秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

【視察レポート】ケララ北部の秘祭を撮る
テイヤムの神と女神たち【その2】

  • インド

2019.08.21 update

【その1】では、テイヤムの祭りがどんなものか、開催時期や場所を含めて大まかにご紹介しました。今回は、テイヤムの魅力・みどころを、祭りの流れに沿って具体的にご紹介します。

 

みどころは人間が神へと変化していくプロセス
原色の派手な衣装を纏ったテイヤムが舞い踊る場面は、もちろん会場も大いに盛り上がり圧巻です。しかし、テイヤムの大きな魅力は、演者に神が憑依しテイヤムの神となるその過程を実際に見学できる点です。
祭儀で展開されるストーリーは、大きく分けて2種類。ひとつはヒンドゥーの神話をモチーフにしたもの、もうひとつは地域で語られる伝説で、その両方を合わせもつものもあります。儀式の主な流れは、夕方にテイヤム演者のテイヤッカーランが祈りをささげて身を清めたあと、祭司を通して祠から神の力を受け取ることから始まります。そして、始まりの合図として、祠の前で太鼓を打ち鳴らしながら1~2時間ほどトーッタムを唱えて神霊を呼び降ろします。

 
▼テイヤム|神を呼び降ろすトーッタムの様子

 

次に、寺院脇のテントで、テイヤッカーランの顔や身体に1~2時間かけてペイントを施します。赤、黒、白、オレンジ、緑などの顔料をココナッツの葉脈につけて顔に塗っていきます。伝統的な顔料には、ウコンや石灰、煤を用いるそう。化粧の紋様や衣装は、テイヤムごとにそれぞれ異なるスタイルが決められています。なかには5m(!)もの大きな頭飾りを付ける衣装もあります。衣装を完成させたら、鏡を見て自分の姿を自覚することで神が降臨・憑依し、テイヤムの神となります。

精緻に化粧を施されるテイヤッカーラン

精緻に化粧を施されるテイヤッカーラン

祠の近くに座って頭飾りを装着

祠の近くに座って頭飾りを装着

そして神の力を得たテイヤムは、太鼓の音に合わせてゆっくりと回ったり、ときに激しく踊ります。なかには祭司も刀を持ってテイヤムと一緒に踊ったりするものもあり、踊りの内容はテイヤムの神によって異なります。

全身を使って豪快に踊る場面も

全身を使って豪快に踊る場面も

▼テイヤム|ムチロット・バガバティの火踊り

 

踊りが終わると、ココナッツや米などの供物を受け取り、生贄として鶏や山羊の生き血をささげます。最後は、ターメリックの粉や米を与えて人々を祝福。私たちも観覧席から降りてくるよう呼ばれて、祝福を受けました。参拝者は列をなしてテイヤムにお布施を渡し、お告げや相談事のアドバイスをもらったりしていました。

参拝者は真剣に相談し、アドバイスをもらっていました

参拝者は真剣に相談し、アドバイスをもらっていました

このように、祈りをささげて神霊を呼び降ろし、化粧や衣装を身に纏い踊るという行為を通して、じょじょにテイヤッカーランに神が憑依していき、テイヤムの神へと変容する様子をリアルタイムで見学できるのが、テイヤムの大きなみどころのひとつです。

次回は、芸術として評価されるテイヤムと、北ケララ郊外のみどころについてご紹介します。

 
参考図書:「神話と芸能のインド」- 儀礼と神話にみる神と人(古賀万由里)(鈴木正崇 編/山川出版社)
 

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【視察レポート】ケララ北部の秘祭を撮る
テイヤムの神と女神たち【その1】

  • インド

2019.08.14 update

ケララ州北部に古代から伝承される「テイヤム」の祭りは、憑依儀礼とも表現される、いわゆる神降ろしの祭儀。日本ではまだあまり知られていませんが、地元には「テイヤム・プランタン」と呼ばれるテイヤム“オタク”がいるほど。奇抜なメイクアップや衣装の強烈なインパクトは、一度見たら忘れられません。
何千年もの時を経て今なお地元で受け継がれている、南インドの“秘祭”を視察してきました。

