スリランカ5つの世界遺産と高原列車で行く中央高地<前編>
- スリランカ
2020.06.25 update
「光り輝く島」という意味を持つスリランカ。インド洋に浮かぶ自然豊かな島国です。国土は北海道の約8割程度と小さな国ではありますが、熱帯雨林から乾燥した平原地帯、セイロン紅茶で名高い広大な茶畑が広がる高地、砂浜のビーチに至るまで多種多様な自然と、8つの世界遺産を有する“光り輝く島”として多くの観光客を魅了しています。2009年に26年に亘った内戦が終結、その後経済が急成長し、観光のニーズが増えているスリランカ。世界的に有名なガイドブック「ロンリープラネット」が選ぶ「2019年行くべき国」の第1位にも輝いた世界も注目する観光国です。
スリランカは、二つのモンスーン(季節風)の影響によりエリアによって雨季の時期は異なりますが、年間を通して低地は暑く、高地は涼しく比較的どの時期でも旅行がしやすい国と言えます。今回は、西遊旅行が年間通して設定している「スリランカ5つの世界遺産と高原列車で行く中央高地」のコースの見どころをお届けします。
まずはツアーのタイトルにも入っている人気の高原列車からご紹介します。
■「紅茶列車」に乗って緑あふれるスリランカの中央高原を走る
スリランカの鉄道は、イギリス人により植民地時代の1858年に導入されました。セイロン紅茶の栽培を始めた際に、その集荷用に路線を引いたのがはじまりです。当時は紅茶・農産物を輸送するためにレールが敷かれましたが、現在では人々の移動手段として利用されています。
キャンディ近くのランブッカナ(Rambukkana)駅からヌワラエリヤのナヌオヤ(Nanu Oya)駅の区間は茶畑の中を進み、車では味わうことのできないスリランカ独特の茶畑の風景を満喫できる人気の路線です。この路線は、近年「紅茶列車」とも呼ばれ、スリランカの人々からも人気です。右に左に揺られながら高原を駆け上がっていく列車では、アジア随一とも言われる絶景を楽しむことができます。ランブッカナ駅からヌワラエリヤのナヌオヤ駅までは約4時間の列車旅です。
ランブッカナ駅から乗車。列車は定刻通りに到着しました。いざ、出発です!
スタート地点のランブッカナらナヌオヤまでは標高差があるため、列車はゆっくり進みます。出発して1時間程は田舎町の景色が中心です。列車内はエアコンはありませんが、窓から入ってくる風が心地よく、むしろ開放的です。特急列車ではないため、途中いくつもの駅で停まります。停車駅では売り子のおじさんたちがドリンクや軽食を販売。標高が少しずつあがり、いよいよ紅茶畑が見えてきました。
紅茶畑の中を列車が走る風景はとてもフォトジェニックでぜひ一度体感していただきたいです。
■スリランカの動植物、世界自然遺産も満喫
ツアーでは遺跡を訪問するだけでなく、スリランカが誇る自然も体感していただきます。ヌワラエリアでは世界自然遺産「ホートンプレインズ国立公園」、ピンナウェラでは「像の孤児園」を訪問します。
ホートンプレインズ国立公園
2010年に世界遺産に登録されたスリランカ中央高地の一部をなす国立公園です。3,159ヘクタールの敷地を有し、1969年に自然保護区に指定され、1988年には固有種や自然の美しさを保持する目的のため、動植物保護法のもと国立公園に指定されました。標高2,000ⅿの草地が広がる高原地帯で、手つかずの大自然が残されています。公園の西側の丘にはスリランカ最大の雲霧林が広がります。
標高差約150ⅿ、片道4㎞、約3時間のハイキングとなりました。
ピンナウェラ像の孤児園
ピンナウェラ象の孤児園は、もとは母親とはぐれたり死別した子ゾウを保護する目的でスリランカ政府によって1975年に設立された施設です。現在は約100キロ平方メートルの敷地内に80頭前後の象が暮らしています。親象とはぐれてしまった子ども象や、怪我をしてしまった象が保護されています。孤児園でのイベントは2つ。9:15からのミルクやりと、10:00からの水浴びです。ミルクやりを見学した後は、水浴び場へ向かう象さんを待ち伏せします。園内で飼われている象のほとんどがこの時間に大移動します。その光景は圧巻でした。また、嬉しそうに川で水浴びをする象さんはとても可愛かったです。
この孤児園の運営にはとてもお金がかかるので、私たちが見学することで少しでも象さんのためになっていたらと思いました。
スリランカゾウ
植民地支配が始まる前には4万頭以上の野生のゾウが生息していました。植民地下で激減し1970 年当時には2,000 頭にまで減ってしまいました。特にイギリス時代のハンティングはひどいもので、あるイギリス人将校は一人で1500 頭のゾウを撃ったことで知られています。記録によると1829年から1855 年のわずか26 年の間に6000 頭のゾウが射殺されました。1986 年、スリランカゾウは絶滅危惧種に指定され保護されるようになりました。人とゾウとの住み分けのために電子柵が設けられたり、孤児を救い自然に戻す試みも行なわれています。現在では6,000 頭ほどにまで回復しましたが、いまだに密猟などにより年間100 頭が犠牲になっているといわれています。
後編では、ツアーで訪れる4つの世界文化遺産をご紹介します。
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