カテゴリー別アーカイブ: – カムチャッカ半島 Kamchatka

(動画)北千島で出会ったザトウクジラ

2019年夏の千島列島バードスペシャルの航海で出会ったザトウクジラたちです。

第2クリル海峡から第一クリル海峡(占守海峡)を経てカムチャッカ半島の南端・ロパトカ岬に上陸しようと航行しているときに出会った、採餌中のザトウクジラたちです。

北千島列島のザトウクジラ|西遊旅行

今回ザトウクジラたちを観察したポイントに近い、第一クリル海峡では昨年、「クリル・マジック」にも遭遇(昨年のレポート動画はこちら)。

この付近はザトウクジラたちが集まる海域のようです。そして、ハシボソミズナギドリも。

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : Jul 2019, First Kuril strait, Kuril Island, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov & Affina, Hobby’s World – 吉成才丈氏

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

スタリチコフ島のツノメドリ(カムチャッカ半島)

スタリチコフ島 ツノメドリ カムチャッカ半島 Starichkov Island Horned Puffin(7)

カムチャッカ半島の行政の中心でもあり、空の玄関口、太平洋に開けた大きな港を持つ町、ペトロパブロフスク・カムチャツキー  Petropavlovsk-Kamchatsky 。

ペトロパブロフスク・カムチャツキーの港、アバチャ湾からわずか10キロほど南にあるのがスタリチコフ島 Starichkov Island。小さな島ですが、1981年から保護区となり夏には海鳥たちが繁殖しています。

2019年の千島列島バードスペシャルのクルーズでは、スタリチコフ島でツノメドリをたっぷり観察&撮影することができました。千島列島の島にもツノメドリはいますが、一番距離が近いのはココかもしれません!

vilyuchinskiy volcano ヴィリュチンスキー火山 スタリチコフ島 staichkov island (1)

アフィナ号から小型ゴムボートに乗り換え、いざスタリチコフ島へ。背景には2,173mの成層火山 ヴィリュチンスキー火山 Vilyuchinsky volcano がそびえます。なんともカムチャッカらしい景色を背負ってのバードウォッチングです!

スタリチコフ島 ツノメドリ カムチャッカ半島 Starichkov Island Horned Puffin(2)

島の太平洋側の北の角の岩に、いました、ツノメドリ。

スタリチコフ島 ツノメドリ カムチャッカ半島 Starichkov Island Horned Puffin(4)

ツノメドリの愛らしい行動。

スタリチコフ島 ツノメドリ カムチャッカ半島 Starichkov Island Horned Puffin(3)

少し待っているとどんどん離発着して1フレームに6羽入ってくれました。

スタリチコフ島 ツノメドリ カムチャッカ半島 Starichkov Island Horned Puffin(6)

こちらは別のご夫婦。

スタリチコフ島 ツノメドリ カムチャッカ半島 Starichkov Island Horned Puffin(8)

巣から出てきたツノメドリ。

スタリチコフ島 ツノメドリ カムチャッカ半島 Starichkov Island Horned Puffin(9)

浮かぶツノメドリ。

vilyuchinskiy volcano ヴィリュチンスキー火山 スタリチコフ島 staichkov island

皆さま、最後まで撮影がんばりました!

余談ですが、このヴィリュチンスキー火山のアバチャ湾側の麓には、ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦基地があります。その名もヴィリュチンスク Vilyuchinsk。ここからアバチャ湾を出入りする軍艦や原子力潜水艦があると湾の航行ができなくなり、2~3時間待たされることがちょくちょくあります。

Photo & Text :Mariko SAWADA

Observation : Jul 2019, Starichkof Island- Kamchatka Peninsula, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov & Afina、Hobby’s World – 吉成才丈氏

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

ルスカヤ湾のオオワシ(カムチャッカ半島)

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (4)

