秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

2021年6月初旬に同行した、大峯奥駆道の後編です。

眺めのいい稜線歩き

吉野から前鬼までは既に歩かれている方や、前編の主な山々(山上ヶ岳、八経ヶ岳、
釈迦ヶ岳)には既に登っている方など、様々な想いとともにご参加いただきました。

近鉄・大和上市駅に集合後、タクシーにて国道169号線を約70kmの道のり。
吉野川、伯母谷川沿いに南下し、新伯母峯トンネル(全長約2km弱)をくぐり抜け、
左手(東側)に大台ヶ原がある台高山脈、右手(西側)に和佐又山や山上ヶ岳を
抱く大峯山脈に挟まれながら、北山川沿いに南下し、
川上村から上北山村、下北山村へと入ります。

青が美しい北山川

池原貯水池沿いにある前鬼口から国道169号線を逸れ、前鬼川沿いに林道を北上。
途中、不動七重の滝の展望地にて写真ストップ。日本の滝百選にも選ばれ、
総落差は160m以上ともいわれている。迫力満載です。
近年キャニオニングも盛んになってきたという前鬼川は、上流にダムなどの人工的な
施設がほとんどなく、自然なままの美しい水が流れています。
「前鬼ブルー」という異名もあるほど、緑の様な青の様な色味も印象的でした。

日本の滝百選の「不動七重の滝」 総落差は160m以上。

到着すると早速61代目の五鬼助義之さんがお出迎えです。
お風呂後、自家製味噌の美味しいお味噌汁をはじめ、夕食をたらふくに食べて就寝zzZ

前鬼に唯一残る宿坊・小仲坊

前鬼での夕食。お味噌汁が美味!

前鬼で偶然に出逢った青岸渡寺の修験者

法螺貝を吹く修験者

■トレッキング①(前鬼→持経ノ宿)
29番靡の前鬼山から開始。
宿坊(小仲坊)横から登り始め、五鬼熊、五鬼童の住居跡を経て、
ストレッチや衣服調整を加えながらズンズン進みます。

まもなく853段の階段が開始。
木製の梯子は乾いていて滑ることもなく、順調に標高を稼いでいきます。

標高差650m(前鬼~太古の辻)には853段の階段が続く

一歩一歩、延々と続く階段を登る

多少のザレ場や乗越、鎖場を難なく通過し、太古の辻(1,450m)へ到達。
朝一番から今日一番の核心部、お疲れ様でした!

前鬼から太古ノ辻へ向かう

所要は、3時間弱みていたので、想定通りです。
ここにも33番靡の二ツ石(別名:背比べ石)があり、北と南の奥駆道の境界です。

33番靡の二ツ石(別名:背比べ石)

ここからは、小さなピークを幾つも越えてゆきます。その数なんと9つ!
32番靡・蘇莫岳(1,521m)、石楠花岳(1,472m)、天狗山(1,537m)、27番靡・奥守岳、
26番靡・子守岳(地蔵岳;1,464m)、25番靡・般若岳(希望者はピストンで登頂)、
24番靡・涅槃岳(1,376m)、証誠無漏岳(1,301m;しょじょうむろう)、
阿須迦利岳(1,251m;あすかり)です。

32番靡・蘇莫岳(1,521m)

石楠花岳(1,472m)

27番靡・奥守岳

26番靡・子守岳(地蔵岳;1,464m)

子守岳でランチ

登っては下り、登っては下りを繰り返しますが、振り返れば北奥駆道の名所、
40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)と42番靡・孔雀岳(1,779m)&43番靡・仏生ヶ岳(1,805m)の
特徴的な山容が離れていくことが分かり、進んでいることを実感できます。

振り返れば最奥に北奥駆道の名所、40番靡・釈迦ヶ岳(左:1,800m)と42番靡・孔雀岳(右:1,779m)&43番靡・仏生ヶ岳(右:1,805m)の山容

涅槃岳直下の急登

24番靡・涅槃岳(1,376m)

証誠無漏岳から阿須迦利岳へは、急な鎖場があったものの軽快に通過し、
15時過ぎに22番靡・持経ノ宿に到着。不動堂が建てられています。
快適な山小屋は広々と使うことができました。
水場は林道を400m下ったところにあり、川沿いの蛇口からドボドボと出ています。

