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添乗員ツアーレポート  中近東・中央アジア

地獄の門と奇跡の大地
~カラ・クム砂漠が生んだ2つの絶景を訪ねて~

  • トルクメニスタン

2013.03.01 update

今シーズン新たに発表した「地獄の門と奇跡の大地」。トルクメニスタンのカラ・クム砂漠の絶景を訪ねる新コースの視察へ、昨年12月に行って参りました。 今回は、その時の写真を交えツアーのご紹介をさせていただきます。

カラ・クム砂漠の荒野に突如としして空く穴。昼夜を問わず40年以上も炎を上げ続けるこのクレーターは、その異様な光景から「地獄の門」と呼ばれる。カラ・クム砂漠の荒野に突如としして空く穴。
昼夜を問わず40年以上も炎を上げ続けるこのクレーターは、その異様な光景から「地獄の門」と呼ばれる。

かつての海の底 ヤンギ・カラの大地へ

首都アシュハバード到着時の気温は5度。しかも飛行機の到着が5時間も遅れる程の濃霧でした。大陸性気候のため、冬はマイナスにもなる過酷な地、今回の視察はこの時期にあたりましたが、ツアーの設定は春から秋にしています。アシュハバードから四輪駆動車で走ること5時間、トルクメニスタン西部の町・バルカナバードに到着しました。まずはこのツアーのハイライトの

ひとつ、ヤンギ・カラへ向かうためにこの町で一泊しました。
翌朝、幹線道路からオフロードに入り、ヤンギ・カラの絶景地帯へ。カスピ海東岸に広がるこの地のことは日本で調べていましたが、トルクメニスタンの北に位置しカザフスタンに広がるウスチュルト台地と同じような風景と思っていました。ヤンギ・カラもウスチュルト台地もかつては海の底だった所で、大地の隆起の後に、風雨の浸食によって奇岩広がる絶景地帯へと変わったのです。石灰質の大地なので白を基調としたテーブルマウンテンが広がる風景は同じなのですが、ヤンギ・カラは地層にヨウ素を大量に含んでいます。そのため、このヨウ素が生み出すピンク色と石灰質の白色が不思議な模様を織りなした絶景が広がっていたのです。
ヤンギ・カラに近づくにつれ、遠くにだんだんと大きなテーブルマウンテンが見えてきました。幹線道路からはこのテーブルマウンテンを下から見上げるように走り、その後標高を少し上げた所からオフロードへ、台地の上に上がっていきました。台地の上からは、果てしなく奇岩が連なる広大な景色を見ることができます。ツアーではこの台地の上に滞在する時間を多く取り、絶景の中でテント泊をすることができるよう考えました。その後、カスピ海沿岸の町・トルクメナバードへ。近年、トルクメニスタンのリゾート地となり、郊外には大きなホテルがたくさん建設されていましたが、庶民が集うバザールでは、カスピ海で採れたチョウザメがたくさん並んでいました。
大地が隆起したあと、風と雨による浸食によって削られた大地が
大地が隆起したあと、風と雨による浸食によって削られた大地が不思議な模様を生み出す(ヤンギ・カラ)
石灰質の白とヨウ素を含むピンクの地層
石灰質の白とヨウ素を含むピンクの地層
チョウザメが並ぶトルクメナバードの市場
チョウザメが並ぶトルクメナバードの市場
台地の上から果てしない光景を望む
台地の上から果てしない光景を望む

驚愕のクレーター群

視察はその後、ウズベキスタンとの国境に近いタシャウズへと向かい、いよいよ「地獄の門」へと向かいます。タシャウズは、なんと気温マイナス20度。あまりの寒さで4WDのエンジンがかからず出発が遅れましたが、幹線道路を走ること4時間、いよいよクレーター群に到着です。ダルワザという地名は、その名も「門」。ここには、40年程前に天然ガスの採掘作業中に空いた大きなクレーターが3つ残っています。最初に、底に地下水が湧き出た「水のクレーター」、泥がたまった「泥のクレーター」を見学。どちらも地下から吹き出すガスによって、泡がブクと湧きあがっています。その後、メインの「火のクレーター」へ。オフロードを走ること30分あまり、とうとう念願の「地獄の門」に到着。車を降りて近づくと、まずは火の燃える轟音に驚きました。横60メートル、縦50メートルのだ円系のクレーターの内部ではものすごい勢いで火が燃えており、熱によって生まれた陽炎に覆われていました。夢中でクレーターの回りを何周も歩いて写真を撮っているうち、だんだんと陽が落ちてあたりが暗くなってきました。真っ暗な闇が辺りを覆う頃、漆黒の中に燃え続けるクレーターの迫力は、言葉では表現できない程です。まずは、皆様も現地へ行って実際に体感していただきたいです。

日中も燃え盛る「地獄の門」
日中も燃え盛る「地獄の門」
荒野に突如として空くクレーター
荒野に突如として空くクレーター
水のクレーター
水のクレーター

伝統を守る遊牧民

翌日は、アシュハバードへ向かう途中で砂漠の中に佇む小さな村・ダムラ村に向かいました。なんと、朝から雪が降り出し、「黒い砂漠」を意味するカラ・クム砂漠が真っ白な雪化粧に包まれていきました。村では、雪の中を歩くラクダの群れに出迎えられ、一件の民家を訪問。この村は、ソビエト時代に建てられた住宅のほか伝統的なユルタも常設しており、村の人々は両方の建物を使って暮らしていました。村の広場にはナンを焼く釜戸「タンドール」があり、村の人が共同で使ってナンを焼く風景を見ることができました。ここではバザールで買った米を持参し、民家でプロフを作っていただきました。豊富な天然ガスにより近年どんどんと近代化が進むトルクメニスタンですが、羊の毛で作った帽子・カルパックを被り、伝統的な暮らしを続ける人々の生活にふれることができました。今回の視察は冬場になったので、村も一面の雪景色でしたが、皆様がツアーで訪れる頃は、放牧の動物もたくさん見られることと思います。  極寒と強風の中の視察でしたが、古代遺跡だけではないトルクメニスタンの別の魅力を知ることができました。トルクメニスタンのヤンギ・カラの絶景、燃 え続ける「地獄の門」、そして伝統的な暮らしを守る砂漠の民が、皆様をお待ちしています。

砂漠が雪景色に、ダムラ村で出会ったラクダの群れ
砂漠が雪景色に、ダムラ村で出会ったラクダの群れ
村に常設されているユルタ
村に常設されているユルタ
山頂を目指す
伝統的なユルタの暮らしを続ける村の家族
タンドール窯でナンを焼く様子
タンドール窯でナンを焼く様子

関連ツアーのご紹介

地獄の門と奇跡の大地 12日間

カラ・クム砂漠に燃えるガス・クレーター地獄の門と、奇岩広がるヤンギ・カラの大地を巡る。トルクメニスタンの2つの絶景と、遊牧民の暮らしを訪ねる旅。地獄の門のガス・クレーターと絶景のヤンギ・カラにてキャンプ。

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カラカルパクスタンとトルクメニスタン

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