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添乗員ツアーレポート  ヨーロッパ・コーカサス

コーカサス 往古のシルクロードを行く

  • アゼルバイジャン
  • アルメニア
  • ジョージア

2019.12.26 update

コーカサス三国は、その地理的な背景から雄大な大自然に囲まれています。東のカスピ海と西の黒海に挟まれ、二つの大きな海を繋ぐように東西にコーカサス山脈が走っています。シルクロードに位置し、複雑な歴史を歩みながらも、興味深い文化と敬虔な信仰心が残るコーカサス地方。6月、7月には野花が咲き乱れ、美しい山並みとともに訪れる人々を魅了します。

コーカサス山脈の風景(グルジア) コーカサス山脈の風景(ジョージア)

 

5,000m級の峻険な山々が連なるコーカサス山脈。この山脈の周辺には、 旧ソ連を形成した15 の共和国のうち、ソビエト崩壊後に4つの国々が生まれまし た。 コーカサス山脈を境に、北コーカサスはロシア連邦の一部となり、ダゲスタ ン共和国やオセチア共和国など、山岳民族の暮らす連邦管区がモザイクのように 広がっています。南コーカサスには、アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア のコーカサス三国が生まれ、独立国家としてそれぞれの道を歩んでいます。

かつてのシルクロードは、世界最大の湖・カスピ海の南岸を東西に貫くルートと、北方から迂回してコーカサスを経由してアナトリア地方に向かうルートがありました。コーカサスは、そのシルクロードを通り古来から人と物資が行き交ったほか、宗教や文化も交差した地です。また、東西から様々な勢力が侵入し、異民族による支配を経験した歴史があります。コーカサスには、古のシルクロードに流れる歴史と、現在まで続く文化と宗教が残っています。

コーカサス三国のうち、アゼルバイジャンはイスラム教国、ジョージアとアルメニアはキリスト教国です。ジョージアとアルメニアは、北側をロシア連邦管区諸国、西をトルコ、南をイラン、東をアゼルバイジャンと、すべてイスラム教国で囲まれているにも関わらず、1,800年近く、頑なにキリスト教を国教としています。さらに、モンゴルの後、ティムール、ペルシャと、イスラム系の帝国の侵入と支配を何度も経験したにも関わらず、イスラム教を受け入れることはありませんでした。

1386年、首都のサマルカンドから大軍勢を率いてジョージアに侵攻したティムールでさえも、異教徒に対するジョージア側の抵抗に屈し、首都のトビリシを攻略することはできませんでした。 しかし、中央アジアやペルシャから流入した文化は、コーカサス地方に根付き、独自の文化を形成し現在に至っているのです。

 

アルメニア Armenia -Hayastani Hanrapetut’yun-

かつてペルシャとアナトリアを結んだいにしえのシルクロードが走る

指揮者のカラヤンや、ミグ戦闘機の設計者ミコヤンなど、多くの知識人を輩出した民族であるアルメニアは、民族全体がディアスポラで世界各地に離散した歴史を持ちます。世界で一番早くキリスト教を国教とした国で、ツアーでは総本山のエチミアジン大聖堂を訪れるほか、ノアの方舟のアララット山を望むホルヴィラップ修道院も訪問します。

またアルメニア産のコニャックは、ソビエト時代からの特産物として有名です。

  • アルメニア産のコニャック アルメニア産のコニャック
  • エチミアジン大聖堂 エチミアジン大聖堂

ジョージア Georgia -Sakartvelo-

複雑な歴史を持つコーカサス麓の長寿の国

コーカサス三国の中で、一番大きな面積を持つジョージア。コーカサス山脈の麓に位置し、西は黒海に面します。その地理的背景から、古来より数多くの帝国、民族の流入、侵略を受けたため、上スヴァネティ地方では外敵の侵入を見張る「見張り塔」が立ち並ぶ独特の建築様式が発達しました。

イスラム系の勢力の侵略が多かったにも関わらず、ジョージア正教を国教とし、ツアーでは総本山のスヴェティツホヴォリ修道院を訪問します。また、ワイン発祥の地と言われ、どこの農家でも自家製のワインを振る舞ってくれるほか、ヨーグルトも豊富で長寿の国とも言われています。ワイナリーにてジョージア・ワインの試飲もお楽しみください。

  • 独特の建築様式が残る上スヴァネティ地方
    独特の建築様式が残る上スヴァネティ地方
  • 豊かな土壌が産したブドウ
    豊かな土壌が産したブドウ

アゼルバイジャン Azerbaijan -Azərbaycan Respublikası-

イランの影響が強く残るコーカサス唯一のイスラム教国家

カスピ海に面し、豊富な石油資源に恵まれ、近年は世界 各国の石油産業系の会社が集まる国に発展しました。 コーカサスの三ヶ国の中で唯一のイスラム教国で、もともとはゾロアスター教を信奉するペルシャ系の民族の暮す地でしたが、トルコ系民族との混化により、イスラム化が進みました。

「風の町」を意味する首都のバクーは、 カスピ海の対岸のトルクメニスタンとフェリーで結ばれています。ツアーでは、ゾロアスター教の信奉を物語る神殿や、世界最大の湖・カスピ海のクルーズのほか、かつてのイスラム諸王朝の宮殿を訪ねます。


  • 拝火教の神殿アテシュギャーフ
  • シェキ・ハーンの宮殿内の装飾画
    シェキ・ハーンの宮殿内の装飾画

 

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