カテゴリー別アーカイブ: ■鳥(国・地域別)

インド ハリヤナ州の自然 スルタンプール国立公園の野鳥(1)Sultanpur National Park

●スルタンプール007A7989

デリー、グルガオンからいける「野鳥の楽園」スルタンプール。デリーから50キロ、グルガオンから15キロという距離にある、身近な自然です。

今回の観察は3月2日と3日。冬には100種を越える渡り鳥がシベリア、ヨーロッパ、中央アジアから訪れるスルタンプールも、既に北帰がはじまり、カモ類など少なっていると聞かされました。そして、今年(2016年3月)は例年より気温が高いと誰もが感じています。

Sultanpur National Park スルタンプール国立公園

1970年、熱心なバードウォッチャーであり鳥類学者であったPeter Jacksonが時の首相インディラ・ガンディーに、このスルタンプールの重要性・保護を訴え、1972年に鳥類保護区となり(Peter Jacsonがインドを去った後だったそうです)、1989年に1,43平方キロメートルの小さな国立公園になりました。

ハリヤナ州の野生動物保護庁は、保護区に水を運び、マウンドを作り、植林をし、環境を整えていきました。現在ではハリヤナ州で確認された450種の鳥類のうち250種がスルタンプール国立公園で記録されています。

公園は7時にOpen(火曜日は休園)のはずですが、係員は来ておらず、バードウォッチャーを待っていた地元のガイドが係員を呼んでくれました。

●スルタンプール007A8013

朝もや包まれた公園は、美しく、ニルガイが水辺で草をはみ、水鳥たちが活動。ムネアカゴシキドリ Copper Smith Berbat の声が響いています。

スルタンプールの3月の水辺の鳥たちの様子です。

●Purple Swamphen セイケイ007A7947

水辺を彩るセイケイ Purple Swamphen インドの水辺で一般的な鳥ですが、光が当たった羽の色は大変美しい。

●Common Moorhen バン007A8026

バン Common Moorhen

●Tufted Duck キンクロハジロ007A8008

キンクロハジロ Tufted Duck がいました。スルタンプールでは3半ばごろまではカモたちが観察できるそうですが、今年のように気温が高い年は早く北(ユーラシア大陸北部)へ帰ってしまうこともあります。出会えてよかった~。

●Northern Pintail オナガガモ007A7960

オナガガモのオス Northern Pintail オスはチョコレート色の頭をしています。

●Northern Shoveler ハシビロガモ雌007A7967

雌のハシビロガモ Northern Shoveler

●Little Grebe カイツムリ007A7988

カイツブリ Little Grebe この子は冬鳥ではなく、インドの留鳥です。頭から首が赤茶色の繁殖羽。

●Indian Spotbilled Duck アカボシカルガモ007A7929

カルガモ Indian Spot-billed Duck。カルガモのインド・スリランカ亜種で、インドの留鳥です。

●Ferruginous Duck メジロガモ007A7996

メジロガモ Ferruginous Duck。スルタンプールで冬を過ごしたメジロガモはカシミールやラダックに戻り繁殖するそうです。

スルタンプール国立公園はグルガオンから簡単に行くことができ、11~3月半ばまでは冬鳥も多く、観察のベストシーズン。早起きして、朝の公園のバードウォッチング、素敵です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Mar 2016 Sultanpur National Park, Haryana, India

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インドの野鳥 ランタンボール国立公園(2) Ranthambore National Park

Indian Pitta

インドの森、5月のランタンボ-ル国立公園で出合った、野鳥たちです。この時期はインドヤイロチョウIndian Pittaが観察できる季節。ランタンボールへはほとんどの人が「ベンガルトラ」目当てで来ますが、野鳥の観察にも素晴らしい森です。

ランタンボール国立公園ついてはこちら

カワリサンコウチョウ

カワリサンコウチョウ Asian Paradise Flycatcher。インドの森を代表する美しい鳥です。

ランタンボール (9)

レイクエリアではヌマワニが泳ぐと小魚がはねていました。

ヒメヤマセミ (2)

ヒメヤマセミ Pied Kingfisher が捕食に成功。

ランタンボール (6)

