDollarにかわりました。なぜDollar?それは体の右側のお腹のあたりにドルマーク$のようなものがあるからです。父トラが2匹の子トラを連れて歩く姿は多くのカメラマンやインドのトラ関係者を夢中にさせました。

その後、T-25はT-17との間に生まれた3匹の子トラをT-17が行方不明になった後、再び面倒を見て成長させた記録があります。1度だけでなく2度も、です。

この日は気温が高く、午後のサファリがスタートしてもアラームコール(鹿やサルの警戒音)もなく、トラを見つけることができませんでした。ガイド氏と相談し、朝のサファリのときにT-25が最後に目撃された場所に一番近い水場で待とう、ということになりました。
この季節、トラは朝8時くらいには活動をやめ、寝る場所を探し、夕方5時ころの気温が下がり始めたころに起きて水場にやってくることが多いのです。

この日のサイティングはまさにシナリオ通りでした。5時過ぎ、気温が下がり始め森の鳥たちも活動を開始。そしてアクシスジカのアラームコール、鹿の群れの逃げる足音・・・・、木々の向こうからT-25が現れました。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (2)

私たちのサファリカー以外にも3台ほどが同様に待っており、大きなレンズのカメラマンさんたちが。響き渡るシャッター音。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (3)

T-25の登場です。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (4)

木にオシッコかけて縄張りを主張。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (6)

T-25はまっすぐサファリ道の真横にある水場へ入ってきました。かつては人間が嫌いで・・・とは思えないほどの至近距離で。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (8)

水場にやってきたT-25。この角度でトラを見ることはあまりありません。「トラの模様ってこうなってるんだ・・・」 力強い前足、トラ好きにはたまりません!

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (9)

今度は水の中に入って体を冷やします。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (10)

この角度から見るベンガルトラの美しいこと!

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (12)

カメラマンさんたちのシャッター音が気になるか、お耳がくりくり動きます。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (13)

ひとしきりの水浴びを楽しむとゆっくり歩き始めました。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (14)

T-25が動くとツーリストとカメラマンさんをのせたサファリカーも一斉にスタート。このころにはサファリカーの数は20台近くにになっていました。

ランタンボール ベンガルトラ T-25 Bengal Tiger Ranthambore (1)

やがて山の斜面へと移り、T-25の姿は見えなくなりました。

なんてステキなベンガルタイガーとの時間だったことでしょう!このサイティングに導いてくれたガイド氏とハイタッチ。これまでで最高のサイティングといえるT-25との遭遇でした。本当に感謝です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Apr 2013,  Ranthambore National Park, Rajasthan, India

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ランタンボールのベンガルトラ -1「T-19 クリシュナ」(インド)

ランタンボール ベンガルトラ T-19 Bengal Tiger Ranthambore (9)

ランタンボール国立公園にはいくつかのサファリゾーンがありますが、最も豊かで美しい環境をもつのが「レイクエリア」。公園の入り口から中世の遺跡が続き、再生した森が覆い映画のセットのような景色が始まります。湖畔にはたくさんの動物が集まります。サンバーにアクシスジカ、たくさんの水鳥、そしてヌマワニ。ベンガルトラの存在がなくても、その光景の美しさに、訪れるたびに感動させられる場所です。

ランタンボール国立公園レイクエリア

かつての藩主の狩猟小屋。今は森に飲み込まれています。

ランタンボール ベンガルトラ T-19 Bengal Tiger Ranthambore (5)

湖畔にはアクシスジカやサンバーの群れが集まります。広いランランボール国立公園の中でもこのレイクエリアを縄張りに持つトラは一番幸せかもしれません。

長い間、このレイクエリアをテリトリーとし「ランタンボールの女王」と呼ばれたT-16 Machhali マチュリーというメスのトラがいました。マチュリーはその強さでオストラから子供たちを守り、たくさんの子孫を残し、そしてツーリストを嫌うことなくその姿を現し、多くのドキュメンタリーや写真集に登場したトラです。(彼女は2016年8月18日、19年の生涯を終わりました。野性のトラの寿命は14~15年とされており、19年は野性としては最長ではないかと言われています。)

