北海道・ニセコトレッキングの魅力
- 日本
2021.07.01 update
蝦夷富士と呼ばれるコニーデ型の秀峰・羊蹄山がシンボルの北海道・道央に位置するニセコ。冬のスキーリゾートとして世界的にも有名ですが、グリーンシーズンにはトレッキングコースが縦横に延びて、遊歩道も整備されています。かつての火山活動の歴史からニセコ連峰の火山帯が、そして周囲に湿原や湖沼が生まれました。コンパクトな山域内では泉質の異なる数多くの温泉が湧出していて、温泉も楽しむことが出来ます。縦走トレッキングや羊蹄山登山など、大自然を存分に楽しむニセコツアーをご紹介します。
羊蹄山の雄姿(以下全ての写真は2020年9月のもの)
■ニセコ縦走トレッキング
インフォメーションセンターのある五色温泉(750m)からスタートです。
樹林帯の中、階段を行く
歩き出して振り返ると五色温泉が眼下となり、右手にはニセコ連峰最高峰のニセコアンヌプリ(1308m)が大きくそびえています。本日は反対側の西、イワオヌプリ方面への縦走コースです。
ガレ場の登りがスタート
ガレ場の登りからザレ場となり、イワオヌプリ(硫黄山1116m)山頂に到着です。
イワオヌプリ山頂
エゾオヤマノリンドウ
活火山による特異な植生
これから向かう大沼、その先は岩内港(日本海)。
再びガレ場を下り、分岐からは硫黄鉱山跡へとどんどん下って行きます。硫黄鉱山跡は明治時代に本格的な硫黄の採掘が始まりました。最盛期には200人程の集落があり、学校や病院など、当時としては倶知安よりも大きな町が形成されていましたが、昭和12年(1937年)に閉山しました。
かつて集落があった硫黄鉱山跡
大沼に到着。硫黄を岩内港へ運ぶ際の馬の飲み水場として、かつての「硫黄の道」とも言えるクラシックルートを辿ります。
大谷地湿原に出ました。木道が整備されていて、希少種のフサスギナが自生する貴重な湿原です。
自生するフサスギナ
大谷地湿原全景
再びトレイルへと入り、最終目的地の神仙沼に到着です。沼にはここ共和町の花であるミツガシワがびっしり。7月に白い花を咲かせます。
高層湿原に池塘が点在する景色を駐車場まで歩き、縦走トレッキングが終了しました。
■羊蹄山登山
早朝から出発し、羊蹄山登山へ。この日は雨予報のため、お鉢歩きが比較的少ない「京極コース」から山頂を目指しました。
ホテルの朝食BOX
羊蹄山に登るには、倶知安コース、京極コース、真狩コース、喜茂別コースの4種類があり、どのコースも所要時間はほぼ同じです。
駐車場から畑道を10分程歩くと登山道に入ります。まずはクマザサ(チシマザサ、クマイザサ)の洗礼。整備されていますが狭いトレイルに背丈以上のクマザサが覆いかぶさるように茂っており、かき分けながら登りました。足元はぬかるんでおり、岩や木の根っこで滑りやすく、急登も随所に。神経を使いながらの登りが続きます。
クマザサの中を歩く
大木をくぐったり
滑りやすい足元。それでも雲の切れ間からは麓の畑のパッチワークが見え、ダケカンバやオオカメノキなどの樹林帯、紅葉の時期には赤く染まるウラジロナナカマドの赤い実なども心癒してくれます。
ウラジロナナカマドの赤い実
8合目を過ぎると、森林限界となり、低木帯へ。岩場も出てくるようになります。5合目を過ぎてからは雨具を着用していましたが、風が吹き抜けだして寒さも感じるようになってきました。登りは続きますが、山頂はもうすぐです。
ガスに包まれる中9合目を過ぎ、歩き出しからは約5時間、頭上にさえぎるものがなくなり、お鉢に到着。目の前には直径700mの大火口、父釜が・・広がっているはずでしたがガスで真っ白に包まれていました。皆様には心の目で・・しかと見ていただきました。
お鉢から父釜を・・臨めませんでした
日本百名山・羊蹄山(1898m)登頂、おめでとうございます。
分岐を再び京極コースへと下り、風の遮られる9合目にてお昼休憩、9合目から麓まではおよそ3時間半から4時間の道のりでした。
登山道を終えて畑道を歩く
羊蹄山を振り返ります
快適なホテルに戻り、温泉と夕食。アンヌプリ温泉の湯がお身体に深く深~く染み渡ったことと思います。
■ニセコの花々
エゾアジサイ
ギンリョウソウ
ツクバネソウ
色づくヤマドリゼンマイ
ウメバチソウ
ホロムイイチゴの葉とムラサキゴケ
四季の風景にはそれぞれの魅力があり、季節を変えていつでも訪れていただきたいニセコですが、トレッキングを存分に楽しめる夏~秋のツアーはその魅力を十分に満喫していただけることでしょう。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。