エクアドルの名峰展望とアンデス山岳鉄道 その2
- エクアドル
2020.04.30 update
エクアドルの中部に位置するキロトア湖(Quilotoa Lake)は火山活動によってできたカルデラ湖で、エクアドルアンデス山脈で最も西の火山です。 カルデラの幅は約3キロメートル。深さは最も深い所で90mにもなります。火山活動の影響により湖水には硫黄成分が多く含まれており、魚は生息していません。外周のクレーターは1周が約12km。歩くと4時間~6時間位かかります。天気が良いとここからコトパクシ火山も展望できます。近年はエクアドル人の旅行者も多く、キトから日帰りでやってくるそうです。ここでは午前中、クレーターの外輪を巡るハイキングをお楽しみいただきました。体力に自身のある方は湖畔までの往復にトライされました。往路が下り、復路が登りになるので意外と体力が必要です。
クレーター外輪のハイキングでは美しいキロトア湖の風景と共に、たくさんの野花を観察することができました。風景だけではなく、お花好きの方にもキロトア湖はお勧めです。
ハイキングの後はバスにてキロトア湖を出発し、コトパクシ火山山麓へと移動しました。コトパクシ国立公園のゲートを越えて、公園内へと入り、リンピオプンゴ湖の湖畔をハイキング。天気が良いとコトパクシが綺麗に展望できるのですが、この日はあいにくの曇り空。ハイキングスタート時にはコトパクシはすっぽりと雲に覆われていましたが、最後の最後にその頂を少しだけ見せてくれました。また、湖岸のトレイル脇には野花が見られ、エクアドル固有のランを観察することができました。
コトパクシとは、ケチュア語で「光る巨大なもの」を意味します。別名コトパヒ山。富士山に似ていることから、「エクアドルの富士山」と日本人の間では呼ぶれることもしばしば。チンボラッソに次ぐエクアドル第二の高峰で標高は5,897 m。火口は東西500m以上、南北700mと推定されています。標高5000m以上の部分は氷河となっており、1872年に初登頂されています。
本日の宿はタンボパクシロッジ。コトパクシ国立公園内唯一の宿泊施設で、ロッジからコトパクシ火山の全容を眺める事ができる好ロケーションに位置しています。
翌日はキトへと向かう一日。ロッジを出発してから間もなく、念願のコトパクシの全容が目の前に広がりました。まさにエクアドル富士というにふさわしい姿。何度も写真ストップをとり、しっかりとコトパクシの姿を刻み込んでいただきました。
コトパクシ国立公園からキトまでのルートはパンアメリンカンハイウェイの一部で、別名火山アベニューと呼ばれています。東西両側に数多くの火山が聳え、道中にもイリニサ(5,267m)、エルゴラッソ(4,790m)、ウミニュイ(4,350m)などの山々を眺めながらのドライブ。天気が良いと非常に気持ちの良いルートです。キトに近づくとパソチョア(4,200m)もご覧いただけます。
キト到着後は市内観光。キトの旧市街も世界遺産に登録されている歴史ある町です。最初の見学はバジリカ教会。この教会は1883年に当時の大統領ガブリエル・ガルシア・モレノが建設を指示したカトリック教会で、フリオ・マトベージェという建築家が建てたものです。この建築家はパリのノートルダム教会やニューヨークの聖パトリシオ教会も建設された方で、ここではエクアドルの自然にちなんでカメやイルカ、リャマ、コンドルなどの彫刻が施されています。
その後、徒歩でキト旧市街の散策しました。キトは1534年12月6日に設立。聖フランシスコ教会から派遣されたセバスチャン・デ・ベルナール・カサがその中心人物です。彼の名前が付いたベルナール・カサ広場近くでバスを下車し、徒歩観光をスタートし、歩いて独立広場へ。独立広場の真ん中には自由の女神の様なモニュメント。また、コンドルとライオンの像が見られます。コンドルはエクアドル、ライオンはスペインを表わし、コンドルがライオンを追いやっている様に描かれているそうです。広場周囲にはカテドラル、旧大統領官邸、ホテル、市役所、市長の家、司祭の家などの歴史ある建造物が並んでいます。
キト市内で最後の見学は聖フランシスコ教会。インカ帝国からスペインが奪った黄金の装飾が素晴らしい教会でした。この教会はキトで最も威風を放つ教会で、別名「エル・エスコリアル宮殿」と呼ばれています。1535年に建立され、南米でも最も古い部類の教会です。
エクアドルの見どころはガラパゴス諸島だけではありません。アンデス山脈が作り出した荒々しい火山の数々、火山活動によって生み出されたクレーター湖、スペイン人の入植によって造られたコロニアルな街並みなど人間が歩んだ歴史と豊かな自然を同時に楽しむことができるのです。
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