知られざるタジキスタンの秘湯!
~パミール・ハイウェイとワハーン渓谷~
- タジキスタン
2022.07.15 update
タジキスタンは中央アジアに位置し、東は中国、西はウズベキスタン、南はアフガニスタン、北はキルギスと国境を接しています。“山岳国家”といわれるタジキスタンは、国土のほとんどが山岳地帯。標高1,000m未満から7,000m級まで様々な山があり、火山活動が活発なため、温泉が存在しています。
今回は、「タジキスタン オクサス紀行」 「ワハーン回廊とパミール・ハイウェイ」のツアーで訪れる“タジキスタンの秘湯”についてご紹介させていただきます。
乳白色の湯が魅力 「ガラム・チャシュマ温泉」
タジキスタン共和国のゴルノ・バダフシャン自治州の州都であるホルグの街を出発し、パンジ川に沿って移動する道中、ゴルノ・バタフシャン州の「イシュカシム地区」へ入るのですが、一度パンジ川の流れから離れ、支流アンダローブ川に沿うルートへと入ります。
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支流アンダローブ川の景観
支流アンダローブ川の上流にあるのが、乳白色の秘湯「ガラム・チャシュマ温泉」(標高2,550m)です。
「ガラム・チャシュマ温泉」には多くのミネラルが含まれており、皮膚病に効果があるといわれています。無料という事もあり地元の方々がよく療養に訪れる温泉です。源泉は温泉脇の山の斜面にあり、源泉の温度は60℃ほどですが、浴槽に流れてくる際には40℃ぐらいになり、日本人にとっては丁度よい温度です。ここは外湯がおすすめです。
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石灰棚が美しい露天風呂
トルコの「パムッカレ」や中国四川省の「黄龍」を思わせるような、プリン状の石灰棚に囲まれた外湯(露店風呂)は、日本でもなかなか味わうことのできない温泉ではないでしょうか。硫黄泉ならではの「湯の花」が湯船の底にたまっているのも嬉しいポイントのひとつです。「ガラム・チャシュマ温泉」には内風呂もあります。
ツアードライバーさんたちもよく、長距離ドライブの疲れを癒しております。
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ドライバーさんたちにとっても、仕事中の楽しみのひとつのようです
ガラム・チャシュマ温泉の入浴を楽しまれた後は、「ヒンドゥークシュ山脈」の景観が皆様をお待ちしております。
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ヒンドゥークシュ山脈
【入浴に際しての注意点】
※石けんやシャンプー類はご利用いただけません。お湯のみをお楽しみください。
※水着の着用が禁止されております。タオル片手にご入浴をお楽しみください。
※更衣室はなく、湯船の脇でお着替えいただきます。
※イスラム圏ということもあり、この温泉は男性と女性の入浴時間が明確に分かれていますのでご安心ください。
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男女の時間割は上記の通りです…解りますでしょうか
洞窟温泉 「ビビ・ファティマ温泉」
タジキスタン側の名峰である「マルクス峰(6,723m)」や「エンゲルス峰(6,507m)」の展望を楽しみ、到着したヤン村(標高2,700m)での宿泊時に訪れるのが、洞窟温泉の「ビビ・ファティマ温泉」です。ヤン村を出発し、紀元前3世紀からアラブがやってくる9世紀までの使用された砦「ヤムチュン砦」の展望を楽しみながら、村の奥へと車を走らせます。
この「ヤンチュン砦」の写真ポイントは、背景に青空が広がり雪山が聳える非常に画になる風景で、私も大好きな風景のひとつです。
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ヤンチュン砦の背景に雪山が広がる
「ビヒ・ファティマ温泉」は“子宝の湯”として地元でも有名な温泉です。入浴のために各地から女性が訪れ、温泉の湯を水筒などで持ち帰り、飲んだり体に塗ったりして、子宝に恵まれるよう祈るそうです。実際ドライバーさんや現地ガイドさんもペットボトルに入れてたくさん持ち帰っていました。
温泉の名前の由来は、ムハンマドの娘ファティマがこの地に来た際に、手をついた場所から温泉が湧いたという言い伝えからきています。温泉の温度も、前述の「ガラム・チャシュマ温泉」と変わらず、日本人にとっては丁度よい温度。岩からお湯が流れ出る岩風呂、洞窟温泉の雰囲気はまさに“秘湯”という言葉がぴったりです。
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ビヒ・ファティマ温泉
【入浴に際しての注意点】
※石けんやシャンプー類はご利用いただけません。純粋にお湯のみをお楽しみください。
※水着の着用が禁止されております。タオル片手にご入浴をお楽しみください。
※更衣室は洞窟温泉の手前にあります。
※もちろん、こちらも男女別の時間割がございますのでご安心ください。
「ビヒ・ファティマ温泉」での入浴を楽しんだ後は、5~6世紀の建造とされる「ヴァン仏塔」、さらに、ワハーン川とパミール川とが合流する「ランガール村」を目指します。
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ヴァン仏教遺跡
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ワハーン川とパミール川の合流点
タジキスタンの雄大な自然とパミール諸民族とのふれあいを楽しむ冒険行。ワハーン・パミール地域で楽しむことができる秘湯を求めて、タジキスタンを訪れてみませんか。