エクアドルの名峰展望とアンデス山岳鉄道 その1
- エクアドル
2020.04.23 update
エクアドルというと、多くの方がガラパゴス諸島を想像しますが、エクアドルも近隣のペルーやボリビアと同じくアンデス山脈が連なる国の一つで、素晴らしい山容を楽しむ事ができます。今日は昨年2019年9月に同行させていただきましたエクアドルアンデスの名峰群を訪れた際のレポートをさせていただきます。
エクアドル国内にはいくつもの観光列車が走っており、そのひとつが“悪魔の鼻 ナリス・デル・ディアブロ”です。ホテルから、列車観光に必要なものだけもって徒歩で駅へと向かい、エクアドルアンデスの山岳鉄道の乗車をお楽しみいただきました。もともとはスペイン植民地時代にエクアドル各地に建設された鉄道のひとつで、当時、ここではジャマイカから多くの労働者がやってきたそうです。険しい山の中での鉄道の建設は非常に困難を極め、多くの労働者達が建設中に命を亡くしました。途中にある山は遠くからみると人間の鼻の様な形に見える事から、いつしか“悪魔の鼻 ナリス・デル・ディアブロ”と呼ばれる様になったそうです。
列車はアラウシから出発し、道中は美しい渓谷の風景が続きます。悪魔の鼻に入ると2回のスイッチバックでジグザグに谷へと降りていきます。そして、シバンベ駅を通過しすぐの所で下車して悪魔の鼻の写真ストップしてくれます。その後、シバンベ駅では1時間程下車し、先住民の人たちの歓迎の踊りや、小さな博物館、サトウキビジュースの搾り作業、焼きたてのパンの販売、コンドルのモニュメントなどを見学しました。その後、再び鉄道に乗り、アラウシ駅へと戻ります。
鉄道の旅を楽しんだ後はエクアドルの最高峰チンボラッソの麓へと移動していきます。アラウシから約1時間程でコルタの町に到着。ここは1532年にスペイン人とエクアドルのアンデス高地に住む先住民が初めて会った場所です。バルバネーラ教会は1534年にエクアドルで最初に建てられた教会として知られています。自然を崇拝していた先住民をキリスト教に改宗させるために、スペイン人は要所に自然の要素を取り入れました。この教会の壁のレリーフにもチンボラッソ火山と山の神様の様なレリーフが描かれているのが興味深い点です。
このあたりからチンボラッソが見えてきます。この日は天気も良く、チンボラッソが良く見えまた。最初は山頂に雲がかかっていましたが、すぐにとれ、全容を眺める事ができました。展望がとても良いので、写真ストップを何度も繰り返しながらチンボラッソロッジへと向かいました。
この日宿泊するのはチンボラッソロッジ。エクアドル最高峰6,310mのチンボラッソの展望が目の前に広がる好展望地に位置する唯一無二のロッジです。ロッジのレストランからもチンボラッソの山容が大変素晴らしかったです。
昼食後、チンボラッソを展望するハイキングへご案内しました。ロッジからチンボラッソに向かって歩いていくとどんどんとチンボラッソが近づいてきます。チンボラッソに近づいて行く感じで迫力も一層増していきました。ハイキング中にはアンデスの野花や野鳥もいろいろと観察する事ができ、山だけではないエクアドルアンデスが楽しめます。
夕方には夕映えのチンボラッソをロッジから鑑賞。18時頃には山も赤くそまりとても美しい景色をお楽しみいただく事ができました。
翌朝、5時、モーニングコールの前に天気を確認した所、星空が広がっていました。地平線は明るみはじめ、うっすらと姿を見せるチンボラッソと星空の一枚。
朝食後、バスで標高4,800mに位置するチンボラッソ登山のベースキャンプ・カレル小屋へ。チンボラッソがより迫力ある姿で我々の目の前に迫ってきました。山上付近は分厚い氷河で覆われているのも良く分かます。標高が高いのであまり無理をせず、ゆっくりとカレル小屋周辺を散策。この日も登頂を目指している方、山上から降りてくる登山客も多く見られました。この山小屋からは1泊2日の行程で、登頂することができるそうです。
チンボラッソの山頂は地球の表面で、地球の中心から最も離れた場所にある山とされています。海抜からの標高では世界で最も高い山は誰もが知るエベレスト。しかし、赤道周辺はヒマラヤ山脈と比べて地球の半径が大きく、水面も高くなっています。そのためエベレストより2,500mほど低いチンボラッソですが、地球の中心からの距離で考えると、チンボラソの方が約2.1km離れている事になります。そのため、19世紀初めまでは、世界で一番高い山だと考えられ、多くの登山家がこの山の登山に挑戦しているのです。
本日の宿:チンボラッソロッジ
エクアドル最高峰チンボラッソの大展望が広がるお洒落な山小屋風ロッジでした。