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インドヒマラヤの王者 カンチェンジュンガ

  • インド

2012.10.01 update

世界に14座ある8,000m峰。カンチェンジュンガ(8,586m)はその内、第3位の高さを誇り、 ネパール東部とインド・シッキム州の国境に聳えています。1850年頃には世界の最高峰と考えられていました。その事が納得できる高さ、大きさ、迫力があります。その南壁を眼前に望む好展望地ゴーチャ峠を目指すトレッキングの様子をご紹介いたします。

ラムニ、ゴーチャ峠間の展望地より、朝日に輝くカンチェンジュンガ(8,586m)
ラムニ、ゴーチャ峠間の展望地より、朝日に輝くカンチェンジュンガ(8,586m)

シッキムへ

インドの首都デリーから国内線にて西ベンガル州の都市バグドグラへ。そこからシッキム州に入り、トレッキングの起点となるヨクサムへはツアー3日目に到着し、トレッキングは4日目~11日目の計8日間です。
シッキム州は、インドにある28の州の内22番目の州として、1975年にインドの一部となりました。人口は61万人とインドで最も少なく(インド人口は約12億2700万人、首都デリー人口は1100万人)、面積も下から数えて2番目に小さな州です。

元々ここはシッキム王国(1642-1975)として機能していました。チベットにおいてゲルク派(現ダライ・ラマやパンチェン・ラマも属する最大宗派)の勢いが増し、ニンマ派の高層はここシッキムやブータン方面へと移り住みます。その中で、プンツォク・ナムギェルがシッキム王国を造ったのです(1642年)。ですのでチベット人由来の王国なのですが、18世紀以降はネパール、ブータン、イギリス等に領土を侵されるようになったのです。

 

トレッキンク1日目 ヨクサム(1,780m)~バッキム(2,750m)

トレッキング初日は16km、昼食含め約8時間の行程です。初日にしてはアップダウンもあり多少厳しい行程ですが、ところどころに咲いている可愛らしい花々に癒されながら進みます。タルチョがかかる吊り橋もいくつも渡り、更にプレク川(Prek Chu)を渡る吊り橋を通ってからジグザグの最後の急登を乗り切ればキャンプ地に到着です。

  • タルチョがかかる吊り橋
    タルチョがかかる吊り橋
  • キャンプ地への急登
    キャンプ地への急登

トレッキンク2日目 バッキム(2,750m)~ゾングリ(4,030m)

翌日は18km、昼食含め約8時間の行程。かつてのシッキム王国時代に王国から特別許可証をもらって暮らしていたチベット族の村ツォカ(Choka)、ピクニック昼食場所のフィタン(Phethang)を過ぎ、シャクナゲ林に包まれた木道や尾根道を通り、好展望地のゾングリへ。

急登もところどころにあり2日目も決して一筋縄にはいかないでしょうが、天気が良ければカンチェンジュンガを拝むこともでき気分は爽快です。他にも、カンチェンジュンガの南南東15kmに位置する聖峰パンディム(6,691m)が見えてきます。山名は先住民のレプチャ語で「王者の従者」、つまりカンチェンジュンガの護衛峰です。

このキャンプ地からは4,000mを越えてくるので高山病にも注意が必要です。気温もグッと下がり、夕方5℃~早朝マイナス3℃にもなります。

  • 木材を使って整備されたルートを進む
    木材を使って整備されたルートを進む
  • 好展望地ゾングリ
    好展望地ゾングリ。左からパンディム(6,691m)、テンジンカン(5,693m)、ジョプノー(5,842m)。

トレッキンク3日目 ゾングリ滞在

3日目はゾングリに滞在します。隣丘のゾングリ・ビューポイント(4,250m)に日の出前から登り<約1時間>、朝日に映えるカンチェンジュンガを含む連山を楽しんだり、ラトン渓谷を臨むゾングリ峠(4,550m)へ趣きます<片道約2時間>。カンチェンジュンガの南南西9kmに位置するカブルーはサンスクリット語で「戦士」、つまりカンチェンジュンガの防人となります。

