8島巡る五島列島!北から南へ大縦断③福江島
- 日本
2021.06.10 update
五島列島ツアー、最後に訪問する島は福江島です。
福江島
列島のなかで南西端に位置しており、一番大きな面積・人口を有する島です。島内には福江空港、長崎、福岡からのフェリー航路もあり、本島からのアクセスも比較的容易です。
福江島での旅のキーワードは様々で、キリシタン、遣唐使、大陸との文化的交流、五島藩、とバラエティに富んでいます。また自然景観も大変美しく見どころ満載となっており、海水浴や登山等のアクティビティも楽しめます。鬼岳のふもとには天然温泉も!
福江島1日目。まずは堂崎教会へ。この日は天気も良く、赤レンガの色と青空の組み合わせがとても綺麗でした。
禁教令が解かれたのち、五島キリシタン復興の任を帯びて五島を訪れ布教にあたったのが、フランス人宣教師フレノー、マルマン両神父です。堂崎教会は、1879年にマルマン神父によって、五島における最初の天主堂(木造)として建てられました。その後、ペルー神父によって1908年に、現在のレンガ造りの教会堂が完成しました。
建築の際には資材の一部がイタリアから運ばれ、内部は木造ですが色ガラス窓、コーモリ天井などの教会堂建築の特徴を取り入れたものとなっています。現在は、教会としての機能はなく、弾圧の歴史や資料を展示する資料館として、一般公開されています。1974年に、県の有形文化財(建造物)の指定を受けました。
堂崎教会の内部には様々な展示物が安置されていますが、特に日本二十六聖人の一人で五島出身の聖ヨハネ五島の骨の一部、そして、お掛け絵が印象に残っています。当時は文盲の農民層への布教活動が多かったため、内容が分かりやすい掛け軸を刷り、それを持って布教に回ったそうです。当時、多宗教の共存などはあり得なかった時期ではありますが、家に仏壇があると地獄に行くという内容の掛け軸はかなりおどろおどろしく仕上がっておりました(教会内は写真撮影が禁止ですので、ぜひ現地で実物をご覧ください)。
三井楽町方面へ。ここには、「辞本涯の碑」が立ちます。辞本涯の碑は、遣唐使にゆかりのある五島市三井楽町と、第16次遣唐使船(804年)で唐に渡った僧空海と深くかかわりのあることを広く紹介し、その偉徳を顕彰するために建立されました。姫島を背に「辞本涯」(日本のさいはてを去るの意)と刻まれています。
当時の航海技術では決して楽天的に楽しめる航海ではなく、覚悟と決意が必要であったことは想像に難くありません。決死の覚悟で出発した当時の遣唐使たちの思いを、追体験できる場所です。なお近くには「遣唐使ふるさと館」という道の駅があり、こちらでは遣唐使にまつわる展示やシアター上映等が行われています。より詳しく遣唐使について知ることができます(食事も美味しいですよ!)。
道中、魚籃観音のポイントにて写真ストップ。ここからは、高浜海水浴場や頓泊海水浴場など素晴らしい海景色を楽しめます。高浜海水浴場は天然の海水浴場としては、日本でも指折りの美しさを誇る白砂の海浜。遠浅で、五島を代表する海水浴場です。シーズンにはたくさんの人で賑わうそうです。
大宝寺は、大宝元年(701年)震旦の国(現在の中国)より三論宗の祖師、道融和尚が来朝し弥勒山観音院大宝寺を開いたのが始まりです。その後大同元年(806年)、空海が帰朝の途、この地に滞在し大宝寺において本邦初めての真言密教を説き、真言宗に改宗したといわれています。別名「西の高野山」と呼ばれています。
五島家第30代盛公によって2年の歳月をかけて造られた隠殿「五島氏庭園隠殿屋敷・心字が池」。京都の僧・全正によって造られた庭園は金閣寺の丸池を模したもので、大変趣深く美しい庭園でした。心の文字を象った『心字が池』や樹齢800年以上と言われる楠の木、四季折々の植物なども庭園の見どころでした。
福江島のパンフレット等でよく見るのがこちらの大瀬崎灯台の写真。東シナ海に突き出したこの灯台からは、水平線をぐるっと見渡せます。灯台までは歩きで30分(帰りは登りなので40分)です。
灯台まで歩いて往復後、ビューポイントまで移動をして最後に沈む夕陽を眺めました。現在は与那国島が日本で一番最後に夕陽が沈む場所ですが、沖縄返還前までは、この場所が日本で最後に夕陽が沈む場所でした。
最後に、福江島での宿泊ホテルについてご紹介します。
ツアーでは、福江島唯一のリゾートホテル「五島コンカナ王国 ワイナリー&リゾート」に2連泊します。福江島のシンボルである鬼岳のふもとに建つリゾートホテルで、ホテルの露天風呂には、鉄分を含む赤褐色の色が特徴の鬼岳温泉が湧き、ゆっくりと旅の疲れを癒していただけます。
夕食は、五島でとれる旬の食材がたっぷり使われた会食をご用意。なお、敷地内にはワイナリーが併設されており、ブドウの栽培から醸造まで手掛けた純五島産のワインをお食事とともにお楽しみいただくこともできます。
以上、シリーズ3回に渡り長崎県・五島列島の島々を紹介いたしました。各島によって歴史、見どころ等が異なる五島列島の島々。地理的には隣り合わせで歴史的に関わり合ってきたにもかかわらず、各島によってこうも特色が異なる列島は、なかなか珍しいのではないでしょうか。
西遊旅行では、今回紹介した島々を一度に、かつ丁寧に巡るツアーを設定しております。五島の見どころ全てを、ゆっくりと縦断しながら余すところなく訪問します。キリシタン関係ではあまり注目されない宇久島、小値賀島を含め8島巡ることで、五島列島の成り立ちや歴史もより深く知ることができ、大変お勧めです。