秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

前回に引き続き、「静岡の美景を歩く 河津七滝・堂ヶ島・寸又峡へ」のツアーについて、本日は伊豆半島の西岸に位置する静岡県の中でも屈指の美しさを誇る名勝・堂ヶ島(どうがしま)の見どころをご紹介します。

 

|伊豆半島 堂ヶ島(どうがしま)を巡る
かつて海底火山群だった伊豆は、100万年ほど前にフィリピン海プレートの海底火山や火山島が本州に衝突し、約60万年前には半島を形成し、その後もプレートは伊豆の大地を本州に押し続け、地殻変動などの影響で多くの美しい景観を有しています。

伊豆半島は世界に類を見ない、地球上の特異点と言えます。

 

堂ヶ島では、海底火山の噴火による水底土石流やその水底土石流の上に降り積もった軽石・火山灰層が見られ、これらの白い火山灰層は波の浸食によって削られることで断崖が形成され、堂ヶ島の屈指の美しい景観を作り出しました。

 

①堂ヶ島トンボロ現象

干潮時のみ現れる堂ヶ島のトンボロ現象

堂ヶ島には、象島、中ノ島、沖ノ瀬島、高島の4つからなる、総称を三四郎島と呼ばれる小さな島々が駿河湾上の沖合200mほどの位置に浮かんでいます。干潮時には、一番手前に位置する象島までに幅30mほどのトンボロ(陸繋砂州)が出現し、潮位が30㎝以下になると歩いて島まで渡ることができます。
トンボロ現象とは、海中の障害物に砂が堆積する現象を言い、風波の作用を受けて砂礫などによって対岸の島と地続きとなった地形のことを言います。ツアーは、トンボロ見学の確率を高めるため、日中に潮位が30㎝以下となる時期にのみ設定しており、専門ガイドと共に切り立った白い崖、美しく刻まれている縞模様の地層などの風景と合わせ、トンボロ現象で地続きとなった象島へも渡ります。

 

②国指定の天然記念物「天窓洞」

堂ヶ島の天窓洞を遊覧船で巡る

堂ヶ島の美しい景観の特徴である白い火山灰層の中には、波による浸食で形成された海食洞が蜂の巣の様にあけられており、天井が崩れて穴(天窓)が空いたのが「天窓洞(てんそうどう)」です。国指定の天然記念物に指定されている天窓洞の周辺には遊歩道が設けられており、ツアーでは、専門ガイドと共に遊歩道から天窓洞を見学するだけではなく、天窓洞の迫力ある内部を巡る遊覧船への乗船もお楽しみいただきます。

 

③専門ガイドと堂ヶ島の地層を学ぶ

専門ガイドと共に堂ヶ島を見学

ツアーでは、専門ガイドと共に天窓洞の周辺に設けられた遊歩道をはじめ、堂ヶ島周辺の断崖風景や迫力ある地層の風景をご覧いただきながら、のんびりウォーキングをお楽しみいただきます。ただ眺めるだけでも素晴らしい堂ヶ島ですが、地元の専門ガイドと共に歩きながら見学することで、より堂ヶ島の風景が魅力的なものとなります。

 

④黄金色に染まる堂ヶ島

堂ヶ島「三四郎島」の夕景

伊豆の西岸にはいくつもの夕陽のスポットがあり、その代表的なスポットが堂ヶ島海岸です。日本の夕陽百選にも選ばれています。ツアーでは、西伊豆・駿河湾に沈む夕陽や黄金色に染まる堂ヶ島の風景をご堪能いただくため、駿河湾に面した「堂ヶ島ニュー銀水」にご宿泊いただきます。ロビーやホテル周辺から望む美しい夕焼けの風景も、堂ヶ島の魅力の1つです。

 

移動中の風景を楽しむのも旅の楽しみの1つです。堂ヶ島での見学後は、伊豆半島の土肥港から駿河湾を横断する駿河湾フェリーにて清水港を目指し、天気が良いと船上からは富士山を望むことができます。

 

ツアーの最後は、静岡の秘境「寸又峡」へ・・・次回へ続く。

 

静岡の美景を歩く 河津七滝・堂ヶ島・寸又峡へ ~その1
静岡の美景を歩く 河津七滝・堂ヶ島・寸又峡へ ~その3

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山、川、海が凝縮された南国の山岳島、別名「洋上のアルプス」と呼ばれる屋久島を11月に訪れ、島の中央に聳える宮之浦岳(1,936m)を縦走してきました。宮之浦岳に登り、縄文杉を経て、白谷雲水峡へ至る1泊2日の縦走登山の様子をご紹介します。

