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添乗員ツアーレポート  南アジア

冬のラダックを歩く 氷の回廊チャダル

  • インド

2012.01.01 update

ラダック地方は北のカラコルム山脈と南のヒマラヤ山脈に挟まれたインダス川上流域に位置し、大半が標高3,000mを超える高地です。冬の時期、この地方は積雪のために峠の運行が困難となりザンスカールは周辺から孤立します。しかし、1月中旬頃から2月末頃までの厳冬期にザンスカール川が氷結すると、人々はその上を行き交い、その道が古来より交易路や巡礼路として重要な役割を果たしてきました。
この厳冬期に氷結したザンスカール川が「氷の回廊 チャダル」と呼ばれています。真冬のラダックに広がる美しき白銀の世界に私たちは出発しました。

凍てつく氷上を歩く
凍てつく氷上を歩く

ラダックの中心地レーへ

冬のラダックへは積雪により峠を越えることができないため、飛行機を使います。 レーへの道中は山岳フライト、眼下に氷を抱いたインダス川や白銀の山々が連なります。 レーに到着後は高度順応を兼ねてしばし休養し、周辺の観光にでかけます。お祭を見学したり、近郊の民家訪問したりと伝統的な冬のラダックの暮らしを体験し、夏の観光シーズンには味わえない本来の素朴な生活を垣間見ました。

レーの民家にて
レーの民家にて
僧院の祭りを見学
僧院の祭りを見学

トレッキング1日目 レー → シンラ

チャダルトレッキングの出発地、ティラドへジープで向かいます。 ティラド到着後に、荷物を運搬してくれるポーターたちと合流。いよいよ氷上トレッキングに出発します。初めに現地のガイドによる氷の上の歩き方のレクチャーがあります。 氷の上はスケーティングして滑ったり、雪の上を歩いたりと同じ氷の上でも色々な歩き方をします。アイゼンはまったく必要なく、思ったよりも快適に歩け、冬のポカポカ陽気の中を進んで行きます。

氷上トレッキング
氷上トレッキング

トレッキング2日目 シンラ → ティプヨグマ

氷上を歩き、2日目のキャンプ地ティプヨグマへ向かいます。 途中、氷の薄い場所は歩きやすい場所を選び陸路へ迂回します。この日のハイライトは何か所もある氷瀑やバクラリンポチェが修行した洞窟・バクラケイブや温泉が沸いていて凍らないツォモと言われる滝を見ながらのトレッキングです。 地元の人々は、その滝の流れ出す穴には霊が宿ると信じており、前を通る時はお祈りを唱えます。まさに巡礼の道という風景でした。

道中いくつもの氷瀑が見られます
道中いくつもの氷瀑が見られます
完全に凍った瀑布
ユニークな形の滝、ツォモ
レーへ巡礼の旅に向かうラダッキーたち
レーへ巡礼の旅に向かうラダッキーたち

トレッキング3日目 ティプヨグマ → ナラプル

引き続き氷の上を歩き、ナラプルへ向かいます。 連日晴天が続き、何か所か氷の張りが薄い場所がありましたが、そんな時は長靴に履き替えて歩いていきます。順調に進み、晴れ渡る空を眺めていると、なんと!青羊や赤羊など野生の動物が目の前の陸上部分に現れました。 人間だけでなく雪の多い峠ではチャダル周辺は動物にとっても重要な交通路となっているようです。

ナラプルに近づいてくると、チャダル最大のハイライトとなる見事な氷瀑が現れました。大きすぎて上を眺めると首が痛くなるほどの氷瀑に感動し心を奪われました。

氷瀑のわきを歩く
氷瀑のわきを歩く
迫力の氷瀑を仰ぎ見る
迫力の氷瀑を仰ぎ見る
晴天が続くとはいえ寒い中のトレッキング、キャンプ中同行するコックが毎日用意する温かい食事は、ご好評をいただきました。

氷上のランチタイム
氷上のランチタイム
温かいスープ
温かいスープ
ポーターはソリで荷物を運びます
ポーターはソリで荷物を運びます

トレッキング4日目~6日目 ナラプル → シンラ

氷瀑を満喫した後は、往路をそのままシンラへと戻ります。ツアーにご参加いただいた皆様揃って最後まで万全の状態で歩くことができました。チャダルの氷は常に天候や気候で変化し、様々な色合いや美しい姿を現します。ゴール後はこれまで体験したことのない美しい氷の世界に魅力を感じすっかり虜になってしまいました。

チャダルとは、真冬のこの時期にしか存在しない氷の回廊です。
近年、地球温暖化の影響も受けて、10年前に比べると結氷状態も 完全氷結する部分は少なくなっています。 是非、結氷状態が良い近年の内にチャダルトレッキングを体験していただきたいと思います。

氷結したザンスカール川を行く
氷結したザンスカール川を行く
夕陽を映すチャダル
夕陽を映すチャダル

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