秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

アンデスの福の神 ”髭のおじさん” エケコ人形

  • ペルー
  • ボリビア

2023.01.05 update

皆さんは今年、初詣に行かれましたでしょうか?
昨年一年の感謝を捧げたり、新年の無事と平安を祈願されたことでしょう。
 
世界にもさまざまな祈りの儀式がありますが、その中で南米で信仰されているエケコ人形をご存知でしょうか?エケコ人形はボリビアやペルー、アンデス高地のアイマラ族やケチュア族の間で願い事を叶えてくれる「福の神」として大切にされている人形です。大きさは数センチから数十センチと様々ありますが、頭にはいつも「チューヨ」と呼ばれる毛糸の帽子をかぶっています。そして何よりの特徴がちょび髭のおじさんの姿なのです。

 

願掛けの方法はいたって簡単です。自分の欲しいと思う物のミニュチュアをエケコ人形に飾ります。ミニュチュアの種類はとても豊富で、目移りをしてしまいます。袋に入った穀類(米、麦、キヌアなど)、缶詰の食料品、ビール、現金(現地通貨よりドルやユーロの紙幣束が多く見られました)パソコン、テレビ、パソコン、冷蔵庫、洗濯機、ステレオなどの家電品車、バイク、パスポート、航空券、それに大学の卒業証明書も売られています。



エケコとは関係はないですが儀式に使う為のアルマジロも市場で売られていました。

 

エケコ人形にタバコを吸わせると願いが叶うと信じられています。エケコの起源は諸説有り、ティワナク文化の神事がインカ帝国に受け継がれたものだという説もあります。インカの神ビラコチャと同一のものだとする説もあります。願掛けでタバコを吸わせるのはアンデス地方で予言などの際にタバコの煙が必要とされていた儀式から来ているとされています。日本ではお守りを一年後に神社やお寺に奉納しますが、エケコ人形も同じ習慣があります。毎年1月24日に行われるアラシタ祭の際にエケコ人形を奉納し、市場で新しいエケコとミニュチュアを買い求めるのです。各地でお祭りは開催されますが、最大の市場はボリビアのラパスで開かれる市場です。
 
愛嬌のある顔でお土産物としても人気があるエケコ人形。持ち帰れば、ボリビア・ペルーの旅のよき思い出となることでしょう。

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イエス誕生の地・ベツレヘムの聖誕教会

  • イスラエル
  • パレスチナ

2022.12.23 update

今回はイスラエルのツアーで訪れるイエス誕生の地、ベツレヘムの「聖誕教会」をご紹介いたします。

 

ベツレヘムはエルサレムから南に10km、小高い丘の上にある町で、イエス・キリスト誕生の地とされています。町には聖誕教会をはじめ、キリスト教各派の教会が建ち並んでおり、クリスマスには世界中から巡礼の人々が集まってきます。
現在はパレスチナ自治区にあり、イスラエルとパレスチナの間には検問所が設けられています。

ベツレヘムの街並み

 

「聖誕教会」はコンスタンティヌス1世の時代に、イエス・キリストが生まれたとされていた洞穴の上に聖堂の建設が始められ、339年に完成しました。この聖堂は6世紀の火災で失われ、モザイクの床がわずかに現存するのみです。

ベツレヘムの聖誕教会外観

 

内部へ入ると、薄暗い空間に金属製のランプが数多く吊るされた祭壇があり、その脇から地下へ下ると洞窟があります。ここが、イエス・キリストが生まれた場所であるとされています。

イエスが生まれたとされる場所

 

小さな洞窟の中には、銀で星の形がはめ込まれた祭壇があります。これは東方三博士が新しいユダヤの王をひとめ拝もうと、星に導かれてベツレヘムにやってきたというその星をかたどったもので、「ここにてイエス・キリストは生まれたまえり」とラテン語で刻まれています。

 

聖誕教会に隣接している聖カテリーナ教会では、毎年12月24日クリスマスイブのミサのテレビ中継が行われます。教会前の中庭には聖書学者ヒエロニムスの像が立っています。
ヒエロニムスは生涯をラテン語の翻訳に投じた人物で、ヘブライ語の聖書をラテン語に翻訳するためにこの教会の洞窟にこもっていました。彼はローマの婦人パウラの協力で翻訳を成し遂げました。パウラの死後、彼は彼女の骨をそばに置き作業を続けたといいます。中庭のヒエロニムスの像の足元には、パウラのしゃれこうべが置かれています。

ヒエロニムス像とマリア像

 

聖カテリーナ教会内部

 

