秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

ザンスカール最深部
断崖に建つ白亜の僧坊 プクタル・ゴンパをゆく

  • インド

2014.02.01 update

海の深さにも負けないほど青い空の下、荒々しく切り立つ絶壁。その崖の中央には洞窟がぽっかりと口を開け、周囲に無数の伽藍がべったりと張りつきます。
少し視線をあげた洞窟のちょうど真上には、まるでこの地を見守るかのように、立派なヒマラヤ杉が根を下ろしています。今もなお車道が整備されず、往復4日のトレッキングという時間と体力をかけてこそ辿り着けるこの僧院。数知れぬ僧院が存在するザンスカールの中でもプクタル・ゴンパは訪れる人の心を強く魅了する圧倒的な存在感を持っています。
厳しい環境下で、今もなお続く信仰のかたち。その神秘的ともいえる魅力に迫ります。

断崖に張りつくように建つプクタル・ゴンパ
断崖に張りつくように建つプクタル・ゴンパ

ザンスカール最奥を目指す ~プクタル・ゴンパへの道~

ヒマラヤ山中の奥地の谷間に位置するザンスカール地方は、万年雪を抱く高峰に囲まれ、一年の半分は雪で峠が閉ざされます。プクタル・ゴンパはザンスカールの中心地パドゥムより、さらに奥地へ進んだところにあります。地元の人の足ならパドゥムより歩いて1〜2日、私たちのような外国人はパドゥムをジープで出発し、車で行ける最終地点ドルゾンから1泊2日のトレッキングでゴンパを目指します。
トレッキングのルートは、アップダウンを繰り返しながらツァラプ川沿いに続きます。この道は地元の人々にとって生活道です。道中の村の人々がこの道を歩いてパドゥムまで仕事に行ったり、馬を率いて物資や食料の調達へ行きます。そのため道を歩いていると、何度も地元の人々とすれ違います。彼らと出会うと「ジュレー!(こんにちは)」と挨拶。彼らも、日に焼けた赤いほっぺの顔をくしゃっとさせ、満面の笑みで「ジュレー!」と返してくれます。どことなく私たち日本人と似たその顔つきにほっとし、息を切らして坂を登ってきた疲れも忘れてしまいます。
ザンスカールの風景も私たちを楽しませてくれます。前方の壮大な雪をかぶったヒマラヤの山々、ツァラプ川対岸の村に広がる田畑、足元に可憐に咲く高山植物。その中でもひときわ目を引くのがブルーポピー。人目を避けるかのように、岩陰にひっそりと咲く姿を見ると、「幻の花」や「ヒマラヤの女王」と呼ばれる理由が分かる気がします。

  • ゴンパ麓の道に続くストゥーパ
    ゴンパ麓の道に続くストゥーパ
  • 岩陰に咲くブルーポピー
    岩陰に咲くブルーポピー
  • ツァラプ川沿いを歩きゴンパを目指す
    ツァラプ川沿いを歩きゴンパを目指す
  • 朝、お祈り前の読経の練習を行う少年僧たち
    朝、お祈り前の読経の練習を行う少年僧たち

プクタル・ゴンパに残る伝説 ~ジャンセム・シェラブザンポと白いねずみ~

プクタル・ゴンパの持つ神秘性はその容貌だけではありません。言い伝えによれば、この地に伝わる歴史は2500年以上も前にさかのぼります。当時はまだ僧院はなく、小さな洞窟だけがありました。「十六羅漢」と呼ばれるお釈迦様の優れた16人の弟子のうち3人がその洞窟で瞑想し、ここで仏教を広めたと言われています。

その後もこの洞窟には多くの高僧が訪れました。チベット仏教の開祖パドマサンバヴァ、カギュ派開祖の1人ミラレパ、偉大な翻訳官リンチェンサンポなど、チベット文化圏を訪れたことがあれば一度は耳にしたことのある高僧が名を連ねます。これは伝説にすぎないかもしれませんが、そう言い伝えられるほどに人々がこの僧院に特別な魅力
を感じていることは、確かではないでしょうか。  僧院部分が建立されたのは15世紀初頭と言われます。建立したのはジャンセム・シェラブザンポ。チベット仏教最大宗派ゲルク派の開祖ツォンカパの弟子です。僧院建立にまつわる言い伝えは諸説がありますが、地元の人に聞いた伝説の1つをご紹介します。

