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グアテマラ・ホンジュラス マヤ三大遺跡探訪【その1】

  • グアテマラ
  • ホンジュラス

2020.04.09 update


メキシコやグアテマラなど、ユカタン半島を中心とする中米地域で栄えた古代マヤ文明。その起源は約3000年前まで遡り、高度な文明をもちながらも衰退の一途を辿りました。今も密林の奥深くに、その栄枯盛衰の歴史を物語る壮麗な都市遺跡が残っています。今回は、マヤ遺跡のなかでも必見の三大遺跡を「グアテマラ・ホンジュラス マヤ三大遺跡探訪」のツアーに沿ってご紹介します。

その1 | コパン遺跡 -Copán-

    • コパンの王朝史が刻まれた神聖文字の階段と石碑M

 
グアテマラ高地からカリブ海に注ぐモタグア川のほとりで、ティカルと同時期に栄えたコパン。石碑に施された美しい高浮き彫りの石彫は必見です。マヤ文字でびっしり埋め尽くされた神聖文字の階段などから、コパンの芸術性の高さがうかがえます。古い遺跡の上にかぶせるようにして新しい神殿を建てたことがわかる貴重な遺跡です。

“マヤの芸術と学問の都” コパン遺跡をじっくり見学

三大遺跡のうち、ツアーで一番最初に訪れるのがコパン遺跡です。古都アンティグアから向かい、お昼過ぎにコパン遺跡に到着。まずは、遺跡の中心部にあたるエリア「プラサ・プリンシパル」のうち、神殿群が連立する区域、アクロポリスを見学。西広場で「神殿16」の前に立つ「祭壇Q」のレプリカや、天文台等として使われていたという「神殿11」などを見て回ります。


  • 歴代19代の王の名と姿が刻まれた祭壇Q

  • 儀礼の一環として供犠が行われた球戯場跡

次に、“ジャガー広場”として知られる太陽崇拝の場、東広場へ。千数百年以上も埋もれていたロサリラ神殿の一部が見られる「ロサリラトンネル」と、アクロポリスの内部構造がよくわかる、迷路のような「ジャガートンネル」内部を見学しました。内部では、神殿に施された太陽神キニチ・アハウのレリーフなどを見ることができます。王の肖像が刻まれた「石碑N」を見た後は、コパン遺跡の最高傑作のひとつである神聖文字の階段「神殿26」を見学。13代目の18ウサギ王が建設を始め、15代目の煙貝王によって完成したといいます。63段の階段に2,200文字以上にもわたってコパンの歴史が刻まれていて、アメリカ大陸最長の文字記録とされています。見学中は、遺跡ガイドさんがマヤ文字の読み方なども交えて丁寧に案内してくれました。


  • ロサリラ神殿の原寸大復元(石彫博物館)

  • 神聖文字の階段

  • 祭壇に彫られたコパン歴代王の彫刻

コパン遺跡を見学した夜は、そのままコパンの街に一泊してゆっくり体を休めます。翌日、もう一度国境を越えてグアテマラへ戻り、ティカル遺跡見学の拠点となるフローレスの街を目指して北へ!その道中、保存状態のよいマヤ遺跡が眠るキリグア遺跡に立ち寄ります。

その2 | キリグア遺跡 -Quiriguá-

    藁葺き屋根に守られた石碑が広場に点在

 
翡翠や黒曜石が採掘され、グアテマラ高地とカリブ海岸を繋ぐ重要な交易路にあったキリグアの都市遺跡。コパンの衛星都市として、コパンと下剋上の争いを繰り広げました。コパン遺跡と並び貴重なマヤの石碑が多く残ります。みどころは広場に点在する保存状態の良い石碑と、巨岩に動物の形を彫った獣形祭壇。遺跡は1981年に世界文化遺産に登録されています。

王朝の創始~終焉の歴史を石碑で辿る

遺跡公園の入口から遊歩道を進むと広場に出ます。広大な遺跡ではないので、2時間もあれば十分に見て回れます。マヤ文明で最も高い石碑E(高さ10.6m、重さ65t!)や、マヤ世界の始まりの日付が記された石碑は必見です。石の形を利用して精巧な彫刻を施した獣形祭壇も、キリグア遺跡ならではのみどころです。


