イヌワシ Golden Eagle (チトラル・ゴル国立公園)

ヒンドゥークシュの山を背景に飛ぶイヌワシを見たのはカイバル・パクトゥンクワ州のチトラル・ゴル国立公園。

マーコールの観察のために訪れた国立公園ですが、レンジャーが「マーコールが崖から落ちて死んだのでハゲワシが集まっている、見に行こう」と誘われ、道なき山の斜面を歩きました。

 

猛禽たちが舞っています!そしてハゲワシだけでなく、イヌワシの姿が。カラスがイヌワシにちょっかいをかけています。

 

イヌワシは北半球に広く分布する猛禽類。いくつかの亜種に分類されていますが、パキスタンで見られるイヌワシは、Aquila chrysaetos daphaneaで、Asian Golden EagleとかHimalayan Golden Eagle、中央アジアやロシアではベールクトБеркутと呼ばれています。イヌワシの中でも体は大きめで、体色も黒っぽいそうです。

 

イヌワシは我われにはあまり近づいてくれず、写真がとりにくかったのですが、双眼鏡で見るイヌワシは本当に美しく、英名 Golden Eagle の由来となった後頭の黄金色の羽毛も光が当たって輝いていました

 

イヌワシに見とれていると、素敵なポジションにオスのマーコールが登場!野生動物との出会いに忙しい、チトラル・ゴル国立公園でした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020, Chitral Gol National Park, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

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冬のロワリ・トンネル ~ ロワリ峠の記憶

ロワリ峠 Lowari pass はペシャワール・ディール方面とチトラルを繫ぐ峠。ヒンドゥークシュ山脈の支脈、ヒンドゥラージ山脈の峠で標高はおよそ3,100m。峠として標高が高いわけではありませんが、この山岳地帯で一番低く通りやすかったポイントがここです。

峠は11~5月の積雪の間は車は通行できず、人々は雪の中を歩いて移動するしかありませんでした。その道中、雪崩で命を失った人も多かったといいます。

 

ロワリ峠の道を行くトラック。雪解けの水で未舗装の道がぬかるみ、落石も絶えない道でした。

 

峠のチトラル側はヘアピンカーブの繰り返しです。

 

ロワリ峠のチトラル側の麓にあるチャイハナで休憩するトラック。針葉樹に囲まれた小さな谷にあるチャイハナで、峠越えのあとの休憩に人気があった場所です。

 

でも、この光景も過去のものとなりました。ロワリ・トンネルが2017年に開通し、2018年から一般車両も通れるようになりました。

 

ロワリ峠にトンネルを作る計画は2005年に始まり、2009年までは韓国の会社が建設に関わっていましたが途中で中断していました。2013年より建設が再開され、2017年7月に開通しました。

 

トンネルは2つで 8.5キロのトンネルと1.9キロのトンネルに分かれ、合計10.4キロ、パキスタンで最長のトンネルです。

安全のために双方向からの車両の通行がコントロールされており、待たされることもありますが、ロワリ峠を延々と登り・下りする時間と労力、途中でトラックが動けなくなって移動できなくなり、先が見えなくなるような不安も解消されます。

しかし、やはりパキスタン。トンネルの中を家畜を連れた地元民が歩き、トンネルを出ると道がぬかるみ、さっそくトラックが動けなくなったりしていました。

 

雪景色のロワリ峠の麓の村

 

チトラル方面を陸路で訪れるには、ギルギット・バルティスタン州からシャンドゥール峠を越えて入るか、ペシャワール方面からロワリ峠を越えて入るしか方法はありませんでした。そしていずれの峠も冬の間は雪で閉ざされていました。

ロワリ・トンネルの誕生は、これまで冬の間は「陸の孤島」だったチトラルの村に大きな変化をもたらすことでしょう。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

