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アドベンチャートレック in ヨルダン <前編 ヨルダン最高峰ウンム・アーダミ山登頂>

  • ヨルダン

2020.06.04 update

 

古くより文明の栄えた中東に位置するヨルダン。周辺の国々と同様、紀元前に遡る時代から国々が興亡を繰り広げた地域で、社会情勢が比較的安定していることもあって、ペトラやジェラシュといった見ごたえのある遺跡が人気となっています。
遺跡だけではない自然の魅力もヨルダンにはあり、地球の陸地上で最低所であり塩分濃度が海水の約10倍である死海や、南部の砂漠を訪れるのも、ヨルダンツアーでは定番です。が、そんな定番を取り入れつつ、さらに1歩踏み込んだヨルダンを体験できる「アドベンチャートレック in ヨルダン 」のツアーを、今回は前後2回に渡ってご紹介したいと思います。

 

前編でご紹介するのは、ヨルダンの最高峰「ウンム・アーダミ山」のトレッキングです。
ウンム・アーダミ山はヨルダンの最南端、隣国サウジアラビアとの国境のすぐ手前に位置しています。ヨルダンの玄関口、首都のアンマンの国際空港に降り立ってから、一路南へ。古くからメソポタミアとエジプトを結んできた「王の道」と呼ばれる交易路をなぞるハイウェイを南下していきます。南部は年間降水量が100mm以下となる砂漠気候で、道沿いにも乾いた大地が広がってきました。空港を出発して5時間半ほどで、ウンム・アーダミ山のある砂漠地帯、ワディラムに到着。1日目は砂漠キャンプに宿泊です。キャンプと言ってもテントではなく、ベドウィン風のロッジが並んでいる砂漠のリゾート。

ハサン・ザワイデ・キャンプ

 

ヨルダンの民族はほぼアラブ人ですが、ベドゥインは砂漠で遊牧生活を営むアラブ人の一派です (現在のヨルダンでは純粋な遊牧生活を送っている人は非常に少ないです)。キャンプでの夕食は、ベドゥイン料理のザルブが出て来ました。チキン、ラム、野菜を地中で蒸し焼きにする料理です。地中から取り出すところを見ることが出来ました。それらを、ご飯の上に豪勢に盛り付けてくれました。

ザルブ

 

早朝、キャンプを出発。四輪駆動車に分乗して、ウンム・アーダミ山の麓へ向かいました。車内ではなくトラックの荷台のような四輪駆動車の後方部に乗り込みます。

 

このワディラムの砂漠には、砂岩でできた無数の赤茶色の岩山が点在しており、ここも舞台にしている映画『アラビアのロレンス』の世界。100年前の第一次世界大戦時、オスマン帝国に対するアラブ人の反乱を支援したイギリスの軍人、ロレンスが活躍した場所になります。柔らかい砂岩のため、風化によりチョコレートが溶けたような岩肌をした山々や、ぽっかりと穴が空いている崖などもあり、飽きない景色が続いていきます。朝の砂漠の気持ち良い空気に当たりながら、アドベンチャーなドライブとなりました。

 

 

キャンプを出発してから2時間ちょっとでアーダミ山の麓に到着しました。眼前にそびえるのがウンム・アーダミ山です。登山口の標高は1427m。ここから、1854mの山頂まで、標高差約450mを登って行きます。

登山口より

 

登山口付近の大きな岩が転がる箇所を抜けたあと、まずは、崖のようにそびえる岩場に向かっていきました。岩場に対して左右にジグザグになりながら登りますが、それでも傾斜はきつく、ストックはしまい手をついてよじ登るようにして上っていきます。この最初の30分間の一番急なところを終えると、平らな箇所に出ました。緩やかに傾斜のついた広場のような景色になり、そのまま正面に向けて進んでいくと、コルとなっている場所まで出ます。

岩場を抜けたあと、崖に取り付きます

正面のコルへ

 

そこからは、登山口から見て尾根の裏側の岩場を進みます。傾斜はまたきつくなってきました。石がごろごろとしており、滑りやすいので、気をつけて登って行きました。奥まで進むと、頂上に続く尾根に出ます。振り返ると遥か下の登山口にとまっている四輪駆動車が見えました。ここまで来ればあと一息。目の前の頂上を目指して、大岩を縫うように歩を進めます。あと15分ほどです。

尾根の裏側

あと一息!