  • 高浮彫の石碑

  • 精緻な彫刻が施された獣形祭壇

この日のランチは、魚介類をふんだんに使ったタッパード(Tapado)をいただきました。タッパードは、カリブ海沿岸で食べられるガリフナ族の伝統料理。魚とバナナをココナッツミルクで煮込んだスープは、ダシが効いていてコクのある味わいでした。


  • 黒人文化と融合した料理タッパード

  • ツアーでは、カボチャのソースを使った名物料理ペピアンもいただきます

ランチの後はひたすら北上して、ティカル見学の拠点となるフローレス島へ。湖畔の街フローレスのホテルに宿泊し、明日に備えてゆっくり休みます。

次回は、三大遺跡その3、ティカル遺跡の見学をご紹介いたします!

 

関連ツアーのご紹介

グアテマラ・ホンジュラス マヤ三大遺跡探訪

土曜出発・日曜帰着の9日間で密林に眠る古代マヤ遺跡とインディヘナの伝統文化を訪ねる。必見のティカル、コパン、キリグアの3大マヤ遺跡、古都アンティグアを訪問。

 

中米7ヶ国 パン・アメリカン・ハイウェイ縦断の旅

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【本の紹介】ラダック・ザンスカールに行くなら!
『マンダラ探検 チベット仏教踏査』

  • インド

2020.04.02 update

初夏から始まる、インドのラダック地方への旅。なかでもご好評をいただいているのが、“秘境”ザンスカールを訪れる旅です。
>>ラダック・ザンスカールの情報はこちらをチェック!

最近は、ラダックやザンスカールに関する本が比較的手に入りやすくなりましたが、臨場感あふれる旅行記としておすすめしたいのはやはりこちら!


『マンダラ探検 チベット仏教踏査』 佐藤健(1981)人文書院

 
著者の佐藤氏は、毎日新聞社の記者・ジャーナリスト。1976年、30代前半のころ、「宗教を現代に問う」という企画を機に仏教に関心をもち、仏教に関する様々な取材を行うようになります。そして1979年、高野山大学の「ラダック・ザンスカール仏教文化調査隊」に参加。本書は、その旅のルポルタージュです。

今でこそ、車で2日で行けるようになった(!)ザンスカール。佐藤氏が訪れた当時は、車と馬を使い、何日もかけて旅をしました。また道中、インドから多くの経典を持ち帰りチベット語に翻訳した「大翻訳官」リンチェンサンポの足跡を辿り、リンチェンサンポが建立したと伝えられるカシミール様式の寺院と仏教美術を巡り、そのデータを収集しました。

リンチェンサンポの姿が描かれているという壁画(アルチ僧院)

当時、佐藤氏を案内したのは、のちに西遊旅行もラダックザンスカールの旅でお世話になったツプテン・パルダン氏。1980年代に発行された雑誌「みづゑ」には、若かりし頃のパルダン氏と佐藤氏の対談なども載っています。

ハラハラドキドキの旅の様子を楽しみながら、ラダックやザンスカールの仏教美術についても学べる本書。旅の予習はもちろん、ラダック、ザンスカールってどんな所なんだろう?と思っている方にもおすすめです。中公文庫から文庫版も出ています。

持ち運びやすい文庫版

ちなみに、どちらの写真にも本にやたらと付箋が貼ってあるのにお気づきでしょうか。「ザンスカールに行く」というスタッフで回し読みしていて、数年後、私の手元に戻ったときにはこんな風に(笑)。ツアー中、スタッフが本に出てきたネタを話していても、どうかあたたかく見守っていてくださいね(^^)
 
※この記事は2017年4月のものを修正・加筆して再アップしたものです。
 

関連ツアーのご紹介

ラダック 仏教美術にふれる旅

大翻訳官リンチェンサンポ創建の僧院を巡る。旅の拠点となるアルチに3連泊し、厳選の僧院を巡り、ラダックだからこそ見ることができる貴重な仏教美術を堪能。ザンスカール川最奥の村、チリンも訪問。

 

ザンスカール

ラダックのさらに奥地、チベット世界が息づく里パドゥムへ。厳しい環境故に残る信仰、そして文化、 雄大な自然、たくましく暮らす人々、篤い信仰にふれる旅。

 

インドヒマラヤ冒険行 ~4つの峠を越えラダックへ~

キナール、スピティ、ラホール谷からラダックへ大走破!緑豊かな景色から荒涼とした世界へ、インドヒマラヤに抱かれた世界を駆け抜ける冒険行。貴重な仏教美術が残る名刹を厳選してご案内。

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バングラデシュはアジア的風景の宝庫!