「プクタル・ゴンパ建立にまつわる伝説」

シェラブザンポは旅をしながら各地に僧院を作り、チベット仏教の教えを説いていました。共に旅していたのが白いねずみ。彼らはザンスカールまでやってくると、僧院を作りました。しかし白いねずみはいつもあちらこちらへ駆け回り、落ち着かない様子でした。そこでシェラブザンポはその地を離れ、旅を続けました。辿り着いたのが今のプクタルゴンパのある場所。到着するやいなや、白いねずみが近くの茂みに飛び込みました。そして安心したかのようにそこにとどまっていたのです。それを見たシェラブザンポはこの場所こそが神聖な地だと確信し、プクタルゴンパを建てました。その後シェラブザンポは不思議な力を発揮し、洞窟の奥には湧き水が流れ、乾いた洞窟の上にヒマラヤ杉の木が育ち、洞窟自体も大きくなりました。

この湧き水やヒマラヤ杉は今も残り、神聖なものとして崇められています。そして洞窟内部には彼のストゥーパが安置されています。  ザンスカールの大自然と篤い信仰が息づくプクタル・ゴンパ。古から神聖視されてきたこの場所は、今では地元の人のみならず、私たち訪れる人々の心をも魅了する神秘の力を秘めている。

  • 伝説の洞窟とその上に育つヒマラヤ杉
    伝説の洞窟とその上に育つヒマラヤ杉
  • 法螺貝を吹き、お祈りの時間を告げる
    法螺貝を吹き、お祈りの時間を告げる
  • プクタル・ゴンパのゴンカン(護法堂)
    プクタル・ゴンパのゴンカン(護法堂)
  • プクタル・ゴンパより望む
    プクタル・ゴンパより望む

コスタリカ  太平洋とカリブ海に抱かれ人々が穏やかに暮らす中米の楽園へ

  • コスタリカ

2013.11.01 update

「自然が溢れる国」、「軍隊の無い永世中立 国」という言葉とともに語られるコスタリカ。 そこに住む人々の暮らしはどのようなもので しょうか。カリブ海と太平洋の二海洋にはさ まれ、温暖な気候、豊かな緑あふれる国土、 そして多様性に富む人々。その中での生活の 様子をご紹介いたします。

ケツァール
ケツァール:バードウォッチャーの憧れの鳥と言われる ケツァール。
運がよければ、緑の森の中に鮮やかに映え るその姿を目にすることができるかもしれない。

 

中米の小国 コスタリカ

 スペイン語で「豊かな海岸」を意味するコスタリカ。その名を聞いて、地図の上に正確な位置が思い浮かぶ人は少ないかもしれません。四国と九州をあわせたほどのその小国は、南北アメリカをつなぐ中米にあります。コスタリカも多くの中南米諸国と同様に、かつての大航海時代にスペイン人が到来し、その後その支配を受けた国のひとつでした。

 かのコロンブスとその部下たちが現在のコスタリカのカリブ海沿岸に初めてたどり着いたのは1502年のことでしたが、先住民の抵抗や鬱蒼とした熱帯雨林に行く手を阻まれ、16世紀後半になってやっと中央盆地への定住がなされました。その他の地域の本格的な開発が始まったのは19世紀後半になってからのことでした。

 中央盆地に位置する首都サンホセ。一国の首都にしてはとてもこじんまりとしていますが、19世紀前半のコーヒーブームにより富を得た人々がヨーロッパを真似て建てた劇場や邸宅が並びます。サンホセや、第二の都市カルタゴなどの都市部には世界的チェーンのファストフード店やブランド店があったり、ほとんどの人が携帯電話を持っていたりと、我々日本人と変わらない暮らしをしています。しかし、都市部を出て、緑豊かな道を車で少し行けば、「町」よりも「村」と呼ぶにふさわしい、のどかな風景に出会えます。

