文明の十字路 ウズベキスタン
- ウズベキスタン
2020.06.18 update
シルクロードの面影が残り、美しいイスラム建築の建造物が魅力的な中央アジアのウズベキスタン。今回はウズベキスタンの代表的な3都市(サマルカンド、ブハラ、ヒヴァ)をご紹介いたします。
サマルカンド – 青の都
中央アジアで最も古くから繁栄した都市で、「青の都」とも呼ばれています。かつて13世紀にはチンギス・ハン率いるモンゴル軍により徹底的に破壊されましたが、その後14~15世紀ティムール朝の首都となった際に、多くの青い建造物が建てられました。ティムールやその孫・ウルグベクの人物像や、彼らの建てたブルーの建造物が織り成す世界に魅了されながら、文化・文明・歴史の交差路であったことを肌で実感できる町です。
英雄ティムールとその息子たちが眠る「グル・エミル廟」
ティムールが愛妃のために建造した「ビビ・ハニムモスク」
かつてサマルカンドの都が築かれ、その後モンゴル軍に破壊された「アフラシアブの丘」
何本ものシルクロードが交わり、様々な文明の交差路となっていたサマルカンド。その中心地となっていたレギスタン広場には3つのメドレッセ(神学校)が配置されています。
3つの神学校があるレギスタン広場
メドレッセの1つ「シェルドル・メドレッセ」の入り口に動物と人間が描かれた面白い絵柄があります。これは偶像崇拝が禁止されているイスラム教で、建築家が自分の権力を誇示しようとしたためだといわれています。しかし信者たちから強い批判があり、建築家は責任をとって自殺したという伝説が残されています。
200スム札にも描かれているシェルドル・メドレッセ入口アーチの絵
ツアーでは、ティムールの孫で天文学者であるウルグベクが建造した「ウルグベク天文台」にも訪れます。ウルグベクは聡明な学者肌の人物で、詩や音楽の鑑賞も好んだといわれています。
ウルグベク天文台
ウルグベクは恒星時1年間を365日6時間10分8秒と計算しましたが、これは現在の精密機器で計算した時間とわずか1分の誤差で、当時の技術でどう割り出したのか詳細には判明していません。
ウルグベク像
ブハラ – 中世隊商都市
紀元前5世紀には都市が造られたとされるブハラは、9世紀のサマン朝の時代に黄金期を迎え手工業、商業が盛んになり、交易の十字路となりました。サマルカンドの全盛期以前に賑わっていた町で、中世隊商都市の趣きを感じることができます。サマン朝最後の王がイスマイル・サマニが父親のために建てた、中央アジア最古のイスラム建築「イスマイル・サマニ廟」は、レンガだけで様々な組み方がされ、陰影があるため日差しの強弱などで凹凸の見え方が変わるといわれています。
イスマイル・サマニ廟
大通りの交差点を丸屋根で覆ったバザール「タキ」は、かつて専門店的要素が強く何でも見つけることができるといわれ、多くの民族が集まりました。丸屋根は高く大きく、外の光が入りやすいようたくさんの窓があります。現在のタキはスパイス、スザニ(布製品)、その他お土産物などの多くの店があります。
丸屋根市場「タキ」の外観
「タキ」の内部
スパイス屋
ブハラは13世紀にはモンゴル軍に破壊されましたが、16世紀、ウズべク人のシャイバニ朝時代に再びよみがえり、多くのモスク、メドレセが建築され宗教的に充実した都市となりました。
ブハラ・ハンの居城「アルク城」
ブハラ・ハン専用のモスク「ボロハウズ・モスク」
ツアーでは、民族舞踊のディナーショーにもご案内いたします。
民族舞踊ディナーショーの様子
ヒヴァ – 城壁の町
砂漠気候で年間300日は快晴であるヒヴァは、二重の城壁に囲まれており、内城のイチャン・カラは450メートル×600メートルの小さな城壁内全体が1990年に世界文化遺産に登録されています。17世紀、ヒヴァ・ハン国の首都となり、政治・経済・宗教の中心としてモスクやミナレット、メドレセが続々と建設されました。サマルカンドやブハラと比較すると小規模ではありますが、こじんまりとした良さがあり歩いていて非常に落ち着く街並みとなっています。西門を抜けるとまず目に飛び込んでくるカリタ・ミナルは高さは26m、直径は14.2mの巨大なミナレットで、1852年に建設が着工されました。その後ムハンマド・アミン・ハンがペルシャとの戦いで死亡したため工事は中断され、未完のまま残っています。
未完の塔カリタ・ミナル
ジュマ・モスクは213本の木の柱が建てられた多柱式建築で、中央アジアで最も古いモスクといわれています。
ジュマ・モスク内部
ヒヴァで一番高く新しいイスラム・ホジャ・ミナレットは1910年に建てられました。118段の階段があり、ご希望の方はフリータイムに登って頂くことができます。階段はとても急で、翌日筋肉痛になるほどですが、頂上からの景色は格別です。
イスラム・ホジャ・ミナレット外観
イスラム・ホジャ・ミナレット頂上からイチャン・カラを一望
今回はウズベキスタンの代表的な3都市をご紹介いたしました。ツアーでは各都市に2連泊し、じっくりと魅力をお楽しみいただけます。皆さんも、ブルーの建造物が織り成す世界に足を踏み入れ、文明交差路の歴史を感じてみませんか。
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