この日は標高4,030mでの連泊を設けることで、高所順応をしながら溜まった疲労も取り除いていきます。

  • 東の空が紅く染まりだす
    東の空が紅く染まりだす
  • カンチェンジュンガを含む連山の展望
    ビューポイントへの道中、カンチェンジュンガを含む連山の展望
  • ゾングリ峠を目指す
    ゾングリ峠を目指す
  • ゾングリ峠から望むラトン渓谷
    ゾングリ峠から望むラトン渓谷

トレッキンク4日目 ゾングリ(4,030m)~ラムニ(4,100m)

4日目は12~13km、昼食含め約7時間の行程。途中、カンチェンジュンガの大展望やパンディム連山を眺めながら、気持ちの良いトレッキングです。

復路に宿泊予定のコクチュン(3,650m)まで一気に急な下り坂をゆっくりと降りていき、プレク川の対岸へ渡り、河原の大岩の合間を縫って昼食場所のタンシン(Tangshing; 3,930m)へ。ここからはパンディムがより近くにグッと見えます。昼食後、カンチェンジュンガ南峰の好展望地ラムニへ。

  • カンチェンジュンガの展望を楽しみつつラムニへ
    カンチェンジュンガの展望を楽しみつつラムニへ
  • パンディム連山を拝む
    パンディム連山を拝む
  • プレク川沿いを進む
    プレク川沿いを進む
  • 好展望地ラムニ
    好展望地ラムニ

トレッキンク5日目 ラムニ(4,100m)~ゴーチャ峠(4,940m)往復

山が赤く燃えだす
山が赤く燃えだす

いよいよゴーチャ峠へ。この日は14~15km、昼食含め約10時間の行程。夜中に出発し、途中にある展望台を目指します<約2時間半>。朝日が昇り、グッと近付いたカンチェンジュンガを紅く染めます。

更にここからゴーチャ峠まで更に2時間半。眠気眼をこすりながら、苦しい道のりを進みます。峠前は辛い急登が続きますが、谷間になかなか当たらなかった太陽の光が、徐々に背中を後押ししてくれます。

そしてついにゴーチャ峠に到着!眼前にはカンチェンジュンガの南壁が立ちはだかります。眼下には氷河とターコイズブルーの氷河湖が広がります。

眼前に立ちはだかるカンチェンジュンガ南壁
眼前に立ちはだかるカンチェンジュンガ南壁
  • 氷河とターコイズブルーの氷河湖
    氷河とターコイズブルーの氷河湖
  • スタッフ一同も万歳!
    スタッフ一同も万歳!
カンチェンジュンガ南壁の大迫力
カンチェンジュンガ南壁の大迫力

帰りは同じルートを引き返します。下山も楽ではありませんが、一歩一歩足を前へ運びます。
キャンプ地到着後は、倒れこむようにテントへ。夕食まで熟睡です。

 

トレッキンク6日目~8日目 ラムニ(4,100m)~ヨクサム(1,780m)

ラムニから3日かけてヨクサムへ下ります。草紅葉の赤、オレンジ、黄と白い雪が絶妙な景観を造り出しています。

決して楽ではない8日間のトレッキングを支えてくれるのは専属コックが作ってくれる美味しい料理の数々。
夕食時、ビールにて乾杯!食後はホテルの庭でスタッフを集めて唄って踊ってのキャンプファイヤーです。スタッフの皆さん、ありがとうございました!

  • トレッキンク中の食事の例
    トレッキンク中の食事の例
  • トレッキンク中の食事の例
  • トレッキンク中の食事の例
  • 下山開始
    下山開始
  • 下山後の夕食時、ビールで乾杯!
    下山後の夕食時、ビールで乾杯!