テイヤムの神のひとつ「クッチ・チャタン」

テイヤムの神のひとつ「クッチ・チャタン」

原色を用いた奇抜な衣装と派手なメイクアップ、繰り出されるアクロバティックな芸やパフォーマンス。一見すると観光客向けのショーのようにも思えますが、これらはすべて実際に行われている本物の儀式です。

現地の観客以外には外国人観光客はほとんどおらず、私たちが訪れた2019年3月も、儀式の様子をじっくりと間近で見学することができました。テイヤムは北ケララでは有名で、2018年にオープンしたカヌールの空港には、テイヤムの神を描いた絵が飾られていたり、街中には祭りを知らせるポスターが貼られ、土産物店にはテイヤムの神を形どった人形も売られています。

開催を知らせるポスター

マラヤーラム語で書かれた、開催を知らせる現地のポスター

テイヤムの神をモチーフにした人形

テイヤムの神をモチーフにした人形

どんな祭り?
テイヤム(Theyyam)は、ケララ州北部で伝承されている神降ろしの宗教儀礼。「テイヤム」とは、サンスクリットで神を意味する「デイヴァム(daivam)」が、ケララで話されるマラヤーラム語に変化したもので、祭儀に登場する神々の総称や祭り自体のことを指します。その起源は2000~3000年前といわれ、祭儀で唱えられるトーッタムという文章の中で語られたり、口伝によって伝承されています。テイヤムの神々は、古代からの女神信仰や英雄崇拝、祖先、動物、精霊、疫病の神など、⼟着の信仰にヒンドゥーの宗教が影響した独特の型をもち、400以上もの神がいるといわれています。

女神「パタラムルティ」

女神「パタラムルティ」

ヴィシュヌの化身のひとつ「ナラシンハ」

ヴィシュヌの化身のひとつ「ナラシンハ」

いつ、どこで行われる?
祭りが行われるのは11~5月。カヌール地区・カーサルゴード地区に点在する「カブー」とよばれる寺院で、3~4日間にわたって行われます。寺院ごとに祀られる神が違うため、見られる祭儀の種類も寺院によって異なり、なかには夜通し行われるものもあります。私たちはPYYANNUR EDATTU KAAVUという寺院で、朝から晩まで6種類のテイヤムを見学させてもらいました。敷地内は土足厳禁のため、裸足(靴下はOK)。演目中もあまり人がおらず自由に会場を行き来することができ、観覧席や日陰で休憩することもできました。昼食は、この村の祭りで提供される施しの食事で、南インドらしいバナナの葉にのったベジタブルミールスをいただきました。

儀式が行われるカブー。太鼓が打ち鳴らされる

儀式が行われるカブー。太鼓が打ち鳴らされる

観客や村の人たちと一緒に食事

観客や村の人たちと一緒に食事

演者は北ケララのみに存在するカーストの人々
テイヤムの神が憑依する霊媒「テイヤッカーラン」を担うのは、北ケララにのみ存在する、世襲によるテイヤム演者のカーストの人々。99%が男性で、彼らはアウト・カーストのため社会的地位は低いのですが、祭りでは自ら神が降りてくる器となり、神の起源を語り、神託を行います。また、テイヤッカーラン以外にも、祭儀に携わる人々の役割はカーストによって細かく分担されています。例えば、祭司の服を洗うのは洗濯をするカーストの女性、道具を磨くのは鍛冶のカースト、椰子酒の供物を用意するのは椰子酒作りのカーストといった決まりがあります。期間中に振舞われる⾷事や演者への⽀払いなど、祭りの費⽤は中規模のものでも60万Rs(約8,600ドル) ほどかかるそう。費⽤の負担は村によって様々で、祭りのオーガナイザーが⽀払ったり、村⼈たちで出し合ったり、寄付で賄います。

主なテイヤム演者のカースト
1. Malaya
2. Vannam
3. Munnoottan
4. Anjoottan
5. Velan
6. Pulaya
7. Koppalan

 
次回は、テイヤムのみどころポイントや、具体的な祭りの流れをご紹介します!
 
