チュニジア周遊 前編:海辺の街シディ・ブ・サイドと砂漠の暮らし
- チュニジア
2020.05.07 update
北アフリカに位置する小国チュニジア。「日の沈むところ」を意味するマグレブ地域の国々の一つです。北海道の約二倍の面積を持つこの国は、アルジェリアやリビアなどの大きな国々に囲まれて地図上ではあまり目立ちませんが、実はバラエティ豊かな見どころがあります。
シディ・ブ・サイド
チュニジアのガイドブックを開けば必ずと言っていいほど紹介されているのがこのシディ・ブ・サイドの街並み。白い壁に青い装飾が良く映え、多くの観光客でにぎわいます。
ここを訪れたらまずはカフェ・ド・ナットでミントティーを飲んで一息。ナットとは「ござ」という意味で、その名の通りカフェの中にはござが敷かれ、人々がおしゃべりに興じつつくつろぐ姿が。横に伸びる路地にはスイーツの出店が並びます。
この町を19世紀末に整備したのは、チュニジア文化を愛したフランス人オルランジェ男爵。彼のはたらきかけで世界で初めて景観保護の条例が作られ、街は整えられてゆきました。扉に鋲で描かれている模様は装飾の他、魔除けや伝統的なベルベル人のマークだったりもするそうです。
高い空、地中海と美しい街並みのコントラストが非常に印象的。街中にはリゾートらしいのびのびとした雰囲気が溢れています。
サハラ砂漠での宿泊
チュニジア旅行で特に楽しみにされる方も多いのが、砂漠の中のオアシスに作られたテント型ホテルでの滞在です。砂漠観光の拠点、ドウーズを出るとまずはチュニジア最大の塩湖、ショット・エル・ジェリド(ジェリド湖)に到着します。路肩の土産物屋さんに立ち寄り、おいしいデーツや塩をお土産に。
途中、四輪駆動車に乗り換えてさらに南へ向かいます。周りの景色から徐々に緑が無くなってゆき、ごろごろとした石が転がる礫砂漠になってゆきます。少しおしりが痛くなってきたころ、クサールギレンのPansy Campに到着しました。
宿泊地自体はオアシスの中に位置し、ナツメヤシに守るように囲われていますが、小道をたどってオアシスの淵まで歩けば目の前にはまるで海のように波打つサハラ砂漠が広がります。日が沈む時間に合わせてラクダに乗って夕焼けに桃色に染まる砂丘を楽しみに行きました。ラクダは案外背が高く、立ち上がるとき、降りるときにコツが必要です。
翌朝も早起きして朝日を望みました。
ベルベル人の洞窟住居
今も伝統的な生活様式を続けるベルベル人の人々の自宅訪問もユニークな体験のひとつです。現存する数少ない洞窟住居の一つにお邪魔しました。
入口の部分には色鮮やかな絨毯がひかれ、来客スペースとなっています。伝統的には、お客様が入れるのはここまでで、家の中は家族のスペースなので決して入れなかったとか。
家は中心に大きな穴があり、そこから部屋として使われる小さな穴へと入るつくりになっています。台所や寝室、食糧庫をのぞかせてもらいました。1階部分が居住スペースで、2階部分は物置や倉庫として使われています。
家の中には様々な魔除けのモチーフが見られました。
また、伝統衣装に身を包んだお母さんが、焼きたての伝統的なパンやはちみつ、オリーブオイルでもてなして下さいます。シンプルながらもじんわりとおいしい味わいで、いつもお土産に大人気です。はちみつはユーカリとローズマリー、2種類がありました。ここでしか買えないということで、お土産に買われる方も多くいらっしゃいました。
最後に丘を登り、家を上から覗かせてもらいました。
海辺の街並も、南部の乾燥地帯での伝統的な生活の姿も知ることができるチュニジア周遊のツアー。後編ではチュニジアが誇るローマ遺跡やモザイクについてご紹介致します。
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