コスタリカ 太平洋とカリブ海に抱かれ人々が穏やかに暮らす中米の楽園へ
- コスタリカ
2013.11.01 update
「自然が溢れる国」、「軍隊の無い永世中立 国」という言葉とともに語られるコスタリカ。 そこに住む人々の暮らしはどのようなもので しょうか。カリブ海と太平洋の二海洋にはさ まれ、温暖な気候、豊かな緑あふれる国土、 そして多様性に富む人々。その中での生活の 様子をご紹介いたします。
ケツァール:バードウォッチャーの憧れの鳥と言われる ケツァール。
運がよければ、緑の森の中に鮮やかに映え るその姿を目にすることができるかもしれない。
中米の小国 コスタリカスペイン語で「豊かな海岸」を意味するコスタリカ。その名を聞いて、地図の上に正確な位置が思い浮かぶ人は少ないかもしれません。四国と九州をあわせたほどのその小国は、南北アメリカをつなぐ中米にあります。コスタリカも多くの中南米諸国と同様に、かつての大航海時代にスペイン人が到来し、その後その支配を受けた国のひとつでした。 かのコロンブスとその部下たちが現在のコスタリカのカリブ海沿岸に初めてたどり着いたのは1502年のことでしたが、先住民の抵抗や鬱蒼とした熱帯雨林に行く手を阻まれ、16世紀後半になってやっと中央盆地への定住がなされました。その他の地域の本格的な開発が始まったのは19世紀後半になってからのことでした。 中央盆地に位置する首都サンホセ。一国の首都にしてはとてもこじんまりとしていますが、19世紀前半のコーヒーブームにより富を得た人々がヨーロッパを真似て建てた劇場や邸宅が並びます。サンホセや、第二の都市カルタゴなどの都市部には世界的チェーンのファストフード店やブランド店があったり、ほとんどの人が携帯電話を持っていたりと、我々日本人と変わらない暮らしをしています。しかし、都市部を出て、緑豊かな道を車で少し行けば、「町」よりも「村」と呼ぶにふさわしい、のどかな風景に出会えます。 |
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穏やかに流れる 人々の暮らし朝、目覚めれば鳥の声が聞こえます。各家庭の台所では、お母さんがコーヒーを淹れはじめます。ケトルの音とドリップされるコーヒーの香り。朝、午後そして夜と、コスタリカでは少なくとも1日に3回はコーヒーを飲むのが一般的です。 人々は早朝から動き出し、学校の始業も7時から。制服を着た学生がバス停に並びます。朝にシャワーを浴びる習慣のため、濡れた髪が朝日でつややかに光ります。通学・出勤する家族を見送った家からは、掃除をする音が聞こえ、また洗濯物がはためきはじめます。きれい好きなコスタリカ人。毎日念入りに床を磨く家も少なくありません。少し長めの昼休みには、一度家に戻って昼食をとる人も多く、お母さんはその支度にとりかかります。 日中はあけっぱなしの入り口から近所の人が「Hola(オラ)」とやってきて、マヨネーズなどの調味料を借りていくことも。また、お昼近くになると、出来立てのトルティージャ(トウモロコシの粉で作った薄いナンのような食べ物)をかごに入れて売りに回るおばさんの姿が見られます。午後は家にいればコーヒーと菓子パンなどでおやつタイムです。ソファに座ってテレビを見ながら、玄関前のベンチに腰かけて家の前を眺めながら…ゆったりとした時間が流れます。出かけていた家族が家に戻ってくると夕食です。昼食をしっかりとるため、晩ごはんは軽めにすませます。 コスタリカ人はおしゃべり好きでとても社交的。ご近所さんや近くに住む親戚の家を行ったり来たりし、自分の家への来客に対してもとても開放的です。ほとんどの国民はカトリック教徒で、信仰熱心な人は、今日一日を平和に過ごせたことを神様に感謝し、また明日の健康を祈って眠りにつきます。 人種の坩堝コスタリカコスタリカ人と聞いて特定の容貌を思い浮かべるのは容易ではありません。人口はたったの480万人ですが、その中には様々な人がいます。人口の9割を占めるのは先住民とスペイン系の混血、メスティソです。しかし一言にメスティソと言っても、黒髪から金髪、黒い瞳から青い瞳までと様々です。アフリカ系の人々もよく見かけます。もともと彼らは19世紀後半からの鉄道建設やバナナプランテーションでの労働力としてジャマイカから連れてこられました。当初、カリブ海沿岸の町リモンを中心とした低地から中央盆地へ出てくることを禁止されていたこともあって、今でもカリブ海沿いの地域では特に黒人の割合が多くなっています。 同じ中米のグアテマラやパナマに比べれば目立ちませんが、先住民も人口の約1・7%を占めています。また、移民としてやってきた中国人もおり、中華街こそありませんが、中華料理店や彼らが経営するスーパーマーケットも少なくありません。 学校、職場、町ではもちろんこれらの多様な人々が一緒に生活しています。バス停やレジに並ぶ人々の肌の色は様々ですが、誰とでも気軽におしゃべりを始めます。同じ国民でも人種や民族によって自然にグループができ、生活が分かれて行く国もあると聞きますが、コスタリカではそのような風景は見られません。 彼らは世界各地から訪れる旅行者もおおらかな笑顔で迎えてくれるでしょう。暖かく、穏やかに暮らす彼らが誇りにし、愛でるその地へ。ぜひ皆様をお連れできればと思います。 |
学校:ハイスクールの教室にて。共に学ぶ学生たちは、髪の色も瞳の色も様々です。 独立記念日:毎年9月15日には、コスタリカ中どこの町でも子供たちのパレードが町を練り歩きます。 |
コスタリカと言えば・・・
- 定番の朝食ガジョ・ピント
見た目は赤飯のような、豆を混 ぜたお米料理。味付けは塩や香草コリアンダー程度のシンプルなものですが、やみつきになる 味です。 - 活動を続けるアレナル火山
コスタリカは日本と同じ火山国です。アレナル火山はコスタリカを代表する活火山で、その活発さは世界の火山でも十指に入ると言われています。
- 国花グアリア・モラーダ
蘭の一種で、2~3月に薄い紫色の花を咲かせます。可愛らしい花はコスタリカの人々に親し まれており、この花を主題にした歌もつくられました。
- 高品質のコーヒー豆
コーヒー好きならばコスタリカの名前を耳にしたことがあるでしょう。19世紀前半のコーヒーブームがもたらした富が、コスタリカの近代化を推し進めま した。
- バード・ウォッチング
小さな国土ながら全世界の鳥類のうち一割が見られるというコスタリカ。空飛ぶ宝石ハチドリや幻の鳥ケツァールを求め世界中の野鳥愛好家が訪れます。
- フィエスタ
パーティー(=フィエスタ)好きのコスタリカ人。誕生日、結婚祝い、出産祝い。クリスマスなど、大家族がにぎやかに集まる機会が年に何度もあります。
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人気の国立公園・自然保護区をあますことなく訪問。モンテベルデ自然保護区をはじめ、憧れのケツァールとの遭遇率が最も高いと言われるロス・ケツァーレス国立公園も訪れます。
中米7ヶ国 パン・アメリカン・ハイウェイ縦断の旅
移りゆく景色を眺めながら、6つの国境を陸路で越える。パナマ運河、古代マヤ遺跡、熱帯雨林のジャングルと動植物、コロニアル様式の街並み。パナマからベリーズまで縦断。