カテゴリー別アーカイブ: ■鳥(国・地域別)

流氷の上のオオワシ Steller’s Sea Eagle (羅臼、知床半島)

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (5)

羅臼、知床半島の流氷クルーズで観察したオオワシ Steller’s Sea Eagle。白い翼、白い尾、黄色い大きなくちばしと足を持つ、本当にカッコイイ猛禽です。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (1)

羽を広げると220~250センチもある大きな鷲で体重は5~9キロ、メスのほうが大型です。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (7)

オホーツク海沿岸、カムチャッカ半島沿岸で繁殖し冬になるとその一部が千島列島の南部や北海道にやっています。世界に3,200ペアほどが生息すると考えられ、北海道にはそのうちの2,000羽ほどが冬を越しに来ていると考えられています。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (6)

オオワシですが、英名はSteller’s Sea Eagle。Stellerはドイツの博物学者ゲオルク・ステラー Georg Wilhelm Stellerにちなんでつけられた名前です。

ゲオルク・ステラーはドイツ出身ですがロシア帝国の博物学者で、ヴィトウス・ベーリングの遠征隊に随行し、カムチャッカ半島やアリューシャン列島を探査。1741年にベーリングが現コマンダル諸島のベーリング島で病死した後、島から残った隊員たちの脱出を成功させ、この地に暮らすステラーカイギュウ等の海の動物や海鳥の存在を世界に知らせました。

そして・・・その結果、オオワシと同じ「ステラー」の名を持つ「ステラーカイギュウ」は、1868年、「発見」からわずか27年で乱獲によりこの世から姿を消すこととなってしまいました。メガネウも1852年に絶滅しています。

ステラーカイギュウ Steller's Sea cow

コマンダルスキー諸島ベーリング島の私設ギャラリーに展示されているステラーカイギュウの骨格。

話を元に戻しオオワシですが、冬を北海道で過ごし3月の第一週ごろには北へ移動します。オオワシはもともと長距離の移動はせず、流氷や千島列島の島づたいに北海道へやってきて、3月に繁殖地へ戻ります。この季節は求愛の季節。4~5月には1~3つの卵を生みます。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Steller's sea eagle (2)

羅臼の町を背景に、オオワシたちの姿。間もなく、北へ旅立ちます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : February 2018, Rausu, Siretoko Peninsula, Hokkaido

Special Thanks : ゴジラ岩観光 山谷船長とクルーの皆様

Reference:International Working Group for the Steller’s Eagle Conservation
“O-Washi-net”

絶景!羅臼・ 夜明けの流氷クルーズ(羅臼、知床半島)

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (2)

2月28日の羅臼の流氷クルーズのレポートです。朝4時45分には港へ来るようにと指示を受けていたので、鷲の宿で4時30分までシマフクロウを観察してからまっすぐ港へ。空には星が輝き雲一つありません。透き通った冬の知床の空気。「今日はかなりキレイかも」と期待いっぱいで港へ向かいました。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (11)

出航した船から見た羅臼の町と知床半島の山の景色。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (9)

国後島が赤く染まっています。船長がアナウンスで「今日はとても流氷が近いよー」と。本当にすぐ、流氷の影が見えてきました。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (10)

流氷の向こうに国後島。かなり染まっています。船長が「もうすぐ太陽が出るからねー」と。みんな甲板で待ちます。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (3)

日の出です。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (5)

朝日を浴びた流氷の上のオオワシ。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (12)

船の回りにはオオワシ、オジロワシたちが集まっています(カラスたちも!)。それにしても今日は本当にキレイです。

羅臼 流氷クルーズ オオワシ Rausu Steller's sea eagle (6)

甲板では無数のシャッター音が響きます。この日は日本人だけでなく、外国からのバードフォトグラファーの方々もずいぶんいらっしゃいました。早朝の夜明けクルーズはシマフクロウの観察のこともあり「キツイなー」と思うのですが、この景色にすべてが報われます。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : February 2018, Rausu, Siretoko Peninsula, Hokkaido

Special Thanks : ゴジラ岩観光 山谷船長とクルーの皆様

スネアーズペンギン Snares Penguin(スネアーズ諸島)

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (3)

