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添乗員ツアーレポート  北中南米

ガラパゴス諸島でダーウィンの想いを繋ぐ

  • エクアドル

2012.08.01 update

エクアドル本土から西へ約一千キロ。絶海に浮かぶ島で神の天地創造説は背かれました。チャールズ・ダーウィンが提唱した進化論を疑う者は、もう誰もいないでしょう。1978年にユネスコの世界自然遺産の第一号として登録されたガラパゴス諸島には、進化論執筆のきっかけとなった独自の進化を遂げてきた動物たちが今も多く生息しています。近年観光地化が進み、一度は危機遺産リストにも登録された島とその動物たちをご紹介します。

左:セスビウムの赤い絨毯と黄色いリクイグアナのコントラスト 右:リクイグアナに食べられないように進化して木化したウチワサボテン
左:セスビウムの赤い絨毯と黄色いリクイグアナのコントラスト 右:リクイグアナに食べられないように進化して木化したウチワサボテン

共生のために遂げてきた
独自の進化とすみわけ

ガラパゴス諸島の動物たちは、他の動物たちと共に生きていくために自分たちの居場所を決め、それぞれが暮らしやすいように進化を繰り返してきました。島の名を冠するゾウガメ(ガラパゴ)の甲羅は、エサがある場所によって鞍型とドーム型に分かれています。また、ガラパゴスに生息する2種類のイグアナもその象徴の一つです。ウチワサボテンの木の下で、リクイグアナが、じっとサボテンの実や花が落ちてくるのをひたすら待ち続けている一方で、ダーウィンに〝暗闇の悪魔〟と呼ばれたウミイグアナは、一生懸命に岩場に張りついた海藻を食べています。

リクイグアナと共存していくために海に潜ったウミイグアナ
リクイグアナと共存していくために海に潜ったウミイグアナ

種の保存 ─ 多様な求愛活動

ガラパゴスの動物たちは、それぞれ種の保存をかけて様々な求愛活動を行っています。時折、メスのリクイグアナの群れの中に、オスのウミイグアナが一緒にいることがあります。彼は、魅力的なリクイグアナのメスが目の前を通ると、ちょっかいを出そうとします。しかし、そっけなく拒絶されてしまうことがほとんどです。何万回と繰り返される彼らの恋物語の中でやっと生まれたのが、希少なハイブリット種のイグアナなのです。

海辺の近くにはガラパゴスアシカが、他のオス にメスを横取りされないように、身を粉にして必死でハーレムを守っています。そして、追い払われたオスは、島の端っこの〝独身寮〟で寂しく暮らしています。

真っ赤なノド袋を膨らませて必死の求愛行動をするグンカンドリや、小さな体で一生懸命頭を上下させて人間を威嚇するヨウガントカゲ、ボーっとタヌキ寝入りをしながら岩陰で一生懸命卵を温めるアカメカモメや、きょろきょろとあたりを見回しているアオアシカツオドリなど、それぞれの島で様々な動物たちが独自の進化を遂げつつ営みを繰り広げている  それがガラパゴス諸島の魅力なのです。

アオアシカツオドリ
アオアシカツオドリ
胸の赤い袋をめいっぱい膨らませてメスに求愛するグンカンドリ
胸の赤い袋をめいっぱい膨らませて
メスに求愛するグンカンドリ
アカメカモメ
アカメカモメ

ガラパゴス諸島を未来へ託すために

2012年6月25日、衝撃のニュースが世界中を駆け巡りました。サンタ・クルス島のチャールズ・ダーウィン研究所で保護されていたゾウガメ、ロンサム・ジョージが死んでしまったのです。ガラパゴス諸島には、かつて15種のゾウガメがいましたが、ジョージの死は、それを10種にまで減らしてしまいました。

毎日、世界中で固有種が絶滅していく中、ガラパゴス諸島ではそれを少しでも阻止するべく、上陸を許可している島では1日に入島できる人数を制限するなど、動植物の生態系を維持するために島や海を汚さない努力が日々行われています。また、難関な試験を突破して私たちを案内してくれている現地ガイドは、島の管理人としても一役買ってくれています。

2010年にはこれらの改善の努力が認められ、ようやく危機遺産リストからも除外されました。現在も、人間の起源をも明らかにした〝種〟を一つでも多く守るべく日々努力を続けている、自然と人間との共生の最前線のガラパゴス。ぜひ皆さんも実際に島を訪れて、大自然の偉大さと素晴らしさを肌で感じてみてください。

ありし日のロンサム・ジョージ(2012年1月撮影)
ありし日のロンサム・ジョージ(2012年1月撮影)

FINCHI BAY ECO HOTEL (フィンチ・ベイ・ホテル)

マングローブの森に囲まれて隠れ家的な様相も秘めたフィンチ・ベイ・ホテルは、サンタ・クルス島の南端にあって、プエルト・アヨラ町の桟橋から3分ほどボートに乗り、さらに5分ほど歩いたところにあります。車での乗り入れができない立地のため、ホテルは静けさと時折打ち寄せる波の音に包みこまれています。21部屋限定のため、サービスも行き届き、洗練された食事も私たちの期待を裏切りません。また、ガラパゴスの自然との共生を第一に運営されているので、ホテルの前の浜辺でのんびり日向ぼっこをするウミイグアナや食べこぼしたビュッフェのパンをついばむフィンチなど、多くの動物たちを間近に見ることができます。 ガラパゴス諸島観光で一般的なクルーズ船の滞在とは比較にならない、快適で優雅な滞在を満喫してください

FINCHI BAY ECO HOTEL (フィンチ・ベイ・ホテル)
FINCHI BAY ECO HOTEL (フィンチ・ベイ・ホテル)部屋の一例
FINCHI BAY ECO HOTEL (フィンチ・ベイ・ホテル)フロント
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