「聖地エルサレム滞在」のツアーでは3つの宗教の聖地であるエルサレムの旧市街に5連泊し、じっくりとイスラエルの歴史やイエス・キリストゆかりの地を巡っていきます。
ぜひとも、異なる宗教が同時に存在する聖地エルサレムの独特な雰囲気をご体感ください。

 

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モロッコに広がる大砂丘 メルズーガ

  • モロッコ

2022.12.08 update

今回は、モロッコのツアーで訪れる「メルズーガ」についてご紹介します。「メルズーガ」は、モロッコとアルジェリアの国境付近のアフリカ北部にまたがる、サハラ砂漠に面する街です。ツアーでは、メルズーガ近郊の街エルフードで四輪駆動車に乗り換え、砂漠のなかを進みます。

周りの景色が大砂丘に変わると、砂漠のなかに建つオーベルジュが見えてきます。最高のロケーションで、砂漠での快適な滞在をお楽しみいただけます。

砂漠に建つオーベルジュ

オーベルジュの客室

夜はベルベル人の民族音楽を鑑賞します。迫力ある楽器の演奏と、アフリカ料理のおもてなしです。

テーブルに並ぶアフリカ料理

迫力あるベルベル人の民族音楽の演奏

早朝、日が昇る前にラクダに乗ってオーベルジュを出発します。サハラ砂漠に昇る朝日をご堪能いただきます。


朝日見学の後はオーベルジュに戻って朝食。目の前に広がる砂漠を眺めながら、贅沢な朝食の時間を過ごします。

メルズーガからエルフードに戻る道中では、ベルベル人の暮らすテントにも訪問します。ミントティーをご馳走になり、生活の様子を見させてもらいます。

広大なサハラ砂漠の入口で大砂丘を気軽にお楽しみいただけるのは、モロッコの旅の魅力のひとつではないでしょうか。
砂丘を目の前に望むオーベルジュに泊まり、サハラ砂漠を楽しむ。テント泊までする自信はないけれど、雄大なサハラを見てみたい。そんな方にはメルズーガはうってつけの場所だと思います。

 

▼おまけ:キャメルサファリのスナップ写真

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自然豊かな島 タスマニア島 ~動物編~

  • オーストラリア

2022.11.08 update

古代の大陸から生き延びた動植物
今から2億年前、地球上には超大陸と呼ばれたパンゲアという大陸ひとつしかありませんでした。1億8000万年前頃にパンゲアは北のローラシア大陸、南のゴンドワナ大陸に分かれ、オーストラリア大陸から分離したタスマニアはこのゴンドワナ大陸の一部でした。そのため、かつてのゴンドワナ大陸にルーツを持つ動植物を、現在のタスマニア島で観察することができるのです。早い時代に大陸から分離したため、タスマニアにしか生息しない固有の動植物も多く見られます。大陸では絶滅した原始的な単孔類や有袋類が独自の進化を続けてきたタスマニア。ツアー中、野生のカモノハシやウォンバット、オーストラリア・オットセイやフェアリーペンギンなど様々な野生動物の観察をお楽しみいただきます。

 

カモノハシ 
カモノハシは世界でもオーストラリア大陸東側と、そしてこのタスマニア島だけに生息し、準絶滅危惧種に指定されている動物です。成獣で大きさは全長約50cm~60cm、重さは大きいもので3kgにもなります。
哺乳類でありながら胎生ではなく卵生であり、水際に穴を掘り作った巣穴の中で、1回に1~3個の卵を産みます。遥か昔、2億数千年前の三畳紀にその祖先が誕生し、気の遠くなるような時間を掛けて、ここままで進化をしてきたカモノハシが見られるのはタスマニア島の開発されていない手つかずの自然が多く残る環境だからこそです。ツアーではファーングレード保護区とマーシー川で野生のカモノハシを探します。

 

カモノハシ

ファーン・グレード保護区

オーストラリアオットセイ 
オーストラリアオットセイは南半球に幅広く生息するミナミオットセイの1種です。タスマニア近海では赤道反流からの暖流と南極から北上する寒流が程好くぶつかるため、そこに発生する豊富な海洋資源が彼らを支えています。また夏に多くのオットセイを目にすることが出来ます。それはタスマニアとメインランドを隔てたバス海峡周辺がこのオーストラリアアザラシの一大繁殖地になっているからです。スタンレーの港からボートクルーズで繁殖地を観察します。

