はじめての冬山
黒斑山登頂と絶景広がる雲上の宿
- 日本
2021.12.06 update
2021年2月に同行させていただいた“はじめての冬山”に適したお勧めコースの様子をレポートいたします。
集合場所はJR佐久平駅。晴天が続きそうで幸先の良いスタートです。早速、駅からは浅間山(2,568m)と剣ヶ峰、黒斑山(2,404m)が顔を覗かせてくれました。
さて、まずは当ツアーで泊まるユニークで心地よい温泉宿(高峰温泉)の様子をご紹介。
■高峰温泉
雲上の世界、標高2,000mにあるランプの宿です。
明治初期に地元農家の方が涌き出る温泉を発見して以降、水害や土砂崩れ、火災に見舞われながらも先代の方々が根気強く事業を継続し、現在に至ります。
館内からすべての洗剤類を無くし、水だけで汚れを落とせる創生水を使用していて、この水は活性水素を多く含み、還元力があり、身体も環境もより良くするお水です。
内風呂もそうですが、特に絶景の解放感を味わえる露天風呂には、心身ともに大層癒されました。
温泉のみならず、地元山の幸を使った美味しいお料理や、宿主催のイベント(星空観望会、温泉療養講座、高峰温泉の歴史解説、野鳥観察会)も満足感が非常に高く、ゆったりした滞在をもって魅力が倍増します。
次に、当ツアーで登る2座についてご紹介。
■黒斑山(くろふやま;2,404m)
約2.8万年前の岩屑なだれの発生により形成されたとみられる東に開いた馬蹄形カルデラです。
カルデラ形成以前は現在の湯の平付近に中心火道を持つおよそ2,800mの富士山型の成層火山であったと考えられています。
時期によりますが、昨2月はルートが凍っていたこともあり軽アイゼンを装着して登山開始(スノーシューで登ることもございます)。表コース(2.9km)で登り、中コース(2.6km)で下ってきます。標高差約400m。車坂峠(標高1,973m)に建つホテルのすぐ近くが登山口。長野県小諸市と群馬県嬬恋村の県境かつ分水嶺にもなっている地点です。
登り出してすぐの車坂山を越え、一度下ります。その後、登り返して視界が開けたところが丁度良いビューポイント!
休憩をとりつつ、引き続きカラマツの樹林帯を登っていきます。※浅間山はシラビソやオオシラビソを中心とした亜高山帯の自然植生を残し、その周辺にカラマツの天然林が広がり、野生の動物が多数生息しています。その中でも、イヌワシやツキノワグマなどの生息地として重要であることから国指定浅間鳥獣保護区(大規模生息地)に指定されています。
ようやく東側に浅間山(2,568m)が見えたころ、避難壕を経て、槍ヶ鞘(又は赤ゾレの頭)に到着。眼前にはばっちりと浅間山が綺麗に見えました!
そこから一度下り、急坂を登り返すとトーミの頭に到着。
さらにそこから約20分登り続け、火山活動を監視するライブカメラの立つ脇を通ると黒斑山の頂上へ!晴天だったこともあり、たくさんの登山客で賑わっていました。東京大学地震研究所等により365日24時間の観測が行われているようで、この日の危険レベルは低目だったので、安心して展望を楽しむことができました。
お弁当を食べている間、我々スタッフはCAFÉを設営。バレンタインデーだったこともあり、ブラウニー、チョコ、マシュマロ、TeaやCoffeeを準備させてもらいました。好評だった様で何よりです♪
復路はトーミの頭を過ぎた地点を右折して、中コース(起伏は無)をひたすらに下りました。
■水ノ塔山(みずのとやま;2,202m)
朝7時の外気温はマイナス3.7℃。快晴。高峰温泉の宿から、スノーシューで往復同ルート2.7kmの道のりです。標高差約200m。出発前、ガイドよりスノーシュー、ストックなど基本操作についてのレクチャーです。
いざ出発!スキー場横からスタートするので若者向けBGMとともに登り出しますが、意外なことに気分は高揚していきました!
登り切ったところから南側に八ヶ岳、その右手(西側)に中央アルプスを展望!すぐに一度下って、登り返します。慣れないスノーシュー歩きでは下りが意外と難しく、視線の位置を大切に(下ではなく前!)、重たい頭の重心を整え、結果腰がひけることもなく、良いバランスで歩いていきます。
標高をあげるにつれ、中央アルプスの北側に北アルプスが見えてきました。素晴らしい!火山岩が時折顔を出してくれています。岩や木の周りは雪が不安定になっていて、ツリーホールと呼ばれる穴が開いていたり、急に落ちたりするので注意が必要です。
頂上手前の森林ルートに入り、少し藪漕ぎを強いられましたが、無事登頂!360℃のパノラマビューです!
我々スタッフは素早くスコップで皆様の足場を作ったり、ティータイムの準備。のんびりとお弁当を食べて、景色を堪能し、ゆったりとした時間を過ごしました。
宿も山も展望も透き通った空気も、この時期ならではの魅力が凝縮されています。何より、軽アイゼンやスノーシューを使ったことがない、冬山はハードルが高く恐れ多くて一歩踏み出せない、なんて方々には最適なコースです。冬山の魅力を新発見、山の楽しみ方を再発見、そんなコースです。是非、お問合せください。