  • バングラデシュ

2020.03.26 update

専属添乗員の上鶴です。
先日「バングラデシュを撮る」に同行した際のレポートを写真とともにお届けします。

バングラデシュには何があるのか?最貧国とか人口密度世界一などといわれ洪水などのイメージも多い国。しかし訪ねてみると、フレンドリーで働き者の人々が私たちを笑顔で迎えてくれました。

インド、ネパールに似ているけどもちょっと違う。そしてイスラム的な要素もたくさん。東南アジア的な風土で明るさもある。インドやネパールと違うのは、圧倒的に緑が多く水が豊かな風景です。そして食に溢れている。この風土がたくさんの人口を支えているのでしょう。

そんなバングラデシュですが、写真を撮るという面でもかなり面白い。そしてみんなやさしくフレンドリーで撮りやすい。そんな中でも勤勉に働く人々が印象的でした。そんなシーンをご紹介します。

 


農村で働く人々

ツアー前半が農村地帯を通過します。豊かな土が広がる平野部ではもちろん農業が盛ん。稲作は一年に二度か三度の収穫ができ、間の時期にジャガイモを植え育てます。田植えは男性が担当、じゃがいもの収穫は女性が担当していました。

 


煉瓦工場で働く人々

バングラデシュはレンガの文化の国でもあります。家もモスクも多くの建物がレンガでできています。道中、多くのレンガ工場もあり、見学させてもらいました。一つ一つ手作業。根気のいる作業です。

 


野菜市場と魚市場牛市場で働く人々

ツアーでは何度も市場やバザールを訪問するでしょう。活気のあふれる市場訪問はアジア旅の中でも大きな楽しみの一つです!

 


川で働く人々

バングラデシュには多くの川で囲まれています。船は多くの人にとって身近な交通手段であり、川からは多くの恵みがもたらされます。

 


石炭を運ぶ人々

一日に何度往復するのだろうか。船で運ばれてきた石炭を頭に乗せて運びます。完全歩合性の大変な労働。日本でも昔はこのような光景が見られたのでしょうか。勤勉な働く姿には感動し、尊敬します。

ゴンドワナ大陸の遺産 マダガスカル

  • マダガスカル

2020.03.12 update

遥か昔、大陸移動によりゴンドワナ大陸、更にはアフリカ大陸から分離して今に至る孤島、マダガスカル。それ故に、アフリカ大陸とはモザンビーク海峡を挟みたったの400kmしか離れていないにも関わらず、動植物は実にユニークです。

ムルンダヴァ バオバブの並木道

マダガスカルの首都であり、「千人の兵士の町」という意味をもつアンタナナリボは標高1400m以上の中部高原地帯に位置しています。アフリカ大陸の東隣にポツンと存在するせいで小さく見えますが、実は日本の約1.6倍(世界第4位の大きさをもつ島)もあるマダガスカルは面積の大部分が熱帯性気候であるのに対し、アンタナナリボの朝晩は若干冷え込みます。

 

マダガスカル固有のキツネザルを観察
アンタナナリボの南東にあるレミュールパークは、私設の保護公園でマダガスカル固有種のキツネザル6種が放し飼いにされています。他にもマダガスカル固有の植物もたくさん植えられており、ジョセさんの案内で園内を進んでいきました。サンカクヤシやタビビトノキなど珍しい植物などご覧いただいて、進んでいくと遠くの樹上にシファカの姿が見えました。 園内に放し飼いにされているキツネザルたちは、棲み分けしているようで、順々に見学しました。

ワオキツネザル

ワオキツネザル

エリマキキツネザル

 

マダガスカルのシンボル バオバブの木
西部観光の中心地ムルンダヴァでは東部に比べ降雨量が少なく非常に乾燥しており、気温も高めです。ここで有名なのが、童話「星の王子さま」に出てくるバオバブの木です。まるで、引き抜かれて逆さまに突っ込まれた様なユニークな形のバオバブ。全8~9種の内6種がマダガスカルにあります(残りの2~3種はアフリカとオーストラリア)。同じ箇所から2本生えている双子のバオバブ、2本が見事に絡み合っている愛し合うバオバブなど、奇抜な生え方をしているバオバブには木々達の生命を感じます。特に、バオバブの木々の中に夕日が落ちてゆく姿は、感動的な風景です。