参考図書:「神話と芸能のインド」- 儀礼と神話にみる神と人(古賀万由里)(鈴木正崇 編/山川出版社)
 

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ドロミテ周遊トレッキング

  • イタリア

2016.06.01 update

ドロミテは、イタリアアルプス東部、イタリアとオーストリア国境付近に広がる山岳地帯に位置しています。数多の奇峰群が織りなす独特な山容、美しい自然景観、地形・地質学的価値が認められ、2009年にはユネスコ世界自然遺産にも登録されています。そのドロミテが1年で一番美しいと言われる、花咲く季節に、2016年6月に周遊トレッキングに行ってまいりました。

ラガツォイ小屋より眺めるドロミテの奇峰群ラガツォイ小屋より眺めるドロミテの奇峰群

トレチメ・デ・ラバレド周遊トレッキング

ドロミテの象徴とも言える岩山群トレチメ・デ・ラバレド。ミズリナ湖畔のロッジから、車でアウロンツォ小屋まで上がり、トレッキング開始です。反時計回りに、トレチメ・デ・ラバレドを一周します。軽いアップダウンを繰り返しながら、刻一刻と見え方が変わるトレチメ・デ・ラバレドを楽しむことができます。ここは、第一次世界大戦時の激戦地でもあり、防空壕跡をそこかしこに見ることができます。かつて、グランデ(大峰)の上に、砲台が引き上げられて設置され、猛威をふるっていたというから驚きです。下山後は、アルプスの一大リゾート、コルティナ・タンベンツォの街にも立ち寄りました。

  • 左から順にピコラ(小峰)、グランデ(大峰)、オベスト(西峰)左から順にピコラ(小峰)、グランデ(大峰)、オベスト(西峰)
  • 今なお残る防空壕跡今なお残る防空壕跡
  • コルティナ・タンペンツォの街並みコルティナ・タンペンツォの街並み

トファナ山群トレッキング~ファネス渓谷トレッキング~サスデラ・クルスクトレッキング

今回のツアーのハイライトともいえる、山小屋泊での2泊3日のトレッキングです。宿泊地のディボナ山小屋から目の前のトファナ・デ・ローゼの裾野をトラバースしていきます。晴天にも恵まれ、非常に気持ちのよいトラバースルートを進み、最後は急登を登りきると、ラガツォイ小屋に到着です。

ラガツォイ小屋は標高2,752mの断崖の上にありドロミテ随一の好展望地。ドロミテ最高峰のマルモラーダ(3,343m)をはじめ、チベッタ、プエズ、サッソルンゴ、ペルモなどドロミテの名峰群の展望が広がります。小屋のカフェにてビールやソフトドリンクをオーダーして、小屋のテラスで過ごす時間は格別です。チェックイン後は、十字架のあるところまでの往復トレッキングもお楽しみいただきました。

  • トファナ・デ・ローゼの裾野を歩きますトファナ・デ・ローゼの裾野を歩きます
  • 気持ちの良いトラバースルート気持ちの良いトラバースルート
  • ラガツォイ小屋のテラスラガツォイ小屋のテラス

2日目はファネス渓谷トレッキングです。朝は、ラガツォイ小屋直下の斜面の残雪がまだ固く、傾斜が緩やかなルートへ迂回しての、緊張を要する下りが続きましたが、アイゼンは不要でした。風光明媚なスコットーニ湖まで来ると一先ず安心です。峠を越えてファネス渓谷に入ると、そこはまさに別天地。眩暈がするほどのお花畑が広がっていて、度肝を抜かれました。特にキンポウゲが密度が凄まじく、「花」に関しては、ここが本ツアーのハイライトでした。アルペ・デ・ファネスの山小屋も、湖と牧草地の広がる雰囲気のある立地です。

  • 峠を越えて、ファネス渓谷へ峠を越えて、ファネス渓谷へ
  • 一面のキンポウゲ畑を歩きます一面のキンポウゲ畑を歩きます
  • アルペ・デ・ファネスの山小屋アルペ・デ・ファネスの山小屋