登山後はダージリンの観光もお楽しみください

登山後はダージリンに移動し観光です。ダージリンは標高2,134mの高地に位置し、北側にはカンチェンジュンガがしっかりと見える好展望地であり、かつインドの紅茶の15%を生産する良質の紅茶が手に入る都市です。人口は約12万人。イギリス人が植民地時代に避暑地として開発しました。

チベット難民センター、エベレスト初登頂者テンジン・ノルゲイが初代校長を務めたヒマラヤ登山学校、ユキヒョウのいるヒマラヤ動物園、世界遺産トイ・トレイン等々。登山の疲れを一気にリフレッシュしていただきます。

  • 世界遺産ダージリン・ヒマラヤ鉄道、通称トイ・トレイン
    世界遺産ダージリン・ヒマラヤ鉄道、通称トイ・トレイン
  • 線路幅はなんと610mm
    線路幅はなんと610mm

インドヒマラヤの王者カンチェンジュンガ。チベット、ネパール、パキスタンにあるどの8,000m峰とも違う山容と迫力で皆様を迎えてくれるでしょう。スタッフ共々、皆様も全力でサポートさせていただきます。天候が安定しやすい秋のみにツアーを設定しているので、山の展望率は非常に高いところも魅力です。是非一度カンチェンジュンガの雄姿をその目に拝んでみませんか?

 

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悠久の歴史流れる地 ペルシャ

  • イラン

2012.08.01 update

ペルシャ、その言葉の響きに惹かれる方も多いことでしょう。
今回はペルシャを中心に興った王朝と、彼らが後世に残したものをご紹介いたします。

イスファハンのイマーム広場
イスファハンのイマーム広場

魅惑の国に流れる歴史

ペルシャ、その言葉の響きに惹かれる方も多いことでしょう。今回はペルシャを中心に興った王朝と、彼らが後世に残したものをご紹介いたします。 1979年のイラン革命以来、イラン・イスラム共和国となったこの地は、かつてはペルシャと呼ばれ、数千年の歴史の中で様々な王朝の栄枯盛衰の舞台となった地です。紀元前2000年紀に、コーカサス、アナトリア、メソポタミア、中央アジア、そしてペルシャ湾に囲まれたイラン高原に、アーリア人が南下して定住しました。イラン高原は、その地理的背景から交易ルートの通過点となり、また様々な勢力の支配下に置かれました。下記の年表をご覧いただくと、世界史に登場する帝国や王朝が、この地を支配したことがお分かりになります。

広大な地域を支配したため、様々な民族の建築様式や伝統文化を取り入れたこと、またペルシャを起源とする王朝のみならず、モンゴルや中央アジアの王朝に支配されたことにより、それぞれの時代に華麗なペルシャ文化が花開きました。そして、シルクロードを通り、日本までペルシャの影響が伝わった時代もあります。 また様々な世界情勢の背景のもと、いくつかの王朝はヨーロッパの勢力としのぎを削り、世界史の舞台にもなりました。東征途中のアレキサンダー大王に滅ぼされたアケメネス朝、ローマ帝国を破ったササーン朝など、当時のオリエント世界の超大国として君臨した時期もありました。

奴隷交易の歴史を物語るゴレ島(セネガル)
j左:チャドルを纏った子供。 右:精緻を極めたタイルワークが美しいミフラーブ。イランのほぼ中央に位置する町ヤズドの金曜モスクである。ササーン朝 時代のゾロアスター教神殿の跡地に建てられている。
伝統料理「アブ・グーシュト」肉や野菜、豆類の壺煮込み 料理で日本人の口にもよく合う。
伝統料理「アブ・グーシュト」肉や野菜、豆類の壺煮込み 料理で日本人の口にもよく合う。

イラン系諸王朝を紹介

イランに興った代表的な王朝をご紹介いたします。彼らが歴史上に残した出来事は、後世の歴史に大きな影響を与え、彼らが史跡として残したものは、当時の栄華を今に語り伝えます。

長い歴史のなかで興っては消えていった各々の王朝は、その栄華を誇るかのように様々な史跡を残し、今も訪れる人を惹き付けて止みません。そして、その壮大さ、華麗さを実際にご覧になると、強大な権力を持った各王朝の華やかかりし時代が、目に焼き付くことでしょう。