 

ヨルダン最高地点となる頂上に到着しました。頂上は岩がごろごろとしており、ヨルダン国旗が立てられていました。 黒・白・緑・赤の、周辺国家でも見られる汎アラブ色を採用しています。赤は、ヨルダンの王家であるハシェミット家も表しています。登山開始から2時間、汗をかいて登ってきた後の360度の絶景は最高でした。1854mとはいえ最高峰。周りの山々を下に見下ろす素晴らしい景色が広がっていました。

頂上からの360度の眺め

ヨルダン国旗

 
南を向けばサウジアラビアがすぐそこに見えます。頂上の南約2.5kmに直線の国境が走っているので、目と鼻の先です。サウジアラビア側の建造物も望めます。

サウジアラビア側

 

急な傾斜と滑りやすい地面に気をつけながら下っていきます。登って降りて約4時間の気持ち良いトレッキングでした。

 

関連ツアーのご紹介

アドベンチャートレック in ヨルダン

ヨルダン最高峰ウンム・アーダミ山登頂とワディ・ムジブ渓谷でのキャニオニング

 

◆こちらもあわせてご覧ください:ヨルダン再発見

 

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崑崙山脈6,000m峰 玉珠峰登頂

  • 中国

2020.06.01 update

世界最高所を走る鉄道として知られる中国の世界遺産「青蔵鉄道」。車窓からは壮大な風景が広がり、2006年の開通以来多くの観光客を楽しませてきました。
この列車から眺める車窓の風景に「玉珠峰」という万年雪をかぶる美しい名峰(6,178m)があります。

 

玉珠峰は、中国から中央アジアまで東西3,000kmにもおよぶ崑崙山脈に属しており、現地にはその見事な山容を讃えるように、山名そのままの駅が存在します(残念ながら降車はできません)。

 

そのように一般には“眺めて”楽しむ山ですが、やはり見事な山ほど登りたくなるのが山人というもの。今回は5名のお客様をお連れして無事に全員登頂してまいりました。

中国に入国すると、登山の拠点となるゴルムド(標高2,800m)の町へ向かいます。ゴルムドの意味は、モンゴル語で“河川の集まる土地”。チベット高原のツァイダム盆地中南部に位置しています。

 

玉珠峰はこの町の南南西にあり、B.C.は玉珠峰の南麓に設けられています。町からB.C.までは車で直接行くことができ、距離は約200kmです。半日の移動で到着できるので、万が一登山中にトラブルが生じても迅速に町へ戻ることが可能です。しかし、B.C.は5,050mの標高があり、町からの標高差は約2,200mにもなるため、いきなり向かえば高い確率で高山病にかかることが予想されます。そのため、事前に付近の標高の高い場所に訪れる順応日を設けてから望みます。

 

※今回は、始めにチベット自治区のラサ(3,600m)と付近の約4,700m地点に訪れてから、鉄道を使ってゴルムドまでやってきました。

 

■玉珠峰登山 1日目

崑崙峠を過ぎ、東に向かってオフロードを小一時間進むとB.C.に到着します。玉珠峰が目の前に聳え立ち、目標はわかりやすく、皆さん心が引き締まります。

バスの車窓より、B.C.直前にて

登山ガイド達と合流して挨拶を交わしたら、この日は周辺を散策して順応に努めます。

キッチンテントとダイニングテント

テントは全てスタッフが事前に設営します。B.C.では2人で1張。マットレスの厚さは充分です。

丘の上からB.C.を見下ろす

 