※ロワリ・トンネルは2020年に、ロワリ峠の写真は2014年以前に撮影したものです。

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ガヒラート・ゴレーン保護区のマーコール

マーコールの観察で訪れた、チトラルの町から南東にあるガヒラート・ゴレーン保護区 Gahirat (Gehret) Goleen Conservancy。

チトラル付近のマーコールを観察できる保護区・国立公園に比べると谷が狭く、切り立った岩山が印象的な、風光明媚な谷です。トゥーシ・シャシャ保護区と同様、周辺の村の共同体による管理下にあり、年に1頭のトロフィー・ハンティングが認められている保護区です。

 

チトラル川に沿った幹線道路からそれて保護区に入ると、なかなかの悪路。途中、大理石の山を通り、小川を渡っていきます。

 

昨晩の雪が岩肌に残っています。

 

ガヒラート・ゴレン保護区は1998年に設立された95,000ヘクタールの共同体の保護区です。峻険な岩山に囲まれ、限られた斜面にはセイヨウヒイラギ Quercus ilex、ヒマラヤスギ Cidrus deodara、チルゴザマツ Pinus gerardiana が見られます。

 

岩山を背景に、マーコールのメスが現れました。あー、もしこれが角の大きなオスだったら良かったのに・・・と思ってしまう、絵になる景色。

 

メスを求めてオスが現れました。この時期に見られるマーコールのオスは、繁殖可能なメスを探し続けています。

このガヒラート・ゴレーン保護区のマーコールの群れのサイズは、トゥーシ・シャシャ保護区の群れが25~57頭に対し、10~21頭と小さく、この険しい環境によるものではないかとのことでした。

 

若いオスが角を合わせる練習をしています。どの群れでも、オスがメスを追いかけるホットな光景が見られる面白い季節です。

 

Photo & text :Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020, Gahirat (Gehrait) Goleen Conservancy, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

Special Thanks : KPK Wildlife department, WWF Pakistan, TOMO Akiyama

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ユキヒョウ!カラコルムハイウェイより Snow Leopard on KKH

12月下旬、ユキヒョウを求めてパキスタン最北部へ。中国との国境の町スストを越え、カラコルム・ハイウェイをベリーのチェックポストからコクサルにかけて移動し、アイベックス、ヒゲワシを観察。そして、ユキヒョウが!

 

Snow Leopard on KKH Pakistan

 

カラコルム・ハイウェイからは「偶然」でしかユキヒョウと出会えないと思っていたので、なんともラッキーなユキヒョウ遭遇でした。

 

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020,  Wadkhun – Khunjerab National Park,  Gilgit -Baltistan

Special Thanks :  TOMO Akiyama and  Hussain Ali, Abul Khan

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ヒゲワシ(チトラル・ゴル国立公園)

はじめてこの鳥を見たのはインドのラダックでした。「え、誰コレ!?」って聞いたら「ラマガイエ」という返事。そのスペルもLammergeir、どう発音するのか謎でしたが、みんなラマガイエと言うのでそう発音しています。

この名は古いドイツ語の呼び名だそうで、より一般的には英語でBearded Vulture。でも「ラマガイエ」と呼びたくなる、かっこいい名前です。

 

ヒンドゥークシュの山を背景に飛ぶヒゲワシ。観察したのはチトラル・ゴル国立公園です。

ヒゲワシはユーラシア大陸中央部の山岳地帯、東アフリカ・南ヨーロッパの一部の山岳地帯、切り立った断崖で見られる鳥。大きな鳥で、全長115㎝、翼を広げると3m近くになります。ヒゲワシは英名にvultureとついていてハゲワシの仲間のように思われますが、何よりも羽毛のある頭部が全然違います。

 

ヒゲワシは動物の死骸、特に古くなった肉、骨髄が好物。大きな骨を落として割ったり、岩を使って骨を砕く様子も観察されています。

 

ハゲワシが空を舞っていると「どこで動物が死んでいるなー」と思うのですが、ハゲワシの次の段階にやってくるのがこのヒゲワシだそうです。そしてこのヒゲワシ、脊椎動物の中で唯一、食のほとんど(70~90%!)を骨から摂取している動物です。

 

アラビアンナイトに出てくる「怪鳥ロック」がこの鳥がモデルとか、古代ペルシャの「怪鳥ホマ」だとか諸説ありますが、古代の人々にとっても特別な存在だった鳥のようです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation :Dec 2020, Chitral Gol National Park, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

