八丈島 ネイチャーハイキング
- 日本
2021.03.25 update
今回は、東京諸島の八丈島のご紹介です。
2020年の8月と11月にツアーで八丈島を訪れました。東京都でありながら近いようで遠い八丈島は、飛行機であれば羽田から約1時間、船を利用すると約10時間かかります。ただし、10時間と聞くと長い印象ですが、夜に出港して次の日の朝に到着するので、寝ている間に八丈島に到着することができます。のんびり海を眺めたり、ゆったり時間を過ごすのが好きな方はあえて船を利用する方も多いくらいです。都会の喧騒から抜け出し、ゆったり島時間の世界に向けて気持ちを移行する時間と言えるでしょう。
◆三原山(701m)
八丈富士の森は1万年に対して、三原山の森は10万年といわれています。それだけ森が深く、火山活動も重なり複雑な地形を織りなしています。三原山の尾根からは八丈富士や海に浮かんだ八丈小島が見渡せます。富士山の様に山頂から裾野まで綺麗な独立峰・八丈富士の壮美な山容をお楽しみいただけます。
はじめはコンクリートの坂道を登ります。車道なので道幅は広く、いい感じの斜度なので体がすぐに温まりました。しばらく登ると鉄塔へ。ここから八丈富士、八丈島小島が見渡せました。写真に人工物が入りにくいので撮影スポットです。体が温まったところで階段の登山道がはじまります。登山道といっても三原山にはNTTの電波塔や無線基地局、NHKのアンテナなどがあり、それを点検する人が通る林道や道が最初に作られ、その道を登山者が使っている状況です。約30分程で階段終了。階段の道は人が1人通れる幅で、両側は背丈以上の木々が生い茂るので風がなく、湿度の高い道、5分もしないうちに汗がじわじわ出てきました。階段終わって土の道になると幅が広くなり、空も見えてて明るくなります。
土の登りは5分もしないうちに尾根に出て、稜線歩きとなります。右側は崖なので注意です。海が綺麗に見えるし八丈富士も見えて最高の展望。尾根の稜線を20分ほど進と無線の中継所を経由して頂上へ。
通常であれば同じ道を戻って下山となりますが、頂上付近から林道を歩いて三原山の最深部へ進み、そのままポットホールへと下りていきます。この林道は一見単調ですが、分岐から林道をそれて登山道をポットホールへ向かう道はなかなか奥深い森が迎えてくれます。歩きごたえ、見ごえがあります。
◆ポットホール(=甌穴)
日本国内でも地質学的に珍しい甌穴(おうけつ)群をご覧いただけます。長い年月をかけて形成されたポットホール=甌穴群は苔の生えた美しい沢に点在しています。
段差のある登山道を下ります。粘土質なので滑る箇所あり、慎重に降りていきます。奥深い三原山の森をゆっくり海に向かって歩くので、時折海がちらつきます。急な下りが終わると、平坦なトラバースを越えると、そこはもうポットホールの上部です。露出した岩は滑りやすくなっているので、足元に注意しながら歩き、小さな小川を横目にポットホール、甌穴群をご覧いただきます。ポットホールの下部に来ると林道に合流します。
◆みはらしの湯
ポットホールからみはらしの湯へ。末吉地区にあるみはらしの湯は高台の絶壁の上にあり、大海原を眺めながら温泉に入ることができます。まさに絶景の温泉。八丈島で一番人気のある温泉がここみはらしの湯です。
◆八丈富士(854m)
東京諸島最高峰の八丈富士は、7合目からよく整備された階段を登り稜線を目指します。この火口の稜線をさらに進と頂上時に到達です。1605年以来活動を停止している火山で、火口を一周するお鉢めぐりが有名です。お鉢めぐりは大海原や中央火口丘を眺めることができ絶景を見渡すことができます。空も近く最高の稜線歩きです。
山頂部分は冬の期間を覗いてガスに覆われていることが多い山ですが、今回は雲ひとつない快晴です。三原山の様に最初は階段が続きます。三原山と比べて空が開いており、風が通って気持ちよいです。一時間ほど階段が続くので疲れたら、ちょこちょこ後ろを振り返ると、フェリーが到着する底土港や空港、三原山などが見渡せて疲れを忘れることができます。
よやく稜線に到着すると火口を一気に見渡すことができます。ちょうどお腹も減ってきたので、この稜線でランチタイム。海と火口を見ながら美味しくいただきました。
ランチ後はいよいよ登頂とお鉢です。頂上までの稜線は、道幅が細いところや手をついて岩を歩くところもあり少々ワイルド。慎重に進み登頂です。ここからは道も歩きやすくなり、ぐるりとお鉢めぐりを楽しみます。八丈小島が近づいたり、中央火口の丘が角度によって異なる表情を楽しみながら歩きます。お鉢巡りが終わったら最後に浅間神社へお参りをしました。下山後は、ふれあい牧場でジャージー牛乳を飲んだり、アイスクリームを食べて八丈島を存分に満喫しました。
◆大里の玉石垣
八丈島ならではの風景といえば陣屋跡の大里地区の玉石垣は外せません。流人の島として有名な八丈島に流された流人が、海岸から一つづつ玉石を運んだと言われています。暴風雨の多い八丈島は、雨や風から住居を守るために、玉石を敷き詰めた石垣を作り、その上に常緑広葉樹林を植えて防風林を作っていました。一つの石の周りには六つの石が積まれているため、六方積みと呼ばれています。どれも同じくらいの大きさの玉石が見事なほど綺麗に積まれている様子は息を呑むほどです。
◆南原千畳敷
八丈小島が間近に見渡せる南原千畳敷は、八丈富士が噴火して溶岩が海まで流れ、固まってできたと言われています。長さは500m、幅は100mあり千畳以上の広さがあります。ゴツゴツした溶岩と隙間から生えた緑の植物と打ち寄せる波しぶきが綺麗な場所です。おすすめの時間帯は夕方。八丈小島に太陽が沈み、海と空がオレンジ色に染まる南原千畳敷の景色は島のゆったり時間を存分に味わえます。