コロニーのオーストラリアオットセイ

ハリモグラ 
オーストラリアにのみ生息する原始的な哺乳類のグループで、爬虫類や鳥類と同じように産卵し、育児嚢で産んだ卵を孵し、母乳で育てます。細長くとがった鼻面をもち、その先端近くにわりに大きな鼻孔があります。嗅覚も鋭く、落ち葉や下生えの中に鼻先を突っ込んで掘り返しながら食物を探します。口は小さく、歯はまったくなく、シロアリやアリを主な食物とします。細長く柔軟な舌でこれらの食物をなめとり、素早く口の中に運びます。クレイドルマウンテン国立公園ではハリモグラに出会うチャンスがあります。

ハリモグラ

ウォンバット 
ウォンバットは、コアラに一番近い動物です。一般的にウォンバットとのみ呼ばれますが、オーストラリアには3種類のウォンバットが生息しています。名前の由来はアボリジニの言葉で「平べったい鼻の動物」という意味から来ています。体長は70~110センチ程で体重は、最大で40キロまで大きくなります。穴を掘るのが得意で丈夫な爪を持っています。夜行性で日中は巣穴で休み、夜間に行動します。視力はあまり良くないですが嗅覚と聴覚は鋭く、動きの遅い動物に思われていますが、走れば30キロ以上のスピードが出ることが知られています。草食性で草や木の根を食べます。クレイドルマウンテン国立公園で見られます。

ヒメウォンバット

タスマニアデビル
かって、ヨーロッパから入植した白人たちが、山中から聞こえてくるデビルの声を「悪魔の声」の様だと言ったことから名付けられたと言われています。タスマニアデビルが唸り声を上げるのは、餌の争奪時や繁殖期などです。以前はオーストラリア全土に暮らしていましたが、オーストラリア本土ではディンゴ(タイリクオオカミの亜種)により駆逐され、ディンゴのいないここタスマニアだけに残ったと言われています。動きが鈍く、他の動物を襲えません。そのため森の中で死んでしまった動物の死骸を食べるので「森の掃除屋」の異名を持ちます。1度に産み落とされる赤ん坊は20~40匹ですが、生き残る赤ん坊は2~3匹。これは、母親の育児嚢の中の乳が4つしかないためで、最初にしがみついた赤ん坊がその乳を独占するため、他の赤ん坊たち全ては育つことができないそうです。産まれてから4ヶ月ほどは袋の中で育ち、200グラムほどに成長した頃に袋から出ます。それからさらに3ヶ月ほど、授乳されながら掘った巣の中で過ごします。そしてそれから3ヶ月ほどしてやっと独り立ち。しかし、タスマニアデビルは独り立ちしてからの1年間を生き延びる事ができるのはほんの僅かです。さらにデビル顔面潰瘍性疾患(DFTD:Devil Facial Tumour Disease)の流行もあり絶滅の危機に瀕しています。ツアーではデビルズアットクレイドルを訪れ、デビルを観察します。

デビルズアットクレイドルのタスマニアデビル

ワラビー
タスマニアの森に住むワラビーは、ベネットワラビーとタスマニアンパディメロンの2種類です。ベネットワラビーは大きいもので全長が1.5m、体重は20kgにもなります。それに対してタスマニアの固有種タスマニアンパディメロンは小さく、特にメスの個体は5kg程度です。生息範囲は広く、スタンレーのナットからレインフォレストなどいたるところで目にすることができます。

タスマニアンパディメロン

フェアリーペンギン
身長40cm。体重1㎏ほどでペンギン全18種の中で、最も小さい種類です。陸上では完全に夜行性で、早朝に海に出かけ、沖合まで餌を求めて泳いでいき、夕方暗くなってから陸上に戻ります。夕方、沖合に集合し「ラフト」と呼ばれる集団をつくり、グループで上陸して巣穴を探して海岸を歩いて行きます。海岸の草地や灌木の中・藪の中・岩の下に巣穴を作ることがほとんどですが、海岸沿いの民家の軒下に巣を作ることもあります。
ヨーロッパの入植以降、数百万羽以上いたペンギンの数は急速の減少していきました。車や人間の持ち込んだ犬や猫が大きな被害の原因となっています。ビシェノの町で観察ができます。

ペンギンツアーの様子
※フラッシュや測光ライトに敏感に反応するので、上陸時の写真撮影は禁止されています。

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コスタリカ自然観察の旅 その3 
マニュエル・アントニオ国立公園とタルコレス川

  • コスタリカ

2022.10.20 update

コルコバード国立公園での野生動物観察を存分に楽しみ、続いての目的地はマニュエル・アントニオ国立公園です。ドラケ湾をモーターボートで出発し、シエルペへと戻ります。シエルペ川の河口に入ってからはマングローブで珍しいセアカリスザルを見つけました。コスタリカとパナマに分布しており、コスタリカに生息する4種類の霊長類の中で最も絶滅が危惧されている種。熱帯雨林やマングローブなどの浸水林に生息しています。