穏やかに流れる 人々の暮らし

朝、目覚めれば鳥の声が聞こえます。各家庭の台所では、お母さんがコーヒーを淹れはじめます。ケトルの音とドリップされるコーヒーの香り。朝、午後そして夜と、コスタリカでは少なくとも1日に3回はコーヒーを飲むのが一般的です。 人々は早朝から動き出し、学校の始業も7時から。制服を着た学生がバス停に並びます。朝にシャワーを浴びる習慣のため、濡れた髪が朝日でつややかに光ります。通学・出勤する家族を見送った家からは、掃除をする音が聞こえ、また洗濯物がはためきはじめます。きれい好きなコスタリカ人。毎日念入りに床を磨く家も少なくありません。少し長めの昼休みには、一度家に戻って昼食をとる人も多く、お母さんはその支度にとりかかります。

日中はあけっぱなしの入り口から近所の人が「Hola(オラ)」とやってきて、マヨネーズなどの調味料を借りていくことも。また、お昼近くになると、出来立てのトルティージャ(トウモロコシの粉で作った薄いナンのような食べ物)をかごに入れて売りに回るおばさんの姿が見られます。午後は家にいればコーヒーと菓子パンなどでおやつタイムです。ソファに座ってテレビを見ながら、玄関前のベンチに腰かけて家の前を眺めながら…ゆったりとした時間が流れます。出かけていた家族が家に戻ってくると夕食です。昼食をしっかりとるため、晩ごはんは軽めにすませます。

コスタリカ人はおしゃべり好きでとても社交的。ご近所さんや近くに住む親戚の家を行ったり来たりし、自分の家への来客に対してもとても開放的です。ほとんどの国民はカトリック教徒で、信仰熱心な人は、今日一日を平和に過ごせたことを神様に感謝し、また明日の健康を祈って眠りにつきます。

人種の坩堝コスタリカ

 コスタリカ人と聞いて特定の容貌を思い浮かべるのは容易ではありません。人口はたったの480万人ですが、その中には様々な人がいます。人口の9割を占めるのは先住民とスペイン系の混血、メスティソです。しかし一言にメスティソと言っても、黒髪から金髪、黒い瞳から青い瞳までと様々です。アフリカ系の人々もよく見かけます。もともと彼らは19世紀後半からの鉄道建設やバナナプランテーションでの労働力としてジャマイカから連れてこられました。当初、カリブ海沿岸の町リモンを中心とした低地から中央盆地へ出てくることを禁止されていたこともあって、今でもカリブ海沿いの地域では特に黒人の割合が多くなっています。

 同じ中米のグアテマラやパナマに比べれば目立ちませんが、先住民も人口の約1・7%を占めています。また、移民としてやってきた中国人もおり、中華街こそありませんが、中華料理店や彼らが経営するスーパーマーケットも少なくありません。

学校、職場、町ではもちろんこれらの多様な人々が一緒に生活しています。バス停やレジに並ぶ人々の肌の色は様々ですが、誰とでも気軽におしゃべりを始めます。同じ国民でも人種や民族によって自然にグループができ、生活が分かれて行く国もあると聞きますが、コスタリカではそのような風景は見られません。

 彼らは世界各地から訪れる旅行者もおおらかな笑顔で迎えてくれるでしょう。暖かく、穏やかに暮らす彼らが誇りにし、愛でるその地へ。ぜひ皆様をお連れできればと思います。

サンホセの日曜市
チーズ売りのおばさん:首都の日曜市でチーズを売る女性。カメラを向けたら笑顔で応じてくれた。

プラジャ(=スペイン語で「ビーチ」の意)
ビーチ: 太平洋とカリブ海に挟まれたこの国にはたくさんの ビーチがある。プラジャ(=スペイン語で「ビーチ」の意) で過ごす休日は、コスタリカ人にとっても特別なもの。

高原盆地
高台からの景色:コスタリカ=熱帯雨林のイメージが強いかもしれないが、 国土の約3分の1は3,000m級の高山及びそれらによって形成される標高 800~1,400mのさわやかな高原盆地だ。

ハイスクール
学校:ハイスクールの教室にて。共に学ぶ学生たちは、髪の色も瞳の色も様々です。
独立記念日
独立記念日:毎年9月15日には、コスタリカ中どこの町でも子供たちのパレードが町を練り歩きます。