ニュージーランドの亜南極の島、スネアーズ諸島の固有種、スネアーズペンギン(ハシブトペンギン)です。

スネアーズ諸島はニュージーランドの南島の南200キロにある諸島で、船の航行が難しい場所の上、島の多くは崖に囲まれており1791年にジョージ・バンクーバーによって発見はされるも、他の亜南極の島のように捕鯨やアザラシ猟などの開発の影響を受けず、手つかずの自然が残されている島です。特に人間以外の移入動物(ねずみやネコなど)が入ってこなかったことから、鳥たちの本来の姿を見ることができる島です。

その貴重さゆえ、上陸は禁止されており、ボートから岸辺に現れる鳥を観察することになります。

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (1)

現在スネアーズ諸島に3万ペアいるというスネアーズペンギン。その数は減ってもいないけど増えてもいない・・・スネアーズペンギンの保護のために調査が進められています。

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (6)

体長50-60Cm、体重2~4Kg。オキアミや魚、イカを食べています。

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (10)

繁殖地は海岸からずいぶん歩いた場所にあります。海と繁殖地をつなぐペンギンハイウェイ。

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (11)

内陸の森の中にいるスネアーズペンギン。よく見ると雛たちの姿も。

スネアーズペンギンは8月にオスが上陸し巣を作り始め、9月にメスが上陸。10月には卵を2つ産みますが他のマカロニペンギン属と同様に、1つ目の小さな卵は放棄するか孵化しても育てず、2つ目の大きな卵を大事にして1羽の雛を育てます。雛は生まれてから75日ほどで巣立ちを向かえ、海岸へやってきてここから自分で生きていくことになります。

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (12)

海岸に近い森の中で換羽中の雛。

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (4)

海へ向かうスネアーズペンギン。

スネアーズペンギン ハシブトペンギン Snares Penguin (8)

海からあがってっきたスネアーズペンギン。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2018 , Snares Islands – New Zealand

Reference : A complete guide to Antarctic Wildlife, Wikipedia(EN)

ロイヤルペンギン Royal Penguin(マッコリー島)

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (5)

オーストラリア領マッコーリー島だけで繁殖しているロイヤルペンギンRoyal Penguin。マカロニペンギンと似ているといわれますが、顔が白く大変かわいらしいペンギンです。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (11)

体長70センチ、体重3~8キロほどのペンギンで、南極海でオキアミ・魚・イカを獲って暮らしています。9~2月はロイヤルペンギンの繁殖の季節。マッコーリー島の海岸と繁殖地はロイヤルペンギンで埋め尽くされます。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (4)

海岸から200mくらいまでの少し離れた開けた場所に繁殖地が作られます。繁殖地はかなりの密度。マッコリー島では60ペアーから16万ペアーまで大小50箇所を越える繁殖地が確認されています。

9月に上陸し浅い穴の巣をつくり、10月に2つの卵を産みます。卵は2つ産むのですが、1つ目の卵は小さく放棄されることがほとんどで、2つ目の大きな卵を大事にして1羽のひなを育てます。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (12)

訪問した1月半ばは大きな雛がおり換羽が始まっていました。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (6)

美しいロイヤルペンギン。

1870年~1919年の間にロイヤルペンギンとキングペンギンあわせて毎年15万頭が「油を取るため」に殺されていました。このペンギンからオイル・・・想像もできません。案内してくれたレンジャーによるともともと油をとっていたアザラシがいなくなっためペンギンから油をとり始め、さらには大きなキングペンギンよりこのロイヤルペンギンのほうが油を取るのに良かったと・・・。

現在は完全な保護下で85万ペアがマッコーリー島で繁殖しています。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (7)

繁殖地と海岸の間をつなぐ「ペンギンロード」を歩くロイヤルペンギン。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (10)

マッコリー島のサンディベイのロイヤルペンギンとミナミゾウアザラシ。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (9)

ロイヤルペンギンたち、横たわるミナミゾウアザラシも気にしません。

ロイヤルペンギン Royal Penguin マッコリー島 (8)

「闘いの練習」をしているミナミゾウアザラシの若いオス。さすがにロイヤルペンギンも少し距離を置いて歩いていました。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jan 2018 , Macquarie Island- Australia

Reference :  A complete guide to Antarctic Wildlife, Wikipedia(JP/EN)

★南極海のガラパゴスへ! ニュージーランド亜南極ワイルドライフクルーズ
(スネアーズ諸島、オークランド諸島、キャンベル島、マッコーリー島)海鳥好きのためのコースです!