セアカリスザル Central American squirrel Monkey

コンゴウインコが樹上に止まっている姿も観察することができました。赤・青・黄を主体としたグラデーションが非常に美しいインコで、一時は森林破壊でカリブ海側では姿を消してしまいましたが、現在では生息地も個体数も増えてきています。

コンゴウインコ Scarlet Macaw

シエルペ着後、1時間程移動し、ウビタという町で1泊。翌日にマニュエル・アントニオ国立公園を訪れました。

 

マニュエル・アントニオ国立公園 Manuel Antonio National Park

海と森を一度に楽しめる場所として、欧米からの観光客に人気が高い国立公園。公園入口からビーチまでのネイチャートレイルを歩くウォーキングサファリをお楽しみいただけます。ナマケモノの観察率の高さでも知られている他、トレイル脇の木々の枝を渡り歩くノドジロオマキザルやビーチに姿を現すアライグマなどの哺乳類、爬虫類ではツナギトゲオイグアナ、ヘルメットリザード、ブラックリザードなどが観察できます。

マニュエル・アントニオ国立公園の看板

大変人気のある公園のため、観光客の数もすごく多い所です。この日も朝からたくさんの人たちが野生動物を観察していました。入り口からビーチまではジャングルの中の1本の道が続いており、その両側で野生動物を探します。途中、ツナギトゲオイグアナ、ヘルメットリザード、ノドジロオマキザルなどが観察できました。

ツナギトゲオイグアナ Black Iguana

ヘルメットリザード Helmet Lizard

ケーブルの上を歩くノドジロオマキザル

国立公園の奥はビーチになっており、西欧の観光客はここでのんびりと泳いだり、日光浴を楽しんでいます。ビーチに到着した時、かなり近い距離にナマケモノを発見。木の上でじっとして、顔が見えませんでしたが、一瞬雨が降った時に顔を動かし、その瞬間写真を撮ることができました。これはホフマンナマケモノというフタユビナマケモノの仲間です。ナマケモノには大きく2種類あり、ミユビナマケモノ科とフタユビナマケモノ科に分類されています。フタユビナマケモノ科は前足の指が2本、後足の指が3本で、ミユビナマケモノ科は前も後ろもどちらも3本の指があるのが特徴です。

ホフマンナマケモノ Hoffmann’s two-toed sloth

ビーチ周辺には人のモノを奪おうとするいたずら好きのアライグマの姿も。アライグマはもともとコスタリカの動物ではなく、北米大陸から持ちこまれたものです。

アライグマ Common raccoon

再び、ナマケモノに戻ってみると、突然、動き出しました!背中を掻いて、木の上へと登っていきました。一日のうち15時間~20時間眠っているナマケモノがこんなに動く所を見れたとはとても幸運でした。

動き出したナマケモノ

足や背中を掻いたりしていました。

ビーチからは来た道を戻っていきます。ここでまたまたかなり近い距離で動いているナマケモノを発見。今度は先ほどとは異なるノドチャミユビナマケモノです。ホフマンナマケモノと比べると目の周りがより濃い茶色をしていて、すごく垂れ目な感じに見えます。

ノドチャミユビナマケモノ Brown-throated sloth

次の目的地はカラーラ。ここではタルコレス川でのボートサファリが人気です。カラーラ国立公園は熱帯雨林と熱帯乾燥林の両方の生態系が混ざりあい、昔からの原生林が残っている場所として知られています。その近くを流れるタルコレス川ではたくさんのアメリカワニが観察できる他、水鳥や猛禽類の観察が楽しめます。この日もベニヘラサギやハゲノドトラフサギ、オオアオサギ、アメリカトキコウなどの水鳥、ミサゴやクロノスリ、キバラカラカラなどの猛禽類が比較的近い距離から観察できました。

タレスコス川でのボートサファリの様子

ハゲノドトラフサギ Bare throated Tiger Heron

ミサゴ Ospley

ベニヘラサギ Roseate Spoonbill

キバラカラカラ Yellow headed Caracara

下はこのタルコレス川で最も大きいアメリカワニ。オサマという名前までついている有名人です。

アメリカワニのオサマ American crocodile

短い滞在でも熱帯雨林から雲霧林まで様々な植生を持つ場所を訪れる事ができるコスタリカ。植生が変われば生息する野鳥や動物も変化するため、毎日何か新しい発見がありました。特に930種類も生息する野鳥は色鮮やかな種も多く、普段バードウォッチングをしない方でも十分楽しんでいただけます。

是非、双眼鏡を持って、中米随一の野鳥・野生動物の楽園・コスタリカを訪れてみて下さい。

 

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