22番靡・持経ノ宿の小屋

持経ノ宿にある水場

■トレッキング②(前鬼→持経ノ宿)

おはようサンライズ!
本日は半日行程のため、朝食後、ゆったり目な出発です。
エスケープルートになる池郷林道は昨年の土砂崩れの為に以前通行止めです。
その林道沿いに延びるルートを進みます。

21番靡・平治ノ宿で休憩。ここも立派な避難小屋(無人小屋)です。
水場はルートを外れて悪路を下った箇所にあり、この時期はしっかり出ていました。

21番靡・平治ノ宿

平治ノ宿の内部

その後、転法輪岳(1,282m)、倶利伽羅岳(1,252m)を連続登頂した後、
行仙岳(1,227m)への登り途中にある20番靡・怒田宿跡へ。
そこから階段状の直登をつめれば電波塔の立つ頂上へ。
展望もよく、北側には釈迦ヶ岳(1,800m)も見えました!

19番靡・行仙岳(1,227m)

行仙岳から遠くに釈迦ヶ岳(1,800m)を望む

昼食後、約30分の下りで行仙宿へ到着。

当ツアーで一番の設備が整う行仙宿の山小屋

午後は時間があったので、ティータイム♪

夕食前に往復30分強かかる水場へと水汲みへ。
秋より水量が少なかったものの、無事確保。

夕食をしっかり食べて、明日へのエネルギー充電完了です!

行仙宿の水場(往復30分強)

行仙宿にて

■トレッキング③(持経ノ宿→行仙ノ宿)

本日は、核心部を越えてゆく一日です。
十津川温泉も皆様の身体を癒すべく、待っています。

まずは18番靡・笠捨山(1,352m;別名は仙ヶ岳)へ。
前衛峰もあり約1時間40分かかりましたが、西峰に到達。ここから一気に下り始めます。

18番靡・笠捨山(1,352m;別名は仙ヶ岳)

槍ヶ岳を前方に望む鉄塔地点にて、ヘルメットを装着しストックをザックにしまいます。
ここから約1時間30分が核心部です。
まずは17番靡・槍ヶ岳まで急登(ピークは細い悪路のため踏まず)。
靡の標識のある鞍部を経て、お地蔵さんが安置されている地蔵岳(1,250m)へ。

地蔵岳(1,250m)への登り

地蔵岳(1,250m)山頂

ここから6mほどの長い鎖場の下りが2本続きます。
一人一人慎重に下っていただきましたが、風雨がなかったことも幸いし無事に通過。

地蔵岳からの下り①

地蔵岳からの下り②

地蔵岳からの下り③

地蔵岳からの下り④

地蔵岳からの下り⑤

16番靡・四阿ノ宿でヘルメット解除です。お疲れ様でした!!
その後、続けざまに15番靡・菊ヶ池、14番靡・拝み返し、13番靡・香精山(11122m)、
ずんずん下り12番靡・古屋ノ宿跡へ。

11番靡・如意宝珠岳(736m)を登頂し、蜘蛛ノ口(別名:岩ノ口)を通過し、稚児ノ森へ。
この辺から林道に沿う形のルートになっていきます。

杉林をゆく

11番靡・如意宝珠岳(736m)

玉置神社に近づくと林道沿いに歩く

玉置山(別名:沖見岳(1,077m)に登頂。景色は優れなかったものの、ホッと一息。
下ること約20分で10番靡・玉置神社へ。

玉置山(別名:沖見岳(1,077m)の山頂

玉置神社の社務所

玉置神社の本殿

センリョウ科のフタリシズカ

玉置神社の夫婦杉

観光後、車に揺られる事30分でホテルへ到着。
食事の前後でお風呂にも浸かりアイシングしつつお肌もツルツルに♪泉質最高です。
お食事も美味しく、たっぷりとご堪能いただきました。

■トレッキング④(行仙ノ宿→熊野本宮大社)

朝の雲海が朝日に輝きながら十津川村を美しく包み込んでいます。

雲海に包まれる十津川温泉郷

 

まずは大森山(1,078m)までの急登が続きます。

登頂後は、時にロープも張られた急な坂をズンズン下って、8番靡・岸の宿へ。

その後、痩せ尾根を進み、7番靡・五大尊岳北峰(825m)、南峰を登頂。
遂に木々の間から眼下に熊野川を拝むことができるようになってきました!