 

マゼランペンギン上陸 Magellanic Penguin(バルデス半島、パタゴニア)

マゼランペンギン Magellanic Penguin バルデス半島上陸 (2)

9月上旬のバルデス半島、サンロレンソの海岸は6ヶ月を海で過ごしたマゼランペンギンたちが続々と上陸し、自分たちの巣穴を目指します。

<サンロレンソのマゼランペンギンの1年>

9月上旬 オスが上陸、巣作り(巣の場所をめぐってのオスの争い)続いてメスが上陸、交尾。卵は2つ。オスとメスが交代であたため、孵化すると雛の世話のため漁にいきます。海岸から1キロ奥に巣があることも。
11月 ヒナの誕生
12月 ヒナが1キロになる。
1月 ヒナのグループが形成される
2月 成鳥の羽毛がぬけかわる
3月 ヒナの巣立ち、海へ。
3月下旬~4月上旬 ペンギンが海岸に並び海へ。コロニーには誰もいなくなります。この後、9月までマゼランペンギンは海で過ごします。

マゼランペンギン Magellanic Penguin バルデス半島上陸 (1)

9月上旬の海岸。上陸してきたマゼランペンギン。1羽だったり、2羽だったり、5羽だったりします。

マゼランペンギン Magellanic Penguin バルデス半島上陸 (5)

海岸をうろうろしていたキツネを見ていたら、砂をほって死んだマゼランペンギンを運んでいきました。6ヶ月を海で過ごし、ようやく戻ってきた巣を目前で息絶えたペンギン。

マゼランペンギン Magellanic Penguin バルデス半島上陸 (3)

巣に向かって歩くマゼランペンギン。毎年同じペアが同じ巣で繁殖します。海岸沿いの「一等地」に巣のあるペア、驚くほど遠い草地に巣のあるペア。サンロレンソはパタゴニアヒツジの放牧地でもあることから、ヒツジの群れの間を歩くマゼランペンギンの姿も見られます。

マゼランペンギン Magellanic Penguin バルデス半島上陸 (4)

早くに到着して巣を守るペンギン。この後、最盛期の12月~1月には20万羽の大変にぎやかなコロニーになります。

Movie, Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Sep 2017 , Valdes Peninsula, Chubut – Argentina

Reference : Hector Horacio Casin、Magellanic Penguin – Patagonian Ambassador(Marcelo Bertellotti)

★2018年ツアー情報 パタゴニアの海、バルデス半島を訪れるコースはこちら!

パタゴニア・バルデス半島自然紀行
【特別許可取得】3日間のチャーターボートでミナミセミクジラの海へ

 

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (9)

千島列島のシラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet です。シラヒゲウミスズメは千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、オホーツク海の北沿岸で繁殖する、非常に限られた場所でのみ観察される海鳥。日本では稀な冬鳥として北海道~本州北部で見られることがあるそうです。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (8)

夏羽の白い飾り羽が大きな特徴で英名の「Whiskered」も「頬ひげがある」という意味。この目、赤いくちばし、息をのむ美しさです。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (4)

繁殖地ではエトロフウミスズメと一緒にいました。エトロフウミスズメ(23-27センチ)に比べるとシラヒゲウミスズメ(17-22センチ)はだいぶ小型です。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (5)

船が近づくと、いっせいに飛び立ちました。夏は繁殖の季節。甲殻類のプランクトンを採餌し、のどの袋に入れて巣へと運びます。

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (6)

その飛んでいる様は圧巻。シラヒゲウミスズメの糞が服についたのですが、甲殻類の色、ピンク色でした。

シラヒゲウミスズメは夜に巣にやってくるとのことで暗くなるまで待ちました。そしてウミスズメの大群が・・・

シラヒゲウミスズメ Whiskered Auklet (2)

シラヒゲウミスズメ、暗かったし船の上からの写真撮影は難しかったですが、圧巻です!

