カテゴリー別アーカイブ: ■鳥(国・地域別)

スリランカオウチュウ Sri Lanka drongo (シンハラジャ、スリランカ)

スリランカオウチュウ Sri Lanka Drongo  Ceylon crested drongo(2)

スリランカの固有種、スリランカオウチュウ Sri Lanka drongoです。英語の別名がCeylon crested drongoで、その名の通りCrest=冠毛があるのですが、頭ではなくくちばしの上にある素敵な鳥です。

スリランカオウチュウ Sri Lanka Drongo  Ceylon crested drongo(1)

明るく輝く黒い羽色で、フォークテイル。そして森の中に住んでいます。

スリランカオウチュウ Sri Lanka Drongo  Ceylon crested drongo(3)

スリランカオウチュウは31–34 cmの中サイズのオウチュウです。インドでは草原など開けた場所で見ることが多いオウチュウを湿った森の中で見るのは新鮮でした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2020, Sinharaja, Sri Lanka

Reference : “Birds of Sri Lanka” wikipedia

セレンディブコノハズク (3) Serendib Scops Owl (シンハラジャ、スリランカ)

セレンディブコノハズク Serendib scops owl スリランカ固有種 (3)

スリランカ、シンハラジャの森で観察したセレンディブコノハズク、Serendib Scops Owl 。

スリランカで最も最近に「発見」された固有種の鳥です。1995年ごろから鳴き声が観察され、2001年にシンハラジャで確認され、2004年に新種として紹介されたフクロウです。

スリランカ紙幣 セレンディブコノハズク

このセレンデイブコノハズク、スリランカ紙幣の20ルピー札に登場してるのですが、あまり似てない感じです。

セレンディブコノハズク Serendib scops owl スリランカ固有種 (2)

セレンディブコノハズクの素敵な足元!!

キトゥルガラとシンハラジャの森で確認されていますが、個体数は少ないらしく、一説では80羽ほどしかいないのではという話も。

セレンディブコノハズク Serendib scops owl スリランカ固有種 (4)

藪の中の様子。アイレベルで観察できる、ありがたいセレンディブコノハズクです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Jan2020, Sinharaja, Sri Lanka

Reference : “Birds of Sri Lanka”, wikipedia

クリセスズメフクロウ Chestnut-backed owlet (1)(シンハラジャ、スリランカ)

クリスズメフクロウ Chestnut-backed owlet スリランカ固有種 (2)

スリランカ固有種の野鳥、クリセスズメフクロウ Chestnut-backed owletです。スリランカではキトゥルガラとシンハラジャの森で見ることができる、18~19cm~ほどの小さな、珍しいフクロウ。

クリスズメフクロウ Chestnut-backed owlet スリランカ固有種 (3)

訪れたのは1月、例年より早くに繁殖が始まり、巣穴近くで観察することができました。

クリスズメフクロウ Chestnut-backed owlet スリランカ固有種 (1)

クリセスズメフクロウは日中でも比較的見やすいフクロウです。今回2カ所で観察しましたが、朝と午後に観察できました。

クリスズメフクロウ Chestnut-backed owlet スリランカ固有種 (6)

ある民家の果樹園の木に巣を作っていたクリセスズメフクロウ。

クリスズメフクロウ Chestnut-backed owlet スリランカ固有種 (4)

一羽が飛びました。巣穴に向かっています。

クリスズメフクロウ Chestnut-backed owlet スリランカ固有種 (7)

巣穴のクリセスズメフクロウ。雛は見えませんでしたが、子育て真っ最中です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2020, Sinharaja, Sri Lanka

Reference : “Birds of Sri Lanka” Wikipedia

クロヅル Common Crane (小カッチ湿地、インド)

Common Crane クロヅル Grus Grus 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch (4)

インドには意外と多くのツルが越冬にやっています。冬にインド西部にやってくるアネハヅル Demoiselle Crane、インド北部にやってくるクロヅル Common Craneなど。

グジャラートの小カッチ湿地で越冬するクロヅルを観察しました。

Common Crane クロヅル Grus Grus 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch (3)