■玉珠峰 登山2日目

こちらの登山協会の方針では、基本的に朝食は9時から摂ります。日の出は7時前頃。

明るくなってから朝食までに時間が空きます。他の山の感覚だと7時には朝食を食べて、9時頃からは行動を始めたいところですが、何しろB.C.は標高が5,050mと高く寒い環境なので、日が中天に差し掛かるタイミングで本格的な行動を始めることになるのです。なお、日の入りは20時30分を過ぎた頃なので行動を急ぐ必要もありません。

 

待機時間は長く感じるかもしれませんが、この時間を高所順応として寛いだり散歩をする時間にあてれば有意義です。

B.C.周辺に咲くアズマギク等の高山植物

サウスレア(トウヒレンの仲間)の一種

 

運よくチベットギツネに遭遇しました。この一匹だけ時々見かけるとのこと。

本日は高所順応を意識しつつ、アイゼン歩行、ユマールの実践等、雪上での動き方のチェックをしました。午前中は装備の確認。午後から実践練習の流れです。下界でいくら問題なく使えても、ここの環境で思うように身体を動かせないといけません。

西南氷河末端にて、アイゼン歩行とユマール動作の確認をします。

■玉珠峰登山 3日目

さて、次の日はC1(5,600m)へ向かいます。

氷河が溶けて流れる小川を何度か越えると尾根に取り付き、じわじわと尾根の付け根に向かって高度を上げていきます。

ここから尾根に取り付きます。

標高5,450mくらい。B.C.からここまでのルートが見える。

C1まであと少し。

C1(5,600m)に到着。頂上にはすぐ行けそうに見えますがそう甘くはありません。この時点では風は弱かったのですが、だんだんと強風に変化しました。

C1では3人1張。狭さはあるかもしれないが、テント内が暖かくなります。 ここでは-20度にもなりえるので保温が重要です。

 

■玉珠峰登山 4日目

さて、いよいよ登頂日。夜はあまりの強風の音に何度か目が覚めましたが概ね眠ることができました。皆様も同じような感覚だったり、寝たような寝ていないようなといった感想でした。しかし、おかげさまで頭痛・吐き気等の重い症状はありません。

 

オートミール等の簡単な朝食を食べて、風がある程度おさまるまで待機します。いよいよ良いタイミングが来たらゆっくりと、しかし素早くアイゼンを装着して出発します。

 

暗闇の中ヘッドライトで足下を照らしながら一歩ずつ進み、時々深呼吸する時間を取って息を整えつつ再び足を繰り出します。傾斜はだんだんと高くなっていきますが、順調に進んでいます。例え一歩が小さくなったとしても、このまま歩を進められる限り問題ありません。(ただし中国の安全規制は厳しく、1時間遅れてしまうようなスピードになってしまうと途中で下山を命じられる可能性が高いです。)

そして、斜度が約40度といわれる5,900m地点では設置ロープにユマールを通して登ります。ロープが想定より柔らかかった為に扱いづらい面がありました。しかし安全の為、踏ん張って対応しました。

そして・・・眼前に壁のように伸びていた急斜面を登りきると頂上です!途中体調不良になった方もいらっしゃいましたが、全員崑崙山脈6,000mの頂に立つことができました!頂上は想像していたより平べったい空間があり、やや奥にタルチョが掲げられているポイントがありました。

振り返れば、白銀の足下以外は延々と荒野が広がっており、日本はもちろん、ヒマラヤでも見ないような光景がありました!

その後慎重に下山します。C1で一旦服装調整をして休んだ後、B.C.まで来た道を戻りました。

 

下山後、登山協会の方やポーター達スタッフの出迎えを受けて喜びを分かち合いました。

 

たった今登ってきたばかりの頂を見上げながら飲むコーヒーは格別の味でした。

 

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崑崙山脈6,000m峰 玉珠峰登頂 青海湖よりツァイダム盆地を越えて 青蔵高原の6,000m峰に挑む!

