秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

2020年夏に訪れた際の様子を中心に、道東で通年出会える野生動物を、西遊の知床ツアーの多くで訪れる場所ごとに紹介します。

野付半島

野付半島は、全長28kmの日本一長大な砂嘴(さし)です。細いところでは幅数十メートルしかありません。半島中央部から先に人家はなく、鮭の定置網の番屋が並んでいます。どこか浮世離れした感じがする場所ですが、トドワラ(トドマツの枯れ立ち)やナラワラ(ミズナラの枯れ立ち)があり、霧がかかると幻想的な雰囲気になります。冬はエゾジカの越冬地でもあります。

そんな野付半島には、キタキツネやエゾジカ、オジロワシなどを見ることができます。

私がここで一番よく見ることができたのはエゾジカです。

干潮時は水の上を歩いているかのような光景が見られることもあります。

北海道はお盆を過ぎると秋だとよく言われておりますが、エゾジカも8月後半になると灰色の冬毛が目立ち始めます。越冬に備えて本格的な冬になるまでに毛の生え変わりが行われます。

角が大きいと迫力がありますね~。この角も一年に一度生え変わります。

海岸沿いにはオジロワシが止まっていることがあります。なかなかイケメンですね。そ~っと近づこうとすると。。。

颯爽と飛び立たれてしまいました。羽を広げた姿もカッコイイですね。

春国岱

春国岱は根室市にある風連湖と根室湾を分ける3つの砂州で形成された湿地及び原生林です。別名「奇跡の島」と呼ばれ、数千年をかけて堆積した砂の上に、様々な植物が生い茂った手付かずの自然が残る場所です。遊歩道が整備されており、野鳥や渡り鳥の観察ができるようになっています。私が訪れた際はタンチョウの親子を見ることができました。

真ん中の幼鳥はまだ茶色い毛が残っています。

親鳥と一緒に飛ぶ練習をしていました。羽ばたきの練習を始めて3ヵ月程で飛べるようになると言われています。

夕時の風連湖

鷲の宿(羅臼町)

知床半島の羅臼町にある民宿。日本の天然記念物であると共に絶滅危惧種でもある、シマフクロウを観察することができる世界でも有数の宿。世界中のバードウォッチャーや写真家が集まり、観察小屋で日没後から長い時は夜明け近くまで粘り、シマフクロウを待ちます。長丁場を覚悟し私も三脚をセットしました。

待ち始めてから3時間ほど経ったでしょうか。わさわさと音がし、その大きな翼が見えたかと思うと、静かに川に降り立ちました。まさに「降臨」という感じ。

オショロコマという小さなサケを捕らえる様子も飄々としており、風格を感じます。

また鷲の宿がある羅臼町ですが、町を散策しているとキタキツネにも出会えました。

6月に出会ったキタキツネはちょうど毛の生え変わる時期だったのでしょうか、尻尾はまだ冬毛でした。

こちらはヒグマ観察のための瀬渡し船から見つけたキタキツネ。全体的にまだ冬毛で覆われていました。

海岸沿いで見つけたキタキツネ。獲物に噛みつく様子に「野生」を感じました。

今回通年見ることができる動物ということで紹介したエゾジカ、キタキツネ、オジロワシ、シマフクロウの他にも、道東には季節ごとに様々な動物を見ることができます。春から夏にかけては根室海峡のシャチやマッコウクジラ、イルカといった鯨類に瀬渡し船で観察できるヒグマ、冬はタンチョウの求愛ダンスやオオワシ、オオハクチョウなどが見られます。

ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

知床峠からの星空

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