2019年夏の千島列島クルーズからのレポートです。千島列島へはカムチャッカ半島のアバチャ湾を出港し、船でカムチャッカ半島の太平洋岸に沿って南下するのですが、その途中に何か所かオオワシ  Steller’s sea eagle が営巣している場所があります。そのうち、ルスカヤ湾入り口の灯台に近い巣は比較的観察しやすい場所にあります。

ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (11)

ルスカヤ湾はアバチャ湾から60キロほど南にあるフィヨルドで、湾の入り口からおよそ7キロも奥まで続きます。湾の奥には真水を得られる川があり、古くから航海中に真水を得る場所として、そして悪天候時のシェルターとして利用されていた湾です。最近ではカムチャッカからの日帰りのボートツアーで訪問する人も増えている場所です。

ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (17)

その湾の入り口の灯台付近に毎年、オオワシが営巣しているのが確認されています。この時の観察は6月18日。双眼鏡で確認します。

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (14)

いました、オオワシと雛がいます。

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (5)

しかも雛は2羽。資料によると、オオワシは通常1~3個の卵を産み(平均は2個)、成鳥まで育つのは1羽のみが多いとのこと。無事に2羽とも巣立ってほしいものです。

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (2)

雛が口を開けているのが見えました!

オオワシ営巣地 Steller Sea Eagle Nest ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (7)

親鳥が少し離れたところを見ながら何やら威嚇しています。でももう時間です、私たちも南下を開始しなくては翌朝にクリル第1海峡(シュムシュ海峡)につけません。無事に雛たちが巣立つことを祈りつつ、その場を離れました。

今回のルスカヤ湾ではほかにもいろんな動物との出会いが。

ゴマフアザラシ Spotted Seal ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (15)

浅瀬でのんびりする、ゴマフアザラシ Spotted Seal。

トド Steller Sea Lion ルスカヤ湾 カムチャッカ Russkaya Bay Kamchatka (10)

太平洋岸に面した岩場にいるトド。ここでは繁殖はしておらず、独身オスがぶらぶらと集まっているHauling-outです。

その他にも、シノリガモ、ラッコ、シャチも観察できました。

Photo & Text  :Mariko SAWADA

Observation : Jun 2019, Russkaya Bay, Kamchatka Peninsula, Russian Far East

Special Thanks : Nik Pavlov &  Afina, 寺沢孝毅氏

★2020年の千島列島クルーズは11月ごろ発表予定です。

繁殖地のオオワシ (カムチャッカ半島)

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (6)

日本では2月の北海道、風蓮湖・羅臼の風物詩ともいえるオオワシの姿。オオワシは冬を千島列島南部や北海道で過ごし、3月上旬には北上し繁殖地へ向かいます。

オオワシの繁殖地はカムチャッカ半島の沿岸部、オホーツク海の沿岸部、アムール川河口部、サハリン、千島列島などの北東アジアの沿岸です。その中でもカムチャッカ半島が最も大きな繁殖地。6月、カムチャッカ半島の東海岸の河口部でオオワシを見ることができました。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (2)

火山がひしめくカムチャッカ半島。海岸からも美しい山の姿が見られます。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (1)

東海岸、ジュパノバ川の河口にいたオオワシ。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (4)

オオワシは2~3月にかけて求愛行動が見られ、巣は木の枝などを使って木の上や崖の上に作ります。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (3)

直径250センチ、高さ150センチにもなる大きなオオワシの巣。4~5月に1~3個の卵を産みます。8~9月に巣立ちできるのは平均2羽。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (8)

河口の岸壁の上にも巣がありました。

オオワシ カムチャッカ半島 Steller's sea eagle Kamchatka Peninsula, Breeding area (9)

灯台の上で見張りをしているオオワシ。ガイド氏によると、この季節はまだ緑がないため巣を見ることができるけど、数週間もすると新緑で覆われて巣を見ることはできなくなる、とのことでした。

Photo & Text : Mariko SAWADA 澤田真理子

Observation : Jun 2017 , Kamchatka Peninsula – Russian Far East

Reference : Wikipedia(JP/EN), Birds of East Asia