Movie, Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jun 2017 , Yankicha Island, Ushishir Island, Kuril Islands – Russian Far East

Reference : Nik Pavlov – M/V Afina, Wikipedia(JP/EN), Birds of East Asia, 海鳥識別ハンドブック

★2019年の「千島列島エクスペディションクルーズ」発表しました!海鳥の繁殖の季節!千島列島に詳しいクルー&スタッフといく人数限定企画です。

千島列島バードスペシャル 北の海鳥の大繁殖地「中千島」へ★2019年6月27日発11日間

海鳥の聖域 千島列島探検クルーズ★2019年6月15日発13日間★探検隊長として自然写真家・寺沢孝毅氏が同行。(外部リンク)

千島列島アドベンチャークルーズ シュムシュ島からウルップ島まで★2019年6月4日13日間

エトロフウミスズメ Crested Auklet

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (7)

千島列島のエトロフウミスズメ Crested Aukletです。千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、サハリン島北東岸、オホーツク海北岸、チュコトカ半島沿岸の海に生息し、夏にコロニーを形成し繁殖します。日本では冬鳥として北海道~本州北部で見られます。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (9)

23-27センチと大きめでずんぐりむっくりした体型、夏羽では長い冠羽を持ち、英名のCrestedの通り。そして白い目、オレンジ色の太いくちばし。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (8)

集団で浮いていました。夏のくちばしの色は大変鮮やかなオレンジ色です。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (2)

繁殖コロニー付近のエトロフウミスズメ。5月半ばから8月半ばに繁殖地へやってきます。エトロフウミスズメは深く潜ることができ、おもにオキアミ食べ、のどの袋に入れて巣へ運んできます。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (4)

エトロフウミスズメ、正面。

エトロフウミスズメ Crested Auklet 千島列島 Kuril Islands (5)

船が近づくと水面を蹴って走り飛び立っていきます・・・

Movie, Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jun 2017 , Yankicha Island, Ushishir Island, Kuril Islands – Russian Far East

Reference : Nik Pavlov – M/V Afina, Wikipedia(JP/EN), Birds of East Asia, 海鳥識別ハンドブック

★2019年の「千島列島エクスペディションクルーズ」発表しました!海鳥の繁殖の季節!千島列島に詳しいクルー&スタッフといく人数限定企画です。

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オニオオハシ Toco Toucan(パンタナール、ブラジル)

オニオオハシ Toco Toucan パンタナール (5)

自然界にこんな生き物が存在するのか、と初めてみた時、本当に驚きました。

オニオオハシ Toco Toucanは意外にもパンタナールでは一般的な鳥でした。長さ20センチにもなるオレンジ色のくちばし。このくちばしが体長に閉める割合は鳥類最大。飛んでいる姿を見てガイド氏が「フライング・バナナ Flying Banana」と表現します。

オニオオハシ Toco Toucan パンタナール (6)

ファゼンダ(農場)の敷地の大きな木や川そいで見かけるオニオオハシ。エコロッジの中には「餌台」を作ってオニオオハシを呼んでいるところもあります。さらには、観光客が投げるパンをキャッチすることも・・・。

オニオオハシ Toco Toucan パンタナール (4)

正面から見たオニオオハシ。青いがっちりした足も素敵です。止まり木からくちばしを伸ばして果実をとっている姿を見かけます。

オニオオハシ Toco Toucan パンタナール (1)

このくちばしは中は空気を多く含んだスポンジ状になっているため、大きい割には軽いのです。濃いオレンジ色で先の部分に黒い模様があります。主食は木の実。

オニオオハシ Toco Toucan パンタナール (8)

ボートから川辺で水をのむオニオオハシを発見。大きなくちばしに水を入れて、すぐに上を向いてのどに流し込んでいました。

オニオオハシ Toco Toucan パンタナール (7)

眼の周りの部分は肌がむき出しで、オレンジの肌に紫のアイリングです!

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Sep 2017, Suburb of Aquidauana, Brazil

Reference :  Mr.Ric, Birds of Brazil(The Pantanal & Cerrado of Central Brazil), Wikipedia( JP,EN)

★西遊旅行のパンタナールへの旅。2018年のツアー発表しました!