7番靡・五大尊岳北峰(825m)

熊野川が見えてきました

本日の行程の中間地点、6番靡・金剛多和へ。多和は垰とも表記されます。

6番靡・金剛多和

5番靡・大黒天神岳(574m)を登頂。最後まで小刻みなアップ&ダウンが続きます。
4番靡・水吹越山を通過すると、いよいよ残すは1番靡・熊野本宮大社のみです。
※3番靡は熊野速玉大社、2番靡は熊野那智大社です。

5番靡・大黒天神岳(574m)

“目を見張る”大きさの名物・めはり弁当

4番靡・吹越山

最後のひと踏ん張り。七越峰(262m)を越え、とうとう熊野川の川岸に辿り着きました!

最後の渡渉「濡れ草鞋の入堂」を目指しましたが、水位と水量を判断させていただき、
控えさせていただき、備崎橋経由で迂回し、大斎原の大鳥居をくぐり、熊野本宮大社へ。

(理想的には…)冷たい水に身と心を清めてから本宮の神域に入る渡渉「濡れ草鞋の入堂」を目指す

備崎大橋経由で迂回する

熊野本宮大社へ参拝

各々秘めたる想いを胸に参拝を終え、バス停前で解散。
長時間が連日にわたるトレッキング、お疲れ様でした!

眼下に大斎原、熊野本宮大社を望む

眺めのいい稜線歩き

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~前編その①より・・・~
大阪支社トレッキング担当の楠です。
つづいて、行者還小屋以降についてご紹介いたします。

コケの緑と森の深さを感じさせる幾重に重なる稜線美

■トレッキング④(行者還小屋→弥山小屋)
本日は半日行程です。
57番靡・一の垰(たわ);多和とも書く)を経て、バイケイソウの群落を進みます。
見上げるとシロヤシオが咲き誇っています。

シロヤシオ(白八汐)、別名ゴヨウツツジ、マツハダ。

有毒性のあるバイケイソウの群落を進む

弁天の森にある56番靡・石休の宿、55番靡・講婆世(こうばせ)の宿へ。
さて、ここから弥山小屋まで、木製ハシゴを含めた登りがひたすらに続きます。

弥山小屋へと続く長い木製の階段を登る

無事弥山小屋へ到着。54番靡・弥山神社と役行者堂を参拝して小屋へ入りました。

小屋は快適そのもので、乾燥室、お部屋の暖房、食堂のお菓子やカップラーメン、
アルコールに綺麗なトイレ。シャワー以外は何でも揃っていました。

弥山小屋の部屋の一例

弥山小屋の清潔な食堂

■トレッキング⑤(弥山小屋→八経ヶ岳→楊子ヶ宿小屋)
午後から回復の見込みがある天気予報に従って、出発予定をズラしました。
余裕のある行程の大切さを身に染みます。

近畿地方最高峰の八経ヶ岳(1,915m)へ向け出発。
雨足はまだ収まってはいませんが、弱くなることを想定しつつ進みます。
鞍部にはオオヤマレンゲの群落があり、7月が開花シーズン(寿命は4-5日程度!)につき
5月は咲いてはいませんでしたが、防鹿柵が設けられ保護されていました。

鞍部から登り返し、無事登頂!
役行者が第3生の骸骨が持っていた利剣を埋めたことから八剣山との別名もあり、
法華経八品を収めたことから51番靡・八経ヶ岳とも呼ばれています。

近畿最高峰・八経ヶ岳(1,915m)の頂

雨足は弱くなりつつも、風は依然強く吹いています。
酸性雨、鹿の食害等により立ち枯れた木々は風を防いでくれるはずもなく、
南西からの風が体に突き当たります。

立ち枯れた木々を縫うように歩く

先へと進み、ルート上からピストンで50番靡・明星ヶ岳(1,894m)を登頂。
その先、49番靡・菊の窟(きくのいわや)を経て、48番靡・禅師の森へ。
この辺りは10-15分間隔で靡が点在しています。

47番靡・五鈷嶺(ごこのみね ; 1,694m)は巻きます。
46番靡・舟の垰(たわ)、45番靡・七面山を経て、44番靡楊子ヶ宿小屋(1,594m)へ。

こちらも貸し切り状態ではあり幸運でしたが、玄関先が水浸し…。
しかしその水も夜には土壌に染み込まれていき安心しました。
枯れやすいとされる水場は今回は勿論問題はなく、徒歩3分の位置に恵まれた水場が!