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聖地カイラス山巡礼

  • 中国

2020.05.28 update

乾燥した茶褐色の大地、空気の薄い高原地帯、雪を頂く高峰群・・・「天空の世界」チベットの中でも最も奥地に位置するカイラス、チベット仏教徒、ボン教徒、ヒンドゥー教徒が一生に一度は巡礼することを祈願する聖地です。標高6,656mのこの聖山を、チベット人は畏敬の念を込めて「カン・リンポチェ(尊い雪山)」と呼び、 祈りが捧げられています。巡礼路は一周約52㎞。4日間の巡礼路の見どころをご紹介いたします。

朝日に輝くカイラス山朝日に輝くカイラス山
道中、五体投地で祈りを捧げながら進む巡礼者とともに巡礼路を歩きます。
道中、五体投地で祈りを捧げながら進む巡礼者とともに巡礼路を歩きます。
道中で出会うチベット族の女性たち。彼女たちは巡礼路より手前のサガで放牧を行っています。
道中で出会うチベット族の女性たち。彼女たちは巡礼路より手前のサガで放牧を行っています。

巡礼1日目タルチェン(4,675m)からタルボチェへ(4,630m)

カイラス山巡礼の拠点となるタルボチェまで約6㎞の道のりです。約1時間半でタルチョのあるチャツァルガンに到着します。ここは巡礼路に4ヶ所ある五体投地場の1つ目の場所。ここで初めてカイラス山の南西面を望むことができます。さらに約1時間ほど進むとタルボチェに到着。毎年チベット暦4月の満月の日に、ここタルボチェで、釈尊の生誕・悟り・入滅を祝うサカダワ祭が行われます。タルボチェに立つ柱のタルチョが新しいものに付け替えられ、賑わいをみせます。少し先にある二股のチョルテンはチョルテン・カンギと呼ばれ、カイラスを一つの寺院と見立てたときの入口にあたるポイントです。1日目は足慣らしをかねた1日。復路は混乗バスにてタルチェンへ戻ります。

 

巡礼2日目 タルチェンから(4,675m)からディラ・プク・ゴンパ(5,210m)へ

15㎞の道のりをトレッキングし、ディラ・プク・ゴンパ(5,210m)を目指します。まずは、1日目に訪れたタルボチェまで混乗バスにて向かいます。カイラスの南西面が姿を表します。その後、河口慧海が「黄金渓」と呼んだ美しい川沿いの道を休憩をとりながらゆっくりと進みます。チベット人はこの52㎞を1日でまわる人もいるそうです。
途中、左右に滝を見物。丁度、昼食時にカイラス西面が見えてきます。夕方前にディラ・プク・ゴンパに到着。ここディラ・プク・ゴンパは、かつてはドゥク・カギュ派でしたが、現在はカルマ・カギュ派の寺院です。文革で破壊され、1980年代後半に再建されました。創始者は、カイラス巡礼のルートを開拓したドゥク・カギュ派の高僧デワ・ゴンツォンパ。ティーローパ、ナーローパ、マルパ、ミラレパの像があります。ディラ・プクとは、雌のヤクの角という意味です。
ここからは巡礼路中で最も美しい山容と言われるカイラス北面を間近に展望することができます。翌日、天気が良ければ朝日に照らされるカイラス山もご覧いただけます。


ディラ・プク・ゴンパ手前よりカイラス山が顔を出す。荷物を運ぶヤクと共に進みます。

カイラス山が最も間近に迫るディラ・プク・ゴンパよりカイラス山北面を展望。

 