ダイサギ Great Egret も捕食中。夏羽でくちばしが黒くなっていました。

ランタンボール Little heron

ササゴイ Striated Heron

Purple Heron

首の色が茶と紫で美しい、ムラサキサギ Purple Heron

ランタンボール Lesser Golden Back

ヒメコガネゲラ Lesser Golden Back

ミナミシマフクロウ

ミナミシマフクロウ Brown Fish Owl は昼の止まり木に。

インドオオコノハズク

インドオオコノハズク Indian Scops Owl は巣の中にいました。

Yellow footed green Pigeon

キアシアオバト Yellow Footed Green Pigeon

White-browed fantail

マミジロオウギビタキ White-Browed Fantail

Painted Spurfowl

クロアシケズメシャコ Painted Spurfowl  ランタンボール国立公園のレイクエリアへのゲート入口付近でたくさん観察することができました。

Eurasian Golden oriol

ニシコウライウグイス Eurasian Golden Oriol も夏の訪れを告げる鳥。

Crested bunting

レンジャクノジコ Crested Bunting

Coppersmith Barvet

ムネアカゴアシキドリ Coppersmith Barbet とも出会えました。インドの野鳥図鑑の表紙にもなったりしている鳥です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : May 2015  Ranthambore  National Park, Rajasthan, India

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オマーンの野鳥 ホール・ルーリのラグーンとサムフラム遺跡

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (3)

アラビア半島はオマーンのドファール地方、ホール・ルーリで出会った野鳥・ラクダたちです。

 サムフラム遺跡について

港町タカの東約7キロメートルのホール・ルーリにある遺跡。かつて乳香交易で栄えたサムフラムという都遺跡で、貯蔵庫や城壁に囲まれた町の跡、神殿跡が残されています。アラビア半島南部における乳香の重要な交易路にあり、アル・バリード遺跡、シスル(ウバール)遺跡、ワディダウカの遺跡とともに、2000年に「乳香の道」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録されました。

遺跡は、発掘により紀元前2世紀のハドラマウト時代にさかのぼるとされ、都市は7世紀ごろに廃墟になったと考えられてます。また、「シバの女王」の宮殿があると、ガイドブックに書かれていますが考古学的根拠はないようです。

発見された碑文と発掘品により、この都市が「サムハラム」と呼ばれていたこと、ハドラマウトの王家により創建され移民が暮らしたこと、古来よりドファール地方は乳香の産地であり、ハドラマウト王国はこの価値ある乳香をコントロール下におき、ホール・ルーリはその積出港として利用されたことがわかってきました。

城壁で囲まれた都市遺跡の周囲はかつて海とつながっていたホール(Khor、ラグーン、入り江のこと)があり、港の跡も残っています。いまは、砂でせき止めらていますが、フラミンゴや水辺の野鳥が集まっています。

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (1)

インド洋を臨むホール・ルーリの都市遺跡

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (2)

ラクダがビーチを闊歩。

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (6)

ラグーンにはたくさんの水鳥が集まっています。

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (7)

オオフラミンゴ Greater Flamingo 灰色の体の子は幼鳥です。

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (11) ヘラサギ

Eurasian Spoonbill ヘラサギ ユーラシア大陸中部で繁殖し、冬は中東~アジアへと越冬に来る渡り鳥です。

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (9)

Yellow Wagtail ツメナガセキレイ 世界各地の湿地で見られる野鳥ですが多様な模様をしています。

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (10) ミサゴ

Osprey ミサゴ アラビア半島全域の水のある場所で見られるミサゴ。白い冠に黒いマスクのような模様がカッコイイです。魚を捕食するので「魚鷹」とも。

サムハラム遺跡とホールルーリのラグーン (4)

ホール・ルーリの訪問は夕方がお勧めです。遺跡に夕日があたり、放牧から帰ってくるラクダの姿、そして捕食にいそしむ野鳥たちの姿を見ることができました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Nov 2015, Khor Rouri, Dofar – Oman

Reference : Helm Field Guids “Birds of Middle East”,  Wikipedia (EN)

 

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ウィルパットゥ国立公園 Wilpattu National Park(スリランカ)

スリランカ カワリサンコウチョウ (2)

ウィルパットゥ国立公園は敷地面積1316㎢を誇るスリランカ最大の国立公園。「ウィル」は「自然の水」を意味し、園内には雨水を湛 えたくぼ地や池、湖が60ヶ所近く点在します。また、レオパードの棲息数が多いことで知られていますが、正確な数は把握されていません。ナマケグマやスイギュウ、サンバーなど31種の哺乳類が棲息しています。スリランカの西海岸に接しており、海辺の野鳥も観察されます。