Special Thanks : KPK Wildlife Department, WWF Pakistan, Tomo AKIYAMA

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(動画) ユキヒョウはどこ?モルホン村に現れたユキヒョウ

モルホン村に現れたユキヒョウの動画です。村人が「あそこにいる!」というけど、なかなか見つけられませんでした。

アイベックスを食べた後、川の対岸で寝ていたユキヒョウをモルホンの村人と観察。

 

ユキヒョウはどこ?Snow Leopard in Pakistan

 

午前にアイベックスを仕留めたユキヒョウは肉を食べて、残りを茂みに隠して岩場に上り寝ていました。

ユキヒョウが起きた15時ごろの動画です。村人があちこちにいて、困っているユキヒョウです。

 

村人がいて困っているユキヒョウ Snow Leopard appeared in Morkhun Village

 

 

Video & text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2019, Morkhun Village, Gojar, Gilgit-Baltistan

Special Thanks to Mr.Sultan Gohar (Khunjerab National Park)

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カシミール・マーコール(トゥーシ・シャシャ保護区)

Markhorは日本語でマーコールと発音する、ウシ科ヤギ属の動物でヤギ科で最も体が大きいヤギの仲間。

このマーコールのオスは、動物ファン、いえ「角もの(Horned Animal)ファン」にはたまらない、「角のある動物の王様」「野生ヤギの王様」なのです。

インド西部、中央アジアに生息していますがコア・ゾーンはパキスタンの山岳地帯。一時は密猟などで生息数が減りましたが、2020年現在、コントロールされたトロフィー・ハンティングだけが認められ違法な狩猟が取り締まられた結果、生息数は大きく回復にあるようです。

 

訪れたのはトゥーシ・シャシャ保護区(Tooshi-Shasha Conservancy )。川の対岸にマーコールを見るチャンスがある場所です。

1979年、1,045ヘクタールから始まったトゥーシ保護区は1998年に20,000ヘクタールに拡張され、周囲の7つ村の共同体管理の保護区となりました。狩猟が禁止されている国立公園と違い、管理下の狩猟が認められている保護区です。

狩猟のため野生動物が人をおそれるのが普通のパキスタン。それでもこのトゥーシ・シャシャ保護区では近くで観察することができした。

 

マーコールのオスです。この付近でみられるマーコールは「カシミール・マーコール」と呼ばれる亜種。パキスタンの北部ではギルギット周辺に生息する「アストール・マーコール」とこの「カシミール・マーコール」の2種が見られます。

立派な角のオスです。この季節、雌を求めて標高の低い地域へやってきます。

 

カシミール・マーコールのグループ。普段、雌と若いオスが一緒に群れでいますが、この季節はオスが合流します。

 

オスが降りてきました。

 

近いです。雄の角は最大で160センチ(63インチ)にもなるそうです。ちなみに雌の角は25センチ(10インチ)で小さく、角だけでなく、体の大きさも全然違います。

 

さて、もっと近づいてきたオス。表情が何やら・・・怪しい。

 

口をむいたり、舌を出したり・・・フレーメン反応でしょうか、発情周期にある雌に反応しているようです。

 

繁殖の季節=マーコールの恋の季節は、悲しいことに人間による「ハンティング・シーズン」。大きな角を狙ったハンターが「許可証」をオークションで獲得してやってきます。

 

2020年はコロナのことがあり、オークションで「許可証」は売れたけどハンターが本当に来るかどうかはわからない、と聞いていましたが、私たちが訪れた翌日に外国からハンターが到着しました。20,000ヘクタールのトゥーシ・シャシャ保護区に生息するとされる1,400頭ほど(2015年の調査による)のマーコールのうち、毎年2頭が「トロフィー・ハンティング」として献上されます。

カシミール・マーコールのオークションはUS$9000~10,000からスタートし、一番高値を付けた人が落札します。この収益の8割がコミュニティに還元され、学校・医療などのために使われています。