世界史に刻まれた大帝国 アケメネス朝

220年もの間、西はギリシャ、 エチオピア、東はパキスタンまで36の属州を擁して君臨した大帝国。紀元前331年、東征途中のアレキサンダー大王によって滅ぼされました。大王がダーダネルス海峡を越えて入った小アジア(現在のトルコ)は、すでにアケメネス朝の支配下でした。インドへ向かう大王は、アケメネス朝の領土を東に進軍し、ついに拠点のペルセポリスを陥落させます。かねてからアケメネス朝に攻撃を受けていたギリシャ人からは、野蛮な民族の国家と思われていましたが、大王が実際に見たものは、様々な民族、宗教を束ね、発達した文化を持った帝国だったのです。今は廃墟と化したペルセポリスは、大帝国と呼ぶにふさわしい史跡です。

ペルセポリスの象徴「万国の門」

日本文化にも影響を与えた ササーン朝

アケメネス朝よりも長く、425年間に渡って君臨した王朝。かつて栄華を極めたアケメネス朝の復興を目指し、ペルシャが起源とされるゾロアスター朝を国教としました。文化面として歴史に残るものは、支配化においたメソポタミアから導入したガラス器の製造が挙げられます。唐の時代、シルクロードを通って日本にまで伝わっており、奈良の東大寺正倉院にはペルシャ様式にカットされたガラスの器が収められています。また、紀元260年ローマ帝国との戦闘でローマ皇帝ヴァレリアヌスを捕虜にしました。皇帝シャープール一世は戦勝記念として、命乞いをするローマ皇帝を刻んだレリーフをナクシェ・ロスタムに残しています。

壮大なレリーフが残るナクシェ・ロスタム

イランにおけるモンゴル政権 イル・ハーン朝

チンギス・ハーンの征西の後、イラン高原を中心に興ったモンゴル系の王朝。モンゴルの第四大ハーン・モンケの弟フラグが初代君主となりました。彼は当時の強大なイスラム王朝アッバース朝を滅ぼし、タブリーズを首都とするイル・ハーン朝を興しました。首都タブリーズ近郊には、世界遺産に登録されたゴンバデ・スルタニエが残ります。後世のイスラム建築に大きな影響を与えたこの巨大な建造物は、中央アジアの建造物によく見られる二重のドームを取り入れています。また宗教面では、この時期にペルシャのイスラム化が進んだ時代でもありました。

ゴンバデ・ソルターニーイェ

華麗なる首都イスファハン サファビー朝

イル・ハーン朝の後、サマルカンドを首都としたティムール朝の支配を受けたのち235年間続いた王朝。ペルシャにシーア派をもたらしたことも大きな特徴ですが、最盛期、領土としたコーカサスからアルメニアやアゼルバイジャンの建築職人を集め、首都のイスファハンを壮麗な町にしました。この時期のイスファハンは、「世界の半分」と謳われ、各国からの商人が集う大都市に変貌します。今でもイマーム広場に残るシェイクルトフォラーモスクは、イスラム建築の最高傑作のひとつとされています。ペルシャ様式の、植物の描かれた青いタイル装飾は中央アジアの建築物にも影響を与え、そこにはペルシャ文化の広がりを見ることができます。

ライトアップされたイスファハン

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世界最高峰を求めて エベレスト街道を行く

  • ネパール

2012.08.01 update

世界最高峰エベレストを見たいという夢を今年こそ叶えにいきませんか。

カラパタールから仰ぐエベレスト(左)とヌプツェ(右)
カラパタールから仰ぐエベレスト(左)とヌプツェ(右)

数多くの登山隊が通ったエベレスト・ベースキャンプへと続く道、エベレスト街道。晴天率の高い乾季の10月になると世界各国からたくさんのトレッカーが訪れます。街道のほとんどは生活道。エベレストへと続く険しい山道を想像して行くと、歩き易いトレイルに驚かれることでしょう。山小屋に泊まることができ、特別な登山技術や装備(アイゼン等)は不要で、決して人並み外れた体力が必要なわけでもない。どなたでも世界最高峰の展望を見に行くことができます。
しかし、エベレスト街道は多くのトレッカーが高山病に悩まされるトレイルでもあります。エベレストを間近に眺められる標高5,450mの展望地カラパタールを目指すには、やはり十分な高所経験と高山病予防の知識が必要になってきます。

