月の山ルウェンゾリ周遊トレッキングと最高峰マルゲリータ峰(5,109m)登頂 【その2】
- コンゴ民主共和国
2020.10.08 update
マルゲリータ峰の頂へ
深夜2時45分起床。小屋内の気温は1℃と予想を上回る温かさです。4時16分、登攀用具を身につけヘッドランプの灯りを頼りに出発。まずは簡単な岩場をホールドを探しながら慎重に登っていきます。雨や雪が降らず、岩が乾いていたことは幸いでした。岩場終着点となる東スタンリー氷河への取り付きから、ロープで互いを確保しあい、登山靴の靴底にはアイゼンを装着。約30分かけて、緩やかに登っていきます。ここで目指すマルゲリータ峰の隣峰アレクサンドラ峰(5091m)から延びている尾根の岩場に降り立ち、下って登ってを約1時間。残念ながら日の出は拝めず、濃くなってくるガスの中を我慢強く歩みを進めます。
そしていよいよ核心部にあたるマルゲリータ氷河の登攀に差し掛かります。取り付いてから数百メートル、氷の状態はカリンカリンですがアイゼンの前爪がしっかりと刺さります。きっちりとロープを張りながら、上部を目指す緊張感のある登攀が続きます。氷河の中盤より斜面が緩やかにはなりますが、忍耐力が試されます。頂上や周りの景色が見えていればメンタル面で支えになったのでしょうが、引き続きガスの中。それでも何とか氷河を登りきり、最後の岩場へ。不必要な重い装備は全てデポして、標高5000mを超える希薄な酸素の中、ラストスパートです。
11時10分頃、先頭集団から最後の方まで約5分の開きはありましたが、登頂を果たしました。そして偶然にも幸運の女神が降臨したのか、登頂のタイミングで空が晴れ渡りました。コンゴ民主共和国との国境、マルゲリータ峰の頂にて、感無量の瞬間でした。
下山中、何度も振り返りながら見た崇高な山の頂。苦労してたどり着いた先には、ただただ達成感という一言では決して片付けられない何かがありました。
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ナイル川源流を求めて 原生林に覆われた神秘の山域をゆく.。周遊ルートでルウェンゾリ山地の変化に富んだ大自然を満喫。8日目は「マルゲリータ峰登頂」または「氷河展望トレッキング」より選べます。