 

2頭のトロフィー・ハンティングが地元の収益となり、種の保護につながっている・・・これが、現在のパキスタンの「野生」と「人々の暮らし」の共存のひとつの形のようです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020,  Tooshi-Shasha Conservancy, Chitral, Khyber Paktunkhwa

Special Thanks : KPK Wildlife Department, WWF Pakistan, TOMO Akiyama

カテゴリ:■カイバル・パクトゥンクワ州 > チトラル > マーコール > ◇ パキスタンの野生動物
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シャティアールの岩絵(カラコルム・ハイウェイ)

カラコルム・ハイウェイを北上、ギルギット・バルティスタン州に入り、未知の仏教遺跡があることで知られるタンギール谷とダリル谷の間にあるのが、シャティアールの岩絵 Shatial Rock Art Carving /Petroglyphです。

古来からこの付近は「古のシルクロード」のインダス川を渡るポイントであり、インダス川に流れ込む谷を結ぶジャンクションになっていました。

日本人には「仏教の岩絵」として知られるシャティアールですが、仏教徒が岩絵を刻む以前から、中央アジアの商人たち、巡礼者、旅人がここを通過し、名前や時を刻んでいきました。シャティアールの橋の付近にはそういった古代文字(ソグド文字、バクトリア文字など)も見つかるそうです。

 

インダス川の河原でヤギを放牧する人々。削られた岩と砂の河原。最近は少なくなりましたが、以前は砂金を取る人々の姿がありました。

 

インダス川にかかるタンギール谷 Tangir Valleyへの橋。かつての旅人は、冬になりインダス川の水量が減る時期に渡渉し、その河原に足跡を刻みました。仏教の時代には「ガンダーラ」を目指して僧侶・巡礼者が訪れ、この河原の大きな岩にストゥーパや仏の姿、ジャータカ物語を刻み、祭壇を創り出しました。

 

シャティアールの橋と岩絵。ストゥーパ、仏の姿が刻まれています。

 

仏教のモチーフと、右上にはアイベックスが刻まれています。アイベックスは標高3,000mを越える山岳地帯に生息していますが、ヒンドゥークシュ山脈を越えフンザ川、インダス川に沿って南下する途中に見たのでしょう。それぞれの岩絵の時代や書き手はわかりませんが、貴重な歴史と古代に生きた人々の証です。

 

そしてこのインダス川沿いの景色も変わろうとしています。

カラコルム・ハイウェイのベシャムからチラースの間には2つの大きなダムプロジェクトが急ピッチで進められています。ダスーダム水力発電所とディアメルバシャダム水力発電所です。

昔からあったプランですが、電力不足解消と化石燃料による発電所の廃止方向が決まりものすごい勢いで工事が進んでいます。

沈むのはカラコルム・ハイウェイや村だけでなく、インダスが育んできた悠久の歴史も人の暮らしもです。この川沿いの風景が失われていくことは残念でなりません。メインの岩絵はおそらく「移設」されるのでしょうが多くは水没します。

あと何年、この景色を見ることができるのでしょうか、これまで長距離で苦痛だったカラコルム・ハイウェイの旅も、この景色もカウントダウン。貴重な思い出になっていくのでしょう。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Dec 2020, the Karakorum Highway, Shatial,  Gilgit-Baltistan

カテゴリ:インダス河畔の岩刻画 > ■ギルギット・バルティスタン州 > カラコルム・ハイウェイ
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ベニハシガラス Red-billed Chough(上部フンザ)

パキスタンの北部山岳地帯に行くと、「赤いくちばしのカラス」と「黄色いくちばしのカラス」がいます。

 

厳密にはスズメ目カラス科、ベニハシガラス属に分類される2種で、「赤いくちばしのカラス」=ベニハシガラス (Red-billed Chough)、「黄色いくちばしのカラス」=キバシガラス (Yellow-billed Chough) です。
Choughは「チャフ」と発音し夏は標高5,000m以上の高地で繁殖し、冬になると群れを成して谷に降りてきます。

 