 

■縦走1日目:淀川登山口-宮之浦岳-新高塚小屋

宮之浦のホテルを朝4:00に出発し、1時間強で淀川登山口に到着。あたりはまだ真っ暗です。早速、ヘッドランプをつけて歩き始めます。

淀川登山口

まずは、モミやツガ、スギの樹林帯の中を進みます。木道や階段、木の根の連続ですが、アップダウンはさほどではなく、歩き易く感じます。しばらく行くと花崗岩の露出した場所があり、ガイドの松田さんが、花崗岩が隆起してできたという島の成り立ちとあわせて、土壌の薄さと保水力のなさ、そして、土壌の少なさを凄まじい雨量が補ってくれるので木々が成長できる事などを分かりやすく説明してくれました。

花崗岩の露岩

登山口から1時間弱で淀川小屋に到着です。ようやく日が出て明るくなりました。小屋の先にある橋からはモミジが美しく紅葉しているのが見え、淀川(よどごう)の清流と相まって美しい景観でした。淀川を渡ると急登がはじまり、ひたすら登りが続きます。

淀川の紅葉

途中、コブのある杉を示しながら、屋久杉とコブについて説明がありました。屋久島では樹齢1,000年以上の杉を屋久杉、それ以下を小杉と呼びます。これは大正時代に仕分けのために使われた言葉で、杉の直径が、両手を広げた長さである一尋(いちひろ=約160cm)あるか否かで、昔の人は、屋久杉の目安にしたそうです。ちなみに有名な「千尋(せんぴろ)の滝」は、千人の人間が手を結んだくらい大きいという例えから名付けられているそうです。また、コブはストレスを受けた時にできる杉の防御反応の結果できるもので、この部分には油(精油)が多く含まれており、工芸品として利用する際には、独特の模様ができるため、高値で取引されるそうです。

屋久杉とコブ

さらに進むと日本最南端にある高層湿原・花之江河(はなのえごう)に到着です。正面に見えるのは、黒味岳(くろみだけ/1,831m)です。黒味岳の名の由来は、「黒御岳」からきているそうです。通常、奥岳(おくだけ)や御岳(みたけ)と呼ばれる峰々は、山麓から眺めると花崗岩の岩峰や岩肌が見えるのですが、黒味岳は木々に覆われて黒々していたため、黒い御岳⇒黒御岳⇒黒味岳となったそうです。また、花之江河は山麓の集落を結ぶ道の分岐になっており、祠が祀られ、昔から人々に大事にされてきたそうです。奥岳は聖域だったため、ここで体を清めるという意味合いもあったそうです。

小花之江河から望む高盤岳の豆腐岩

花之江河から望む黒味岳

「黒味別れ」という黒味岳の分岐を経て、さらに進むと花崗岩の露出した場所やロープを使って下る急斜面もありました。まさに花崗岩でできた屋久島らしい登山道です。

ロープを伝って下る

屋久島らしい花崗岩の登山道

森林限界の投石平(なげしだいら)の岩盤に出ると、視界が広がり、低木のうねりの中に花崗岩の巨石が点在する頂上稜線が見えました。

岩峰・中股の頭と右奥の雲の中のピークが宮之浦岳

投石平から急斜面を登り、ロープを2本登った後は、トラバース道に変わり、小さなアップダウンを繰り返しながら進みます。

小さなアップダウンを繰り返す

翁鞍部に到着すると「宮之浦岳まであと1km」の表示がありました。大きな岩のある栗生岳(くりおだけ/1,867m)では、山頂にある祠と岳参りの説明がありました。栗生岳は、栗生の集落の奥岳です。屋久島では集落(村)ごとに奥岳があり、屋久島では現在においても山に登り、祈りを込める「岳参り(たけまいり)」という風習が残っています。この岳参りは「山岳信仰」の一種ではあるものの、山伏のように修業をするわけはなく、そこに住む人々が集落の繁栄、五穀豊穣、家内安全を願って山に登る行事の一つなのです。