ウィルパットゥ国立公園のある地域は1983年から2009年まで続いたスリランカ内戦の影響を受け、長年訪れる人も少なかった国立公園。そのため周辺のホテルの設備、地元のサファリガイド・ドライバーの訓練などが必要な地域ですが、一大サファリ観光地となったヤーラ国立公園に比べ、ゆっくり、静かな森でサファリができる場所でもあります。

ウィルパットゥ国立公園でのサファリの様子です。

イノシシとアクシスジカ

イノシシ Wild Boarとアクシスジカ Spotted Deer

インドクジャク スリランカ

インドクジャクのオス Indian Peafowl 繁殖羽で優雅です。

ジャッカル ウィルパットゥ国立公園

ジャッカル Jackal そばにお腹の大きなメスが隠れており、私たちをじっと見ていました。

ホエジカ スリランカ

ホエジカ Barking Deer (Indian Muntjac) 林の中にいることが多く、写真撮りにくい鹿です。

ウイルパットゥのスリランカゾウ

スリランカゾウ Sri Lankan Elephant

ミドリハチクイ スリランカ

ミドリハチクイ Green Bee-eater 残酷な蝶の食べ方です。くちばしに挟んでは離して、振り回して・・・

チャガシラハチクイ スリランカ

チャガシラハチクイ Chestnut-headed Bee-eater

ハリオハチクイ ウィルパットゥ国立公園

ハリオハチクイ Blue-tailed Bee-eater

マミジロヒヨドリ

マミジロヒヨドリ White Eyebrows Bulbul

ソリハシオオイシチドリ ウィルパットゥ国立公園

ソリハシオオイシチドリ Great Thick-knee がゾウの糞で卵を温めていました。

スリランカヤケイ

セイロンヤケイ Sri Lanka Junglefowl のオス この鳥、スリランカの「国鳥」です!

スリランカ カワリサンコウチョウ (1)

カワリサンコウチョウ Asian Paradise Flycatcher のオス

シロハラウミワシ スリランカ

シロハラウミワシ White-bellied Sea Eagle

カササギサイチョウ ウィルパットゥ国立公園

カササギサイチョウ Malabar Pied Hornbill

オオソリハシシギ スリランカ

オオソリハシシギ Bar-tailed Godwit  冬にスリランカ北西の海岸で見られる鳥です。

エメラルドバト ウィルパットゥ国立公園

キンバト / エメラルドバト Emerald Dove のオス

アカハラシキチョウ

声が美しいアカハラシキチョウ White-rumped Shama

カンムリワシ スリランカ

カンムリワシ Crested Serpent Eagle

他にも、インドトサカゲリ Red-wattled Lapwing 、インドトキコウ Painted Stork、 アマサギ Cattle Egret、Grey Heron アオサギ、Intermediate Egret チュウサギ、サンバー鹿 Samber、トクマカクザル Toque Maccaque Monkey、たくさんのインドリクオオトカゲ Land Monitor やアカマングース Ruddy Mongooseを観察することができました。

残念ながら、国立公園入り口付近で朝晩に観察のチャンスが高いといわれたナマケグマは見ることができませんでしたが、見れました、レオパード君。

ウィルパットゥ国立公園のレオパード (3)

サファリカーの前をスリランカヒョウ Sri Lankan Leopard が横断してくれました!

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2015, Wilpattu National Park, Sri Lanka

Reference : Helm Field Guides ” Birds of the Indian Subcontinent”,  Pictorial Pocket Guide to the Mammals of Sri Lanka, Wikipedia(JP)(EN)

 

ミンネリヤ国立公園 Minneriya National Park(スリランカ)

スリランカゾウ ミンネリヤ国立公園 (3)

スリランカの中央部、有名な世界遺産のシギリヤ・ロックやポロンナルワなどの遺跡がある付近に、「スリランカゾウ大集合」で知られるミンネリヤ国立公園Minneriya National Park があります。

この地域は1938年には野生動物保護区に指定されていましたが、1997年に国立公園に昇格。ミンネリヤには3世紀マハセン王によって作られた巨大なミンネリヤ貯水池があり、この水源と野生動物が保護されています。

スリランカ中央部が乾季を迎え各地が乾燥し始めるころ、スリランカゾウたちが水場を求めてミンネリヤへとやってきます。その数は200頭とか、多いときには500頭とか・・・。