3日目は、アルペンローゼやエリカの花が広がるエリアを抜けて登ると、カルスト地形の大地が顔をだします。独特の奇岩帯が広がり、ちらほらとマーモットの姿も見かけることができます。このように、歩きながら様々な景観を楽しめるところも、ドロミテトレッキングの醍醐味です。セッラ山群、サッソルンゴ山群の展望を味わった後は、メデスク峠から長い下山ルートを歩き、コスタデドイ村へ到着。バディア渓谷では久々のホテル泊となります。

  • 美しい湖と花畑の中を歩きます美しい湖と花畑の中を歩きます
  • 奇岩帯の広がるカルスト地形奇岩帯の広がるカルスト地形
  • 巣穴からひょっこり顔を出したマーモット巣穴からひょっこり顔を出したマーモット

プエズ山トレッキング

車で移動し、リフトにて、一気に2,038m地点まで上がります。ドロミテのリフトは、風よけもついており、非常に快適です。プエズ山群を見据えながら、トラバースし、ゆっくりと上がっていきます。鞍部に登り、台地上に出ると、正面にヴァレルンガ渓谷が広がり、セッラ山群、サッソルンゴ山群が綺麗に見えてきます。昼食は、プエズ小屋の前で食べ、美しいヴァレルンガ渓谷(イタリア語で「長い谷」という名の通り長い渓谷です)を下っていきます。道中、山の展望だけでなく、ドロミテの花々も楽しめるコースでした。

  • 長く美しいヴァレルンガ渓谷長く美しいヴァレルンガ渓谷
  • プエズ小屋の前で昼食を食べましたプエズ小屋の前で昼食を食べました
  • 夕食に興じるガイドさんたち夕食に興じるガイドさんたち

オドレ山群トレッキング

車でダフネイまで上がり、そこからトレッキング開始です。歩き始めると、すぐに一面のお花畑に迎えられました。ステビア山を右手に見ながら、まっすぐに登って行くとフィレンツェ小屋に到着。ちょうど、豪雨につかまったので、小屋で雨宿りをしました。その後、気持ちのよい稜線歩きをし、好展望地のコルライザーへ。タカネシオガマ、リンドウ、キンボウゲ、悪魔のかぎ爪などの花が咲き誇る芝生でピクニックランチを楽しんだ後、リフトで下山をしました。昨日に引き続き、セルヴァ・デ・ヴァルガルデーナの綺麗なホテルで連泊です。連泊があると、ゆったりとドロミテを満喫することができます。

  • あともう少しでコルライザーあともう少しでコルライザー
  • コルライザーの花畑コルライザーの花畑
  • リフトで下山しますリフトで下山します

サッソルンゴ周遊トレッキング

車で移動し、モンテパナからリフトでサッソルンゴの裾野へ。2日かけての周遊トレッキングです。こちらもアップダウンも多くなく、ドロミテらしい景観を楽しめるコースです。サッソルンゴはずっと遠くから見ていた山。岩壁も見事で、クライミングルートもたくさんあります。

まずは、リフト降り場のキンポウゲ畑を抜けると、簡単なアップダウンがあります。分岐にて昼食。分岐は、サッソルンゴの横断ルートとなっています。反対側にはリフトもあり、冬はスキーで滑れます。鉄塔が見えてきたら、その下がもうフレドリック・オーガスト小屋です。ここもテラスが素敵な小屋です。ドロミテの有名な登山家の名前にちなんでつけられました。

  • アルペンローゼとタマキンバイアルペンローゼとタマキンバイ
  • 草原地帯をトラバース草原地帯をトラバース
  • フレドリックオーガスト小屋フレドリックオーガスト小屋

サッソルンゴ周遊トレッキング2日目。この日も朝から快晴でした。残り半周を美しいセッラ山群を眺めながら歩きます。中でも、サッソピアトの5本の岩峰は見事です。岩の町と呼ばれる奇岩帯を抜けて、コミチ小屋で休息しました。コミチ小屋から、緩やかな斜面を越えて、最後の登りを終え、リフト降り場に到着です。プエズ山群、ステビア山、ヴァレルンガ渓谷、オドレ山群と見慣れた景観が戻ってきました。お花畑でランチの後、リフトで下山。フェダイア湖畔の山小屋へ車で移動。いよいよ旅も終盤です。