栗生岳

栗生岳から頂上へ続く斜面を20分ほど登り、ようやく宮之浦岳の山頂に到着しました。

宮之浦岳の山頂へ向かって

ガスにまかれ、展望はなくても、嬉しい山頂です。

宮之浦岳の山頂

その後は、ヤクザサ(ヤクシマヤダケ)とシャクナゲの低木の主稜線を平石岩屋まで下りました。春にはシャクナゲの花が咲き、それはそれは美しい景色になるそうです。平石岩屋からは樹林帯に入ります。下り気味にほぼ平坦な登山道を進みます。杉の巨木にナナカマドが着生し、そのナナカマドが紅葉しています。緑色の中に紅色が映えています。ガイドの松田さんによると「屋久島の紅葉は打ち上げ花火だ」と言ったガイド仲間がいるそうです。本州では「山肌を紅色に染める」のが紅葉かもしれませんが、屋久島では「常緑樹林の緑の中に、紅色の紅葉がそこだけ浮かび上がって見える」からなのだとか。詩的な表現ですね。

スギに着生したナナカマドの紅葉

第2展望台の手前で坊主岩を眺め、ヒメシャラの林を眺めながら、ようやく新高塚小屋に到着しました。

ヒメシャラの林

新高塚小屋は、収容人数40人のブロック造りの山小屋で、内部は2階建てになっています。近くに水場もトイレもある快適な小屋でした。山小屋到着後、雄と雌のヤクシカが姿を現しました。

ヤクシカ

新高塚小屋

■縦走2日目:新高塚小屋-縄文杉-白谷雲水峡

翌朝は6:00に新高塚小屋を出発。屋久杉の巨木の森を進み、高塚小屋に向かいます。日の出の時間帯には、雲海の上に昇る朝日が樹林帯を照らし、幽玄な景色になりました。この区間の屋久杉の巨木の森は、人も少なく、とてもよい雰囲気です。木々の間から宮之浦岳と翁岳を見ることができました。

日の出と雲海

木々の間から宮之浦岳を望む

点在するヒメシャラの赤い幹は目をひきます。屋久杉に絡みつくように密着して生えている木は、大抵、ヤマグルマの木です。ガイドの松田さんによるとヤマグルマは、シカやサルの大好物なんだそうです。屋久杉の枝に着生して成長する事で、シカやサルの食圧から逃れることができ、かつ、日光を浴びるには有利な高い場所にあるためだと考えられています。ただし、ヤマグルマは、絞め殺しの木とも言われ、あまりに密着しすぎてスギを枯らせてしまう事もあるそうです。

1時間ほどで高塚小屋に到着しました。高塚小屋は3階建ての独特の形をしており、入口には「レモンガス 赤津慎太郎 小屋」と書かれたプレートが張られています。この小屋は、「レモンガスかごしま」という電力会社の社長・赤津氏の個人の寄付によって2013年に改築されたそうです。

高塚小屋

高塚小屋からは「大株歩道(おおかぶほどう)」と名付けられた屋久杉が集中する道を進みます。江戸時代につけられた屋久杉の試し切り跡を見ながら進みます。ほどなくして「縄文杉」に到着しました。縄文杉は日本最大のスギで、樹高25.3m、胸高直径5.2m、胸高周囲16.4mです。この時間帯は、山小屋泊りの人しかいないので、静かにゆっくり見学できるのがよいですね。

縄文杉

その後は、子供が生まれる瞬間のようなコブがある「子宝杉(こだからすぎ)」、や横枝が両側のスギに癒着し2本のように見えるから名づけられた「夫婦杉(めおとすぎ)」、推定樹齢3,000年の「大王杉(だいおうすぎ)」と屋久杉のオンパレードです。

子宝杉

夫婦杉

大王杉

「ウィルソン株」では、株の内部に入り、お約束のハート型に見えるポイントで写真を撮ります。その後は、10年ほど前に倒れてしまった「翁杉(おきなすぎ)」を通り、大株歩道入口へ。

ウィルソン株

株の内側から見上げるとハート型に見えます。

大株歩道入口から先は、大正時代から今も現役でトロッコが走る安房森林軌道、通称トロッコ道に変わりました。トロッコは、登山道にあるトイレなどの維持管理に必要な物資・し尿の輸送や、屋久杉の土埋木や昔の切り株などの運搬に使用しています。

トロッコ

トロッコ道の軌道沿いに、ほぼ平坦な道を楠川分れまで進みます。途中、「仁王杉(におうすぎ)」、「三代杉(さんだいすぎ)」を通り、「楠川分れ」に到着です。

トロッコ道を進む

楠川分れからは「楠川歩道(くすかわほどう)」と呼ばれる道をすすみます。島の北東にある楠川集落を起点に海から山に入るルートのひとつで、スギの平木(薄板)を年貢として納めていた江戸時代には、「年貢道」と呼ばれていました。楠川分れからは標高差約280mを1時間ほどで登り、辻峠へ向かいます。

