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添乗員ツアーレポート  東南アジア・オセアニア

ミャンマーを旅する

  • ミャンマー

2012.08.01 update

無数のパゴダが並ぶバガンの夕暮れ
無数のパゴダが並ぶバガンの夕暮れ
東南アジアの中でも熱心な仏教国であるミャンマー。信仰篤い人々が暮らす穏やかな印象がある一方で、政治的には長きに渡る軍事政権が続き、クーデターや民主化運動の大規模デモなどが起こるなど、安定しないイメージがつきまとう国でもありました。そんなミャンマーが今、大きな転換期を迎えています。

民主化の道へ — 大きな転換期を迎えるミャンマー

2011年1月、首都ネピドーで総選挙後初の連邦議会が開幕。民主化運動の指導者アウンサンスーチーさんの自宅軟禁が解除され、徐々に民主化運動が進展していったミャンマー。2012年に入りアメリカなど諸外国の制裁が緩和されたことで経済的にも活気付き、世界からも注目を集める国となっています。現在のミャンマーはどう変わっているのか。2012年6月、視察に行ってまいりました。

2012年現在、日本からミャンマーへの直行便はないため、ベトナム航空にてハノイで航空機を乗り換えて空路ヤンゴンへと入りました。以前はヤンゴンへはバンコク乗り換えの航空機を利用するのが主流でしたが、2010年にはベトナム航空のハノイ/ヤンゴン線が、2012年に入り大韓航空、カタール航空、パキスタン航空が就航しました。さらに、10月からは12年ぶりに全日空の成田/ヤンゴン直行便の就航が決定しています。ビジネス・観光ともに高まる需要を見込み、一気にミャンマーへの空の入口の選択肢が広がりました。

ヤンゴンの空港から街へと車を走らせると建設中の建物を多く目にします。多くの外国人の需要を見込んで、ホテルなどの建設ラッシュが続いているとの話でした。すでにあるホテルだけではとても足りず、物価もどんどん上がるばかりだとのこと。翌日からはヤンゴンを後にし、バガン、マンダレー、インレー湖を回りました。

悠久の遺跡・自然・民族… 見所満載のミャンマー

ミャンマーは遺跡や自然、民族など魅力あふれる見所の多い国。様々な民族によって複雑な歴史を繰り広げてきたミャンマーを初めて統一したのが11世紀のパガン王朝です。バガンに残る遺跡群はカンボジアのアンコール遺跡、インドネシアのボロブドゥール遺跡と並んで世界三大仏教遺跡のひとつに数えられています。約40平方㎞の王都には数多くのパゴダ(仏塔)がつくられ、その数は最盛期には数十万に及んだともいわれています。現存するパゴダは2000以上、少し高台に上って見渡すとパゴダ群を一望することができ圧巻です。また、各パゴダを馬車に乗ってゆったりと巡るのもおすすめです。

そして多くの少数民族が暮らすシャン州の風光明媚なインレー湖。湖上で暮らすインダー族が有名です。インダー族は湖に浮島を作り、家を建て、魚を採って生活をしています。浮島では野菜も栽培されていて、インレー湖でとれたトマトは味が良いことで有名です。そして、細長いこの湖の移動手段はカヌー。インダー族の人々は船の上で片足を使い艪を操ります。

ここインレー湖は特徴のある湖上ホテルに宿泊することもできます。湖での移動は船を使い、郊外の特徴のある仏塔が立ち並ぶインディン遺跡や湖で自生する蓮を使った織物工房などを巡ります。観光地の訪問はもちろん、市場や街でのあたたかい人々との出会いも魅力のひとつです。

今、変わりゆくミャンマーへ。この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。

黄金色に輝くお寺と縁起物
ミャンマーの人々にとって黄金色に輝く寺院と仏塔は彼らの信仰そのもの。金は信者の寄付で集められます。寺院へと進む境内には「投げるたび転ばずに立ち上がる」日本のダルマと似た「ピッタインダウン」や招き猫のように福を招く「ふくろうの置物」が縁起物として売られています。

ミャンマーの縁起物「ふくろうの置物」黄金色に輝く「シュエジーゴン・パゴダ」
左:ミャンマーの縁起物「ふくろうの置物」
右:黄金色に輝く「シュエジーゴン・パゴダ」
仏教国ミャンマー
全人口の80%以上が仏教徒。パガン王朝の隆盛とともに全土に広がり、15世紀になるとスリランカから小乗仏教の教えが伝わりました。朝、街中や市場で托鉢をする僧に喜捨する人々の姿を目にすることがあります。またミャンマーの男性は一度は仏門に入ることが一般的で、得度式を行う少年の姿も見られました。これもミャンマーに根付く深い信仰のひとつです。托鉢をする少年僧たち

托鉢をする少年僧たち
美味しいミャンマー料理
食も旅の楽しみのひとつ。中国、インド、タイなどと国境を接するミャンマーでは、それぞれの国から影響を受けた独自の料理が作り出されました。モヒンガーと呼ばれる魚のスープを使った麺料理は朝食の定番。茶葉を発酵させて豆やニンニクなどまぜた、食べるお茶「ラペットゥ」、シャン州ではインレー湖の魚を使った料理やじゃがいもとお米を混ぜてつくるシャン風おにぎりなど各地の名物料理を存分にお楽しみください。朝食の定番「モヒンガー」&シャン風おにぎり

左:朝食の定番「モヒンガー」  右:シャン風おにぎり
民族衣装「ロンジー」
ミャンマーの民族衣装は「ロンジー」と呼ばれる巻きスカート。特に女性の模様は多種多様です。シャン州風は波のような横ラインのもの、カチン風はひし形の模様、シュミロンジーは田舎風。市場では、シャンロンジーは6ドル、カチンロンジーは15ドルで手に入りました。

托鉢をする少年僧たち
左上:ロンジーの生地でできた小物   右:ロンジーを着た女性
左下:市場で売られるロンジー
伝統工芸とお土産
バガンでは漆器づくりが有名です。竹を馬のしっぽで編みこんだものやチーク材に漆を何層にも塗り重ねます。キンマの葉っぱ入れは昔どこの家庭でもあったもので、500ドルほど。手軽に購入できるお茶のコップ(5ドル〜)、小箱(25ドル〜)などがお土産に人気です。また、インレー湖では蓮の繊維で作られた織物なども有名です。その土地ならではの一品を探してください。

漆のお土産&漆器の工房&蓮の繊維の織物
左上:漆のお土産  左下:蓮の繊維の織物  右:漆器の工房
伝統的な自然化粧品「タナカ」
タナカはレモンの木の一種で、3から5年、8年と成長させた木の皮を専用の石で削って使う日焼け止めです。これは化粧品のようなもので、男女とも使います。年数が経って太い木になるほど高級品。削ると自然に匂いがしますが、白檀を混ぜた高級タナカやクリーム状に加工されたものもあります。ヤンゴンなどの都会ではあまり見られなくなりましたが、地方では男性もタナカを使っています。

市場で売られるタナカ&タナカを塗った赤ちゃん
左:市場で売られるタナカ  右:タナカを塗った赤ちゃん

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