ミンネリヤ国立公園はスリランカゾウ以外にも野生動物・野鳥を観察できます。水が豊かな公園内では特に水辺の野鳥が豊富です。

ミンネリヤ国立公園のサファリの写真です。

レオパードの足跡

これは、レオパード(スリランカヒョウ)の足跡。国立公園内に入ってすぐにドライバーが見つけました。確かにレオパードはいるようですが、ガイド&ドライバーいわく、出会うことは非常に稀だと。

トクマカク

トクマカクサル Toque Macaque 、スリランカの固有種です。Toque(トク)は、縁のないタイプの帽子のことで、頭の毛のスタイルからこの名前がついたそうです。ゲート付近の木の上でココヤシを食べていました。

インドトキコウ スリランカ (2)

インドトキコウPainted Stork の群れ こっちを向いています・・・

インドトキコウ (2)

インドトキコウPainted Stork の見事なオレンジ色の顔、本当に鮮やかです。

コウハシショウビン スリランカ

コウハシショウビンStork-billed Kingfisher  太くて赤くて立派なくちばしです。

ゴイサギ スリランカ

ゴイサギ Black-crowned Night Heron 夜行性のサギで、昼間はグループ単位で止まり木にいます。

シロエリコウ スリランカ

シロエリコウ Woolly-necked Stork  英名も和名もそのまんまですね。

ウオクイワシ ミンネリヤ国立公園 (3)

ウオクイワシGrey-headed Fish Eagle が魚を運んできました。

シロスキハシコウの群れ スリランカ

離れた場所にたくさんのシロスキハシコウ Asian Openbill  が。

インドトサカゲリ ミンネリヤ国立公園

インドトサカゲリ Red-wattled Lapwing  この鳥はスリランカの国立公園の水辺に必ずいます。

ソリハシオオイシチドリ スリランカ

ソリハシオオイシチドリ Great Thick-knee

ムラサキサギ スリランカ

ムラサキサギ Purple Heron

コハゲコウ スリランカ

インドトキコウPainted Stork 、コハゲコウLesser Adjutant 、 ホシバシペリカンSpot-billed Pelican。

ミンネリヤ効率公園 スリランカ

国立公園中央の水場は野鳥の楽園でした。アオサギGrey Heron 、カワウGreat Cormorant、インドヒメウIndian Cormorant、アジアコビトウLittle Cormorant、ヘビウ Darter、Spot-billed Pelican ホシバシペリカン、Grey Heron アオサギ・・・本当に、楽園。

スリランカゾウ ミンネリヤ国立公園 (1)

そしてスリランカゾウの子供。ゾウの群れが子供を守りながら移動し、水辺の草を食む光景、これも楽園です。

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : May, Jul 2014 Minneriya National Park, Sri Lanka

Reference : Helm Field Guides “Birds of the Indian Subcontinent”, Pictorial Pocket Guide to the Mammals of Sri Lanka, Wikipedia(EN)

 

インレー湖のオオバン(ミャンマー)

オオバン インレー湖 Common Coot (5)

ミャンマーのインレー湖で出会ったオオバンたちです。

オオバン(Common Coot またはEurasian Cootとも)は夏はユーラシア大陸北部の湖沼地帯で繁殖し、夏に東南アジア、アラビア半島、アフリカの一部、そして日本に渡り越冬します。日本では琵琶湖にで越冬するオオバンが増えた、とニュースで見たことがあります。

ミャンマーのシャン州にあるインレー湖にはInle Wetland Wildlife Sanctuary という野鳥保護区があります。以前はたくさんの野鳥が観察できたそうですが、インレー湖の「フローティング・ガーデン」で使用される農薬の影響で野鳥が減ってしまったとも言われています。

オオバン インレー湖 Common Coot (1)

12月半ばのインレー湖です。厳しい朝もやの中、オオバンたちの群れに出会いました。この時期のインレー湖は朝から9時頃まで朝もやで覆われます。

オオバン インレー湖 Common Coot (3)

私たちがボートで近づくとオオバンたちが水面を走り始めます。

オオバン インレー湖 Common Coot (4)

大きな水かきのついた足で水面を走る姿は見事。

オオバン インレー湖 Common Coot (11)

朝もやの中、ボートからオオバンを狙うカメラマンさんの姿。

オオバン インレー湖 Common Coot (2)