冬の小カッチ湿地 Little Rann of Kutchは多くの渡り鳥で賑わいます。クロヅルもそのひとつ。アネハヅルが保護区ではなく周辺の村の畑で採餌しているに対し、クロヅルは保護区内にいることがほとんどです。

Common Crane クロヅル Grus Grus 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch (6)

水辺の親子。ユーラシア大陸北部で繁殖し、インドへ渡ってきたクロヅル。

2019年~2020年の冬は例外的に寒く、グジャラートは暖かいと思ってきたらしっかりした防寒着が必要でした。

Common Crane クロヅル Grus Grus 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch (5)

親子のクロヅル。飛ぶ姿は保護区外でも見られます。

Common Crane クロヅル Grus Grus 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch (1)

小カッチの水辺のクロヅル。夕方になると集まり、一緒に過ごすようです。

Common Crane クロヅル Grus Grus 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch (2)

次々と集まってくるクロヅル。2~3月に再びヨーロッパ北部へと渡っていきます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2019, Little Rann of Kutch, Gujarat, India

★インドでのバードウォッチング/撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます★

カタシロワシ Eastern Imperial Eagle(小カッチ湿地、インド)

カタシロワシ Eastern Imperial Eagle 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (7)

グジャラートの小カッチ湿地で観察したカタシロワシ Eastern Imperial Eagleです。

朝、小カッチの平らな砂漠をドライブしていたら前方に2つの影。2羽のカタシロワシ Eastern Imperial Eagle、そしてその背後には無残なクロヅル Common Craneの姿が。どうも「お食事終了」したところに出くわしたようでした。

カタシロワシ Eastern Imperial Eagle 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (5)

一羽が飛び立ちます。

カタシロワシ Eastern Imperial Eagle 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (6)

近くの土手の上に着地、遠くには行きませんでした。

カタシロワシ Eastern Imperial Eagleは冬の渡り鳥。中央ヨーロッパからモンゴルにかけての地域で繁殖し、冬にインド西部へと渡ってきます。72~83センチにもなる大きなワシです。

サファリ中、ガイド氏は「Imperial Eagle」と呼んでいましたが、スペイン・ポルトガルにいる「Imperial Eagle」と分けるようになり、「Spanish Imperial Eagle(ニシカタジロワシ)」と「Eastern Imperial Eagle(カタシロワシ)」になったとのこと。

カタシロワシ Eastern Imperial Eagle 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (1)

夕方、近くで再びカタシロワシと遭遇。同じ個体でしょうか…。

カタシロワシ Eastern Imperial Eagle 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (2)

石のポストの上に乗る、カタシロワシ。そばの木の上にもう一羽がいました。

カタシロワシ Eastern Imperial Eagle 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (3)

夕陽の空バックのカタシロワシのツーショットです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2019, Little Rann of Kutch, Guarat, Indiia

★インドでのバードウォッチング/撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます★

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse (小カッチ湿地、インド)

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (10)

インド、グジャラートの小カッチ湿地で撮影したチャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouseです。チャバラサケイは大好きな鳥で、ラジャスタンでも何度か撮影しようとしましたがすぐに飛んでしまいます。「いつかチャバラサケイをたっぷり見て・撮れる日が」と願っていました。

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (6)

小カッチ湿地の保護区をドライブ中、ガイド氏がチャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouseを発見。少しづつ近寄ります。

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (1)

チャバラサケイたちはきっとうまく隠れたつもりでしょう。雄の黄色めのふちどりが目立っています。

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (7)

慣れてくると少し動き出しました。羽に柄があるのが雌、もこもこに見えて柄がないのが雄です。大きさは31~33センチ。チャバラサケイはアフリカ大陸の北側、イラン~インドにかけての乾燥した場所で見られる鳥です。

なんとハワイにもいるらしく、1960年代にインドのラジャスタンで捕まえたチャバラサケイをアメリカのネヴァダ州へ運び、そこからハワイに導入したのだそうです。なんのために導入したのでしょうか。そういえば泊っているロッジに「サケイの狩猟」と書いた古い植民地時代の写真が飾られてました。スタッフに聞いたところ、美味しいのだと。

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (4)

チャバラサケイのペアが歩いていきます♪♪

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (3)

油断するとすぐに飛んで行ってしまいます。そのスピードも速い!