ブラジル・パンタナールにジャガーを求めて
南北パンタナールに計9泊滞在 大湿原に生きる野生動物の観察・撮影に特化した企画

蓮の上のレンカク Pheasant-tailed Jacana (パンジャーブ、パキスタン)

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (2)

パキスタンにもバードウォッチャーやフォトグラファーのグループがいます。そのうちの知り合いから「レンカクが蓮の上で巣を作ってる、行こう」と誘いがあり、訪問してみました。

場所はパキスタンのラホールの南西75キロにあるヘッド・バローキー Head Baloki というナーヴィー川 Navi River の流れる村。この村は川から引いた水路や池がありそこに水鳥たちが集まっていました。

ラーヴィー川はパンジャーブ地方を流れる5つの川の1つ。もともとこのパンジャーブと言う言葉もペルシャ語で ”Panj -ab 5つの水 “をさし、インダス川とその4本の支流が育む豊かな土地を指します。しかし、これらの川も1947年のインド・パキスタンの分離独立により川の水利権をめぐり紛争の原因となりました。ヒマーチャル・プラデーシュに水源を発するこのラーヴィー川も例外ではありません。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (9)

夏羽のレンカク(Pheasant-tailed Jacana) です。尾羽が長くなり、 頭とのど、翼が白く、体の羽毛は黒っぽい茶色です。そして首の後ろが黒い縁取りのある金色になります。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (10)

長い足の指とツメで、体重を分散して蓮の葉の上を歩きます。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (4)

雛をつれたレンカクです。ここに連れてきてくれた友人は「蓮の葉の上で巣をつくってる」といっていましたが、孵化したようです。そしてヒナのしっかりした足。レンカクの雛は、その水の上と言う厳しい環境から、孵化したらすぐに動けるのだそうです。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (6)

レンカクはオスが子育てをする”イクメン鳥”だそうで、これはお父さんなんですね。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (8)

お父さん、近づいてきたインドアカガシラサギに声を発しています。

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (11)

こちらは2羽のレンカクが羽を広げています。レンカクは求愛ディスプレイが見られない鳥と聞いていますが、何のディスプレイだったのでしょう・・・

レンカク Pheasant-tailed Jacana パキスタン Head Baloki (12)

早朝のパンジャーブ、蓮の池で見た美しいレンカクたちでした!

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Aug 2017, Head Baloki, Punjab, Pakistan

Reference : Zahoor Salmi(Photographer)

セイロンガマグチヨタカ (2) Sri Lanka Frogmouth (シンハラジャ、スリランカ)

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (12)

雨のスリランカ、シンハラジャの森のセイロンガマグチヨタカの観察です。8月初め、ぽたぽたと雨が降る中、熱帯雨林を歩きセイロンガマグチヨタカを探しました。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (4)

ヒルよけソックスを着用し森の中へ。バードスポッターの努力の末、ペアのセイロンガマグチヨタカを見つけることができました。オスとメスがそれぞれ違う木の枝にいました。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (7)

セイロンガマグチヨタカのオスです。メスに比べて暗い色をしています。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (5)

正面から見ると、本当に「かえる」のような口をしています。

セイロンガマグチヨタカは発見当時、スリランカの固有種と考えられていたため Sri Lanka Frogmouth と国名が名前につきましたが、その後南インドの西ガーツ山脈で見つかり、「固有種」ではなくなりました。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (6)

顔が180度回転。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (14)

こちらはメスです。夜行性で日中はお気に入りの止まり木にいます。比較的低い枝にいるので観察しやすいのです。夜明けと日没時に鳴くそうです。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (11)

翼を広げてくれました。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (10)

尾羽を広げてます。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (13)

これまでの観察で、セイロンガマグチヨタカは顔を上げて上を見ていることが多いな、と感じていました。資料をによると、止まり木で危険を感じたときに、枝の一部に見えるように頭を上げてじっとし、すぐに飛んだりはしないのだそうです。脅威を感じるときのディスプレイでは口を開けるそうです。

セイロンガマグチヨタカ Sri Lanka Frogmouth シンハラジャ sinharaja (9)

逃げないので意外ときにしていないのかと勘違いしていました。怖かったのですね。雨季のシンハラジャ、やはりヒルがたくさんいます。私たちもちょっと怖かったです。

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : Aug 2017, Near Sinharaja Forest Reserve, Sri Lanka

Reference : Birds of Sri Lanka (Helm Field Guide), Wikipedia(EN)

Special Thanks to Mr.Tilak, Mr.Anuradha