現在のレイクエリアはマチュリーの娘、T-19 Krishna クリシュナのテリトリーです。T-19クリシュナは2006年の夏に生まれたマチュリーの3匹のメスの子供のうちの一匹。姉妹のT-17,T-18にくらべとてもシャイだったそうですが、今ではマチュリーのテリトリーをひきつぐ「レイクエリアの女王」になりました。(T-17はその後2012年に死亡、T-18はサリスカトラ保護区へ移されました)

ランタンボール ベンガルトラ T-19 Bengal Tiger Ranthambore (1)

水の中で涼むT-19を発見。4月の午後4時頃でした。

ランタンボール ベンガルトラ T-19 Bengal Tiger Ranthambore (9)

美しいT-19 まさにクリシュナ。クリシュナはヒンドゥーの神様で、色男・愛・美・優しさを象徴する神様。そう、男の神様なのですが。

ランタンボール ベンガルトラ T-19 Bengal Tiger Ranthambore (4)

水から出たら草陰へ。

ランタンボール ベンガルトラ T-19 Bengal Tiger Ranthambore (6)

まだ暑い時間帯です、眠りについてしまいました。

ランタンボール ベンガルトラ T-19 Bengal Tiger Ranthambore (8)

湖の反対側から見ると・・・カンター(大型のオープン・サファリカー)のツーリストにはトラは見えないけど、T-19は見ていました。

2014年の春、クリシュナは4匹の子供に恵まれました。ランタンボールのレイクエリアはその親子の姿を追うテレビ取材やカメラマンさんでいっぱい。あまりにもの人気ぶりに、「トラの子育てによくない」ということで一時このゾーンの入域制限が設けられたほどです。

まずは、子トラたちの無事な成長を祈り、次のシーズンには成長した姿が見られますように・・・

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Apr 2013,  Ranthambore National Park, Rajasthan, India

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インド ハリヤナ州の自然 スルタンプール国立公園の野鳥(2)Sultanpur National Park

●Indian Courser インドスナバシリ007A8173

スルタンプール国立公園はグルガオンにも近い、「身近な自然」。グルガオンのあるハリヤナ州は、開発により大きなビルやマンションの建築が進むそのすぐそばに、野鳥たちが集まる農村の畑や自然が、わずかながら残されています。

>>スルタンプール国立公園についてはこちら

3月に訪れたスルタンプールの森で出合った野鳥たちです。

●Spotted Owlet インドコキンメフクロウ (1)

インドコキンメフクロウ  Spotted Owlet。スルタンプール国立公園の入り口付近の木にいました。

●Spotted Owlet インドコキンメフクロウ007A8113

インドコキンメフクロウ君、早朝は活動的です。

●Lesser Goldenback ヒメコガネゲラ (1)

ヒメコガネゲラ Lesser Goldenback

●Coppersmith Barbet ムネアカゴシキドリ007A8031

ムネアカゴシキドリ Coppersmith Barbet  の声が森のあちこちで響いています。探して歩いていると、 ワカケホンセイインコ  Rose-ringed parakeet  の雄と一緒にいました。

●Coppersmith Barbet ムネアカゴシキドリ007A8049

朝日を浴びるムネアカゴシキドリ。

●Coppersmith Barbet ムネアカゴシキドリ007A8083

ずーっと観察していると、仲睦まじいムネアカゴシキドリのペアを発見。オスが木の実をメスのところへ運んできました。

●Coppersmith Barbet ムネアカゴシキドリ007A8094

木の実を運んできたと同時に交尾。3月は繁殖の季節、鳥たちの羽も美しい季節です。

●Indian Scops Owl インドオオコノハズク007A8131

インドオオコノハズク Indian Scops Owl。  公園入口付近のブーゲンビリアの林の中にいました。アイレベルの位置でインドオオコノハズクを観察。

公園内を案内してくれたガイド氏が、「Indian Courser インドスナバシリ 見たいか?」と。「もちろん」と答えると、公園の外の村の農地へと連れて行ってくれました。この周辺では珍しい鳥となったインドスナバシリ。

●Indian Courser インドスナバシリ007A8164

●Indian Courser インドスナバシリ007A8173

図鑑ではインドの平野部に広く生息する・・・とありますが、開発の進むインド、その姿は貴重になりつつあるようです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Mar 2016 Sultanpur National Park, Haryana, India

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インド ハリヤナ州の自然 スルタンプール国立公園の野鳥(1)Sultanpur National Park