巡礼3日目ディラ・プク・ゴンパ(5,210m)からズトゥル・プク・ゴンパ(4,810m)へ

巡礼路、一番の山場をむかえる1日です。ドルマ・ラ(峠:5,668m)を越えて、ズトゥル・プク・ゴンパを目指す23㎞の道のりです。ひたすら登りが約4時間。カイラス北面やその前に立ちはだかる三部主尊(リクスム・ゴンボ:金剛手山、観音山、文殊山)の山々を見ながらゆっくりかつ確実に頂上に近づいていきます。鳥葬場(シヴァツァル・ドゥトゥ)を通過し、河口慧海が三途の脱れ坂と呼んだドルマ・ラの直前の急な坂が続きます。そして、ついに多くのタルチョに埋め尽くされたドルマ・ラ(峠)に到着。ドルマ・ラを越えると、下りが続きます。しばらく行くと右手にガウリ―クンドという湖があります。ガウリ―とはヒンドゥー教シヴァ神の妃パールバティの別名です。チベット人は神々の沐浴場(テューキ・ズィンブ)と呼びます。急な下り坂をボン教の人々は黙々と上がってきます。途中、ピクニックランチの後、ズトゥル・プク・ゴンパまでゾン・チュという川沿いにひたすら平坦な道が続きます。

 

巡礼4日目ズトゥル・プク・ゴンパ(4,810m)からタルチェン(4,675m)へ

巡礼4日目。巡礼最終日は約8㎞の道のりです。タルチェン手前3㎞のソンゴからは混乗バスに乗ってタルチェンに戻ることもできます。朝、ズトゥル・プク・ゴンパを見学します。神通力という意味のズトゥル・プク・ゴンパ。ミラレパとボン教の魔術師ナロープンチュンが神通力を競い合ってできた洞窟がこの名前の由来だそうです。ドゥク・カギュ派の小さな寺です。ここからひたすら草原の中をタルチェンの町を目指します。

ズトゥル・プク・ゴンパを見学。洞窟と一体化した小さな僧院に巡礼者が集まって祈りを捧げます。
ズトゥル・プク・ゴンパを見学。洞窟と一体化した小さな僧院に巡礼者が集まって祈りを捧げます。
標高5,668mのドルマ・ラを徒歩で越えます。峠にはたくさんのタルチョがはためきます。
標高5,668mのドルマ・ラを徒歩で越えます。峠にはたくさんのタルチョがはためきます。

カイラス巡礼中のQ&A

 Q. 旅の季節は?
5月中旬以前と9月下旬以降はカイラス山の巡礼路に雪が残り、7、8月は雨が降るため巡礼ができない可能性が高くなります。1年の中で最も巡礼に適した6月、9月にのみツアーを設定しています。
 Q. 荷物は?
着替えなどの荷物はボストンバックのような荷物に入れてヤクが運びます。上着や水筒などはご自身でお持ちください。カメラポーターは別途、有料にて手配ができます。
 Q. 宿泊する場所は?
巡礼中は簡易宿泊所を利用予定です。室内には多くのベットがあるのみでトイレは屋外に設置されています。シャワーの設備はありません。寝袋は弊社にて準備いたします。

 

関連ツアーのご紹介

聖地カイラス山巡礼

荒涼たるチベット高原を駆け抜け、2泊3日でカイラス山を完全一周。カイラス山巡礼に的を絞り期間短縮したコース。カイラス山の北面をみることができるのは巡礼路からのみです。

歩かずに行く聖地カイラス山とチョモランマ展望

チャンタン高原完全一周!蔵北無人区を行く。馬に乗ってカイラス山が最も美しく展望できるディラプクゴンパで1泊、朝に夕にと山の展望をお楽しみいただきます。

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究極のK2展望トレッキング バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ【その2】

  • パキスタン

2020.05.21 update

K2B.C.(5,100m)までは大きく分けると①~➂の3段階となります。

 