楠川分れから辻峠へ

辻峠から太鼓岩を往復しました。太鼓岩では、昨日登った宮之浦岳を中心に頂上稜線と大杉谷、安房川の流れを眼下にします。左から岩峰・天柱岩(てんちゅういわ)のある太忠岳(たちゅうだけ/1,497m)、石塚山(いしづかやま/1,589m)、翁岳(1,860m)、宮之浦岳(1,936m)、永田岳(1,886m)を見渡すことができました。

眺めのよい太鼓岩。眼下に大杉谷と安房川

岩峰・天柱岩のある太忠岳と石塚山

左から翁岳、宮之浦岳、永田岳

太鼓岩から辻峠に戻ると、木道と階段で整備された道を白谷雲水峡へ向かって進みます。「かみなりおんじ」「武家杉・公家杉」を通り「苔むす森」へ。「苔むす森」は、1997年公開のジブリ映画「もののけ姫」でシシ神やコダマがいる森のモデルとされた場所で、実際に宮崎駿監督やジブリのスタッフが訪れています。木々や岩がよい感じに苔に覆われ、神秘的な雰囲気さえ感じさせます。

辻峠から白谷雲水峡へ

苔むす森

「七本杉」を経て、白谷小屋の分岐で休憩。その後は、「鹿の宿」「くぐり杉」、渡渉地点を越えて、さつき橋、飛流おとしの滝、憩いの大岩を経て、ようやく白谷登山口に下山したのでした。皆さまお疲れ様でした。

白谷雲水峡の美しい清流

白谷小屋の分岐

憩いの大岩を経て白谷登山口へ下山

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大阪支社の高橋です。弊社では昨年7月から日本国内ツアーを発表・実施させていただいており、日本の素晴らしさ、新たな魅力の発見に喜びを感じながら、日々新しい日本国内ツアーの造成に励んでいます。個人的には日本の花々の素晴らしさを感じていただくためのツアー造成も進めており、弊社ホームページで「世界の花だより」を定期的に更新しています。花の観察ツアーのご紹介は是非そちらをご覧ください。

 

本日から数回に分けて「静岡の美景を歩く 河津七滝・堂ヶ島・寸又峡へ」のツアーをご紹介します。

 

干潮時のみ現れる堂ヶ島のトンボロ現象

静岡県は日本のほぼ中央に位置します。駿河湾をはじめとする約500kmの海岸線が県の南側に延び、県の北部には日本の最高峰である富士山(静岡県と山梨県に跨る)をはじめ、3,000m級の山々が連なる北部山岳地帯を有します。また、山地から流れ出た数々の川が県土を縦断し、肥沃な土地と魅力的な風景を形成します。
また、県土の東端部には南へ50kmにわたって突き出した伊豆半島も有し、昨今は「伊豆半島ジオパーク」が注目を浴び、世界でも有数のジオサイトとしても有名です。

 

この数行では並べきれないくらい静岡県は自然美の魅力に溢れた場所であります。
今回ご紹介する「静岡の美景を歩く 河津七滝・堂ヶ島・寸又峡へ」では、ツアータイトルどおり静岡県の美景を巡る日程です。

 

|伊豆半島 河津七滝(かわづななだる)を巡る

河津七滝は、天城連山を水源とする河津川上流の渓谷に位置し、1.5kmの間にある7つの滝の総称です。約2万5,000年前に伊豆東部火山群の一部が噴火し、溶岩流が谷を流れ込み形成され、「えび滝」を除く6つの滝には、厚い溶岩が冷え固まり、凝固・収縮を繰り返したことで形成された柱状節理もご覧いただくことができます。

 

天城連山を水源とする清流、柱状節理など長い年月をかけて形成された自然の造成美、静寂に包まれた新緑の美しさ。ツアーでは、これらの自然美が織りなす風景をゆっくりと楽しんでいただくため、河津川沿いに設けられた850mの遊歩道を専門ガイドと共にのんびりとハイキングを楽しみます。

 