チャバラサケイ Chestnut-bellied Sandgrouse 小カッチ湿地 Little Rann of Kutch グジャラート (9)

空飛ぶチャバラサケイも美しいものです。そしてそんなに離れてない場所に着陸です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2019, Little Runn of Kutch, Gujarat, India

★インドでのバードウォッチング/撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます★

サバクミミズク Pallid Scops Owl(小カッチ湿地、インド)

Pallid Scops Owl サバクミミズク Little Rann of Kutch (2)

グジャラートの小カッチ湿地の森のサバクミミズク Pallid Scops Owlです。

サバクミミズクPallid Scops Owlは中東から中央アジアにかけて見られるフクロウで、冬に西インドで見られる個体はパキスタンからやってきます。全長22センチほど。

Pallid Scops Owl サバクミミズク Little Rann of Kutch (5)

見たのはグジャラート州の小カッチ湿地 Little Rann of Kutch の村の林の中。冬の小カッチ湿地は塩湖が乾き、残された水場は水鳥で賑わうバードウオッチャー向けの場所です。

Pallid Scops Owl サバクミミズク Little Rann of Kutch (4)

このサバクミミズク、写真だけで見ているとすごく静かなところにいるように見えますが現実の環境はというと、ヒンドゥ寺院からの音楽が響き、鉄道の踏切の音が鳴り、近くには工事現場。インド生まれ&育ちでもないこのフクロウが、わざわざこの場所を選ぶのが不思議です。

小カッチ湿地のサファリの間に楽しんだフクロウウォッチングでした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation :Dec 2019,  Little Rann of Kutch, Gujarat, India

★インドでのバードウォッチング/撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます★

セイロンケズメシャコ Sri Lanka Spurfowl(シンハラジャ、スリランカ)

スリランカ固有種 セイロンケズメシャコ Sri Lanka Sourfowl スリランカ バードウォッチング (1)

スリランカの固有種、セイロンケズメシャコ Sri Lanka Spourfowl。スリランカの森に広く分布するのですが、その姿を見るのはあまり簡単ではありません。

シンハラジャの森の朝、まだ薄暗い時間の民家の庭での観察です。ペアで行動する鳥ですが、暗闇にメスの姿が。まだ暗いので双眼鏡で観察。少し明るくなったところにオスが登場してくれました。

スリランカ固有種 セイロンケズメシャコ Sri Lanka Sourfowl スリランカ バードウォッチング (3)

セイロンケズメシャコ のオスです。わずか数分でしたが、ギリギリ写真にその「お姿」を収めることができました。

スリランカ固有種 セイロンケズメシャコ Sri Lanka Sourfowl スリランカ バードウォッチング (4)

こちらはセイロンケズメシャコのメス。このペアは明るくなると森の中へと消えていきました。

このシンハラジャの民家の庭、ほかにも素敵な野鳥との出会いがありました。

キンバト Emerald Dove スリランカ バードウォッチング

キンバト Emerald Doveのオスです。暗闇でも薄青色の頭がきれいに見えました。

スリランカ固有種 セロンヤケイ Sri Lanha Junglefowl スリランカ バードウォッチング

こちらはスリランカの固有種であり国鳥のセイロンヤケイ Sri Lanka Junglefowl。

スリランカ固有種 セロンヤケイ Sri Lanha Junglefowl スリランカ バードウォッチング (2)

こちらはセイロンヤケイのメスです。1羽のオスに2羽のメスが登場です。

Indian Blur Robin アカハラコルリ スリランカ バードウォッチング

暗い場所で写真が難しかった、アカハラコルリ Indian Blue Robin。冬の渡り鳥です。

セロンガビチョウ スリランカ固有種 Ashy-headed Laughingthrush スリランカ バードウォッチング (3)