①アスコーレ(3,000m)からバルトロ氷河の末端部のパイユ(3,450m)まで<3日間>
酷暑からくる疲労と体調不良に注意しながら歩きます。パイユでは夕食後にポーター達が集まり恒例の宴(歌&踊)が始まります。参加型なので、手拍子を交えて全員で楽しみます。また、連れてきたヤギの解体が行われるのもパイユです。目を背けたくなる様な場面もあるでしょうが(希望者のみ見学可)、レバーの煮込みやお肉の炒めものは絶品です。感謝の念を込めながら頂き、エネルギーを蓄えます。

前方にバルトロ氷河付近に聳える高峰群が顔を出し始める

酷暑の日中はポーターも岩陰で休みます

パイユ(3,450m)のキャンプ地は緑も豊かでとてもリラックスできる

パイユ以降、ポーターは食料を各自で運ぶ、その為に配給がある

ポーター代わりの馬やロバもエネルギーを補充

パイユ(3,450m)にて、現地スタッフ達のパーティーナイト
注)お酒は入っておりません

長い腸の中を洗浄中

栄養たっぷりのヤギのレバー

チキンは今夜のご馳走へ様変わり

②パイユからコンコルディア(4,650m)まで<4日間>
バルトロ氷河の脇や上を歩いて、その四方に聳える名峰群に心が奪われます。K2はコンコルディア到着の約15分前からしか見えません。そのじれったさが溜まらず、期待に胸が高鳴ります。コンコルディアでは、北側にK2とブロードピーク(8,051m)、
東側にガッシャーブルム山群、南側にはバルトロカンリ(7,274m)、スノードーム(7,150m)、チョゴリザ(7,668m)、ミトレ(6,025m)等、360度のパノラマが広がっています。朝に夕に、たっぷりとのんびりと山岳展望をご満喫いただけます。

氷河上から振り返りパイユピーク(6,610m)を望む
※パイユから見上げた写真は下

トランゴ山群を眼前にバルトロ氷河を進む(白い氷河には氷河が削り取った黒い土砂が被っています)
※アップ写真は下

ウルドゥカス(4,050m)のすぐ先からガッシャーブルム山群が顔を出す。左端の山はブロードピーク主峰(8,051m)
※G山群のアップ写真は下

氷河上のキャンプ地(ゴレ)
氷河の上に土砂が被さっているだけでこの下は氷、気温はグッと下がる

ツアーを盛り上げてくれる愉快なポーター達

ポーター達は極寒の地でも工夫を凝らしてシェルターを作る

コンコルディア(4,650m)から望むK2(8,611m)とエンジェルピーク(左 6,805m)

コンコルディア到着日

コンコルディア到着日の翌日、一気に白銀の世界へ

➂コンコルディア~K2B.C.(5,100m)まで<2日間>
ゴッドウィン・オースティン氷河を遡って一気にK2の懐へ近付きます。ブロードピークは真下から見上げる様な角度になり、K2も眼前間近に迫ります。時期によっては登頂隊に出くわすこともあるでしょう。

ゴッドウィン・オースティン氷河の左岸モレーンを進みブロードピークB.C.(4,850m)へ

ブロードピークB.C.(4,850m)から望むK2(8,611m)とエンジェルピーク(左 6,805m)

チョゴリザ(左 7,668m)やミトレ(中奥 6,025m)を背後に望むゴッドウィン・オースティン氷河沿いの好展望地ブロードピークB.C.(4,850m)の南側展望

K2(8,611m)の懐にあたるベースキャンプへ

トレッキング中、特に有名な名峰達を一部ご紹介しましょう。

 

▲パイユピーク(6,610m)
巨大なパイプオルガンの管のような垂直の岸壁を周囲に張り巡らす岩峰です。パイユは現地バルティ語で“塩、岩塩”という意味があります。1976年、パキスタン隊により初登頂。

パイユ(3,450m)から望むパイユピーク(6,610m)