  • シェルパ族の首村ナムチェバザールからは眼前にコンデリの姿を仰ぐことができます。チベット仏教徒の彼らの生活にふれるのもまたネパールの山行の楽しみです。
    シェルパ族の首村ナムチェバザールからは眼前にコンデリの姿を仰ぐことができます。チベット仏教徒の彼らの生活にふれるのもまたネパールの山行の楽しみです。
  • シャンボチェの丘にあるエベレストシェルパリゾートに宿泊すると、表情を変えるエベレスト山群の姿を一日中堪能することができます。
    シャンボチェの丘にあるエベレストシェルパリゾートに宿泊すると、表情を変えるエベレスト山群の姿を一日中堪能することができます。
  • エベレストの好展望地タンボチェの裏手に聳えるタンボチェ・リ(4,198m)まで一登りすると遮るもののない剥き出しのエベレスト山群の展望が待っています。
    エベレストの好展望地タンボチェの裏手に聳えるタンボチェ・リ(4,198m)まで一登りすると遮るもののない剥き出しのエベレスト山群の展望が待っています。

高所に自信がない方でも気軽に目指せるエベレストの好展望地があります。高山病にならないよう、水を沢山飲み、息の上がらないペースでゆっくり歩いていきましょう。快適なホテルの建つシャンボチェの丘や僧院のあるタンボチェまで行けば、そこには360度の絶景が広がっています。

世界最高峰エベレストだけではなく、世界第4位峰ローツェ、秀峰アマダブラムやタムセルク、カンテガ…いくつものすばらしい高峰群が皆様を待っています。世界最高峰エベレストを見たいという夢を今年こそ叶えにいきませんか。

  • ゴーキョピークはエベレストだけでなく、カラパタールからは見ることの出来ないローツェ、マカルー、チョー・オユーと8,000m峰を四座展望することができる絶景展望地です。ターコイズブルーの美しいドゥードゥ・ポカリ(湖)が眼下に広がります。
    ゴーキョピークはエベレストだけでなく、カラパタールからは見ることの出来ないローツェ、マカルー、チョー・オユーと8,000m峰を四座展望することができる絶景展望地です。ターコイズブルーの美しいドゥードゥ・ポカリ(湖)が眼下に広がります。
  • カラパタールからは360°の大展望が広がっています。眼下には長大なクーンブ氷河、来た道を振り返ると遠くにすっかり形を変えたアマダブラム(中央)、カンテガ、タムセルク(右)が見えています。
    カラパタールからは360°の大展望が広がっています。眼下には長大なクーンブ氷河、来た道を振り返ると遠くにすっかり形を変えたアマダブラム(中央)、カンテガ、タムセルク(右)が見えています。
  •  カラパタールの背後には乙女・峰を意味する美しい山容のプモ・リが聳えています。
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ミャンマーを旅する

  • ミャンマー

2012.08.01 update

無数のパゴダが並ぶバガンの夕暮れ
無数のパゴダが並ぶバガンの夕暮れ
東南アジアの中でも熱心な仏教国であるミャンマー。信仰篤い人々が暮らす穏やかな印象がある一方で、政治的には長きに渡る軍事政権が続き、クーデターや民主化運動の大規模デモなどが起こるなど、安定しないイメージがつきまとう国でもありました。そんなミャンマーが今、大きな転換期を迎えています。

民主化の道へ — 大きな転換期を迎えるミャンマー

2011年1月、首都ネピドーで総選挙後初の連邦議会が開幕。民主化運動の指導者アウンサンスーチーさんの自宅軟禁が解除され、徐々に民主化運動が進展していったミャンマー。2012年に入りアメリカなど諸外国の制裁が緩和されたことで経済的にも活気付き、世界からも注目を集める国となっています。現在のミャンマーはどう変わっているのか。2012年6月、視察に行ってまいりました。

2012年現在、日本からミャンマーへの直行便はないため、ベトナム航空にてハノイで航空機を乗り換えて空路ヤンゴンへと入りました。以前はヤンゴンへはバンコク乗り換えの航空機を利用するのが主流でしたが、2010年にはベトナム航空のハノイ/ヤンゴン線が、2012年に入り大韓航空、カタール航空、パキスタン航空が就航しました。さらに、10月からは12年ぶりに全日空の成田/ヤンゴン直行便の就航が決定しています。ビジネス・観光ともに高まる需要を見込み、一気にミャンマーへの空の入口の選択肢が広がりました。