このオオバン、一番気になるのは「足」。木の葉状の水かきがついています。

オオバン インレー湖 Common Coot (6)

気になる「木の葉状の水かき」の足。

オオバン インレー湖 Common Coot (7)

水面を走るように飛び立っていく姿は何度見ても、何度見ても飽きません。

オオバン インレー湖 Common Coot (9)

朝もやが上がりました。チュウサギ Intermediate Egretのそばをオオバンの団体さんが泳いでいきます。冬の季節のインレー湖は朝9時ごろまでは霧で覆われていますが徐々に晴れてきました。

オオバン インレー湖 Common Coot (10)

オオバンたちが、晴れたインレー湖の空に飛び立っていきました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Dec 2015, Inle Lake, Shan State, Myanmar

Reference : Helm Field Guids” Birds of South East Asia”, Birds of Myanmar, Wikipedia(JP)

 

オマーンのラクダとアラビアテリムク

アラビアテリムクとラクダ オマーン (8)

オマーンではラクダは砂漠より海岸にいることが多い・・・オマーンを旅して10日目、このことに気がつきました。首都マスカットを中心とする北部ではラクダを見かけることはほとんどありませんが、南部ドファール地方はラクダがたくさん放牧されています。しかも海岸で。

アラビアテリムクとラクダ オマーン (7)

海岸で草を食むラクダたち、中には海草を食べている子も。

アラビアテリムクとラクダ オマーン (13)

海岸であごを出して寝ている子供ラクダたち。この地方でラクダを放牧しているのは「ジェバリ」と呼ばれるラクダ放牧をなりわいとしている人たち。都会から来たオマーン人のガイドはまとめて「ベドウィン」と呼んでいます。オマーンではミルク用、肉用、レース用にラクダが飼育されています。

アラビアテリムクとラクダ オマーン (10)

ラクダの耳を掃除するアラビアテリムクを発見。アラビアテリムク Tristram’s Starlingはアフリカ~アラビア半島西側で見られるムクドリで、オマーンではこのドファール地方でだけ見られます。羽を広げたときに羽の半分が茶色くみえることから、トリストラムクリバネテリムクとも呼ばれています。

アラビアテリムクとラクダ オマーン (11)

ラブリーな光景。

アラビアテリムク

左側の頭が青っぽいのがオス、右側の頭が黒っぽいのがメスです。ドファール地方の海岸のあちこちで観察され、特にラクダと一緒にいることが多い鳥です。

アラビアテリムクとラクダ オマーン (5)

ラクダたちが次の放牧地へと移動していきます。

アラビアテリムクとラクダ オマーン (6)

アラビア半島の海岸を闊歩するラクダたちでした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Nov 2015, Mughsayl, Fizayah – Oman

Reference : Princeton Field Guides “Bird of the Middle East”, Wikipedia(EN)

 

 

インドブッポウソウ Indian Roller

Indian Roller (1)

まるでインドの空を舞う大きな宝石のように美しいインドブッポウソウ、Indian Roller。

インドでは一般的で幅広く分布し、ほとんどの国立公園でサファリ中に観察することができる鳥です。オリッサ州、カルナータカ州、テランガーナ州の「州の鳥 State Bird」に定められる、一度見たら忘れることのできない美しい鳥です。

インドでは2亜種が確認され、西アジア~ヴィンディヤ山脈以北のインド北部に見られる C. b. benghalensisと、中~南インド・スリランカで見られるC. b. indicusです。この写真のインドブッポウソウはいずれも広義のヴィンディヤ山脈にある場所で撮影しました。

Indian Roller (5)

捕食中。草原や草地など開けた場所の木や電線にいることが多く、目につきやすい鳥です。

Indian Roller (6)

耳羽から喉にかけての白い線上の毛が特徴的です。何よりも羽の鮮やかな青。トルコ石色の羽です。

Indian Roller (3)

Indian Roller (4)

比較的簡単に観察できる鳥ですが、飛んでいる美しい羽の姿を撮影するのは少し努力が必要です。サファリ中、いたるところで出会うのですが、きれいな写真を撮ることが難しい鳥です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : April-May  2014-2015  Kanha, Bandhavgarh, Madhya Pradesh, India

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インドオオコノハズク Indian Scops Owl(スリランカ)

Indian Scops Owl (3)