倒木が多々見られる道中

2階建ての楊子ヶ宿小屋の外観

■トレッキング⑥(楊子ヶ宿小屋→釈迦ヶ岳→前鬼)
さて、前編の最終日です。早出早着を心掛けます。雨は完璧にあがりました!
まずは1時間弱で43番靡・仏生ヶ岳(1,805m)へ。ルート上からピストンで向かいます。
その先、鳥の水でミネラルたっぷりの水で喉を潤し、42番靡・孔雀岳(1,779m)へ。

水場が乏しい区間において有難い鳥の水(水場)

孔雀岳(1,779m)付近の孔雀覗(のぞき)より眼下を覗き込む

この先に、仏の世界観を表した曼荼羅世界の金剛界(吉野~)、胎蔵界(~熊野)の
両部分け(両峯分け)がございます。真言密教の影響で両部思想となっているそうです。
「生-死-再生の過程を体験する修行が峰入り」です。

ヘルメットを着用し、ストックはザックにしまい(両手を空けて)臨みます。
大日経を納めて空になった石鉢を置いたといわれる41番靡・空鉢岳(くうはちだけ)へ。
巨岩・弥勒岩、杖捨ての岩場、馬の瀬を経て、急登を重ねて、ようやく、

お釈迦様がいらっしゃる40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)へ登頂。

空鉢岳を越えたところにある金剛蔵王権現の像と碑伝(ひで)

40番靡・釈迦ヶ岳(1,800m)のお釈迦様

下りを開始。釈迦ヶ岳付近は流石に人気もあり、登山者とすれ違います。
岩壁の穴をくぐる行が行われていたという39番靡・都津門(とつもん;極楽の東門)
まで下ると、前方には赤ヤシオに染まった大日岳が出迎えてくれました!

39番靡・都津門(とつもん;極楽の東門)

アカヤシオに染まる大日岳(1,568m)を望む絶景地

アカヤシオに染まる大日岳(1,568m)

アカヤシオ(赤八汐)、別名アカギツツジ

その後、更に下り本山派修験の灌頂道場38番靡・深仙宿へ。
ここは役行者がお亡くなりになる(又は日本を去る)前の法時の後、
前鬼と後鬼に、大峯山に修行にくる人をお守りせよと告げ、髭を剃り落とした地です。

38番靡・深仙宿

深仙宿にある髭塚

その髭を鬼たちは大事に埋めて塚を作ったとされています。
香精水が岩壁から湧き出ており、この聖水で峰中灌頂(聖水を頭に注ぎ仏菩薩と
結縁したり法脈を継承する儀礼)が行われたといいます。

37番靡・聖天の森を経て、36番靡・五角仙を巻き、35番靡・大日岳(1,568m)を巻き、
太古の辻にある33番靡・二つ石へ。

深仙宿からの登り返し

奥駈道の南北境界点にあたる太古の辻(1,450m)

さて、ここから853段の滑りやすい木製階段を含め、下っていきます。
途中、ガレ場やクサリ場もあり嫌らしいルートも出てきますが、
新緑やコケの緑、アセビ(馬酔木)、シャクナゲに癒されながら、
順調に下ります。標高差約650m。

緊張が続く滑りやすい計853段の階段の下降

前鬼へ続く853段の階段を進む

前鬼に下るルートも楽なルートばかりではない

5月中旬はシャクナゲが咲き誇るシーズン

二つ岩で休憩後、ゆっくりと下り、遂に29番靡・前鬼山へ到着!

太古ノ辻から前鬼に下るルートの中間地点にある二つ岩(別名:両童子岩)

新緑に包まれながら前鬼へ下る

前鬼手前の渡渉

853段の階段。雨が降ればコケと相まって非常に滑る

61代目の五鬼助義之さんが今も大切に守る小仲坊の宿坊をはじめ、
行者堂や母屋を眼前に感動の瞬間です。
夕食前にお風呂に入り、自家製のお味噌から作った美味しいお味噌汁を頂きました。

自家製のお味噌汁が特に美味

29番靡・前鬼山の行者堂にて(昼)

29番靡・前鬼山の行者堂にて(夜)

本当にお疲れ様でした!!