スリランカの固有種セイロンガビチョウ Ashy-headed Laughingthrush。シンハラジャやキトゥルガラの森で見ることができる鳥です。

夜が明け、ずいぶん明るくなりました。民家の軒先でお茶をとともにホテルからのサンドイッチを食べました。そして次のロケーションへ・・・。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation :  Jan 2020, Sinharaja forest, Sri Lanka

Reference : “Birds of Sri Lanka” (Helm Field Gide), Wikipedia

インドオオノガン Great Indian Bustard (ラジャスタン、インド)

インドオオノガン Great Indian Bustard ラジャスタン Desert National Park (5)

かつては広くインドの草原・半砂漠地帯に分布した鳥、インドオオノガン、 GIBこと Great Indian Bustard。それが今ではトラと並んで自然保護の象徴として扱われています。現在、インドに残された数は150羽以下 (2018年)。

昔からその肉が美味しくハンティングの対象とされていましたが、インドの発展により生息地を急激に失い、食料となる果実の不作などが追い打ちをかけあっという間に生息数が減ってしまいまいました。

インドオオノガン Great Indian Bustard ラジャスタン Desert National Park (2)

タール砂漠を飛ぶインドオオノガン。

最近までグジャラートのパキスタン国境付近にもいたと言いますが、2019年現在「もうグジャラートでは見られない」「パキスタン領に入って狩猟された」「ラジャスタンの群れに合流した」と、いろんな話を聞かされます。

インドオオノガン Great Indian Bustard ラジャスタン Desert National Park (6)

インドに残された個体数はおよそ150羽、タール砂漠のデザート国立公園 Desert National Park で柵を張って家畜が入らないようにして管理し、人工ふ化が行われています。

このインドオオノガンに最後に残された場所はインドとパキスタンの国境。かつて「何もない」と考えられた広大な国立公園の土地は住人による耕作が認められ、家畜が離されました。そして今、それを止めることもできず、柵でせめて家畜が入らない、「インドオオノガンの最後の砦」が作られました。観光客も制限され、専門チームが常時観察をしています。

インドオオノガン Great Indian Bustard ラジャスタン Desert National Park (4)

雌のインドオオノガンの群れ。

個体数の回復を祈るばかりです。同じノガンの仲間のインドショウノガン Lessr Floricanも絶滅の危機に直面しています。その数、250羽 (2018年)ほどと推測されインドの草原の保全が必要です。

 

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : Dec 2019, Desert National Park, Rajasthan, India

★インドでのバードウォッチング/撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます★

スナバシリ Cream-coloured Courser(ラジャスタン、インド)

スナバシリ Cream-coloured Courser インド ラジャスタン (4)

インドのラジャスタン州の砂漠に冬にやってくるスナバシリ Cream-coloured Courserです。スナバシリは北アフリカやカーボ・ベルデ、カナリア諸島でも見られますが、ラジャスタンで見られるのはトルコ南東からイラン、パキスタン、インドで見られる亜種、Cursorius cursor bogolubovi。冬に渡ってもきますが、ラジャスタンのデザート国立公園など「Resident」のスナバシリもいます。

スナバシリ Cream-coloured Courser インド ラジャスタン (5)

まっ平らな乾燥した場所で虫を探しています。本当にオープンな場所にいました。クリーム色の正面姿。

スナバシリ Cream-coloured Courser インド ラジャスタン (2)

後ろ姿。

スナバシリ Cream-coloured Courser インド ラジャスタン (3)

開発の進むラジャスタンのデザート国立公園周辺に暮らすスナバシリ。

久しぶりに訪れたサム砂丘はインド人の若者のテント村になっていました。夜はスピーカーからの爆音が響き、朝夕は4WDで宿泊施設周辺の草地・砂漠を走り周ります。かつてはインドオオノガンが闊歩していた土地がコントロールされないツーリズムの発展で破壊されていく様子は、大変つらいものでした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2019, Desert National Park, Rajasthan, India

★インドでのバードウォッチング/撮影手配を承っています。西遊インディア、または西遊旅行へのご依頼をお待ちしてます★