夏のワハーン回廊、チャクマクティン湖(Chaqmaqtin Lake)の湖畔で行われたブズカシです。ワハーン回廊のキルギス族の間では、イスラムのイード(犠牲祭)の時のほか、結婚式でも行われています。
ブズカシはアフガニスタンの国技で、2組の騎馬グループがヤギを奪い合います。ペルシャ語で「ヤギ=Buzを引っ張る、引きずる=kashi」と、そのままの意味です。ブズカシを見たのは、チャクマクティン湖畔のキルギス族のキャンプに3日滞在した最後の日、それまでキャンプで見てきた男性たちが馬に乗ったとたん、急にカッコよく見えた日です。正直、それまでは女性は朝から乳しぼりやクルト作りで働いているのに、男性は・・・と感じていました。
↑↑ ワハーン回廊の絶景の中で行われたキルギスのブズカシ
前タリバン(現在のタリバン政権ではありません)が支配していた1996年から2001年は多くの娯楽が「不道徳」なものとして禁止され、ブズカシも禁止されていました。その後、ブズカシは復活し、いまでは各州ごとのトーナメントが行われ国を挙げての一大行事になっています。大都市のブズカシはスポンサーのロゴをつけた衣装でスタジアムで行われたりしますが、地方のブズカシは純粋に人々が楽しむ伝統行事です。
結婚式へ向かう人々。
結婚式の祝い料理のため、羊が解体されていました。
羊の肉を運ぶキルギスの少女達。
お祝いとブズカシのために駆けつけた男性。
ブズカシの前に、一同が祈りをささげ、供食。ミルクティーと揚げパンがふるまわれました。
ブズカシが始まるまで遊びに興じる子供たち。
ブズカシをやってみたいという、キルギスの少年。
祈りと供食が終わり、ようやくブズカシが始まります。
頭を落としたヤギ。使われたのはこの日に殺したヤギではなく、ブズカシ用に村で用意されている詰め物になっているヤギでした。
頭を落としたヤギが大地に投げ落とされ、争奪戦が始まります。
このヤギを地面から片手で引き上げて、持ちながら走る力と技が必要です。この間、鞭は口に銜えます。
ヤギの争奪戦。
お茶を飲みながら観戦する家族。
参加者も休憩、ミルクティーを。
休憩の後、再びブズカシへ。
ワハーン回廊の山並みの絶景の中繰り広げられる、キルギス族のブズカシです。
Image & Text : Mariko SAWADA
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