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大阪支社トレッキング担当の楠です。

今回は、春に歩いた大峯奥駈道(吉野~前鬼)の様子をご紹介いたします。

大峯奥駈道は、修験道の根本道場である金峯山寺などがある奈良吉野山と

熊野三山を結ぶ大峯山を縦走する、修験道の修行場として開かれた道。
1,000m~1,900m級の険しい峰々を踏破する「奥駈」という峰入修行を行なう古道を
指します。修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が8世紀初頭に開いたと
されています。主稜線沿いに75の靡(なびき)と呼ばれる行場(霊場)があり、
修行を行いながら回ります。熊野本宮から吉野に向かう順峯(1→75)、逆に吉野から
熊野本宮に向かう逆峯(75→1)とがあり、それぞれ主宰する宗派が異なります。

このコースは逆峯で歩き、前編では前鬼山の29番まで、可能な限り丁寧に歩きます。

奥まった山々をテント又は避難小屋を利用しながら縦走するが故、個人装備

(昼食、寝袋、食器類 等)は自身で運ばなければならず(共同装備:朝食/夕食/燃料 等は

スタッフが運ぶ)、軽量化は徹底して行うように、事前にご案内差し上げました。

5月中旬にも関わらず史上最速の近畿地方梅雨到来、そんなニュースが舞い飛ぶ中の
出発となりました。

近鉄・吉野駅に集合し、徒歩にて73番靡の吉野山へ。
「吉野なる 銅の鳥居に手をかけて 弥陀の浄土に 入るぞうれしき」

日本三大鳥居の1つ、吉野山の銅(かね)の鳥居

役行者には前鬼(ぜんき)と後鬼(ごき)という鬼の弟子がおり、後鬼の子孫が住む
洞川温泉エリアの工場で作られる陀羅尼助(薬)について案内後、金峯山寺へ。
国宝である仁王門(修理中)と蔵王堂(3体のご本尊は開帳時期注意)を拝観後、宿へ。

こんな飴もトレッキング中の人気者になりました

吉野山の国宝・金峯山寺蔵王堂

吉水神社の役行者と前鬼(左)・後鬼(右)の像

夕食のカモ鍋をたらふくに食べ、お風呂にゆったりと浸かり、就寝zzZ
翌朝からいよいよトレッキング開始です!

カモ鍋に舌鼓する

■トレッキング①(吉野→二蔵宿小屋)
まずは舗装道を上りたっぷり汗を搔きながら72番靡の水分(みくまり)神社を参拝。
「みくまり」が「みこもり」となまり、子守明神と呼ばれ子授けの神として信仰を
集めているそうで、豊臣秀吉もこの地を訪れて祈願し、子の秀頼を授かったそうです。

水分神社の内部の様子

その後、71番靡の金峰神社(金精大明神)を参拝。
吉野山の地主神・金山毘古命(かなやまひこのみこと)を祀っています。

吉野の地主神を祀る金峰神社

その下部に、源義経が隠れたという伝説がある蹴抜塔があります。
義経が敵に襲われて隠れ、追手が来たときに天井を蹴破って出たとされるが、
本来は「気抜け」で、音によりたまげさせて気を抜く事で疑死を表す行為と
解釈もできるそうです。
「吉野なる 深山の奥のかくれ塔 本来空の 住みかなりけれ」

役行者も修行をしたといわれる蹴抜塔

70番靡の愛染の宿(安禅蔵王堂跡)の跡地を経て、旧・女人結界のあった碑を
左折し青根ヶ峰(858m)へ登頂。
この後、小さなピークを含め、幾つも丁寧に経由していくこととなります。

