カテゴリー別アーカイブ: アホウドリ科

アホウドリ最大の繁殖地 鳥島周遊クルーズ

⑯アホウドリアホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

商船三井が運行するにっぽん丸ネイチャークルーズ~鳥島周遊~のレポートです。とても参加したかったのですが、かなわず、参加した西遊スタッフの米谷健吾によるレポートです。

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2021年のクルーズは4月18日に横浜港から出航。アホウドリの繁殖地である伊豆諸島の鳥島を周遊する2泊3日のクルーズでした。上陸することはもちろんできませんが、簡単には訪れる事ができない鳥島で、一度は絶滅の危機に瀕したアホウドリが繁殖している様子を目にすることができたのは、大変貴重な体験です。

①アホウドリ最大の繁殖地鳥島へ アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

アホウドリ最大の繁殖地・鳥島へ

アホウドリは、明治時代以前はおびただしい数が生息していましたが、1888年からアホウドリの羽毛採取のための乱獲がはじまり、1902年までに少なく見積もっても500万羽が犠牲になったと言われています。1902年に島が大噴火を起こして島民125名が亡くなった事は、後に「アホウドリの呪い」とも言われたそうです。

アホウドリ保護のために1933年には鳥島は禁猟区に指定される等保護対策も取られましたが、その後も減少の一途をたどり、1949年にはオースチン博士によって「アホウドリ絶滅」が学術誌に発表されるまでになってしまいました。しかし、絶滅したかと思われていたアホウドリが、再び鳥島で確認されたのは1951年のこと。鳥島気象台の山本氏によって10羽ほどのアホウドリが生き残って繁殖している事が伝えられたのです。

1970年代に入り、今回のクルーズにも乗船されていた長谷川博先生を中心にアホウドリの調査、個体数を回復するための活動が開始されるようになりました。従来の島の南側にある燕崎の営巣地は、非常に急な斜面にあり、火山からの土砂が頻繁に流れ落ちるなどの厳しい環境にありました。そこで、1981年からは斜面にハチジョウススキやイソギクの株を植えて、地面を安定させ、アホウドリが繁殖しやすい環境づくりが開始されました。効果は見られたものの、土砂が度々流れ落ちるこの場所では、なかなか高い繁殖成功率を保つ事はできなかったそうです。

1990年代に入ると、島の北側にある初根崎の緩やかな斜面にアホウドリの精工な模型(デコイ)とスピーカーを設置し、若いアホウドリたちを誘導しようという新たな試みが開始されました。この試みは着々と成果を上げ、現在鳥島にはこの新しい初根崎の繁殖地を中心に、従来の燕崎、そして燕崎のさらに上の子持山と、3つ繁殖地があります。一時は絶滅が発表されたアホウドリでしたが、鳥島集団の個体数も2018年に5000羽を越えるまでに回復しています。

横浜港を17:00に出港してから19時間の船の旅のすえ、翌日の12時頃になると鳥島の姿が近づいてきました。甲板からも時折、クロアシアホウドリやアホウドリの姿を見ることができました。

②鳥島到着前 クロアシホウドリアホウドリ 鳥島クルーズBlack-footed Albatross Tori-shima Island

鳥島到着前に船上から観察したクロアシホウドリ

③鳥島到着前 アホウドリアホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

アホウドリ成鳥

④鳥島到着前 アホウドリの若鳥アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

アホウドリ若鳥

⑤鳥島到着前 アホウドリの若鳥アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

アホウドリ若鳥

鳥島の姿が大きくなっていくにつれ、島の北側にある新しくできた初根崎の繁殖地が見えてきました。まだまだ遠くて肉眼では良く分かりませんでしたが、双眼鏡でみると、斜面にたくさんのアホウドリの姿、上空を飛ぶ姿も確認でき、甲板で観察する人達の興奮が高まっていくのを感じます。

⑥北側から見た鳥島 向かって右手に初根崎の新しい繁殖地 アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island Hatsunezaki breading ground

北側からみた鳥島 向かって右手の方に新しくできた初根崎の繁殖地があります。

13時頃に島の北側の海上に到着。ここからは長谷川先生の解説を放送で聞きながら、反時計回りに島を一周しました。この辺りまでくると初根崎の繁殖地が肉眼でも確認できる様になり、アホウドリ、クロアシアホウドリが海上を飛ぶ姿をたくさん観察できました。

⑦初根崎の繁殖地アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island Hatsunezaki albatross breading ground