●スルタンプール007A7989

デリー、グルガオンからいける「野鳥の楽園」スルタンプール。デリーから50キロ、グルガオンから15キロという距離にある、身近な自然です。

今回の観察は3月2日と3日。冬には100種を越える渡り鳥がシベリア、ヨーロッパ、中央アジアから訪れるスルタンプールも、既に北帰がはじまり、カモ類など少なっていると聞かされました。そして、今年(2016年3月)は例年より気温が高いと誰もが感じています。

Sultanpur National Park スルタンプール国立公園

1970年、熱心なバードウォッチャーであり鳥類学者であったPeter Jacksonが時の首相インディラ・ガンディーに、このスルタンプールの重要性・保護を訴え、1972年に鳥類保護区となり(Peter Jacsonがインドを去った後だったそうです)、1989年に1,43平方キロメートルの小さな国立公園になりました。

ハリヤナ州の野生動物保護庁は、保護区に水を運び、マウンドを作り、植林をし、環境を整えていきました。現在ではハリヤナ州で確認された450種の鳥類のうち250種がスルタンプール国立公園で記録されています。

公園は7時にOpen(火曜日は休園)のはずですが、係員は来ておらず、バードウォッチャーを待っていた地元のガイドが係員を呼んでくれました。

●スルタンプール007A8013

朝もや包まれた公園は、美しく、ニルガイが水辺で草をはみ、水鳥たちが活動。ムネアカゴシキドリ Copper Smith Berbat の声が響いています。

スルタンプールの3月の水辺の鳥たちの様子です。

●Purple Swamphen セイケイ007A7947

水辺を彩るセイケイ Purple Swamphen インドの水辺で一般的な鳥ですが、光が当たった羽の色は大変美しい。

●Common Moorhen バン007A8026

バン Common Moorhen

●Tufted Duck キンクロハジロ007A8008

キンクロハジロ Tufted Duck がいました。スルタンプールでは3半ばごろまではカモたちが観察できるそうですが、今年のように気温が高い年は早く北(ユーラシア大陸北部)へ帰ってしまうこともあります。出会えてよかった~。

●Northern Pintail オナガガモ007A7960

オナガガモのオス Northern Pintail オスはチョコレート色の頭をしています。

●Northern Shoveler ハシビロガモ雌007A7967

雌のハシビロガモ Northern Shoveler

●Little Grebe カイツムリ007A7988

カイツブリ Little Grebe この子は冬鳥ではなく、インドの留鳥です。頭から首が赤茶色の繁殖羽。

●Indian Spotbilled Duck アカボシカルガモ007A7929

カルガモ Indian Spot-billed Duck。カルガモのインド・スリランカ亜種で、インドの留鳥です。

●Ferruginous Duck メジロガモ007A7996

メジロガモ Ferruginous Duck。スルタンプールで冬を過ごしたメジロガモはカシミールやラダックに戻り繁殖するそうです。

スルタンプール国立公園はグルガオンから簡単に行くことができ、11~3月半ばまでは冬鳥も多く、観察のベストシーズン。早起きして、朝の公園のバードウォッチング、素敵です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Mar 2016 Sultanpur National Park, Haryana, India

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インドの野鳥 ランタンボール国立公園(2) Ranthambore National Park

Indian Pitta

インドの森、5月のランタンボ-ル国立公園で出合った、野鳥たちです。この時期はインドヤイロチョウIndian Pittaが観察できる季節。ランタンボールへはほとんどの人が「ベンガルトラ」目当てで来ますが、野鳥の観察にも素晴らしい森です。

ランタンボール国立公園ついてはこちら

カワリサンコウチョウ

カワリサンコウチョウ Asian Paradise Flycatcher。インドの森を代表する美しい鳥です。

ランタンボール (9)

レイクエリアではヌマワニが泳ぐと小魚がはねていました。

ヒメヤマセミ (2)

ヒメヤマセミ Pied Kingfisher が捕食に成功。

ランタンボール (6)

