アンナプルナ周遊 裏銀座ルートを歩く アンナプルナ&ダウラギリ二大山群展望トレッキング
- ネパール
2022.07.04 update
アンナプルナとダウラギリの8,000m峰を2座どちらも望みたい。
人が集まるところはできるだけ避けて、静かなヒマラヤを味わいたい。
そんな方々にご紹介したい西遊旅行が名付ける”アンナプルナ裏銀座ルート”をご紹介いたします。
まずはネパールに入国後、空路ポカラへ。
■トレッキング1日目
専用車でガンドルンに到着したら、トレッキング開始です。
初日は、ネパールのマッターホルンとも称されるマチャプチャレ(6,993m)の姿や、頭上をはるかに越えて育つ、力強いシャクナゲ林を楽しみます。
そしてタダパニ(2,595m)に宿泊。ここまでは、20世紀のヒマラヤ登山ブームが始まった頃から愛される不動の人気ルートです。
■トレッキング2日目
翌日からはルートを北西に外れます。人気は一気に少なくなり、静かな山道をほとんど独り占めです。
だんだん近づくアンナプルナ・サウス(7,219m)にヒウンチュリ(6,441m)、やや離れてマチャプチャレを、時々林道が開けた場所から眺めつつ、ゆっくり高度を上げてドバト(3,426m)へ向かいます。
森林限界に近づき、周囲を覆う枝葉が少なくなった頃、本日宿泊する小さなロッジに到着しました。訪問者が少ない分、こちらのコースではロッジの数が1、2件しかなく部屋数も多くありません。しかし、ここはダイニングの窓から見る風景が素晴らしいのです。
アンナプルナ・サウスが目の前に聳え、明日以降の進行方向を望むと、その先にダウラギリの白い山稜も目に入ります。室内で暖かい飲み物を飲みながら、たっぷり風景を味わう寛ぎの時間となります。
■トレッキング3日目
早朝、林道を抜けてロッジの後ろの丘に上がります。短い距離なので身軽にいけます。
着いた場所の名は、ムルダイピーク(3,637m)。360度の展望を誇り、ダウラギリ山群を始めアンナプルナや、マチャプチャレまで一切の遮るものなく見渡せます。ダウラギリの展望地として知られるプーンヒル(3,193m)も遠く見下ろせる位置にあります。
朝焼けを堪能したら、ロッジに戻り朝食を摂ります。おかゆやお味噌汁を食べて身体を温め、今度は西のシスティバン(2,950m)へ。東に聳えるマチャプチャレは、ポカラに戻るまで見納めとなります。
この日は総合的に標高を下げますが、ただ下るのではなくアップダウンが何度か続きます。その間、前半に比べて樹高が低くなったシャクナゲの木々の間を抜けることもあり、春であれば目の高さにシャクナゲの花を楽しむことができます。
谷を歩くことが多いネパールのコースでは珍しく、尾根上を通る箇所もあるので、林道に尾根道と変化に富んでトレッカーを飽きさせません。
■トレッキング4日目
ハイライトのコプラダンダ(3,660m)へ。ロッジの裏手に周ってしばらく歩くと、南斜面の急登に取り付きます。
登っていくうちにイエロ―ポピーの群生が現れます。ただし、花期は6月を過ぎた雨季のシーズンになるので、今回のようなトレッキングシーズンに見られるのは苗状態のものだけでした。
苗の葉だけでも高山植物特有の産毛(トライコーム)でびっしり覆われていて立派なのですが、花が咲く頃には、一面美しい風景となるのでしょう。この辺りからは、ヤクも時々現れるので「ヤクとシャクナゲ」ならぬ「ヤクとイエロ―ポピー」という組み合わせが見られたら素敵だろうなと妄想しました。
登りきったら、あとはトラバース道を辿っていきます。この時のポイントは眼下に広がるシャクナゲの森。このエリアでは春に大輪のシャクナゲが数多く咲き、まるでクリスマスツリーのような状態になることが有名です。タイミングが合えば、この道からは赤いシャクナゲの花をまるで絨毯が織られたように望めることでしょう。
そんな想像をしつつトラバースを続けていくと、次第に進行方向にダウラギリ山群が現れます。南に延びる裾から中心にかけて、徐々に全体が見えるようになり、広い空間に出たところで、バーンっと巨大な主峰(ダウラギリⅠ峰 8,167m)がお出ましとなります!
また、ここでは反対の北側の景色も望むことができます。現れるのはニルギリ山群、そして間近に迫るアンナプルナⅠ峰(南西面)とアンナプルナサウスです。
何とも素晴らしい展望地であり、可能であれば何時間もここに滞在したくなることでしょう。ずばりそれは可能です。なんとこの場所こそが今夜から2連泊するコプラダンダなのです。
夕焼けに染まるアンナプルナ、朝焼けに染まるダウラギリ。皆様にはたっぷりとヒマラヤの巨峰が色づいていく様を味わっていただきました。
■トレッキング5日目
カヤール湖および、アンナプルナの聳える方向に向かって、見晴らしの良い尾根道を歩きます。ちょうど良いところで引き返します。
■トレッキング6日目
トレッキング最終日。始めはダウラギリを正面に拝みながら、ゆるやかに南西尾根を下り、その後勾配の大きな山道を一気に下ります。チョウタラ(石のベンチのようになった休憩箇所)が次々と出てくるので、時々休みつつパウドワールへ。
最後は穏やかな里山風景を楽しみつつゴールです。ジープでタダパニまで移動しましたら、現地の温泉にて6日間の疲れを落としていただきました。
あらためて、ヒマラヤの良さが凝縮された良いコースだと思いました。