ミルフォード・トラックとルートバーン・トラック
- ニュージーランド
2015.12.01 update
フィヨルドランド国立公園はニュージーランドで最も大きな国立公園で、その面積は125万ヘクタールに及びます。世界自然遺産に登録もされており、中でも『世界で一番美しい散歩道』と称されるミルフォード・トラックは、太古の原生林やサザンアルプスなど大自然を体感できる、ニュージーランドで最も人気のトレッキングルートです。
2014年12月、このミルフォード・トラックを完全踏破するツアーに添乗員として同行させていただきました。
クイーンズタウン
日本から空路クライストチャーチを経由し、『ビクトリア女王にふさわしい』と称賛されたことが街の名前に由来する、山々に囲まれた美しい町クイーンズタウンへとやってきました。 まずは、四季折々の美しい景観が楽しめる展望台へと向かいます。ゴンドラで展望台まで昇ると、サザンアルプス山脈を一望できます。 この『サザンアルプス』は、ワカティプ湖に面する街やヨーロッパのアルプス山脈にその姿が似てることから名付けられました。
夕方、翌日から始まるミルフォード・トラックの事前説明会の会場「The Station」へ。日本語でしっかりとレクチャーを受けます。この会場では、雨具やザックなどを無料で借りることもできます。また、トレッキング最終日に宿泊するマイタ―ピークロッジへ着替えなどの荷物の搬送を頼むことができますので、必要最低限の荷物で4日間歩いていただけます。
- ワカティプ湖とクイーンズタウンの街並み
- ワカティプ湖畔から望むセシルピーク(1,974m)
- 日本語による事前説明会
ミルフォード・トラック1日目
グレイドワーフ~グレイドハウス 1,6km
昨日、説明会が行われた「The Station」へ向かい、各国から集まる参加者と顔を合わせます。今回はオーストラリア、ニュージーランドなどから集まった47名のツアーになりました。
クイーンズタウンからバスでテ・アナウダウンズに向かいます。そこから船に乗船しニュージーランドで2番目に大きなテ・アナウ湖の北端でミルフォード・トラックのスタート地点となるグレードワーフへ。初日は20分ほどのトレッキングでグレードハウスに到着。着後、周辺のネイチャーウォークを楽しみました。夕食後には、毎日スライドショーで明日のルート説明と諸注意の案内があります。また、初日のグレイドハウスでは参加者全員の自己紹介を行います。
- テアナウの船乗り場
- グレイドハウス
- いよいよミルフォード・トラックへ
- ネイチャーウォーク
- 恒例の自己紹介
ミルフォード・トラック2日目
グレイドハウス~ポンポローナロッジ 16km
起床後、まずは昼食用のサンドイッチを作ります。用意された具材からお好みのものを選んで、パンに挟んでいきます。これから毎朝ご自身でお作りいただきます。ロッジには行動食用にチョコレートや果物も準備されており、好きなだけお持ちいただけます。
ミルフォード・トラックは全長53,6km(33.5マイル)のトレッキングルートを3泊4日で踏破します。トレッキングが本格的に始まるこの日は、クリントン川沿いのブナの茂る原生林を歩きます。道中、樹齢800年と言われる赤ブナの巨木やウェットランドと呼ばれる湿地帯を見学し、ヒレレ滝近くの簡易小屋へ。ここでは、ガイドが先回りしてコーヒー、紅茶、スープなどの温かい飲み物を準備してくれおり、朝作ったサンドイッチと一緒にいただきます。
昼食後、森林をぬけると正面にマッキノンパス(峠)を見ることができるはずですが本日は雨の為、展望できません。マッキノン峠は見えませんでしたが、雨の為、ヒレレの滝をはじめ無数の滝を見ることができました。
- 昼食用のサンドイッチ作り
- ウエットランドで植物の観察
- 昼食時には温かい飲み物を
- U谷の奥に望むマッキノンパス
- ヒレレの滝
- ポンポローナロッジに到着
ポンポローナロッジに到着するとシャワーを浴び、洗濯をします。 ミルフォード・トラックのロッジは温水シャワー、水洗トイレが完備されており、寝具も備え付けられています。また、洗濯場と乾燥室もありますので、1泊分の着替えでトレッキングが可能です。
- シャワー室
- 洗濯場
- 清潔な客室(一例)
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ミルフォード・トラック3日目
ポンポローナロッジ~クインティンロッジ 15km
朝、暗闇の中で鳴き声を上げていたのはケア(Kea)という、オウム科の鳥です。とても頭がよくサンダルや靴をかじったり、ザックの中からお弁当を盗んだりもするいたずら好きです。
この日はルート上最大の難所、標高1,170mのマッキノンパスを越えて進みます。峠の途中から登ってきた道を振りかえると、谷底深くに川が見え、あそこから歩いてきたのかと、少し驚きます。道中にはマウントクックリリー(キンポウゲ科で最も大きな花※リリーという名前ですが、ユリ科ではありません)が満開に咲き誇ります。
- ケア(Kea)!