  • アネモネとサッソピアトアネモネとサッソピアト
  • 奇岩帯の広がる「岩の町」奇岩帯の広がる「岩の町」
  • リフト乗り場前のお花畑でピクニックランチリフト乗り場前のお花畑でピクニックランチ

マルモラーダの山頂付近展望台とマルガ・オンブレッタハイキング

朝起きると、小屋前のフェダイア湖にマルモラーダが綺麗に映っていました。9時の運行開始に合わせて、ゴンドラ乗り場へ車で移動。マルモラーダのゴンドラは2回乗り継ぎで、約2000mの高度差をわずか10分で一気に上がります。高山病対策で、深呼吸しながら歩きます。一つ目のゴンドラで雲を突き抜け、上は好天です。本来であれば、旅のハイライトとして今まで通ってきたコースを上からは眺めることができるのですが生憎、雲に隠れて見ることができませんでした。その代わりに、見事な雲海と、一瞬だけ雲の上の現れたブロッケン現象を見ることができました。

ゴンドラで降りてから、今度はマルガ・オンブレッタトレッキングです。今まではずっとマルモラーダの北面を見ていましたが、このトレッキングでは急峻な南壁を詰め上がります。ここもクライミングルートがたくさんあります。終着のチーズ小屋前で、ピクニックランチをした後、同じルートを下山し、車でカナツェイに移動。最後の夜はイタリアらしく、ピザで締めくくりました。

  • フェダイア湖に映るマルモラーダフェダイア湖に映るマルモラーダ
  • マルモラーダ山頂から望むサッソルンゴどセッラ山群 歩いてきたコースを一望できます(2015年6月ツアー時のもの) マルモラーダ山頂から望むサッソルンゴどセッラ山群 歩いてきたコースを一望できます(2015年6月ツアー時のもの)
  • 本場イタリアのピザ本場イタリアのピザ

ドロミテのもう一つの主役。咲き誇る高山植物たち

初夏のドロミテの主役は、高山植物と言っても過言ではありません。
山々を華やかに彩る、ツアーで見ることができた高山植物を紹介いたします。

  • エーデルワイスエーデルワイス
  • 悪魔のかぎ爪悪魔のかぎ爪
  • アルペンローゼ>アルペンローゼ
  • コケマンテマコケマンテマ
  • エリカエリカ
  • イエローポピーイエローポピー
  • タマキンバイタマキンバイ
  • イワカガミダマシイワカガミダマシ
  • フタマタ・アウレアタンポポフタマタ・アウレアタンポポ
  • オキナグサオキナグサ

 

南部アフリカ4ヶ国
喜望峰ケープ半島とビクトリアの滝ハイキング

  • ザンビア
  • ジンバブエ
  • ボツワナ
  • 南アフリカ

2016.04.01 update

ジンバブエ・ザンビア・ボツワナ・南アフリカ共和国4ヶ国周遊の旅に同行させていただきました。世界3大瀑布のひとつビクトリア・フォールズ、アフリカ大陸最西南端・喜望峰、垂直に切り立ったテーブル・マウンテン、ゾウの生息密度が世界一といわれるチョベ国立公園など、南部アフリカのみどころのつまったコースです。

世界三大瀑布のひとつビクトリア・フォールズ世界三大瀑布のひとつビクトリア・フォールズ

ビクトリア・フォールズ(ザンビア側)

旅の始まりはビクトリア・フォールズ。ジンバブエとザンビアにまたがる国立公園内にその滝はあります。現地の言葉で「雷鳴の轟く水煙」と呼ばれ、高さと渓谷の深さでは三大瀑布の中で随一と言われています。2月下旬から5月にかけての最も水量が多い時期には滝から落ちる水は水煙となって立ち上がり、山火事と見紛うばかりです。水しぶき除けのポンチョを被り、いよいよ遊歩道ハイキングの開始です。熱帯雨林をぬけ、ナイフ・エッジ・ブリッジを渡りデンジャーポイントへ。ここからはイースタン・キャタラクトとレインボー・フォールズが展望できます。 ザンビア側のビューポイントからよく見えるのはレインボー・フォールズまでですが、ビクトリア・フォールズの滝の中で最大落差を誇る大迫力の滝です。滝の色が一部黄色く見えるのは、この雨期に周りの土砂を多く本流に運んでくる為だそうです。リビングストン島を境としてジンバブエとザンビアに分かれており、ザンビア側は約1,200mの幅があります。見学後、ザンビア側からジンバブエ側へ移動。途中、ビクトリアフォール・ブリッジからボイリング・ポット(滝から流れ落ちたジンバブエ側とザンビア側の水が合流して下流に流れ出す際、時に渦を巻くポイント)も見学しました。