ヤンゴンの空港から街へと車を走らせると建設中の建物を多く目にします。多くの外国人の需要を見込んで、ホテルなどの建設ラッシュが続いているとの話でした。すでにあるホテルだけではとても足りず、物価もどんどん上がるばかりだとのこと。翌日からはヤンゴンを後にし、バガン、マンダレー、インレー湖を回りました。

悠久の遺跡・自然・民族… 見所満載のミャンマー

ミャンマーは遺跡や自然、民族など魅力あふれる見所の多い国。様々な民族によって複雑な歴史を繰り広げてきたミャンマーを初めて統一したのが11世紀のパガン王朝です。バガンに残る遺跡群はカンボジアのアンコール遺跡、インドネシアのボロブドゥール遺跡と並んで世界三大仏教遺跡のひとつに数えられています。約40平方㎞の王都には数多くのパゴダ(仏塔)がつくられ、その数は最盛期には数十万に及んだともいわれています。現存するパゴダは2000以上、少し高台に上って見渡すとパゴダ群を一望することができ圧巻です。また、各パゴダを馬車に乗ってゆったりと巡るのもおすすめです。

そして多くの少数民族が暮らすシャン州の風光明媚なインレー湖。湖上で暮らすインダー族が有名です。インダー族は湖に浮島を作り、家を建て、魚を採って生活をしています。浮島では野菜も栽培されていて、インレー湖でとれたトマトは味が良いことで有名です。そして、細長いこの湖の移動手段はカヌー。インダー族の人々は船の上で片足を使い艪を操ります。

ここインレー湖は特徴のある湖上ホテルに宿泊することもできます。湖での移動は船を使い、郊外の特徴のある仏塔が立ち並ぶインディン遺跡や湖で自生する蓮を使った織物工房などを巡ります。観光地の訪問はもちろん、市場や街でのあたたかい人々との出会いも魅力のひとつです。

今、変わりゆくミャンマーへ。この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

黄金色に輝くお寺と縁起物
ミャンマーの人々にとって黄金色に輝く寺院と仏塔は彼らの信仰そのもの。金は信者の寄付で集められます。寺院へと進む境内には「投げるたび転ばずに立ち上がる」日本のダルマと似た「ピッタインダウン」や招き猫のように福を招く「ふくろうの置物」が縁起物として売られています。

ミャンマーの縁起物「ふくろうの置物」黄金色に輝く「シュエジーゴン・パゴダ」
左:ミャンマーの縁起物「ふくろうの置物」
右:黄金色に輝く「シュエジーゴン・パゴダ」
仏教国ミャンマー
全人口の80%以上が仏教徒。パガン王朝の隆盛とともに全土に広がり、15世紀になるとスリランカから小乗仏教の教えが伝わりました。朝、街中や市場で托鉢をする僧に喜捨する人々の姿を目にすることがあります。またミャンマーの男性は一度は仏門に入ることが一般的で、得度式を行う少年の姿も見られました。これもミャンマーに根付く深い信仰のひとつです。托鉢をする少年僧たち

托鉢をする少年僧たち
美味しいミャンマー料理
食も旅の楽しみのひとつ。中国、インド、タイなどと国境を接するミャンマーでは、それぞれの国から影響を受けた独自の料理が作り出されました。モヒンガーと呼ばれる魚のスープを使った麺料理は朝食の定番。茶葉を発酵させて豆やニンニクなどまぜた、食べるお茶「ラペットゥ」、シャン州ではインレー湖の魚を使った料理やじゃがいもとお米を混ぜてつくるシャン風おにぎりなど各地の名物料理を存分にお楽しみください。朝食の定番「モヒンガー」&シャン風おにぎり

左:朝食の定番「モヒンガー」  右:シャン風おにぎり
民族衣装「ロンジー」
ミャンマーの民族衣装は「ロンジー」と呼ばれる巻きスカート。特に女性の模様は多種多様です。シャン州風は波のような横ラインのもの、カチン風はひし形の模様、シュミロンジーは田舎風。市場では、シャンロンジーは6ドル、カチンロンジーは15ドルで手に入りました。