夕日に浮かび上がるバオバブのシルエット

バオバブの森とホテイアオイ(5・6月頃)

 

ムルンダヴァからツィンギー観光の拠点の町、ベコパカへ。
悪路をひたすら北上し約3時間。ツィリビヒナ川に到着しました。ここには橋はなく、いかだに車を載せて渡ります。桟橋もないので車を乗せるのも一苦労です。すったもんだしながらようやく車を積み、対岸へ。乾季のため、水位は低く、四輪駆動5台積んだいかだは座礁し、いかだのスタッフが川に入っていかだを押して、これまた一苦労しながら対岸へたどり着きました。対岸から約10分の村ベロ・ツィリビヒナの村の「マッド・ゼブ」にて昼食。この悪路を進んできた中にあるレストランとは思えない料理です。西遊旅行の添乗員の間でも噂のお店です。どれもマダガスカルの田舎とは信じられないくらいのクオリティでした。

いかだに車を載せて渡ります

料理の一例

 

奇岩連なる大ツィンギーを歩く
いよいよツィンギーへ皆さま挑戦。ツィンギーとはマダガスカル語で「先の尖った」を意味します。国内にいくつかあるツィンギーの中で最も有名で世界遺産にも登録されているのがベマラハ国立公園です。ツィンギーの見学はお客様の体力に合わせて2つのグループに分かれて観光。小ツィンギーチームと大ツィンギーチームに分かれて出発です。大ツィンギーへはまた悪路を1時間走りました。
森の中のトレイルからスタート。道中の岩にはかつてここが海だったことを証明するサンゴや貝等の化石を見ることができます。徐々に洞窟や尖った岩山が姿を現し、ツィンギーらしい風景へと変化してゆきます。急な登りがある場所ではハーネス(安全帯)を使用。そして、吊り橋を渡って最後の展望台へ。約4時間のハイキングで、世界遺産に指定されるベマラハ国立公園の大ツィンギーを存分にお楽しみいただきました。

無数の切り立った尖塔が並ぶツィンギー

第二展望台に続く吊り橋

第二展望台に続く吊り橋

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【本の紹介】火山と生きる海鳥 千島列島探検記

  • ロシア

2020.03.05 update

天売島を拠点に世界で活躍する自然写真家・寺沢孝毅氏。
2019年6月、寺沢孝毅氏と西遊旅行による千島列島探検クルーズを実施しました。

その際に出会った野生動物の姿や、ライコケ島の95年ぶりの大噴火などの記録をまとめた寺沢孝毅氏の写真集、「火山と生きる海鳥 千島列島探検記」が
2020年3月5日に刊行されました!
日本初となる千島列島の自然や野生動物の姿に迫る、貴重な資料です。

 


公式サイトより一部抜粋

2019年6月、日本を出発した隊員13名は、カムチャツカ半島から航行開始と同時に巨大低気圧と遭遇。それを二日がかりでやり過ごし、南下の末にようやく到着したウシシル島で、筆者はシラヒゲウミスズメを含むウミスズメ類100万羽の渦の中へ・・・。未知なる野生の圧倒的生命力に歓喜した直後、90キロ北にあるライコケ島が大噴火したことを知る。
探検隊は奇跡ともいえる大噴火翌日のライコケ島に到着し、その惨状を目の当たりにする。島全体が海鳥繁殖地という野生の楽園はどうなったのか? そのあとに訪問したチリンコタン島では、噴火から植生や海鳥繁殖地が復元する途中の段階を確認することができた。
誰も見たことのない野生の生き生きした姿を、美しくも厳しい写真と探検手記を織り交ぜて紹介する比類なきドキュメンタリーです。


 

噴火翌日のライコケ島

撮影をする寺沢孝毅氏

 

千島列島は観光客が訪れることの難しい地域のため、普段目にする事のできない貴重な写真の数々と、リアリティあふれる文章が千島列島の今を伝えてくれます。
是非ご覧ください!

 

>>寺沢孝毅氏の公式サイトはこちら

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