ユーラシア大陸とアフリカ大陸の一部に分布し8亜種に分かれていますが、この北部パキスタンで見られるものはPyrrhocprax pyrrhocorax himalayanusでヒマラヤ山系から中国西部に生息し、体が大きく青紫の光沢の羽が特徴です。
ヨーロッパやアフリカでは標高2,000~3,000mほどで観察できますが、ヒマラヤ・カラコルムでは標高3,000~5,000mと高地でしか出会うチャンスがありません。

 

ベニハシガラスと出会った、冬のモルホン村付近の河原。冬の上部フンザは大変美しく、荒々しい岩肌に雪がつく景色はまさに芸術作品。

 

ベニハシガラスの観察中に河原で出会ったヤギ・羊を放牧へ連れて行く人々。上部フンザの7つの村では、夏の間はヤク、羊・ヤギのすべての家畜がクンジュラーブ峠付近の高地へ連れて行かれますが、冬の間は大人のヤクだけが高地に残り、この夏に生まれた子ヤク、ヤギ・羊は標高3,000mほどに位置する村で過ごし毎日放牧へと出かけます。

 

村人とヤギ・羊が通る道のそばに集まっていたベニハシガラス Red-billed Coughとキバシガラス Yellow-billed Chough。一般的にベニハシガラスの方が群れでいることが多く、キバシガラスの方が少ないです。

 

カラコルムハイウェイ沿いでスナジグミの実をついばむベニハシガラス。このスナジグミはユーラシア大陸で広く見られる落葉低木で、日本ではサジーとかシーバックソーンと呼ばれ一部で栽培されているそうです。

カラコルムではこの厳しい冬に実が食べられる、野鳥にとってとても大切な木です。

 

赤くゆるやかなカーブのくちばし。そして赤いのは嘴だけでなく足もです!

 

冬に上部フンザやスカルドゥ方面を訪れる際には、気をつけて観察しましょう。「ただのカラス」ではなく、赤いくちばしと黄色いくちばしのカラスに出会えます。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020, Morkhon – Sost, Gilgit-Baltistan

Special Thanks : TOMO Akiyama

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パキスタン航空、スカルドゥ離陸!ナンガ・パルバットの全貌

パキスタン航空でスカルドゥからイスラマバードへ向かった時の記録です。

ギルギット便は早朝のため、ナンガ・パルバットの背後に太陽が昇り真っ白になることがあるのですが、スカルドゥ便は少し遅いので太陽が高く上がり、山がきれいに見えることが多いかな、と思ってます。早朝に比べると雲が多くなりますが。

 

スカルドゥ空港を離陸すると、ポプラ並木の並ぶスカルドゥ郊外の村とインダス川、カトパナ砂漠が。

 

インダス川沿いの崖の上に築かれたスカルドゥ要塞 Skardu Fort、Kharpocho Fortとも呼ばれる16世紀に建てられた要塞です。

 

スカルドゥ渓谷からシガール渓谷にかけて見られる寒冷地砂漠の砂丘。標高2,500m付近に広がる世界でも稀な高所にある砂漠で、インドのラダックのヌブラ谷からスカルドゥにかけて砂丘が点在しますが、スカルドゥからシガールにかけての地域にある砂丘が大きく、きれいです。

 

世界第9位の高峰、ナンガ・パルバット。スカルドゥを出たとき、今日は雲の中で見えないかと思いましたが、南西面は晴れていました。

 

頂上付近は吹いています。

 

ナンガ・パルバットの主峰が標高8,126mで、インダス川の河岸が1,100mほど。高低差7,000mの地形をフライトから望みます。わずか23キロほどの間にこれだけの高低差がある場所は本当に稀です。

 

そしてナンガ・パルバット山塊の全貌です。北のチョングラ山群、ライコットピーク、主峰群。

 

ナラン渓谷の奥にある、サイフルムルク湖。以前は美しい場所でしたが、近年の国内客の増加でゴミだらけになった悲しい観光地のひとつです。

 

なんか、現実に戻ってきましたね、もうパンジャーブ平野に入りイスラマバードに到着です。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

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