初根崎の繁殖地

⑧アホウドリとクロアシホウドリアホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

海上を飛ぶアホウドリとクロアシアホウドリ

⑨アホウドリアホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

アホウドリ成鳥

海面に浮かぶアホウドリとクロアシアホウドリの群れ。こんな風景は他では決して見る事ができないでしょう。カメラや双眼鏡を除く人達から「凄すぎる!」「信じられない!」といった感嘆の声が次々に聞こえてきました。

⑩海面に浮かぶアホウドリとクロアシホウドリアホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

海面に浮かぶアホウドリとクロアシホウドリ

⑪海面より飛び立つ様子アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island

海面から飛び立つアホウドリとクロアシアホウドリ。海面に浮かぶアホウドリはまだ、黒色の部分が多い若い個体が多いようです。

⑫東側から見た鳥島 北側の傾斜が緩やかで、南側が急峻な地形である事が分かるアホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island)

西側から見た鳥島 北側の傾斜が緩やかで、南側が急峻な地形である事が分かります。

島の南側に近づくにつれて、従来の繁殖地である燕崎が見えてきました。急峻な斜面で、火山の土砂が流れ落ちている状況が良く分かりました。アホウドリたちは初根崎の新しい繁殖地に徐々に移りつつありますが、まだこちらにも550組ほどのつがいが繁殖しています。

⑬島の南側にある燕崎の繁殖地アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island Tsubamezaki Albatross breading ground

島の南側にある燕崎の繁殖地

⑭燕崎の繁殖地拡大アホウドリ 鳥島クルーズShort-tailed Albatross Tori-shima Island Tsubamezaki breading ground

燕崎の繁殖地(拡大)

島の東側には繁殖地がないため、船上から見られる鳥達の数も徐々に減っていきました。鳥島周遊の終わりが近づいていることに気づかされ、甲板の人々からは「もう1周してほしいなぁ」という声がこぼれていました。長谷川先生によると、このまま順調に進めば2026年には1万羽にまで回復することが見込まれるといいます。その過程をこの目で見られた感動はひとしおです。来年は是非、島2周で実施してほしいものです!

 

Photo & text :Kengo YONETANI

Observation /Cruise : 18-20April 2021 by Nippon-maru, Tori-shima, Izu Islands, Tokyo, Japan

聟島列島のクロアシアホウドリ(小笠原諸島)

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (7)

4月上旬に訪れた小笠原諸島、聟島列島のクロアシアホウドリです。4月に入ると少しは海況が落ち着くだろう・・・と期待して出かけた小笠原。幸運にも聟島まで行ける日が当たりました。

聟島列島、小笠原では通称ケータ列島とも呼ばれ、その名はイギリス人のキャプテン・ケーターに由来するそうです。父島からおよそ50~70キロ北の海域にある19の無人島で、北から聟島、媒島(なこうどじま)、嫁島の3島とそれに付属する小島から成ります。

父島を出てからのおよそ2時間半、向かい風でうねる海で時々オナガミズナギドリが集まって採餌しているのを観察。

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (1)

いよいよ聟島列島の北部、四之岩付近です。岩から成る島の上をクロアシアホウドリが飛んでいます。四之岩は「イセエビ団地」と呼ばれる小笠原固有種のアカイセエビが群れているクレパスがある人気のダイビングスポットです。

聟島 アホウドリのデコイ

聟島の北にあるアホウドリ繁殖地のデコイ。2008年~2012年のアホウドリの小笠原群島への再導入プロジェクトにより、合計70羽のヒナを鳥島より聟島へ移送して巣立ちさせました。2015年、 媒島(なこうどじま)でアホウドリのペアが確認され、小笠原諸島に移したアホウドリの繁殖の最初の事例となり、2016年以降、聟島での繁殖が確認されています。

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (6)

嫁島の「マグロ穴」付近で出会ったザトウクジラ。聟島列島では元気なクジラたちにも出会うことができました。テイルスラップするザトウクジラに「お魚」を期待して近づくクロアシアホウドリ。

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (4)

聟島のクロアシアホウドリ繁殖地です。繁殖地への上陸はできませんので船から双眼鏡や望遠レンズで観察です。島のなだらかな斜面にクロアシアホウドリの姿。親鳥と帰りを待つ雛たち。

面積3平方キロの聟島は昔は人が暮らしていました。明治時代に入植し、牧畜を営んでいたそうでそのころには父島からも漁船が出ていました。海岸にはそんな時代のあとが残されています。2003年に植生の回復のためにノヤギの駆除が行われました。クロアシアホウドリの繁殖地は聟島とはつながっていない鳥島と呼ばれる島の斜面です。