コスタリカと言えば・・・

  • 定番の朝食ガジョ・ピント
    見た目は赤飯のような、豆を混 ぜたお米料理。味付けは塩や香草コリアンダー程度のシンプルなものですが、やみつきになる 味です。

    ガジョ・ピント

  • 活動を続けるアレナル火山
    コスタリカは日本と同じ火山国です。アレナル火山はコスタリカを代表する活火山で、その活発さは世界の火山でも十指に入ると言われています。
    アレナル火山
  • 国花グアリア・モラーダ
    蘭の一種で、2~3月に薄い紫色の花を咲かせます。可愛らしい花はコスタリカの人々に親し まれており、この花を主題にした歌もつくられました。
    グアリア・モラーダ
  • 高品質のコーヒー豆
    コーヒー好きならばコスタリカの名前を耳にしたことがあるでしょう。19世紀前半のコーヒーブームがもたらした富が、コスタリカの近代化を推し進めま した。
    コーヒー豆
  • バード・ウォッチング
    小さな国土ながら全世界の鳥類のうち一割が見られるというコスタリカ。空飛ぶ宝石ハチドリや幻の鳥ケツァールを求め世界中の野鳥愛好家が訪れます。
    ハチドリ
  • フィエスタ
    パーティー(=フィエスタ)好きのコスタリカ人。誕生日、結婚祝い、出産祝い。クリスマスなど、大家族がにぎやかに集まる機会が年に何度もあります。
    フィエスタ

関連ツアーのご紹介

コスタリカ

人気の国立公園・自然保護区をあますことなく訪問。モンテベルデ自然保護区をはじめ、憧れのケツァールとの遭遇率が最も高いと言われるロス・ケツァーレス国立公園も訪れます。

中米7ヶ国 パン・アメリカン・ハイウェイ縦断の旅

移りゆく景色を眺めながら、6つの国境を陸路で越える。パナマ運河、古代マヤ遺跡、熱帯雨林のジャングルと動植物、コロニアル様式の街並み。パナマからベリーズまで縦断。

ロンボク島最高峰・リンジャニ山(3,726m)登頂

  • インドネシア

2013.10.01 update

インドネシア、西ヌサ・トゥンガラ諸島の州都マタラムがあるロンボク島。リンジャニ山はこのロンボク島の最高峰であり、インドネシア第3の高峰です。また活火山であり、山頂付近では巨大な火口湖セガラ・アナ湖やバリ島最高峰アグン山(3,031m)を展望することができます。ここでは、島についてから2泊3日での登頂の様子を、ルートに沿ってご紹介いたします。

リンジャニ山の全景を望みつつ草原帯から登山開始リンジャニ山の全景を望みつつ草原帯から登山開始

トレッキング1日目(早朝):スタート地点のスンバルンラワン村

早朝、ロンボク島のスンギキを出発し、標高約1,150mのスンバルンラワン村へ。
この村で入山手続きを行いポーターに荷物を振り分け出発です。

登山のスタート地点、山間に佇むスンバルン・ラワンの村
登山のスタート地点、山間に佇むスンバルン・ラワンの村
村を出発
村を出発

トレッキング1日目(朝~):スンバルンラワン村→ プラワガン・センバルンへ

トレッキング1日目は、プラワガン・センバルン(2,640m)まで進みます。標高差は約1,490m。序盤は草原地帯をゆるやかに登ります。道中、熱帯でよく行われている焼畑農業の跡が見られ、南国に来たことを実感させてくれます。

標高約1,500mのPos2で昼食後は徐々に高度を上げます。急坂を登りきり尾根まであがると火口湖セガラ・アナ湖が展望できるプラワガン・センバルンへ到着。深夜の登頂開始に備え、夕食を食べ就寝です。

砂礫の稜線を登る
村を出発し、トレッキング開始
山頂付近は急登を登る
序盤は草原地帯を行く
東屋で休憩
東屋で休憩
 

トレッキング2日目(未明~朝):リンジャニ山登頂

深夜2時、キャンプを出発し登頂開始。山頂までは約1,090m、プラワガン・センバルンから山頂まで伸びる砂礫の稜線をひたすら登ります。朝陽が昇り、ふと後ろを振り返ると、エメラルドグリーンのセガラ・アナ湖が望めます。さらに下にはプラワガン・センバルンのキャンプが見え、あそこから歩いてきたのかと、驚きを感じます。