- 谷底から11のジグザグを登る
- マウントクックリリー
- マッキノンパス
- マッキノンパスからの眺め
11のジグザグを登りきるとミルフォード・トラックの最高地点、そしてハイライトでもあるマッキノンパスに到着です。
ここからはU字谷が素晴らしいクリントン渓谷とアーサー渓谷の素晴らしい景色が広がります。また、本日宿泊するクインティンロッジも遠望で確認できます。そう、本日は700m登って900m下る最もハードな日なのです。
パスハットで昼食後、クインティンロッジを目指します。今回は、通常ルートが土砂崩れの恐れがあるとのことで、『emergency track』という、もう一つのトラックを下山します。急な下りになりますが、ショートカットでき、マルガリータの滝の手前でメイントラックに合流できました。
- パスハットから望むクリントン渓谷
- パスハットで昼食
- マルゲリータの滝
クインティンロッジに到着後、サザーランド・フォールズ(滝)まで向かいます。 ニュージーランド最大の落差(580m)を誇るサザーランド・フォールズは、最初に発見したドナルド・サザーランドの名に由来します。サザーランドが滝の景観を楽しめるようにこの場所の整備を行ったことにより、多くの人々が滝を見に訪れるようになりました。その後ミルフォード・トラックは世界8番目の神秘と呼ばれるようになったといいます。
- ササ―ランドの滝
- ニュージーランド最大の落差を誇るササ―ランドの滝
- クィンティンロッジ
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ミルフォード・トラック4日目
クインティンロッジ~マイターピークロッジ 21km
トレッキング最終日。行程としては一番長い距離を歩ききる一日で、ハーフマラソンと同じ距離を歩きます。
アーサー川やアイダ湖に沿って森の道を歩いて行くと、途中、ニュージーランド観光局の案内にも頻繁に使われるマッケイ滝、空洞になっているベルロックという岩などのポイントもありました。 ジャイアント・ゲートの滝を通過すると、ミルフォード・トラックで最後に作られた部分を歩きます。岩を削った崖道に「1898年5月」と彫られていました。
サンドフライ・ポイントへ到着!53.4kmを完歩!夕食後、完歩証授与式が行われ、拍手の中一人ずつ完歩証が手渡されました。
- アーサー川を渡り、マッカイの滝へ
- マッカイの滝
- ジャイアント・ゲート・フォールズ
- ミルフォード・トラック終点のサンドフライ・ポイント
- 船でミルフォード・サウンドへ
- 完歩証授与式
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ルートバーン・トラック
キーサミット1日ハイキング
翌日は、ミルフォード・トラックと並ぶ人気のトレイル、フィヨルドランド国立公園とアスパイアリング国立公園を通過する「ルートバーン・トラック」のハイライト「キーサミット」を日帰りで楽しみます。
ミルフォード・サウンドからテ・アナウに向かう際に通過したディバイド峠に向かいます。途中、エグリントン渓谷で、ミラーレイクに映るエグリントン山を望めました。 ディバイド峠から整備された登山道をゆっくりと登ります。この辺りは1,000m辺りが森林限界。キーサミット(919m)まで登ると、山頂からは360度のパノラマが広がります。クリスティーナ(2,474m)、マリアン湖をはじめとする素晴らしい景色が広がっており、2,000m級の山々が360度展望できます。また、エグリントン渓谷、ホリフォード渓谷、グリーンストーン渓谷が合流する場所です。
『Summit』は本来、最高点、頂上などを意味しますが、『先進国首脳』の地位を『山頂』に擬えたものを『先進国首脳会議』として用いています。キ―サミットでも、最高な景色が集まるという事で、その名がつけられたと言われています。
- ミラーレイクに映るエグリントン(1.851m)
- キーサミットまであと少し
- 山頂周辺
- ホリフォード渓谷
- グリーンストーン渓谷
- エグリントン渓谷
雄大なニュージーランドのトレイルを歩けば、氷河の削りだした美しい渓谷、絨毯のような美しいコケやシダに覆われた原生林、青い川のせせらぎなどの大自然を満喫できます。ミルフォードのロッジにはシャワールーム、洗濯場と乾燥室があり、1日分の着替え、雨具、水筒など最低限の荷物でご参加できます。
ミルフォード・トラックを完全踏破しキーサミットへ。ニュージーランドの二大トレイルを一緒に歩きませんか?
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