① 釜滝(かまだる)
高さ22m、幅2m。滝つぼが釜の底に似ていることが名の由来。河津七滝の特徴ともいえる柱状節理が滝の上部にご覧いただくことができます。

釜滝(かまだる)と柱状節理

② エビ滝(えびだる):高さ5m、幅3m
高さ5m、幅3m。河津川の清流が白く流れ、その水流がエビの尻尾に似ていることが名の由来。エビ滝の周辺は、他の6つの滝と違い岩肌が滑らかな印象です。これは、伊豆半島が海底火山だったころの地層を残していることが要因です。

 

③ 蛇滝(へびだる)
高さ3m、幅2m。滝の上部(落ち口)周辺の玄武岩の岩肌が蛇のうろこに似ていることが名の由来です。滝つぼから下流へ向けて流れる風景も蛇行しているため、蛇の姿に似ている点も注目です。

新緑に包まれた蛇滝(へびだる)

④ 初景滝(しょけいだる)
高さ10m、幅7m。川端康成の「伊豆の踊子」の舞台として知られる伊豆半島・河津町ですが、ここ初景滝には「踊り子と私」が設置されており、秋に実施される滝祭りのメイン会場にもなっています。

初景滝(しょけいだる)

⑤ カニ滝(かにだる)
高さ2m、幅1m。滝の流れ、水流の周辺の岩肌がゴツゴツしている点がカニの甲羅に似ていることが名の由来。

 

⑥ 出合滝(であいだる)
高さ2m、幅2m。荻ノ入川が河津川に流れ入る合流点に位置し、2つの川が出合う場所という点が名の由来。

 

⑦ 大滝(おおだる)
高さ30m幅7m。河津七滝の中で一番の高さを誇り、規模も最大を誇ることから「大滝」と名付けられました。河津七滝ハイキングの最後を飾るにふさわしい、迫力の滝です。

 

漢字だけご覧いただくと「かわづななたき」などと読んでしまいそうですが、河津地方の方言では、滝を「たる」と呼びます。河津地方では、滝のことを「水が垂れる」という意味で垂水(たるみ)と呼ぶため、「ななたき」ではなく「ななだる」と呼ぶそうです。

 

ツアーでは河津七滝の他に、幅20m、高さ4mの大きな1枚岩を滑り落ちる「平滑の滝」や、日本の滝百選にも選ばれ、歌手・石川さゆりさんの『天城越え』の歌詞でも有名な「浄蓮の滝」などもご覧いただきます。

平滑の滝

日本の滝百選の1つの「浄蓮の滝」は落差25m、幅7mの直瀑。伊豆東部火山群の鉢窪山が1万7,000年前に噴火した際に流出した玄武岩溶岩流は茅野の台地をつくり、浄蓮の滝は溶岩流の端の崖を流れ落ちます。

日本の滝百選の1つ「浄蓮の滝」

ツアー2日目は、伊豆半島の中央部に広がる天城連山から流れる清流が作り出す様々な滝をご覧いただきます。1つ1つ趣が異なり、風情ある風解が広がっておりますので、その違いを比べてみるのも楽しみ方の1つです。

 

次回は、西伊豆エリアの堂ヶ島について、ご紹介します。
静岡の美景を歩く 河津七滝・堂ヶ島・寸又峡へ ~その2
静岡の美景を歩く 河津七滝・堂ヶ島・寸又峡へ ~その3

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数々の世界の秘境を旅している西遊旅行ですが、日本にも素晴らしい秘境がたくさんあることを再発見しています。今回はその中でも特に秘境である小笠原諸島をご紹介します。


小笠原諸島は東京から南に約1,000㎞の太平洋上に浮かび、交通手段は船のみ。およそ24時間かけて向かいます。24時間あれば世界各国ほぼ行けてしまいますね。そしてもちろん小笠原は24時間かけて向かう価値は多いにあります。 


春夏秋冬それぞれに魅力がありますが、今の時期はなんといってもザトウクジラのトップシーズンです! ザトウクジラは夏の間は極地付近の海で採餌をし、冬になると小笠原のような温かい海に回遊し、繁殖行動をとります。11月から目撃情報が出始め、年末のツアーではその姿を多く見ることができました。ザトウクジラは浅域で繫殖行動を行っているため、ボートに乗船してのホエールウォッチングはもちろん、展望台の上からでも、母島へと向かう定期船「ははじま丸」に乗船している時でも見られることがあります。