昼食(名物・柿の葉寿司!)を頂き、69番靡・二蔵宿小屋(百丁茶屋跡)へ。

立派なもので、毛布や調理器具類もデポされていました。
水場は乏しい水量でしたが、無事カレーを召し上がっていただき、就寝zzZ。

昼食は保存もきく柿の葉寿司で空腹を満たす

二蔵宿小屋の外観

二蔵宿小屋の内部の様子

■トレッキング②(二蔵宿小屋→山上ヶ岳→小笹の宿)
ミヤマトリカブトが生えている急坂を登り、大天井ヶ岳(1,439m)へ。

秋に紫の花を咲かすミヤマトリカブトの葉

そこから一気に五番関まで下ります。
五番関には現・女人結界門があり、ここから女性陣は洞川温泉へ下ってゆきます
(翌日は、女人大峯の稲村ヶ岳(1,726m)へ登頂し、翌々日に弥山の小屋で再会)。

男性と女性はここで別隊に分かれる

男性陣は、そのまま前進し、68番靡にあたる浄心門(洞辻)の茶屋で休憩。
陀羅尼助茶屋から先、表行場の名所である油こぼし、鐘掛岩、西の覗を経て

宿坊群の横を通過しつつ、67番靡・大峯山寺を参拝。
「鐘掛と 問ふて尋ねて来てみれば 九穴の蔵王を 下にこそ見れ」
途中、頭は吉野、尾は熊野に繋がるといわれる役行者が修行をしたお亀石も経由。
「お亀石 踏むな叩くな杖つくな よけて通れよ 旅の新客」

陀羅尼助茶屋

手と足のホールドを確認しながら慎重に登る

お亀石

約300mの高度差を西の覗から覗きこむ

山上ヶ岳(1,719m)の頂にある湧出岩を見学。
役行者が大峯山をご開山の時、この山頂に於いて、社会と衆生を守護くださるご本尊を
祈請されたところ、先ず釈迦如来が、次いで千手観音・弥勒菩薩が現れたといいます。
しかし末世剛悪・混迷しきった世間や人心を救うにはあまりにも優しすぎるとして、
さらに祈りを重ね一千日のご修行の末、最後に忿怒身をもった金剛蔵王大権現が

ご出現下さった、と伝わっています。

金剛蔵王権現を役行者が感得した山上ヶ岳頂上の湧出岩

66番靡の小笹の宿へ。ここには役行者の第6生の骸骨があるといわれています
(役行者は生まれ変わること7度の第7生だったとのこと)。
避難小屋は扉が壊れていましたが、貸切状態。沢の隣に位置し、水は豊富にございます。

小笹ノ宿小屋の外観

■トレッキング③(小笹の宿→行者還小屋)
翌朝、65番靡・阿弥陀ヶ森で女人結界から出ることとなります。その先10分下ると、
64番靡・脇の宿(跡)があり、ここから63番靡普賢岳(小&大)への登りが開始です。

満開のツクシシャクナゲが出迎えてくれました。視覚を潤しながら無事登頂!

雨に打たれつつもシャクナゲに癒されながら登る

ここから岩場を下り、笹原にある水太覗、その先の61番靡・弥勒岳、

国見岳(1,655m)はともにザックを道中にデポして、ピストンで頂上を踏みました。
60番靡の稚児泊(ちごどまり)を経て、緑が美しいコケの森を進み、七つ池へ。

苔生す森の美しさも魅力

急登やクサリ場を登り59番靡・七曜岳(1,584m)に登頂。

滑りやすい腐りかけの木の梯子を慎重に下りあと一息で小屋です。
58番靡・行者還(行者岳;1,547m)もピストンで踏みました。

鎖を掴み、木の根で滑らない様に慎重に下る

脆い木製ハシゴを滑り落ちない様に下る

シャクナゲが咲く行者還岳

行者還小屋へ到着すると、再び貸し切り状態で広々と使えたことで、テントを始め、
様々衣類や装備も乾かすこともできました。

行者還小屋の内部の様子

 

~前編その②へ続く・・・~

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こんにちは!西遊旅行トレッキング担当の中沢です。

今回は、「四国アドベンチャー 四国最高峰・石鎚山登頂と第二峰・剣山の天空の縦走路&奥祖谷かずら橋と仁淀川」のツアーで訪れる石鎚山と剣山をご紹介します。

 

徳島からスタートし、第二峰・剣山の縦走路を歩き、奇跡の清流・仁淀川でのアクティビティー、最後は四国最高峰・石鎚山を登頂。愛媛県まで横断し四国の自然を楽しんでいきます。

