秘境ツアーのパイオニア 西遊旅行 / SINCE 1973

大阪支社 高橋です。
これまで2回に分けてご紹介した「日本屈指の景勝地・上高地」も今回が最終回です。

 

滞在3日目(最終日)は、徳沢から河童橋、上高地バスターミナルへ戻ります。
朝食前、徳沢園の周辺の散歩(散策)を楽しむと、梓川より前穂高岳と明神岳を望むことができ、さらに奥には朝靄のかかる幻想的な風景も楽しむことができました。

 

梓川に出ると幻想的な風景が広がります

 

朝食後、8時に徳沢園を出発し、まずは明神を目指すため、昨日と同じ梓川左岸の林間ルートを歩きます。同じ道なので淡々と歩くことも良いかもしれませんが、向いている方向が変わることで、昨日に見落としていた花や景観などを楽しむことができます。7月の時は、夕方から夜にかけて雨が降ったこともあり、林間ルート内の緑が洗われて非常に色鮮やかな林間ウォークを楽しむことができました。「同じ道を戻るというのはつまらない」という気持ちも判りますが、往路では気付かなかった植生や展望、自然を感じることができ、考え方1つで同じ道を戻るのも楽しいものです。

 

明神岳の変わりゆく山容を楽しんでいると、明神エリアに戻ってきました。

 

上高地を流れる美しい梓川の流れ
梓川は、信濃川水系犀川(さいがわ)上流域を示す別称で、長野県松本市の北西に位置する北アルプス・槍ヶ岳に源を発し南流します。流域は古くは「梓の産地」であり、梓弓の材料として朝廷にも献上されていたことが川の名の由来とされています。

 

水は本来無色透明です。
では、上高地を流れる梓川はなぜ美しい青色をしているのでしょうか。
太陽の光は虹の七色に代表される様々な色の光が集まっていますが、水は赤い光を吸収しやすい性質があり、深さがあるほど赤色が減り(吸収され)、その分青さが際立って見えます(反射)。
専門ガイドの解説では、上高地で特筆すべきは「砂の白さ」とのことでした。
上高地でご覧いただける白い砂(場所によっては砂浜のように溜まっている場所も)の正体は「花崗岩が砕けたもの」。花崗岩は⾧石(白い粒)、石英(透明な粒)、黒雲母(黒い粒)で形成されていますが、この3 種は熱膨張率が違い、隣り合った粒同士がそれぞれの比率で伸縮し、その結果隙間ができてバラバラに割れてしまいます。上高地はこの脆い花崗岩の砕けた砂が川床にあることで川の青さが際立つという効果もあるそうです。

 

美しい梓川の流れ(明神周辺)

 

明神エリアから梓川左岸ルートを歩く
明神エリアでの休憩後は、昨日とは別のルートである梓川右岸ルートを歩きました。
昨日歩いた左岸ルートと比べ、少しアップダウンがあり、時折木段などもありましたが、小さな沢の流れもあり、非常に印象的な風景でした。
足元に広がる笹の葉、針葉樹と広葉樹が混在する木々の緑も美しく、陽光が射し込むことで、色鮮やかな風景となり、上高地らしい風景の中、気持ちよく歩くことができました。

 

緑鮮やかな梓川右岸ルート

 

水の流れが美しい 岳沢湿原
色鮮やかな林床に陽光が射しこむ風景や、木々の間から大正池の畔に聳える焼岳の展望を楽しみながら、のんびりと歩いていると、岳沢湿原エリアに入ります。

 

岳沢湿原は、梓川左岸に位置し、岳沢より流れ来る筋と善六沢が合流するあたりに位置する湿原です。湿原上の展望ウッドデッキから正面に見える六百山(標高2,450m)と立ち枯れの木、澄んだ湧水が何とも趣のある風景を創り出しています。
岳沢湿原からの展望を楽しんでいると、上高地では年間を通じて棲息するマガモ(カモ科)をご覧いただけることもあります。

 

岳沢湿原の風景

岳沢湿原から六百山を望む

 

河童橋周辺より最後の穂高連峰の風景を楽しむ
岳沢湿原より梓川右岸ルートの最後の区間を歩くこと10 分、穂高連峰の展望ポイントに到着します。さらに、そこから数分歩くと上高地のシンボル・河童橋となります。
前日に穂高連峰の景観を楽しめなかったとしても、このタイミングで再度穂高連峰の展望を楽しんでいただけるチャンスがあります。
7月のツアーでは、滞在1,2日目は雲がかかり、スッキリとした展望は楽しめませんでしたが、最終日に快晴の中で穂高連峰の風景を楽しむことができ、奥上高地自然探勝ハイキングが終了と同時に、心ゆくまで穂高連峰の風景を楽しみました。

 

穂高連峰と梓川の展望

河童橋から望む焼岳

 

ゴール後は、カフェで優雅にコーヒーとレアチーズケーキと共にのんびりと過ごしたり、土産店巡りを楽しんだり、それぞれの時間をお過ごしいただきます。その後、到着日にお世話になったホテル(西糸屋山荘)で預かってもらっていた荷物を受け取り、3日間に渡って堪能した上高地とお別れをします。

 

上高地からは乗合シャトルバスで松本駅へ向かいますが、バスに乗ったら終わりではありません。乗合シャトルバスは自由席のため、必ず「進行方向右側の席」を確保してください。出発直後は林間の車道を走行しますが、すぐに大正池や焼岳の風景が右側にご覧いただけます。さらに振り返ると、穂高連峰の風景もご覧いただけ、これが上高地との本当のお別れです。

 

車窓より大正池と穂高連峰を望み、上高地とお別れしました

 

3回に分けて「日本の名勝・上高地」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
ツアーレポートの掲載しきれない上高地の見どころはまだまだ沢山ありますので、またの機会にご紹介したいと思います。

 

また、10月は上高地の紅葉シーズンとなります。
弊社でも「”清流の国” 岐阜から上高地へ 4つの自然探勝ハイキング」では奥上高地自然探勝ハイキング(徳澤園宿泊)を組み入れており、「秋の千畳敷カール・乗鞍・上高地を撮る」では、徳澤までは訪れませんが、上高地で1泊するため、朝夕など刻一刻と変化する上高地の風景の撮影を心ゆく間で堪能することができます。
このツアーレポートで上高地へ興味が湧いた方、また上高地へ再び訪れたいと思われた方も、是非上高地に訪れてみてください。

 

7月には、『上高地ネイチャーガイド FIVESENSE(ファイブセンス)』の専門ガイドさんにお世話になりました。各所で上高地の自然・植生・地勢など幅広く解説してくれ、何より上高地への愛情がこちらへも伝わってくる素晴らしいガイドさんでした。

キーワード
PAGE TOP