ザトウクジラのブリーチング

こちらはチャーターボートで南島へと向かう途中に出会ったザトウクジラの子クジラです。背景に町が写るほど港近くでもクジラを見ることができました。子クジラは母クジラほど長く息が続かないため、頻繫にブローをあげ、また好奇心旺盛で元気いっぱいにブリーチングなど様々なアクションを見せてくれます。この後少ししたら、母クジラもブローをあげました。ブローの時に見えた背中だけでもその大きさがわかります。

 

母クジラがブリーチしたらどれほどダイナミックなのか、想像にかたくありません。この時期は子育てもするため、このような母子連れを見ることができます。 

ははじま丸より撮影

 

こちらは「ははじま丸」で見られた2頭のザトウクジラです。とある乗り合わせた女性は、ホエールウォッチングのボートより「ははじま丸」での方が見られたとまで言っていました。                           

中山峠展望台

こちらは父島での最終日に訪れた中山峠展望台です。残念ながらこの時はクジラを見ることはできませんでした。これからもう少し冬が近づけば更にクジラのシーズンとなり、峠からでもあちこちでクジラが跳ねているのを見ることができるそうです。展望台からは美しく輝くボニンブルーの海と、小笠原一の景勝地である南島を見ることができます。


南島は父島の南西約10キロにある無人島で、石灰質の土地が隆起・沈降してできた沈水カルスト地形と呼ばれる”ラピエ”と呼ばれる鋭く尖った岩や、”ドリーネ”と呼ばれるすり鉢状の窪地など美しい景観が有名です。                     

扇池

ヒロベソカタマイマイ

南島は美しい景観に加え、浜辺では絶滅し半化石化したヒロベソカタマイマイをたくさんみることができます。浜辺で多くみれますが海に住んでいたわけではなく、半化石の中に現在も母島の山の樹に生息している陸産貝類(マイマイの仲間)と共通の特徴があることから、かつて南島は深い森があり、樹ので生活していたと考えられているそうです。南島は雑誌や広告にも大きく取り上げられているため、簡単に行けると思われがちですが、実は海況が良くなければ上陸が難しい島です。

 

南島への上陸はボートでサメ池に入り、ボートの舳先から直接上陸するのですが、これがなかなかくせ者です。サメ池の入り口には岩がごつごつとあり、潮と海況が良くないとボートが進入できません。また、冬季は植生保護のため、上陸が禁止されている期間があります。今回は上陸可能な期間であり、条件もしっかり守ったうえ、幸運にも海況も良かったため上陸することができました。これからは海況も良くなり上陸できる可能性も上がってくるでしょう。写真で何度も見てもやはり実際の南島に上陸したときはその美しさに感動します。ぜひご自身で美しい景色を目にしてください。

 

ザトウクジラのシーズンはこれからトップシーズンを迎え、ゴールデンウィークまで小笠原でその姿を見ることができるそうです。海況も落ち着いてきた小笠原でぜひ雄大で美しいザトウクジラたちに出会いましょう!

南島からハートロックを望む

【本の紹介】世界で一番美しい野生ネコ図鑑

  • その他

2021.02.03 update

西遊旅行では動物スペシャリストとして、数多くの野生動物観察ツアーに同行している、秋山知伸さんの書籍が発売されました! 写真家・ジャーナリストの水口博也さんとの共同編集による出版です。
表紙の絵力がスゴイ!大型本で、160ページフルカラーのヴィジュアル図鑑です!

 

「世界で一番美しい野生ネコ図鑑」
水口 博也・ 秋山 知伸 編著

 

内容紹介(誠文堂新光社のWebサイトより)
世界中で撮影されたライオンやトラ、ヒョウやチーター、ジャガーを含む数多くの種の貴重な生態写真をダイナミックに構成し、類書を圧倒する写真集であると同時に、世界で活躍するフィールドワーカーたちからの、野生ネコの生態についての貴重な情報も網羅しています。
動物ファン、自然写真ファンのみならず、多くの自然愛好家の目と心を魅了するはず。
野生ネコの親子の愛らしい姿に癒やされ、一瞬の動きをとらえたシ写真に驚嘆、厳しい自然のなかで生きる姿に憧れさえ抱く、見応えのあるヴィジュアル図鑑です。

 

水口博也さんと秋山知伸さんの写真以外にも、世界各国で活躍する写真家たちの作品の数々が掲載されています。ネコ科好きは必読、それ以外の方も素晴らしい一冊なので、ぜひ一度ご覧ください。

 

>>ご購入はこちらから(誠文堂新光社のサイト)

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