托鉢をする少年僧たち
左上:ロンジーの生地でできた小物   右:ロンジーを着た女性
左下:市場で売られるロンジー
伝統工芸とお土産
バガンでは漆器づくりが有名です。竹を馬のしっぽで編みこんだものやチーク材に漆を何層にも塗り重ねます。キンマの葉っぱ入れは昔どこの家庭でもあったもので、500ドルほど。手軽に購入できるお茶のコップ(5ドル〜)、小箱(25ドル〜)などがお土産に人気です。また、インレー湖では蓮の繊維で作られた織物なども有名です。その土地ならではの一品を探してください。

漆のお土産&漆器の工房&蓮の繊維の織物
左上:漆のお土産  左下:蓮の繊維の織物  右:漆器の工房
伝統的な自然化粧品「タナカ」
タナカはレモンの木の一種で、3から5年、8年と成長させた木の皮を専用の石で削って使う日焼け止めです。これは化粧品のようなもので、男女とも使います。年数が経って太い木になるほど高級品。削ると自然に匂いがしますが、白檀を混ぜた高級タナカやクリーム状に加工されたものもあります。ヤンゴンなどの都会ではあまり見られなくなりましたが、地方では男性もタナカを使っています。

市場で売られるタナカ&タナカを塗った赤ちゃん
左:市場で売られるタナカ  右:タナカを塗った赤ちゃん

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韓国二大名峰登頂 漢拏山・智異山と済州島満喫オルレハイキング

古都オールド・バガンと
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仏教都市・バガン、インレー湖ではそれぞれ2泊。主要な見どころをしっかり押さえながら、ゆとりある日程で巡る。特別価格で行く、癒しと安らぎの7日間の旅。

世界一の単独峰 キリマンジャロ登頂

  • タンザニア

2012.08.01 update

アフリカ最高峰キリマンジャロは、タンザニア北東部に位置しており、標高は5,895m。山脈に属さない単独峰としては世界一の高さを誇ります。変化に富んだルートを5日間かけて登頂します。

キボ峰にむかって
キボ峰にむかって

アフリカ最高峰 キリマンジャロ

キリマンジャロは、アフリカ最高峰であり7大陸最高峰の一つで、東西約50km南北30kmに広がった成層火山です。西からシラ峰(3,962 m)キボ峰(5,985m)マウェンジ峰(5,149m)の3つから成り、南東部には巨大なカルデラがあります。中央にあるキボ峰が最高峰で頂上はスワヒリ語で『独立、自由』を意味するウフルと呼ばれています。ここは1961年の独立を記念して命名されました。かつて、タンザニア初代大統領ジュリウス・ニエレレの言葉が刻まれた銅版のレリーフがありましたが、現在は失われています。 山頂付近からはタンザニア第2の高峰・メルー山(4,567m)を展望することができます。

スタート地点 マラングゲートへ

キリマンジャロ空港から車で走ること2時間。登山の拠点となるマラングに宿泊し、翌日マラングゲートまで向かいます。 ここで入山手続きを行い、ポーターに荷物を振り分けて、計量を行い、いよいよ出発です。

完全に凍った瀑布
マラングゲート
レーへ巡礼の旅に向かうラダッキーたち
ポーターの軽量
いよいよ出発!
いよいよ出発!

マラングゲート → マンダラハット

トレッキング1日目は、マンダラハット(2,730m)まで、約8km、標高差は約900mです。序盤は樹林帯の中ですが、登山道はきれいに整備されており、とても歩きやすいです。キサンビオニで昼食後、ゆるやかに登りマンダラハットに到着です。

整備された樹林帯を行く
整備された樹林帯を行く
マンダラハットに到着
マンダラハットに到着

マンダラハット → ホロンボハット

2日目は、ホロンボハット(3,720m)まで、約13km、標高差は約1,000mです。出発後、1時間は前日に続き樹林帯です。徐々に木々が低くなり樹林帯を抜けると、草原帯になり、正面には白く輝くキボ峰、右手には鋭いマウェンジ峰が姿を現します。ここからは少し粒子の細かい砂の道をゆるやかに登っていきホロンボハットを目指します。