砂礫の稜線を登る
砂礫の稜線を登る
山頂付近は急登を登る
山頂付近は急登を登る
山頂にて
山頂にて
山頂に到着すると、1993年に噴火したバル山とセガラ・アナ湖が眼下に広がり、遠くにはバリ島最高峰のアグン山(3,142m)が展望できます。ロンボク島は総面積が約4740Km2しかなく、山頂から見渡すと、島を取り囲む美しい海が広がっていました。

帰路は砂礫の稜線を駆け下り、プラワガン・センバルンに戻ります。

山頂から望むアグン山
山頂から望むアグン山
山頂付近から望むセガラ・アナ湖
山頂付近から望むセガラ・アナ湖

トレッキング2日目(朝~):プラワガン・センバルン→ セガラ・アナ湖畔

朝食後、約640mを下山しセガラ・アナ湖畔のキャンプ地(2,000m)へ。セガラ・アナ湖畔にはアリカラックと呼ばれる温泉があり、大自然の中の天然温泉で登山の疲れを癒していただきました。

湖畔のキャンプ地へ
湖畔のキャンプ地へ
アリカラック温泉
アリカラック温泉
湖で釣りをする地元の人々
湖で釣りをする地元の人々

トレッキング3日目:セガラ・アナ湖畔→スナル

スナルまで約1,400mの下山です。湖畔を歩き、再び外輪山の稜線部にある尾根まで登るとプラワガン・セナル(2,461m)に到着。ここからはジャングルに抜け一気にスナルまで下山し、2泊3日の山旅は終了。ホテルへと戻り、近海で取れた魚介類を堪能しました。
翌日、最終日はバリ島へと移動し、深夜の飛行機の出発までクタ地区でのショッピングなどをお楽しみいただけます。

セガラ・アナ湖の隣に聳えるバル山
セガラ・アナ湖の隣に聳えるバル山
プラワガンセナルからリンジャニ山を望む
プラワガンセナルからリンジャニ山を望む
スナルのゲート
スナルのゲート

リンジャニ山は日本から気軽に訪れることができ、標高も3,726mと、富士山3,776mとほぼ変わらないため、初めての海外登山に挑戦される方にはおすすめです。復路と往路で異なるルートを歩くため、2泊3日で変化の富んだ登山をお楽しみいただけます。

日本からほど近い場所ですが、まだ訪れる登山者が少ないリンジャニ山。是非、多くの方に訪れていただきたいと感じました。
これから海外登山を初めて見たい方は、是非このコースに挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

関連ツアーのご紹介

ロンボク島最高峰・リン ジャニ(3,726m)山登頂

ロンボク島最高峰を周遊。熱帯雨林の中を歩き、火山湖を展望!登山途中に天然温泉に入浴、変化に富んだ自然の中を歩く。山中に2泊のゆとりの日程。

ヒマラヤの懐深く…名峰ひしめく聖域を訪ねる
アンナプルナ内院を行く

  • ネパール

2013.10.01 update

アンナプルナ地域の最終章、360度大迫力の巨峰群に囲まれた二大ベースキャンプへ。6,000m〜8,000m峰がひしめくマチャプチャレB.C.、最終目的地アンナプルナB.C.…それぞれの滞在で、神々しく朝・夕に赤く染まるヒマラヤの峰々を堪能するアンナプルナエリアの聖域を目指す、アンナプルナ内院トレッキングをご紹介します。

朝日に輝くアンナプルナⅠ峰(8,091m)朝日に輝くアンナプルナⅠ峰(8,091m)

処女峰アンナプルナ

「豊穣の女神」を意味する世界第10位峰アンナプルナⅠ峰(8,091m)。アンナプルナは、タライ平原からインドへと続く豊富な水量の水源であることから古代より人々の信仰の対象とされてきました。 そのアンナプルナエリアの極み、圧巻の氷壁・氷河に囲まれたベースキャンプを訪れるのがアンナプルナ内院トレッキング。アンナプルナエリアの最終章とも言えるトレッキングです。内院からは落差4,000mの大迫力の南壁が展望できます。1950年の初登頂は人類初の8,000m峰登頂であり、その後のヒマラヤ登山黄金期の幕開けとなりました。