スリランカのウダワラウェ国立公園にある、Elephant Transit Homeにある木で出会った、インドオオコノハズク Indian Scops Owlの幼鳥です。

Elephant Transit Homeはその名の通り、象をトランジット(一時滞在)させる場所で、保護された野生の象を治療し、育て、再び野生へ戻すための施設です。毎日、子象にミルクをあげる時間には観光客が集まります。それまでの間、インドオオコノハズクを観察。

Indian Scops Owl (2)

遠くから見たら、こんな感じ。3羽いました。

インドオオコノハズクはヒマラヤの南のインド、スリランカの広範囲の森に暮らしています。オオコノハズクCollared Scops Owl との見分けが難しいのですが、胸元の模様が少なくよりクリーム色っぽいのがインドオオコノハズクとガイドさん。本によると、正式な判別は「鳴き声」 で、と。

Indian Scops Owl (1)

もこもこです。大きくなると23-25Cmくらいになります。ふくろうとしては小型ですがコノハズクの中では最大です。

Indian Scops Owl (4)

1羽が木の中に沈んで行き、2羽になり、

Indian Scops Owl (6)

最後は1羽になりました。

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jul 2014 , Udawarawe NP – Sri Lanka

Reference : Helm Field Guides “Bird of the Indian Subcontinent”

ウミガラス Common Guillemot (極東ロシア、 ベーリング海)

Guillemot ウミガラス (3)

ベーリング海峡からチュクチ海沿岸で観察したウミガラス Common Guillemot の観察の記録です。

英名はCommon Guilemot またはCommon Murreと呼ばれる海鳥で繁殖期の夏にコロニーをつくります。見た目が非常に似ているBrunnich Guillemot ハシブトウミガラスを一緒にいることが多く、同じ場所で営巣し、一緒に飛ぶこともあります。

Guillemot ウミガラス (6)
Guillemot

ウミガラス Common Guillemot とハシブトウミガラス Brunnich’s Guillemot が一緒に飛んでいます。

ウミガラスが少しブラウンがかった色でハシブトウミガラスが黒っぽく口元に白い模様があります。

夏の2~4ヶ月の間、海に面した断崖で子育てします。それ以外の期間は海で浮かんでいるか、飛んでいます。エビや小魚とかを捕食し、陸地のもの(虫、木の実など)は食べません。繁殖期が終わるとこの断崖も空っぽになります。

Guillemot ウミガラス (9)

ウミガラスが浮いているのは遊んでいるのでありません。ダイブして魚・エビを捕まえるため。50~60mの深さまでダイブすることができ、泳ぐときは脚は使わず手(羽)を使ってもぐります。

Guillemot ウミガラス (10)

ウミガラスが水面を助走し、飛ぼうとしているところです。ウミガラスは崖から直接飛ぶことはなく、まず、海に飛び込んで、そこから助走をつけて飛びます。

ギルモットは絶壁を好み、目の前の海が大きな採餌場場です。繁殖期には卵を1個を産みます。その形はヨウナシ型で、絶壁で落ちにくい形、転がるのをふせぐ形なのです。

Guillemot ウミガラス (11)

通常は巣にオスかメスと雛が一緒にいます。断崖のコロニーでは、親鳥が子を光と風からまもっていて、親鳥と断崖の間に雛がいることが多く見ることが難しいです。また、小さな雛は親鳥の足のあいだにもいたりします。20~30日で雛は旅立ちます。まず、海に飛び込んでしばらく飛ぶ練習をします。この間オスが子供が自分で魚を取れ、飛べる様になるまで面倒をみます。

Guillemot ウミガラス (2)

幼鳥の面倒を見る親鳥。それでも、溺れ死んだり、天敵である大型のカモメに襲われたりもします。

Guillemot ウミガラス (12)

海で死んだウミガラスの幼鳥を食べるシロカモメ Glaucous Gull。大型のカモメは天敵です。

オスが幼鳥の子育てをしている間のメスはというと、雛が巣立ったあともコロニーの巣で自分の場所を主張。この場所の確保・生存競争は激しく、コロニーを去るの日までメスは自分の巣を守ります。

Guillemot ウミガラス (8)

そして巣立った雛は4~5年後に元の場所へもどってくるといいます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Mid of Aug 2015 , Preobrazheniya Bay, Kolyuchin Island- Russian Far east

Reference : Helm Field Guides “Birds of East Asia”, Samuel Blanc