六甲全山縦走56km パート② 鵯越~宝塚
- 日本
2021.02.25 update
さて、パート②は一気に終点・歌劇の街、宝塚までの行程をご案内いたします。
鵯越駅から、朝の気持ちのいい時間帯、小鳥がさえずる木漏れ日の中、森を歩きます。その先の下水処理場から前方には、菊水山(459m)の頂上に立つ電波塔が見えます。
菊水山の山名は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した天才指揮官(武将)の楠木正成の家紋(菊水)が生誕(1935年)祭600年に山腹の若松に掘られたことが由来。ひたすら急で直登の階段が続きます。辛抱強くペースを乱さずジリジリと登ります。頂上手前から視界が開け、神戸の港景色をご堪能いただけます。
登頂後、一気に天王吊橋まで下り、登り返して鉄塔の真下をくぐり、鍋蓋山(486m)へ。頂上からの景色も格別です。
一息ついた後、30分下ると立派な大龍寺があります。付近にある再度山(ふたたびさん)は、空海が唐に渡る直前と帰国直後の2度、この寺に参詣したことが由来です。大きな山門が、ランドマークです。
そこからさらに30分下ると市ケ原。清流が流れ、キャンプ場としても活気があります。ここから一気に標高をあげ摩耶山(698m)への核心部の長い登り(約2~2.5時間)。かつての山伏が天狗に見えたことから名がついた天狗道を登ります。
摩耶山は、かつて空海が摩耶夫人を安置したことが山名の由来です。摩耶山山頂には、三等三角点が有ります。日本三大夜景として有名な掬星台(きくせいだい)とは別の所にあり、意外と立ち寄っていない方がいる様です。
待ちに待った掬星台からは今までとは比べものにならない絶景が広がります。昼も夜(見える範囲の月間電気代が1000万ドル!)もウットリする神戸の景色。
摩耶山からは、幹線舗装道路に沿ってジグザグについた比較的緩やかな道を進みます。上高地の大正池に類似していて命名された穂高湖や、あごが膝につくくらいに辛い(とされる)アゴニー坂、明治初期に氷を切り出していた三国池を通っていきます。
六甲山の開祖と呼ばれるA.H.グルームさんの像やビジターセンターのある記念碑台、日本三古湯のひとつ有馬温泉へのロープウェー発着地ガーデンテラスを経て、
いよいよ六甲山系の最高地点、六甲山(931m)の山頂へ。
第二次世界大戦中は、港湾都市・神戸の防衛に日本陸軍の高射砲陣地が設けらたそう。その後約半世紀間、近畿地方唯一の在日米軍施設の通信基地となり、今は、小規模な自衛隊六甲無人通信中継所施設が置かれています。
以降、宝塚まで東六甲縦走路に入ります。概ね下りが多いルートで、距離にして13.6km、4~4.5時間の行程です。疲労も蓄積してくる中、転倒に気を付けながらゴールを目指します。眼下に西宮のシンボルである甲山(309m)が見えてきて、歌劇の街、宝塚が近づきます。
山道は、塩尾寺で終了。
ここから更に舗装道の急な下りが宝塚駅まで続きますが、あとひと踏ん張り。武庫川にかかる橋を渡って、ゴールです!
疲労感とともに達成感が残り、将来の長時間山行に対する自信がつきます。是非、トレーニングという意味合いでも奮ってお越しください!