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (2)

雛に餌を与える親鳥。子育ての真っ最中。

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (5)

5月に入ると親鳥は雛を置いて北の海へと旅立ちます。そのあと雛は絶食し、6月初旬までに巣立ちを迎えるそうです。

羽ばたきの練習 クロアシアホウドリ 聟島 (2)

2年前の6月上旬に聟島列島を訪問した時の写真です。この時はまだ巣立ちしていないクロアシアホウドリが結構いました。

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (3)

そしてコアホウドリの姿も。同じ場所で繁殖しています。

小笠原諸島 聟島列島 聟島 クロアシアホウドリ Black-footed Albatross (9)

雛のために奔走するクロアシアホウドリの親鳥の姿。5月には雛を残して北上開始です。夏は千島列島やカムチャッカ沖で出会えるクロアシアホウドリですが、聟島列島では繁殖地を遠望できたり、親鳥が船に近いところを飛んでくれることもあるのが魅力です。

アホウドリは復路航海中に船長が見つけてくれましたが、撮影には間に合いませんでした。次回に期待です!残念な気持ちで甲板でがんばっていて出会えたのがトウゾクカモメ Pomarine Skua。

トウゾクカモメPomarine Skua 小笠原諸島

トウゾウカモメは北極圏で繁殖する海鳥。非繁殖期には赤道付近の熱帯地域から南半球まで南下することがあるそうです。これまで北の海でしか見たことがなかったので、これは大変うれしい出会いでした。

なお、聟島列島は海況が良い6~9月がベストシーズン。ここに来る9割はダイバーで、残りの1割はバーダーか島マニアだそう。4月上旬の聟島訪問は天候リスクがあるものの、北半球で見られるアホウドリ3種が繁殖する聟島列島、やはり魅力的です。ダイビングもする鳥好きには間違いなくパラダイスです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jun 2018, April2020, 聟島列島,小笠原諸島

Special Thanks  : Fisheye

Reference : 世界遺産小笠原(楽学ブックス)、小笠原のすべて 父島・母島・南島・聟島(JTBパブリッシング)、山科鳥類研究所「アホウドリ 復活への展望」

ガラパゴス諸島-30  エスパニョーラ島のガラパゴスアホウドリ

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (6)

エスパニョーラ島のプンタ・スアレスで観察したガラパゴスアホウドリ Waved Albatross です。

ガラパゴスアホウドリはガラパゴス諸島ではエスパニョーラ島でだけ繁殖しています。繁殖期以外は採餌のためエクアドルやペルーの大陸沖へ行き、4月になると繁殖のためにエスパニョーラ島へやってきて12月ごろにまた採餌海域へと旅立っていきます。

5月3日にプンタ・スアレスで観察したガラパゴスアホウドリの仕草をまとめた1分半ほどの動画です。飛翔、前進、求愛、交尾、抱卵・・・。この日は物凄く蚊が発生しており、じっとしているのは大変でしたが、蚊にも負けずじっと観察&撮影しました。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (13)

寄り添う、ガラパゴスアホウドリ夫婦。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (4)

島の「アホウドリ空港」にあたる場所に飛んでくるガラパゴスアホウドリ。離発着は慎重です。翼開長230~240Cm。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (8)

つがいのガラパゴスアホウドリを呼んでいます。この時、島にはどんどんガラパゴスアホウドリたちが到着しており、島の「アホウドリ空港」にあたる場所に到着すると、すぐに「相方」のいる場所へと歩いていきます。沖には島へ帰る前のガラパゴスアホウドリたちが群れで浮かんでいました。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (14)

島に降り立ったガラパゴスアホウドリ。みな、相方のいるほうへ歩いていきます。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (11)

そして交尾。ガイド氏によると夫婦がそろったらすぐに交尾するそうです。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (7)

こちらはもう卵を抱いている雌でしょうか。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (2)

この子は卵が見えました。ガラパゴスアホウドリは300グラムほどもある大きな卵をひとつ産み、夫婦で2か月卵を抱きます。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (3)

羽を伸ばすガラパゴスアホウドリ。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (12)

船に戻りたくない、もっといたい、エスパニョーラ島のプンタ・スアレスでした。

Photo & Text  :Mariko SAWADA

Observation : May 2019, Punta Suarez – Española Island, Galapagos Islands, Ecuador