名峰に囲まれたアンナプルナ内院を目指す

トレッキングの拠点は湖の美しいリゾート地の趣を持つポカラ。空気の澄んだ日には、大空高くに聳え立つアンナプルナ連峰、ダウラギリ、マチャプチャレを展望することができます。ここから車に揺られナヤプル(1,025m)からトレッキング開始。序盤は広大な段々畑の風景を見ながらの里山トレッキングです。グルン族の集落を通過しながら、石段の多いトレイルを進むとガンドルン(1,950m)に到着。背後にはアンナプルナ南峰(7,219m)が展望できます。その後、大きなアップ・ダウンを越えてチョムロン(2,170m)へ。ここからはモディ・コーラ(川)沿いの高巻きの道で谷を詰めて行きます。 デウラリ(3,100m)を過ぎるとルートはU字谷へと変わり灌木帯へと入って行きます。U字谷を抜けると、聖域の入り口マチャプチャレB.C.に到着。ここからガンドルンから眺めたのとは真裏にあたるアンナプルナ南峰を正面に一登りすると、いよいよアンナプルナB.C.に到着します。ロッジ裏手の丘に登ると落差4,000mの南壁を誇るアンナプルナⅠ峰と大氷河が圧巻の迫力で眼前に迫ります。その左方向にはアンナプルナ南峰、ヒウンチュリ(6,441m)。右にはカンサール・カン(7,485m)、タルケ・カン(7,193m)、シングチュリ(6.501m)。背後にはマチャプチャレ(6,993m)とアンナプルナⅢ峰(7,555m)。360度名峰群に囲まれた空間はまさに聖域。ダイナミックな景観が待っています。

シャクナゲの季節に訪れる

3月、厳しく寒い冬が終わり、世界各国のトレッカーがネパールに戻ってくる頃、ヒマラヤ山麗には真紅のシャクナゲの花が咲き誇ります。アンナプルナ山麗を巡るトレッキングコースは、その中でも特に美しいことで知られています。 アンナプルナ内院などの奥地へ踏み入れなくても、ヒマラヤ屈指の展望地ゴラパニ峠やダウラギリ峰を間近に望むジョムソン街道など、人気のルートで春のネパールを存分に楽しむことができます。シャクナゲとアンナプルナ、そしてダウラギリの名峰群というこの時季ならではの山岳風景を楽しむことができる春のネパールトレッキング。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

アンナプルナ登山史

ネパールが鎖国を解いた直後の1950年春、フランス隊のエルゾーグ隊長が北面のルートから人類初の8,000m峰登頂の快挙を果たしました。エルゾーグ著の「処女峰アンナプルナ」では初登頂の栄華と共に壮絶な下山の様子が克明に描かれています。落差4,000mの南壁は70年春イギリス隊によって登られ、その後のより困難なルートを目指すヒマラヤ登山の幕開けとなります。84年にはスイス隊がグレーシア・ドーム、ロック・ノアールから北東陵を行き登頂する大縦走に成功しました。


アンナプルナB.C.より仰ぎ見るアンナプルナⅠ峰

マチャプチャレB.C.より夕焼けに輝くマチャプチャレ

マチャプチャレを仰ぐ道を進む
コンコルディアより眼前にK2を仰ぐ
アンナプルナB.C.(4,130m)を目指す
夕暮れのコンコルディア
ベースキャンプに到着。圧巻の眺め

関連ツアーのご紹介

アンナプルナ内院トレッキング二大ベースキャンプを訪ねて

アンナプルナエリアの極み、圧巻の氷壁・氷河に囲まれたベースキャンプへ。ヒマラヤのふところ深くに入り込み、名峰ひしめく聖域を訪ねる。

オカバンゴ・デルタの優雅な休日

  • ボツワナ

2013.10.01 update

毎年5月~8月にかけてオカバンゴ川の氾濫原が造りだす大湿地帯オカバンゴ・デルタ。ここは、野生動物たちに貴重な水場を提供し、ライオンやアフリカゾウ、サイやカバなどの大型動物をはじめ様々な草食動物が暮らす野生動物の楽園となっています。今年5月、水場に集まるそんな野生動物を観察しに、オカバンゴ・デルタにある国立公園を訪ねました。
オカバンゴ・デルタの優雅な休日

