「エベレスト街道パノラマビュートレッキング 名峰ひしめく好展望地を訪ねて」は本当にパノラマビューなのか【その1】
- ネパール
2022.05.13 update
言わずと知れた世界最高峰エベレスト(8,848m)。誰もが人生で一度は、ご自身の眼で見てみたい山でしょう。
眺めるもよし、撮るもよし、描くもよし。登頂ルート同様に、展望ルートもアクセスはネパール側かチベット側です。大きな違いは、歩いて近付くか(ネパール)、歩かずに近付くか(チベット)。歩ける方は、歩いた方が(苦労をした方が)感動もひとしおです。今回は、モンスーン期を除く10月~5月がシーズンにあたるネパール側の展望トレッキング(初級者レベル)に焦点を当てます。
「エベレスト街道パノラマビュートレッキング」のコースは、6泊7日(トレッキング期間)、最高宿泊高度は3,867m、最高到達地点は4,239mです。「富士山(3,776m)にさえ登ったこともなく、長期海外トレッキングも初めてなので、怖くて行けない…」といった声が聞こえてきそうです。回答は、「ハードルを高く考え過ぎないでほしい!」です。
第1の理由は、標高です。
登山難易度=標高と考えられがちですが、必ずしも比例するとは限りません。実際、日本では最高峰の富士山より難しい山は多くあります。そして、1日における体力消耗度は富士山(1泊2日)よりも小さく歩くことが可能です。
第2に、ルートです。エベレスト街道のルートはそこに暮らす山麓民族の生活道にもなっています。整備されていることに加え、村から村へと風景は常に移り変わります。露店やレストラン、畑や家畜に囲まれて、登っているという感覚すら時に忘れさせてくれる気分転換を含めた新しい発見の連続です。
第3は、サービスです。ネパールでは運搬サービスが充実していて、かつ雇用も産み出しているためにWin/Winの関係が築かれています。運搬方法は、動物であったり、屈強な人々(時に女性も!)であったり。その日を歩き通すのに必要な荷物のみお持ちいただき、
歩くことが可能です(寝袋等は預けましょう)。
更に、山岳観光産業国でもあるため、ロッジや専属コックが提供する食事の質も各国のトレッカーに合わせて向上しており、体調管理しやすい環境も整っています。真面目で懇切丁寧な現地スタッフの姿勢には驚かれる方が多く、励まされたり交流を楽しみながら歩けることも魅力です。
とはいえ、現実として酸素は薄くなり気圧は低くなるので、高所順応が必要となります。しかし、水分を失わない様な汗をかかない歩き方、酸素を効率よく取り入れる呼吸法、宿泊地での過ごし方、ストレスを感じさせない雰囲気づくり等、添乗員や現地スタッフがひとつひとつ丁寧にご案内させていただきます。ご自身が高度障害(頭痛や吐き気等)で後々苦しまないためにも、序盤からきっちり順守いただければ大丈夫です。
さて、前置きが長くなりましたが、
次回、【その2】では本題、山の展望について触れて参ります。