  • イースタン・キャタラクトイースタン・キャタラクト
  • イースタン・キャタラクトを望む
  • ビクトリア・フォールズ橋
  • ナイフ・エッジ・ブリッジを渡るナイフ・エッジ・ブリッジを渡る
  • デンジャーポイントデンジャーポイント
  • レインボー・フォールズレインボー・フォールズ

チョベ国立公園(ボツワナ)

チョベ国立公園はゾウの生息密度が世界一といわれ、広大なアフリカ大陸の中で簡単にゾウの大群に出会える場所の一つでもあります。 午前中はゲームドライブです。ゾウの生息数は約50,000頭と言われるだけあり、いたるところでゾウに遭遇します。また、キリン、バッファロー、バブーン、インパラ、カバ、クドゥ、プク、ライオンなどを観察できました。中でもライオンが我々の車を挟んでその先にいるインパラを狙っており、ゆっくりと隠れながら移動する姿が印象的でした。

  • 突然現れたゾウ突然現れたゾウ
  • バオバブの木バオバブの木
  • チョベ国立公園入り口チョベ国立公園入り口
  • インパラの群れインパラの群れ
  • プクプク
  • 狩りの準備をするライオン狩りの準備をするライオン
  • 狩りの準備をするライオン接近するゾウ その1
  • 接近するゾウ その2接近するゾウ その2
  • クドゥクドゥ

午後はボートサファリ。チョベ川をクルーズします。対岸に広がるナミビアの平野や川辺に集まるカバ、体長3mはあろうかと言うクロコダイルや泳ぐゾウなどの観察を楽しみました。 チョベ川はザンビアでアフリカで4番目に長いザンベジ川と合流し、ビクトリア・フォールズを通過し、インド洋のモザンビーク海峡へ注ぎます。

  • 川の中で草を食べるゾウ川の中で草を食べるゾウ
  • 水場に集まるゾウの群れ水場に集まるゾウの群れ
  • 体長3m程のクロコダイル体長3m程のクロコダイル

ビクトリア・フォールズ(ジンバブエ側)

ビクトリア・フォールズ滞在最終日は、ジンバブエ側の滝の見学へ向かいます。そして、遊歩道ハイキングをスタート。熱帯雨林に入ると、一気に上空から雨が降ってきました!と思いきや、それはビクトリアの滝の水煙が巻き上げた水が上から降ってきていたに過ぎませんでした。あっという間に全身がずぶ濡れになりましたが、これぞビクトリアの滝!といわんばかりの雰囲気を体感していただけたと思います。 ビクトリア・フォールズは7つの峡谷から成り、その全幅はおよそ1,708m(うちジンバブエ側は約500m)。展望台からは、ザンビア側とはまた違った角度で峡谷内の壮大なパノラマが広がります。峡谷内に流れ落ちた水は中央部のイースタン・キャタラクト付近の幅150mの間から通り、インド洋に向かいます。増水期の水量はイグアスの滝と並んで世界最大級です。

  • 展望台からデビルズ・キャタラクトを望む展望台からデビルズ・キャタラクトを望む
  • メインフォールズメインフォールズ
  • メインフォールズに架かる虹メインフォールズに架かる虹

ケープ半島自然保護区(ケープポイント、喜望峰)

ビクトリア・フォールズを後にし、南アフリカへ。ケープ半島自然保護区では、まずボルダ―ズ・ビーチへ。ここにはケープペンギンがたくさん生息しています。よくよく目を凝らすと、卵や雛を温めている親ペンギンもいました。そして、天敵のカモメが卵を突っつくシーンも目にしました。