▲トランゴタワー群
圧倒なる花崗岩で造られたトランゴタワー群はロッククライマー達にとって憧れの地。トランゴとは、“羊の囲い場”という意味があります。ファスト・トランゴ(5,753m)、グレート・トランゴ(6,286m)、ネームレス・タワー(6,239m)。1977年、アメリカ隊によりグレート・トランゴが初登頂されて以来、多数のクライミングルートが敷かれています。

グレート・トランゴ(右 6,286m)とネームレス・タワー(左 6,239m)

▲ガッシャーブルム山群
ガッシャーブルムとは現地バルティ語で“輝く峰”という意味があります。GⅠ(8,068m)はバルトロ氷河最奥に位置し前衛峰に隠されているため、ヒドゥンピークと呼ばれています。1958年、アメリカ隊により初登頂が成されました。
GⅡ(8,035m)は1956年、オーストリア隊により初登頂が果たされました。B.C.はGⅠと同じところに設けられ、ブロードピーク(8,051m)と並んで、登りやすい8,000m峰として人気を集めています。しかしコンコルディアでは一番美しく輝くのは何といってもGⅣ峰(7,925m)。夕日には紅く染め上がります。

GⅣ峰(7,925m)の西壁の両脇にはひっそりとGⅢ(左 7,952m)とGⅡ(右 8,035m)

右奥にはヒドゥンピークといわれるGⅠ(8,068m)も見える
ウルドゥカス(4,050m)の先が唯一見えるポイント

▲マッシャーブルム(7,821m)
通称K1。パキスタンでは11位、世界では22位の標高を誇ります。1960年、アメリカとパキスタンの合同隊により初登頂。コンコルディア手前のゴレから鋭鋒の北面が綺麗に見えます。

ゴレⅡ(4,380m)から望む朝晴れのマッシャーブルム(7,821m)

▲K2(8,611m)
インドの測量局の測量番号がそのまま山の名前として残った山。中国名はチョゴリ(バルティ語で“大きい山”)です。コンコルディアからは西側に聳えるエンジェル・ピーク(6,805m)とセットで見るとより美しさが際立ちます。
1861年イギリスの陸軍大佐ゴッドウィン・オースティンが西部カラコルムを調査
(ゴッドウィン・オースティン氷河の命名由来)され、その後、1900年頃から登攀の可能性が探られる様になりました。初登頂は、1954年7月31日、イタリア隊。
以来66年を経てもなお、死亡率4分の1を越える難峰です。また8,000m峰で唯一、未だ冬季登攀は達成されていません。

Karakorum No.2。右の稜線(南東稜)が初登ルート兼ノーマルルート

▲ブロードピーク(8,051m)
現地語でファルチェン・カンリ。山頂の幅が広いことから、その名がつけられました。北峰(7,490m)、中央峰(8,011m)、前峰(8,035 m)の先に主峰が続きます。
初登頂は、1957年6月9日、オーストリア隊。パキスタンに鎮座する8,000m峰五座の内、GⅡ(8,035m)同様に、比較的登りやすい山とされています。

ブロードピークB.C.(4,850m)より登頂隊の様子を双眼鏡で望む
左から北峰(7,490m)、中央峰(8,011m)、主峰(8,051m)

上から見ると、氷河(バルトロとゴッドウィン・オースティン)の合流点(コンコルディアのキャンプ4,650m)がよく分かる
注)ツアーでは訪れません

(参考)ブロードピーク主峰と中央峰のコル(鞍部 7,878m)から望む主峰(8,051m)
注)ツアーでは訪れません

世界各地のトレッキングを経てきましたが、これだけの展望が揃うルートはなかなか珍しいです。長期間の高所トレッキングと厳しい条件もありますが、じっくりと計画的にトレーニングをすれば、決して夢ではありません。世界一といっても過言ではない黄金ルート。夢ではない現実の素晴らしい世界へご案内いたします。

 

関連ツアーのご紹介

究極のK2展望トレッキング バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ

実質K2を望めるポイントに計4~5泊。ブロードピークB.C.滞在中には、まさにK2の懐へと迫るK2B.C.を訪れ、カラコルム山脈の盟主K2の目前まで迫る究極のK2展望トレッキング!