ダイサギ Great Egret も捕食中。夏羽でくちばしが黒くなっていました。

ランタンボール Little heron

ササゴイ Striated Heron

Purple Heron

首の色が茶と紫で美しい、ムラサキサギ Purple Heron

ランタンボール Lesser Golden Back

ヒメコガネゲラ Lesser Golden Back

ミナミシマフクロウ

ミナミシマフクロウ Brown Fish Owl は昼の止まり木に。

インドオオコノハズク

インドオオコノハズク Indian Scops Owl は巣の中にいました。

Yellow footed green Pigeon

キアシアオバト Yellow Footed Green Pigeon

White-browed fantail

マミジロオウギビタキ White-Browed Fantail

Painted Spurfowl

クロアシケズメシャコ Painted Spurfowl  ランタンボール国立公園のレイクエリアへのゲート入口付近でたくさん観察することができました。

Eurasian Golden oriol

ニシコウライウグイス Eurasian Golden Oriol も夏の訪れを告げる鳥。

Crested bunting

レンジャクノジコ Crested Bunting

Coppersmith Barvet

ムネアカゴアシキドリ Coppersmith Barbet とも出会えました。インドの野鳥図鑑の表紙にもなったりしている鳥です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : May 2015  Ranthambore  National Park, Rajasthan, India

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インドの森 ランタンボール国立公園 Ranthamobore National Park

ランタンボール (5)

インドのランタンボール国立公園は、首都のデリーからのアクセスの良さ、アグラやジャイプールといったメジャーな観光地とも近く、ベンガルトラのサイティングが良いことから、ツーリストに人気の国立公園です。なんとなく「トラが見れたらなぁ」というパッケージツアーのツーリストから、本気でトラを撮影に来ているカメラマンさんまで、幅広い層のツーリストを受け入れています。

インドの国立公園をいろいろ回っている人にとっても、ランタンボール国立公園は特別で、中世の建物を飲み込む森の美しさは他の国立公園とは比べられません。

ランタンボール国立公園について 

もともとはジャイプールのマハラジャの狩猟地でしたが、1955年にサワイ・マドプール野生保護区となり、1973年に「タイガー・プロジェクト」傘下の保護区となり、1980年にランタンボール国立公園に指定されました。現在、392平方キロメートルの広さを持ちます。

エリア内には10世紀に建てられた要塞遺跡があり、その文明を呑みこむように森が再生しています。湖をたたえバニヤンの木が茂るランタンボールは、サンバー、アクシスジカ、ニルガイ、イノシシ、ベンガルタイガーが生息し、多数の野鳥を観察できる国立公園です。国立公園内には広葉樹の森と台地、3つの人口の湖があり、およそ40種の哺乳類と260種以上の鳥類が確認されています。公園の中にある「ランタンボール砦」の名前をとってランタンボール国立公園と名付けられました。

5月に訪れたランタンボール国立公園で出合った野鳥と動物たちの写真です。この時は4回のサファリで、レオパード1回、ベンガルトラ2回のサイティングでした。

ランタンボール (3)

公園内の水場に集まるアクシスジカ Spotted Deer

ランタンボール (7)

ハヌマーンラングール Hanuman Langur と アクシスジカ Spotted Deer は一緒にいることが多く、木の上でハヌマーンラングールが落とした葉や実を、下でアクシスジカたちが食べている様子が観察されます。

ランタンボール (1)

ハヌマーンラングーとアクススジカ、水も一緒に飲んでいました!

ランタンボール (4)

レイクエリアで寝そべる1歳のベンガルトラ Bengal Tiger。クリシュナ(T19)という母トラの子供で、間もなく親離れです。この子は生まれた時からカメラマンに囲まれて育ち、どうどうとしたものです。

ニルガイ

ニルガイ Nirgai はインドの森に生息する最大のシカ科の動物。首がウマににていることから「ウマシカ」などと呼ばれることも。オスは暗い灰色(青)に見えることからVlue Bull=青い牛と呼ばれます。ニルガイの名前も、ニルが青、ガイが牛を意味します。写真の個体はニルガイのオスです。

ランタンボール (2)

インドヒョウ Indian Leopard です。ランタンボールでのヒョウのサイティングは稀で、大変ラッキーでした。

Sambar

水場のサンバーSambar 。「水鹿(すいろく)」として知られ、水辺・湿地帯の森に暮らしています。

ランタンボール (11)

朝のサファリが終わり、国立公園を出ようとしたときに立ち寄った水場に、いましたベンガルトラ!寝る前に水を飲みに来たようです。

ランタンボール (8)

このオスは縄張りを失い、しばらく森を放浪していたトラとのことでした。しばらく観光客のジープに出会っていなかったのか、ビクビクして、遠巻きにジープを見ています。体には傷がついていました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Mayl 2015  Ranthambore  National Park, Rajasthan, India

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