  • 木道を歩きビーチへ木道を歩きビーチへ
  • ボルダ―ズ・ビーチボルダ―ズ・ビーチ
  • ケープペンギンケープペンギン

ケープポイントの駐車場に到着し、ケーブルカー乗り場があるルック・アウト・ポイントへ。ここから整備された歩道を旧・展望台のあるケープポイントまで歩きます。ケープポイントからは喜望峰やインド洋と大西洋の2つの大海が出会う合流点をご覧いただけます。

  • ケープポイントを目指すケープポイントを目指す
  • インド洋と大西洋の合流点インド洋と大西洋の合流点
  • 喜望峰を望む喜望峰を望む

その後、往路をルック・アウト・ポイントへ戻り、ケープ・オブ・グット・ホープのハイキングトレイルへ。ここはケープ植物区保護地域群として世界遺産に指定されており、約6,000種の固有種を誇り、更に約250種の鳥類が生息しています。アンテロープやダチョウを観察しながら少し下っていくと、すぐに概ね平坦な道となります。左手には大西洋が広がり、眼下にディアスビーチ(大航海時代のポルトガル人航海者バルトロメウ・ディアスの名前が由来だがここには着陸していない)を見ながら1時間ほどの気持ちのよいハイキングを楽しめば、アフリカ大陸最西南端・喜望峰へ到着です。
喜望峰には1488年にディアスがヨーロッパ人として初めてへ到達しました。ディアスはその時に遭遇した荒天に因んでで「嵐の岬」と命名しますが、後に国王ジョアン2世がインド航路発見の希望を抱き「希望の岬」と改めました。

  • 喜望ケープ・オブ・グット・ホープハイキングケープ・オブ・グット・ホープハイキング
  • 喜望峰を目指す喜望峰を目指す
  • ディアスビーチディアスビーチ
  • トレイルの一部を歩くダチョウ
  • 眼下に広がる海を眺めながら歩く眼下に広がる海を眺めながら歩く
  • ダチョウアフリカ大陸・最西南端の看板

テーブル・マウンテン

翌日はテーブル・マウンテン国立公園へ。ロープウェー駅近くからプラットクリップ・ゴルジュルートは始まります。テーブル・マウンテンは垂直に切り立った崖が特徴の卓上台地で、軍艦のような大きな山です。ジグザグを繰り返しながら登ります。道中にはラン、プロテア、エリカなどの植物が咲き誇り、後ろを振り向くと、大西洋が広がり、ケープタウンの街並み、ライオンズヘッドとシグナルヒル、これらの景観が南アフリカらしさを醸し出してくれます。

  • ルートを説明するガイドルートを説明するガイド
  • ルートを説明するガイドプロテア
  • 後方にライオンズヘッド後方にライオンズヘッド

頂上台地に到着すると最高点であるマクリアーズ・ビーコンまではあと少しです。頂上台地は同じテーブル・マウンテンであるギアナ高地(ベネズエラ)のロライマ山を彷彿させます。頂上台地のハイキングは往路と復路で別々のルートを歩きますが、特に復路は景観に優れています。卓上台地の駅からロープウェーで5分かけて下っていきます。床が回転式になっており、360度乗客全員が景色を堪能できる充実の5分間です。

  • 高い段差を登る高い段差を登る
  • 山頂台地まではもう少し山頂台地まではもう少し
  • 頂上大地の最高点を目指す頂上大地の最高点を目指す
  • マクリアーズ・ビーコンマクリアーズ・ビーコン
  • 雲海に浮かぶデビルズピーク雲海に浮かぶデビルズピーク
  • 頂上大地から望むライオンヘッド頂上大地から望むライオンヘッド

これで4ヶ国周遊の旅は終了です。大迫力のビクトリア・フォールズ、チョベ国立公園では雄大な景色が広がり、アフリカ大陸最西南端・喜望峰、テーブル・マウンテンでは大自然の中を歩けます。
南部アフリカの魅力が凝縮された旅へ一緒にでかけませんか?