 

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究極のK2展望トレッキング バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ【その1】

  • パキスタン

2020.05.15 update

アッサラーム・アレイクム(ウルドゥー語でこんにちは)。
今回は、世界第2位の高峰K2(8,611m)の懐、即ちベースキャンプ(以下B.C.)を目指すパキスタンの究極の展望トレッキングをご紹介いたします。

K2(8,611m)の懐にあたるベースキャンプへ

山岳天気というのは移り変わりが早い&大きいと言われるなかで、当コースでは、5泊6日のコンコルディア(4,650m)から先の行程において、山の様々な表情を見ていただくために、山までの直線距離を伸縮させながら、西遊旅行史上最長のK2展望時間を誇っています。

 

さて、そのK2が属すカラコルム山脈は「黒い砂利」という意味があり、パキスタン・インド・中国に500kmにかけて盛り上がっています。確かに歩いて目にする岩や氷河に被さった砂利には黒いものが多い気がします。

 

1856年カラコルム山系の測量が開始され、高峰群に頭文字の「K」をとった番号がつけられました。例えばK1がマッシャーブルム(7,821m)、K3がブロードピーク(8,051m)、K4がガッシャーブルムⅡ峰(8,035m、以下GⅡ)、K5がガッシャーブルムⅠ峰(8,068m、以下GⅠ)。全て、このトレッキングで目にすることが可能です。カラコルム山脈には4座の8,000m峰を含め60座以上の7,000mを超える高峰が聳えていて、極地を除けば世界最大の氷河地帯でもあります。

 

トレッキングの舞台はバルトロ氷河とゴッドウィン・オースティン氷河。数々の名峰が聳えるなか、テント泊を繰り返しながら前進します。

カラコルム山脈の重量級が揃うバルトロ氷河の山群

まずは首都イスラマバードから国内線又は陸路でスカルドゥ(2,500m)へ。天気がよければ、機内又は道路沿いから世界第9位峰ナンガパルバット(8,126m)をご覧いただくことができます(往復ともにチャンスが有ります)。

幹線道路よりナンガパルバット(8,126m)北面を望むことが可能

スカルドゥはかつて、チベットの一部としてカシミール地方への交易の中心だった街。その後イスラム化が進み、近代では1947年のインド・パキスタンの分離独立時にどちらに帰属するかが問題となり、3回の戦争を経てパキスタン領となっています。
カラコルム遠征の拠点地で、登山用品店(ただし正規店ではありません)も幾つかあり、専属の山岳コックは食材や調理器具を揃えて準備をします。

食料を選別する

調理に不可欠な灯油を入れるストーブ

何でも揃うスカルドゥのバザール

四輪駆動車に分乗して、147kmの移動を経て起点となるアスコーレ(3,000m)へ。

4WDでトレッキングの起点アスコーレ(3,000m)へ向かう

15泊のテント開始です。気になるテントですが、十分な広さがあるので、ご安心ください。別途マットレスをお持ちいただけると睡眠の質を高めて、長期間のトレッキングをさらに快適にお過ごしいただけるでしょう。

 

標高が上がると気温が下がるので、寝袋の内部に備えるインナーシュラフや、足元を温める湯たんぽもサービスとしてお配りしています。トイレは常設のものか建てたトイレテントをご利用いただきます。

ポーター達は入念に重量を確認

大切なタンパク質源①
チキンのみならず卵も別途荷上げしています

大切なタンパク質源②
概ねパイユ(3,450m)で捌かれます

宿泊高度4,000m以上のコースでは夜湯たんぽをお配りして快眠

常設が無いところではトイレテントを設置

 

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