オカバンゴの大湿地帯へ

南アフリカのヨハネスブルグから、飛行機はボツワナのマウンへ。標高は980mありますが1,700mの涼しいヨハネスブルグに比べるとかなり気温も暑く感じられました。
さらにここから13人乗りのセスナに乗り込み、モレミ動物保護区内のクワイ川近くの飛行場へ。眼下にはオカバンゴの湿地帯を見下ろすことができます。
ホテルのジープが迎えにくると、部屋に荷物をおいて、さっそく夕方のサファリへとでかけます。夕暮れから暗くなるまで、サバンナと湿地帯の間に生活する動物たちの観察へと出かけました。このイブニングサファリでは、日中に見ることが難しいジェネットやカラカウ、ヤマアラシにヒョウなどの夜行性の動物たちとの出会いが楽しみです。

明け方にライオンの声

まだあたりが暗いうちに起床。焼きたてのマフィンなどの朝食を食べ、まずは早朝のサファリへ出発です。明け方にオスライオンの声を聞いたというガイドさんの言葉で、ライオン目指して出発しました。他の車が発見したという無線が入り、急いでその方向へ向かうと、8頭の若いオスと、後ろから2頭の立派な鬣を持ったオスライオンが、ゆっくりと移動してきて川を渡るところでした。川の手前まで来ると、水中に潜むワニを警戒して低いうなり声を上げました。
なんと一度に10匹ものライオンを観察。こんな出来事もここオカバンゴ・デルタでは夢ではありません。

ロッジでの贅沢な時間

オカバンゴでは、大自然を満喫する厳選のロッジに滞在します。サファリの朝はとても早いため、ここでの一日は、朝夕は野生動物の観察を楽しみ、戻ってブランチを食べ、日中は、ゆったり過ごすというスタイル。動物たちと同じリズムで生活します。バーでドリンクを飲みながら目の前の湿地に現れるカバやゾウの水浴びを眺めたり、またプールサイドでのんびりと読書をしながら、水場に絶えず訪れる動物たちの声に耳を澄ますこともできます。
午後のサファリでは途中、夕暮れの時間に車を止め、デルタ地帯に沈む美しい夕日をバックに冷たい飲み物で乾杯するサービスも。
動物たちが闊歩する野生の楽園は、私たちにとっても優雅で、贅沢な時間を与えてくれる場所でした。

オカバンゴ・デルタ
ボツワナ北部に広がるこの湿地帯はオカバンゴ・デルタと呼ばれ、雨季にアンゴラで降った雨が1600kmの距離をおよそ半年かけてボツワナに流入。世界最大級のデルタ地帯へ涵養していき、形成されます。アフリカ南部に生息する野生動物の中でも種類・数ともに群を抜いており、特に減少しつつあるアフリカ象の生息数は世界一と言われます。セスナの窓からもたくさんの象を眺めることができました。
ライオン
通常ネコ科であるライオンは水を嫌がりま すが、ここオカバンゴ・デルタのライオン は湿地帯で生活しているせいか、ワニを一 瞬気にしたあと、ゆうゆうと渡って行きま した。水を掻き分けて進むには並々ならぬ 体力が要りますが、ここのライオンはバッ ファローを追って水浸しの土地を走り回っ ているため、筋肉がよく発達しています。
ロッジの一例
ロッジの一例
アフリカゾウ
Loxodonta africana

アフリカゾウ

アフリカゾウの耳は体全体の5分の1にもなる大きさで、日中の暑さから巨大な体を冷やすために、この耳を使って熱を放射する。体のシワも表面積を増やし、熱を逃がしやすくする役割を果たしている。またゾウの鼻の動きは感情を表しており、牙の上で休ませている時はリラックス、高くあげているときは警戒や、興味を示している。