 

■四国第二峰・剣山の天空の縦走路を歩く

剣山へは、見ノ越登山口よりリフトを約15分乗り西島駅へ。西島駅より何個かルートはありますが、今回は大剣神社経由で登る剣山の登山ルート・大剣道コース(約1200m、約1時間、標高差245 m)の道を登ります。途中、「悪縁を絶ち、良縁を結ぶ」とされ、縁結びの神として親しまれている大剣神社と大剣神社ご神体の巨石の下から湧き出ている名水百選の御神水(おしきみず)にも立ち寄りました。

 

もう少し登ると剣山頂上ヒュッテへ到着。ヒュッテ隣には、神器の剣を隠したと言われる宝蔵石や、剣山本宮宝蔵石神社がありました。拝殿うしろの巨大な岩(宝蔵石)が神社のご神体です。

 

ヒュッテは、とても快適で、アマゴの唐揚げ(サツキマス)や山菜など地元の食材を使った夕食がとても美味しかったです。

 

2日目は、ヒュッテのすぐ裏を登り剣山の縦走路を歩きます。山頂へ向かい剣山(1955m)を登頂。登頂後、稜線を縦走し奥祖谷二重かずら橋口を目指します。
この縦走路がとても美しくまさに「天空の縦走路」という言葉がぴったりなトレイルですが… 訪れた時はあいにくの天気でした。

途中、次郎笈(1930m)、丸石(1684m)に登頂しながら歩きます。下りは、緑が深い森の中、苔の美しい渓谷沿いを歩き奥祖谷二重かずら橋へ到着。

 

秘境の雰囲気が漂う美しい景観に囲まれた奥祖谷二重かずら橋で男橋と女橋の二本を渡ったり、人力でロープを手繰り寄せて対岸へ渡る「野猿」を楽しみました。

 

剣山は単純往復、さらに長い縦走路もありますが、奥祖谷二重かずら橋へ歩くトレイルが距離・時間もちょうど良く楽しめます!
なによりも、日本三大秘境に数えられる祖谷渓谷の中でもアクセスが悪く、中々訪れることのできない「奥祖谷二重かずら橋」を渡り登山口へゴールして遊べるのがとても素晴らしいです。

 

■四国最高峰・石鎚山登頂
土小屋白石ロッジより片道4.6km歩き山頂の弥山(1982m)を目指します。道中、木道があったり、石段だったり、休憩ベンチがあったりと、全体によく整備されている登山道のためとても歩きやすいルートです。西条側から登る成就社コースとは二ノ鎖の下で合流しました。この後、石鎚登山の象徴的存在の鎖場が現れます。鎖場は垂直で危険なので巻き道(迂回路)を歩きます。

※鎖場は回避して整備されたトレイルを歩けます

山頂に近づくと急登になりますが、階段が設置されているので安全に登れます。ちなみに、この山を登る時、すれ違いざまに「お上りさん」、下山の人には「お下りさん」と声を掛けながら歩きます。

 

頂上社のある弥山が信仰登山の山頂です。

 

山頂からは、天狗岳、道後平野、瀬戸内の島々など美しい景色が広がります。四国最高地点から眺める山深い四国の絶景には心打れるものがありますね。

 

7月は剣山のキレンゲショウマ、8月は横倉山のコオロギラン、10月は剣山と石鎚山で紅葉を楽しめる季節です。各シーズン楽しめますので是非、訪れてみてほしい山々です。

宮尾登美子さんの小説「天涯の花」で有名になったキレンゲショウマ(7月後半)

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蝦夷富士と呼ばれるコニーデ型の秀峰・羊蹄山がシンボルの北海道・道央に位置するニセコ。冬のスキーリゾートとして世界的にも有名ですが、グリーンシーズンにはトレッキングコースが縦横に延びて、遊歩道も整備されています。かつての火山活動の歴史からニセコ連峰の火山帯が、そして周囲に湿原や湖沼が生まれました。コンパクトな山域内では泉質の異なる数多くの温泉が湧出していて、温泉も楽しむことが出来ます。縦走トレッキングや羊蹄山登山など、大自然を存分に楽しむニセコツアーをご紹介します。

羊蹄山の雄姿(以下全ての写真は2020年9月のもの)