Reference : Angelito Ⅱ & Maja Homberger,  Tomo Akiyama 秋山知伸

参考文献:「ガラパゴス博物学」-孤島に生まれた進化の楽園 写真・文:藤原幸一氏

ガラパゴス諸島-29 海鳥の楽園エスパニョーラ島 プンタ・スアレス

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (5)

いよいよ今回のガラパゴスの旅のハイライトでもある、エスパニョーラ島 Española Island のプンタ・スアレスです。ガラパゴスに到着した4月21日、ガイド氏から「前のクルーズで撮った、エスパニョーラ島に到着したばかりのガラパゴスアホウドリ」なる写真を見せられ、「あなたが到着することにはきっとたくさん・・・」と期待でいっぱいでした。今日は5月3日です。

上陸すると海岸ではガラパゴスアシカとエスパニョーラ島特有の赤い体のウミイグアナがいました。

ウミイグアナ Marine Iguana Española Island エスパニョーラ島 (1)

赤い体のエスパニョーラ島のウミイグアナ。

Española Island エスパニョーラ島 (17)

赤と緑のツートンカラーの子もいました。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (20)

島の反対側のアホウドリ繁殖地の方へ歩いていきました。いた、ガラパゴスアホウドリ。

ガラパゴスアホウドリ Waved Albatross Española Island エスパニョーラ島 (12)

ガラパゴスアホウドリたちが卵を抱いています。ガラパゴスアホウドリについては次回、詳しく。

ガラパゴスノスリ Galapagos Hawk Española Island エスパニョーラ島 (16)

ガラパゴスノスリ Galapagos Hawk が巣に座っていました。

ガラパゴスノスリ Galapagos Hawk Española Island エスパニョーラ島 (15)

ガラパゴスノスリのそばにやってきたガラパゴスマネシツグミ Galapagos Mockingbird。

Swallow-tailed Gull アカメカモメ Española Island エスパニョーラ島 (19)

海岸にいたアカメカモメ Swallow-tailed Gull。エスパニョーラ島のプンタ・スアレスは、ほかにもアオアシカツオドリ、ナスカカツオドリの姿が見られました。

Swallow-tailed Gull アカメカモメ Española Island エスパニョーラ島 (18)

アカメカモメのつがい、繁殖真っただ中です。

Photo & Text  :Mariko SAWADA

Observation : May 2019, Punta Suarez -Española Island, Galapagos Islands, Ecuador

Reference : Angelito Ⅱ & Maja Homberger,  Tomo Akiyama 秋山知伸

参考文献:「ガラパゴス博物学」-孤島に生まれた進化の楽園 写真・文:藤原幸一氏

キャンベル島のミナミシロアホウドリ(4) – ニュージーランド亜南極の島

ミナミシロアホウドリ Southern Royal Albatross キャンベル島 Campbell Island (4)

再びニュージーランド亜南極、キャンベル島のミナミシロアホウドリです。とっても近くに寄ってきてくれたときの映像です。至福のひととき。

▼ミナミシロアホウドリ4

その場にいるみんなが、大興奮でした!

Photo & Video, Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Campbell Islands, Jan 2018, New Zealand

Reference :  Heritage Expedition

Special Thanks : Takayo Koyanagi さん

★南極海のガラパゴスへ! ニュージーランド亜南極ワイルドライフクルーズ
(スネアーズ諸島、オークランド諸島、キャンベル島、マッコーリー島)海鳥好きのためのコースです!

 

キャンベル島のミナミシロアホウドリ(3) – ニュージーランド亜南極の島

ミナミシロアホウドリ Southern Royal Albatross キャンベル島 Campbell Island (11)

ニュージーランド亜南極の島、キャンベル島のミナミシロアホウドリ です。ワタリアホウドリについで2番目に大きなアホウドリとされ、翼長は3m。19世紀末から20世紀初めに個体数が減りましたが現在は回復の傾向にあるそうです。

ガイド氏によるとキャンベル島には現在8,200-8,600ペアが繁殖しているそうです。

キャンベル島 Campbell Island

ボードウォークで30分ほど登ると景色が開けて、ちょうどアホウドリの離発着に良い斜面が出てきます。古い火山活動にが見られるキャンベル島、山の上の方はイネ科の植物の草原に覆われています。

ミナミシロアホウドリは日中は海に出かけていますが、夕方になるとこの草原に着地し、あちこちでグループを作って「鳴き交わし」をしています。

▼ミナミシロアホウドリ-3

ミナミシロアホウドリ幼鳥 Southern Royal Albatross

シロアホウドリの若鳥です!