ケープキリン
Giraffa camelopardalis

ケープキリン

斑点がひざ下まで広がるのがケープキリンの特徴。キリンは一度に10〜18リットルの水を飲むと言われる。しばらく頭を下げて飲んだあと立ちくらみを起こし、その状態で、敵に狙われることがある。また、頭をあげる際に血が引いて気を失うのを防ぐため、瞬時に拍数を上げ脳に血液を送り込むことができる。

アフリカバッファロー
Syncerus caffer

アフリカバッファロー

ウシ科の中で最大級の体格をもつ。アフリカバッファローはサハラ以南のアフリカ大陸に広く生息し、標高4,000mまでの水辺の草原地帯などで生活する。毎日水が必要で、水から10km以上離れる場所には決して行かない。群れは通常数100頭だが、餌が豊富にあるときは群れの数が1,000頭を超えることもある。

ヒョウ
Panthera pardus

ヒョウ

ヒョウの体は小さくてスリム。肩高も低い ため、サバンナの丈の低い草むらの中でほぼ完全に姿を隠して獲物に忍び寄ることができる。しかし狩り成功率自体は低く、20%程度。また天敵の多いヒョウは捕まえた獲物は、すぐに木の上に持ち上がり貯蔵する性質をもつ。そのため木登りのための力強い体と太い首を持っている。

ブチハイエナ
Crocuta crocuta

ブチハイエナ

クランという群れを形成しており、リーダーはメスでメス中心の社会で成り立っている。子育ては共同の保育場で行われ、子供の1年後の生存確率は60%以上という極めて高い生存力を誇っている。また、強力な顎と消化能力で獲物の骨まで食べ、髄のタンパク質などの栄養を摂る。そのため糞が白くなるのが特徴。

リカオン
Lycaon pictus

リカオン

社会性の高い動物。狩りの前には組織力を高めるため、群れのメンバーで体を舐め合い士気をあげるという。組織立った狩りの成功率はサバンナで一番高く約80%を誇る。リカオンの狩りはチームワークを活かした持久戦で行われる。そのためスタミナが重要となり、体がブチハイエナの半分であるにもかかわらず、ブチハイエナとほぼ同じ量の肉を食べる。

サファリの1日 One Day at Safari

ヒョウが目の前に!
ヒョウが目の前に!
アフリカンサンセットに乾杯
アフリカンサンセットに乾杯
AM 6:00 モーニングノックで起床

AM 6:30 朝食
朝焼けを眺めつつキャンプファイヤーを囲んでの食事。

AM 7:00~10:30 モーニングサファリ
早朝は肉食動物の朝食タイム、サファリの最適時間帯です。

AM11:00 ブランチ
ボツワナの食材を豊富に使った料理が並びます。

PM0:00~3:30 リラックスタイム
サファリの朝は早いため、昼寝やティータイム、プールで読書するなど快適なロッジで思い思いの時間をお過ごしいただきます。

PM4:00〜7:30 イブニングサファリ

PM8:00 夕食
デッキでの優雅なひとときを…

希少なリカオンの狩りに遭遇

最終日の朝、車の前に突如としてリカオンが現れました。周囲にも目をやると合計8頭のオス達です。ガイドがこの先のインパラの群れを狙っていると言ったとおり、徐々にその方向に走り始め、狩りが始まりました。 途中、立ち止まって仲間を待ったり、低い姿勢で大きな丸い耳をそばだて獲物の足音に注意を払いながら移動して行きました。追跡するとインパラが数頭慌てて飛び跳ねながら駆けて行き、緊迫した雰囲気に包まれました。結局、インパラが先に逃げてしまいましたが、とてもエキサイティングなサファリでした 。
リカオンは、群れ全体の生存のため、同時期に他のメスが妊娠することは許されず、二頭目の妊娠が発覚した時点でそのメスが間引きされます。また、グループの中で傷ついた個体は見放さず、一緒に遅れながらも面倒を見るなど、とても社会性の強い動物です。ヒョウが他の獲物を横取りするのとは違い、1日に2度狩りを成功させることができるリカオンは、自ら狩りで得たものしか捕食しないという、サバンナでは優秀なハンターです。

リカオンの狩り

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