カテゴリー別アーカイブ: カラス科

ヒマラヤの野鳥にカンチェンジュンガ!シンガリラ国立公園(インド)

インドの首都デリーから国内線で西ベンガル州のバグドグラ空港へ。晴れるとネパール・インド・ブータンにまたがるヒマラヤも展望できるフライトです(往路は左側(A側)の席がお勧めです)。バグドグラ空港からネパール国境へと4時間ほど走ると到着するのがマネイバンジャン。ここがシンガリラ国立公園訪問のベースとなる町です。

シンガリラ国立公園(Singalila National Park)はネパールに接する国立公園で、世界第3位峰のカンチェンジュンガ 8,586m展望地としても有名で、多くのインド人トレッカーが訪れる場所でもあります。

この国立公園はレッサーパンダ (Red Panda)が見られることでも知られています。もちろん観察は容易ではなく、秋の実のなる季節に5日ほどかけて探すことになります。運がいいと、樹冠のキウィの実を食べているレッサーパンダを車道から観察できることもるようです。2022年はキウィの実がならず、レッサーパンダ受難の年となりました。ただでさえ、「エキゾチック・ペット」としての密猟が絶えないのが現状です。インド側では厳しく取り締まられていますが、国境を接するネパール側では密猟が横行していると聞きました。

シンガリラ国立公園に入ったカンチェンジュンガ展望地の道ですが、右側の森林が広がるのがインド側、左の気が伐採されているのがネパール側。この景色はちょっとショックでした。

この道は本当に「国境」を走っており、通過する山小屋は「インド側」だったり、「ネパール側」だったりします。インド人はネパール側のロッジに宿泊することができますが、外国人はインド側のロッジにしか泊まることができないそうです。

マネイバンジャンからカンチェンジュンガ展望地のトングルーへ向かう途中に何度も道路で見かけたセボシエンビシキチョウ Spotted Forktail 。

「地べた系」の鳥は写真が難しいです、ミヤマハッカン Kalij Pheasant のオスとメス。オスもメスも目の周りの皮膚が赤く、とても大きな尾羽をしています。

ノドジロシマドリ Hoary-throated Barwing

ノドジマコバシチメドリ throated-winged Siva (またはBar-throated Minla)

ノドジロチメドリ White-browed Fulvetta

ヤマガラモドキ Rufous-Fronted Tit

シロスジガビチョウ Striated Laughingthrush

ロッジや村の周りで容易に観察できる、キンバネガビチョウ Black-faced laughingthrush。

ズアカガビチョウ Chestnut-crowned laughingthrush はキンバネガビチョウの群れに1~2羽混じって採餌していました。

キバラシジュウカラ Green-backed tit

キバシサンジャク Yellow-billed blue magpie はキンバネガビチョウと同じく、ロッジや村の周りに現れます。飛んでいる姿が美しい鳥です。

キバラアカゲラ Darjeeling Woodpecker

地べた系、藪の中系の野鳥には苦労しました。しっかり観察・撮影できなかったのがヒマラヤダルマエナガ Brown Parrotbill。竹の皮をはがす音の方向をしっかりさがしましたが一瞬しか姿を見せてくれませんでした。

シンガリラ国立公園内のトレッカーロッジは本当にシンプルな作りです。電機はソーラー蓄電のささやかなものだけで、トイレは共同。

ロッジを経営しているのはネパール人です。食事に凝っているロッジのキッチン。

地元ビールHIT SUPER STRONG(8%!)とパコラのおつまみ。

満点の星空に包まれたロッジ夜。

夜明けには町の明かりと紫色に染まるカンチェンジュンガの姿。ダージリンの町から見るカンチェンジュンガとは一味違う景色とヒマラヤの鳥を楽しめます。

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2022, Singalila National Park, West Bengal – Nepal border, INDIA

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セイロンサンジャク Sri Lanka Blue Magpie (シンハラジャ、スリランカ)

Sri Lanka Blue Magpie セイロンサンジャク (5)

スリランカを代表する固有種の野鳥。スリランカの野鳥ガイドブック “Birds of Sri Lanka” (Helm Field Guides)の表紙にもなっている鳥です。

Sri Lanka Blue Magpie セイロンサンジャク (1)

スリランカ南部の森の限定された地域に生息し、シンハラジャ森林保護区とその周辺で観察できます。茶色と青のコントラスト、赤いくちばしとアイリング。

Sri Lanka Blue Magpie セイロンサンジャク (4)

そして白と紺のきれいな尾羽。

Sri Lanka Blue Magpie セイロンサンジャク (2)

なかなかアイレベルで見ることはできませんでしたが、スリランカの貴重な固有種に出会えて感謝。

Sri Lanka Blue Magpie セイロンサンジャク 8

夕方、シンハラジャ国立公園の入り口付近にあるゴミ捨て場にやってきたセイロンサンジャク。ようやくアイレベルで観察はできたのですが、やはり森の中で出会いたいです。

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : May 2017, Near Sinharaja Forest Reserve, Sri Lanka

Reference : Birds of Sri Lanka (Helm Field Guide), Wikipedia(EN)

Special Thanks to Mr.Tilak, Mr.Anuradha

カササギ Eurasian Magpie 10月のフンザ(パキスタン)

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10月のパキスタン北部はポプラが黄金に輝く、絶景ともいえる美しい景色が見られる季節。「桃源郷」とも表現されるフンザでは、村のあちこちにカササギたちがいます。

カササギは英名がEurasian Magpie、Black-billed Magpieと言い、ヨーロッパからアジア、そしてアフリカ大陸の北西部に広く分布、11の亜種が報告されていて、パキスタン北部のカササギは P.p.Bactriana、バクトリアナ。北部パキスタンから中央アジアにかけて生息する亜種です。

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快晴のフンザ、フンザの谷の中心カリマバードの奥にそびえる山はウルタル峰。

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カリマバードからアルチット村へ向かう途中の景色。10月上旬はまだポプラはあまり色づいていません。

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宿泊していたバルチット・インのテラスからのカリマバードの畑と果樹園。テラスには野鳥たちがやってきます。

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ポプラの木にいたカササギ。

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カササギは一見「黒と白色」の鳥ですが、羽・尾羽は緑・紫のメタリックな輝きを持ちます。

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飛び立ったカササギ。

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カササギはその知能の高さで、鳥類で一番どころか動物全体の中でも知能が高いことで知られています。カササギは鏡に映っている自分を他者ではなく、自分だと認識できる(鏡像認知)「ミラー・テスト」をパスした唯一の鳥類。ちなみにこの「ミラーテスト」をパスした動物は、チンパンジー、オラウータン、ボノボ、ハンドウイルカ、シャチ、アジアゾウで、これらと並ぶ知能を持つと考えられています。社交性もあり、儀礼的な行動も観察されているそうです。

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羊の餌をわけてもらうカササギ、社交的です。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Oct 2015 , Karimabad. Hunza, Pakistan

Reference : Helm Field Guides “Birds of Indian Subcontinent”, “Birds of Pakistan”,  Wikipedia(EN)