ホロンボハット滞在(高度順応トレッキング)

3日目は、終日ホロンボハットに滞在し、ラヴァヒル(4,100m)といわれる丘まで高度順応トレッキングをします。ゆるやかに登り4,000mを越えるとゼブラロックといわれる縞模様の岩に到着です。ここで休憩後、ラヴァヒルまで登ります。ここからは、ギルマンズポイント、キボハット、キリマンジャロにある8ルートのうちの1つ、マチャメルートのバラフキャンプなどを展望することができました。ここからは明日通る登山道を下り、ホロンボハットまで戻ります。
ラヴァヒルからキリマンジャロを展望
ラヴァヒルからキリマンジャロを展望

ホロンボハット → キボハット

4日目は、キボハット(4,703m)まで約10km、標高差は本日も約1,000mです。出発してゆるやかな登りがあり、登りきると、ラストウォーターポイント(最後の水場)までは平坦な道が続きます。この先にある丘を2つ越えると、サドルという砂礫帯になります。ここから先は平坦に見えますが侮れません。本日は1,000mも登ります。体を高所に慣れさせ、ゆっくり歩いていきます。キボハットに到着後は明日のアタックに備え、ゆっくり休みます。

背の低いジャイアントセネシオが密生する
背の低いジャイアントセネシオが密生する
ラストウォーターポイント
ラストウォーターポイント
丘を越えると砂礫帯
丘を越えると砂礫帯

キリマンジャロ登頂

5日目は、23時にキボハットを出発し登山開始。ヘッドランプの明かりを頼りにつづら折りの道を登ります。ハンスメイヤーズケイブ(5,150m)を過ぎると急に風が強くなり、気温も下がり、岩場が多くなります。ふと見上げると、ギルマンズポイントがすぐそこに見えます。しかし、到着までにはまだまだ時間がかかります。本日は1,280mも登らなければなりません。岩場を抜けるとついにギルマンズポイント(5,682m)に到着です。喜びもつかの間、少し休憩して、ウフルピークを目指し歩き始めます。ステラポイント(5,730m)に到着すると、朝陽が昇り、目の前に氷河が現れます。 ここは赤道付近にもかかわらず、キボ峰の頭頂部には20世紀後期まで巨大な氷河が存在していました。近年は、気候変動(温暖化、降水量の減少など)にともなって規模が極端に縮小しているとはいえ、氷雪を見ることができます。 ここからは最後の力を振りしぼり、一歩一歩、歩みを進め、ついにウフルピーク(5,895m)に到着です。

ステラポイントから眺める朝陽
ステラポイントから眺める朝陽
ジャイアントセネシオの背丈が徐々に低くなる
ステラポイント
レブマン氷河
レブマン氷河
ウフルピーク(5,895m)に到着
ウフルピーク(5,895m)に到着
ディゲン氷河
ディゲン氷河
キリマンジャロ山頂付近からメルー山を展望
キリマンジャロ山頂付近よりタンザニア第2の高峰メルー山を展望
 

キリマンジャロを登頂したことを実感し、いつまでもここに居たかったのですが、長く滞在すると高山病の影響がでるため写真を撮り下山を開始します。帰路はつづらおりだった道を砂走りのように駆け下りました。 キボハットに戻り休憩。おかゆの昼食後は一気にホロンボハットまで、約2280mを下山です。

マラングゲートへ下山

6日目は、ホロンボハットからマラングゲートまで下山します。マラングゲートに到着すると、登頂証明書を受け取り、 同行コックが作った最後の昼食を食べキリマンジャロビールで乾杯です。ポーター達とはここでお別れです。お別れにキリマンジャロの歌を歌ってくれました。

登山後はアル―シャ国立公園でサファリを楽しみます。 アフリカ最高峰・キリマンジャロ登頂と独特の生態系の大自然を楽しみ、タンザニアのサファリの体験など、充実の10日間の旅に一緒にでかけてみませんか。

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