 

■ニセコ縦走トレッキング

インフォメーションセンターのある五色温泉(750m)からスタートです。

樹林帯の中、階段を行く

歩き出して振り返ると五色温泉が眼下となり、右手にはニセコ連峰最高峰のニセコアンヌプリ(1308m)が大きくそびえています。本日は反対側の西、イワオヌプリ方面への縦走コースです。

ガレ場の登りがスタート

ガレ場の登りからザレ場となり、イワオヌプリ(硫黄山1116m)山頂に到着です。

イワオヌプリ山頂

エゾオヤマノリンドウ

活火山による特異な植生

これから向かう大沼、その先は岩内港(日本海)。

再びガレ場を下り、分岐からは硫黄鉱山跡へとどんどん下って行きます。硫黄鉱山跡は明治時代に本格的な硫黄の採掘が始まりました。最盛期には200人程の集落があり、学校や病院など、当時としては倶知安よりも大きな町が形成されていましたが、昭和12年(1937年)に閉山しました。

かつて集落があった硫黄鉱山跡

大沼に到着。硫黄を岩内港へ運ぶ際の馬の飲み水場として、かつての「硫黄の道」とも言えるクラシックルートを辿ります。

大谷地湿原に出ました。木道が整備されていて、希少種のフサスギナが自生する貴重な湿原です。

自生するフサスギナ

大谷地湿原全景

再びトレイルへと入り、最終目的地の神仙沼に到着です。沼にはここ共和町の花であるミツガシワがびっしり。7月に白い花を咲かせます。

高層湿原に池塘が点在する景色を駐車場まで歩き、縦走トレッキングが終了しました。

 

 

■羊蹄山登山

早朝から出発し、羊蹄山登山へ。この日は雨予報のため、お鉢歩きが比較的少ない「京極コース」から山頂を目指しました。

ホテルの朝食BOX

羊蹄山に登るには、倶知安コース、京極コース、真狩コース、喜茂別コースの4種類があり、どのコースも所要時間はほぼ同じです。

駐車場から畑道を10分程歩くと登山道に入ります。まずはクマザサ(チシマザサ、クマイザサ)の洗礼。整備されていますが狭いトレイルに背丈以上のクマザサが覆いかぶさるように茂っており、かき分けながら登りました。足元はぬかるんでおり、岩や木の根っこで滑りやすく、急登も随所に。神経を使いながらの登りが続きます。

クマザサの中を歩く

大木をくぐったり

滑りやすい足元。それでも雲の切れ間からは麓の畑のパッチワークが見え、ダケカンバやオオカメノキなどの樹林帯、紅葉の時期には赤く染まるウラジロナナカマドの赤い実なども心癒してくれます。

ウラジロナナカマドの赤い実

8合目を過ぎると、森林限界となり、低木帯へ。岩場も出てくるようになります。5合目を過ぎてからは雨具を着用していましたが、風が吹き抜けだして寒さも感じるようになってきました。登りは続きますが、山頂はもうすぐです。

ガスに包まれる中9合目を過ぎ、歩き出しからは約5時間、頭上にさえぎるものがなくなり、お鉢に到着。目の前には直径700mの大火口、父釜が・・広がっているはずでしたがガスで真っ白に包まれていました。皆様には心の目で・・しかと見ていただきました。

お鉢から父釜を・・臨めませんでした

日本百名山・羊蹄山(1898m)登頂、おめでとうございます。

分岐を再び京極コースへと下り、風の遮られる9合目にてお昼休憩、9合目から麓まではおよそ3時間半から4時間の道のりでした。

登山道を終えて畑道を歩く

羊蹄山を振り返ります

快適なホテルに戻り、温泉と夕食。アンヌプリ温泉の湯がお身体に深く深~く染み渡ったことと思います。

 

■ニセコの花々

エゾアジサイ

ギンリョウソウ

ツクバネソウ

色づくヤマドリゼンマイ

ウメバチソウ

ホロムイイチゴの葉とムラサキゴケ

 

四季の風景にはそれぞれの魅力があり、季節を変えていつでも訪れていただきたいニセコですが、トレッキングを存分に楽しめる夏~秋のツアーはその魅力を十分に満喫していただけることでしょう。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

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