中山道の宿場町を訪ねて 前編
- 日本
2021.03.29 update
昨秋、好評いただいたツアー「中山道の宿場町を訪ねて」。その様子をご紹介します。
江戸時代の情緒を今に残す、中山道の奈良井宿の町並み
中山道
中山道は江戸時代の五街道のひとつで、京都の三条大橋から江戸の日本橋を結んだ街道で、69カ所の宿場町が置かれました。中山道は長野県から岐阜県の山間部、木曽を通るので、木曽路(きそじ)とも呼ばれています。
江戸時代の五街道。青字が東海道、赤字が中山道(木曽街道・木曽路)です
太平洋沿いの東海道がすっかり現代の町並みに変わってしまったのに対して、山の中を通る中山道は江戸時代の面影を残す宿場町がよく保存されています。そのため、昔の日本を旅行した気分になれると、海外からの旅行者の間でも、関心が高まっています。
昔の日本!? 中山道の妻籠宿、木曽路の古い町並み
奈良井宿(ならいじゅく)
中山道でちょうど真ん中に位置するのが、奈良井宿。標高約940m、木曽路の中でも最も標高の高い宿場町です。江戸時代、多くの旅人たちで賑わい、「奈良井千軒」と謳われました。奈良井宿の古い町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、江戸時代の面影を色濃く残しています。そんな奈良井宿を地元案内人の説明を聞きながら、ゆっくり歩いて見学しました。
奈良井宿を散策
江戸時代、1837年頃に建てられた建物が今も残る中村邸
中村邸の内部。吹き抜けが特徴的です
奈良井宿は木曽漆器が有名です。木曽漆器は中山道を通る旅人の土産物として高い人気を集め、現代まで続く日本の伝統工芸のひとつです。奈良井宿には木曽漆器を取り扱うお店が数多くありました。
奈良井宿の木曽漆器のお店
一方でコンビニエンスストアなどのお店は無いので、まるで江戸時代にタイムトリップしたような感じになりました。
日没前の奈良井宿ものんびり散策。木曽の山の中にあることがわかります
奈良井宿では御宿伊勢屋に宿泊しました。御宿伊勢屋は文政元年(1818年)創業、江戸時代は下問屋を勤めていた旅籠です。現在も往時の建物をそのまま保っており、奈良井宿式建築の代表的なものだそうです。
奈良井宿、御宿伊勢屋の外観
奈良井宿、御宿伊勢屋の内観。江戸時代の建物だそうです
御宿伊勢屋の夕食。木曽の味を堪能させていただきました
夜の奈良井宿も雰囲気があってお勧めです。夕食後、少し散策してみてもいいかもしれませんね。
夜の奈良井宿を散策
夜の奈良井宿の様子。静かな宿場町の夜でした
福島関所跡
福島関所は東海道の箱根、新居、中山道の碓氷と並ぶ日本四大関所のひとつです。奈良井宿から西に三つ進んだ福島宿に設置され、中山道の要衝として「入鉄砲」「出女」を取り締まりました。往時を再現した福島関所跡を見学しました。
福島関所跡。中山道を歩いている人たちにも会いました
福島関所跡の内部。番所では、旅人やその荷物の取り調べが行われていました
福島関所跡に展示されている江戸時代の火縄銃
福島関所跡を見学した後は、妻籠宿に向かいました。
後編では妻籠宿、馬籠宿、草津宿をご紹介します。