さらに海岸沿いのボードウォークではペンギンの子供たちもいました!!

オウサマペンギンの子供

オウサマペンギンKing Penguin の幼鳥。オウサマペンギンは成長が遅く、巣立ちは生まれて1年後とのこと。この個体は去年生まれた子なのですね。巣立ちできる雛は半分以下というオウサマペンギン、立派に育ってほしいものです。

Yellow-eyed Penguin キンメペンギンの雛 (2)

そしてなんと森の中にはキンメペンギンのヒナが・・・。まさにモフモフです。

キンメペンギンYellow-eyed Penguinはニュージーランドのオタゴ半島、オークランド諸島、そしてキャンベル島にのみ繁殖する固有種。

Yellow-eyed Penguin キンメペンギンの雛 (1)

これはラッキーでした、集団繁殖地を作らないペンギンで、雛をみることは容易でないとガイドさんから聞いていました。本当に本当にかわいらしいキンメペンギンの雛でした。

Photo & Video, Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Campbell Islands, Jan 2018, New Zealand

Reference :  Heritage Expedition

Special Thanks : Kazuya Yamawaki さん(ミナミシロアホウドリの若鳥のお写真提供)

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キャンベル島のミナミシロアホウドリ(2) – ニュージーランド亜南極の島

ニュージーランド亜南極の島、キャンベル島のミナミシロアホウドリの動画です。愛らしい鳴き交わしの姿・・・夕方、17時を過ぎると海から戻ってきた若いアホウドリたちが集まります。将来のパートナーを探すために求愛行動のコミュニケーションが繰り広げられます。

ガイド氏によるとオスメス関係なく集まって行われ、一度相手を選ぶとそのパートナーとしか行わないのだそうです。一生の相手を捜すのにものすごい労力を使っている鳥です。

▼ミナミシロアホウドリ-2

シロアホウドリは長生きで50年以上生きることがわかっています。
繁殖は2年に1羽。子育ては1年がかりです。だからこそ、相手はしっかり選ばねばならないのですね!

ミナミシロアホウドリ Southern Royal Albatross キャンベル島 Campbell Island (4)

Photo & Video, Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Campbell Islands, Jan 2018, New Zealand

Reference :  Heritage Expedition

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キャンベル島のミナミシロアホウドリ(1) – ニュージーランド亜南極の島

ミナミシロアホウドリ Southern Royal Albatross キャンベル島 Campbell Island (2)

ニュージーランド最南の島「キャンベル島」。南極ロス海の旅の帰路に立ち寄り、島では素敵なミナミシロアホウドリ Southern Royal Albatross との出会いがありました。

キャンベル島は1810年にフレデリック・ハッセルボロウにより発見され、その後はアザラシ狩猟の拠点となっていました。それ以降、島に持ち込まれた家畜、深刻な被害をもたらすこととなるドブネズミが移入し、キャンベル島本来の植生が失われたばかりでなく海鳥のヒナが襲われるなどして希少種が絶滅する危機に瀕しました。

1970~1980年代にかけて野生化した家畜の駆除が進められ、2001年にはドブネズミに対して世界最大規模ともいわれる根絶作戦が施行されました。2艘の船と5機のヘリコプターを使い19人のスタッフが120トンの毒餌をまいたといいます。その費用は260万ドル。その結果、ドブネズミはいなくなり、現在までのところドブネズミ根絶作戦は「成功」しています。

今は自然が回復し、海鳥の大切な繁殖地。

島にはボードウォークで丘を登ることができ、夕方まで待つと「アホウドリの時間」がやってきます。集まって鳴きあう、ミナミシロアホウドリの姿、目の前です。

▼ミナミシロアホウドリ1

ボードウォークではこんな鳥たちとの出会いも。

Campbell Island Teal

海岸にいた固有種 Campbell Island Teal。ドブネズミにより一度はキャンベル島から絶滅しましたが同諸島内のデント島で「再発見」され、ドブネズミの駆除後のキャンベル島に再導入され、定着してきました。

Campbell shag キャンベルウ

キャンベル島の固有種 Campbell Shag

Campbell Island Pipit New Zealand Pipit

Campbell Island Snipe

ガイドさんが見つけてくれた、茂みの中で眠るキャンベル島固有種Campbell Island Snipe の幼鳥。ボードウォークでは道を歩くCampbell Island Snipe も何度か見ることができました。

Photo & Video, Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Campbell Islands, Jan 2018, New Zealand

Reference :  Heritage Expedition

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