関連ツアーのご紹介

南部アフリカ4ヶ国  喜望峰ケープ半島とビクトリアの滝ハイキング

ザンビア、ボツワナ、ジンバブエ、南アフリカの4ヶ国を訪問し、アフリカ最南端の自然にふれる。ビクトリアの滝の増水期限定企画。ケープタウンでは3連泊 大自然を体感しワイナリーも見学。

西グリーンランドを歩く
氷河の大地とオーロラを求めて

  • グリーンランド

2016.02.01 update

北極海と北大西洋の間に位置する、世界最大の島グリーンランド。 国土の85%が氷に覆われ、先住民族イヌイットの人々が暮らす氷の大地が延々と続きます。世界一美しいといわれるオーロラと氷河が織りなす絶景を求め、西グリーンランドへの8日間の旅に同行させていただきました。

世界遺産イルリサット・アイスフィヨルドの壮大な景色世界遺産イルリサット・アイスフィヨルドの壮大な景色

 

グリーンランドを体感する絶景ハイキングを満喫

世界で最も早く流れる氷河に覆われた世界遺産のアイスフィヨルドが広がる町イルリサット、ツアーではここに3連泊しハイキングを楽しみました。巨大な氷山が漂うイルリサットは、先住民族イヌイットの言葉で “氷山の町”を意味し、規模・数ともに世界で最も氷山が生み出される場所です。イルリサット近郊のセルメルミュートへ赴き、アイスフィヨルドや巨大な氷河の雄大な景色を右手に望みながらのんびりとスノーハイキングを体験。 イルリサット氷河から崩れ落ち、海に押し出された氷塊が無数の巨大な氷山となって海に漂う景色は圧巻で、まさにここでしか見ることのできない絶景が広がっていました。
また、別の日は、イルリサットの雪原をスノーシューでハイキング。スノーシューが初めての方も多かったですが、徐々に慣れ、スノーシューから伝わるふわっとした感覚を楽しみながら歩いていきます。

  • 氷山を眺めながらのティータイム 氷山を眺めながらのティータイム
  • 氷山を眺めながらスノーシューハイキングを楽しむ氷山を眺めながらスノーシューハイキングを楽しむ

カンゲルルススアークでは、他では体験することができない「内陸氷床ハイキング」へ。「グリーンランド氷床」は、南北2,500km、東西600kmにもなる、世界に2つだけしか存在しない大陸氷床の一つです。内陸氷床として厚さ数百メートル以上の氷の大地が東グリーンランドまで広がっています。 果てしなく続く氷の地平線を望みながらのハイキングは、氷河ハイキングとは一味も二味も違います。氷床への途中、野生の白い冬毛のトナカイも現れました。

  • 果てしなく続くカンゲルグリーンランドの80%を占める内陸氷床グリーンランドの80%を占める内陸氷床
  • 白い冬毛のトナカイ白い冬毛のトナカイ

 

北半球屈指のオーロラ可視率を誇るグリーンランド

夜空に現れる幻想的な光のカーテン
夜空に現れる幻想的な光のカーテン

西グリーンランドは、オーロラがよく観測されるオーロラベルトの中でも北に位置しており、 さらにオーロラ観賞の第一条件”晴天”が非常に多い場所です。 イルリサットの3連泊では毎晩ホテルのベランダからでもしっかりとオーロラ鑑賞を楽しむことができました。 気温は-20度にもなりますが、寒ければすぐに部屋の中に戻れるので安心です。 空一面に繰り広げられる神秘的な光の舞に酔いしれた夜でした。
今回のツアーでは、グリーンランドで過ごした計4泊全ての晩にオーロラが現れ、100%のオーロラ出現率を達成。 まだまだオーロラ鑑賞で訪れる方が少ない地域ですが、西グリーンランドはまさに穴場です。

ハイキングやオーロラ鑑賞の他にも犬ぞり体験や氷河クルーズ、 バラエティーに富んだ肉料理と季節に応じた新鮮なシーフードも満喫し冬のグリーンランドの魅力を感じることができた8日間でした。

  • 犬ぞりで氷の回廊を走る犬ぞりで氷の回廊を走る
  • トナカイとジャコウ牛のソテートナカイとジャコウ牛のソテー

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