オオフラミンゴ Greater Flamingo (ソーン渓谷) 

イスラマバードから南東150キロほどのソーン渓谷には湖がいくつかあり、そのうちのウチャリ湖  Uchhali Lake は渡り鳥の飛来地。塩分を含む黒い水をたたえた湖でフラミンゴが飛来することで知られています。

訪問した3月下旬はもうカモ類はほとんどいませんでしたが、フラミンゴが200羽以上いました。地元の人によるとこれまでは20~40羽が飛来することはあったが、こんなに大きな群れは初めてだと。2016年は飛来もなかったのに、2018年は200羽以上がやってきてまだ移動せずにウチャリ湖にいました。

村を背景に飛ぶオオフラミンゴ。

オオフラミンゴはもともと不定期な渡りをするそうですが、このグループはもう11か月ほどウチャリ湖に滞在しているそうで地元の人も不思議がっていました。開発で生息地を失ったのではないか心配です。

オオフラミンゴは120~140cmとフラミンゴ科で一番大きなフラミンゴです。その「最大のフラミンゴ」がパキスタンの空を彩る姿は、想定外の光景でした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : end of March 2019, Ucchali Lake, Soon valley, Punjab

Reference: Birds of Pakistan, Birds of the Indian Subcontinents (Helm Field Guides)

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カルタルプール シク教の聖地グル・ナーナク霊廟

※2019年11月9日、インド北部デラババナナク(Dera Baba Nanak)からカルタルプール(Kartarpur)への「巡礼回廊」が開通し、シク教徒の査証なし巡礼が可能になりました。この記事の工事・改築前のグル・ナーナク廟の記録です。

 

シク教の教祖であり初代グルであるグル・ナーナクの霊廟がパキスタンにあるってご存知でしたか?
もちろん、グル・ナーナクの時代には今のような国境もありません。
20年におよぶ世界旅行を終えたグル・ナーナクは、現在のカルタルプールの地に宗教もカーストも関係ない人たちで最初のシク教のコミュニティーを作りました。
グル・ナーナクは家族とともにここで暮らし1539年9月22日に亡くなりました。

 

グル・ナーナクの霊廟、グルドワラ・ダルバール・サーヒブ・カルタルプール Gurdwara Darbar Sahib Kartarpur は彼がなくなった場所に建っています。

 

今の建物は1925年に建てられたもので、1947年に印パが分裂してからはパキスタン政府が修復などをしてきました。

 

シク教の聖典が収められている聖所。

 

グルドワラで食事を提供するパキスタンの料理人。ちなみに、カルタルプールに暮らすシク教徒は一家族だけなのだそうです。

 

このシク教徒の聖地がパキスタン領にあることはインドに暮らすシク教徒にとっては頭の痛いことでした。この場所はラビ川をはさんでインドの国境から4キロの地点。彼らはインド側のデラ・ババ・ナーナクから双眼鏡でパキスタン側の霊廟を拝むことしかできませんでした。

そこにニュースが。1999年来、シク教徒向けに「査証なし巡礼路」を作るという案がありましたが、2018年11月、パキスタンの首相イムラン・カーンとインド高官の話し合いにより進展し、実現に向けて動いているのです。
2019年11月はグル・ナーナク生誕550年を迎えます。その前に、査証なしでインドに暮らすシク教徒が巡礼できるKartarpur corridor、「カルタルプール巡礼回廊」を築こうということになったのです。

 

訪問したのは印パのテンションがマックスに達した後の2019年3月半ばでした。そんな政情とは関係なくプロジェクトは着々と進んでいるようで、グル・ナーナク霊廟の付近は「巡礼回廊」の完成に向けて大きな工事現場と化していました。

 

「巡礼回廊」の実現、多くの人が祈っていることでしょう。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit :March 2019, Gurdwara Darbar Sahib Kartarpur, Kartarpur, Punjab

カテゴリ:■パンジャブ州 > カルタルプール
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印パ国境越え・ワガに到着!

印パ国境の続きです。<印パ国境越え・アタリからワガへ はこちら>

国境の門をくぐるとジンナーさんの肖像画をかかげたフラッグセレモニーのスタジアムです。インドとパキスタンの時差は30分。国境で忘れずに時計を合わせ、スーツケースを引きずって歩きました。

 

振り返ったインド側。続々と人が越えています。ちょうどインドとパキスタンの関係が悪化していた時ですが私が国境にいた短い時間だけでも50人ほどのの往来を見ました。中にはガッツリ国境を撮影していた欧米からのグループ客の姿も。

 

パキスタン建国の父、ジンナーの肖像画。

 

ちなみにこの国境は普通は歩いて越えますが、デリー・ラホール間を走る「インド・パキスタン友好バス」は車両を変えることなく、バスが国境を越えていきます。

国境の空いている時間をよく聞かれるのですが、最近はフラッグセレモニーの時間をのぞけば夕方も開いているようです。それでも3時までに国境越えを済ませるのが賢明です。

 

フラッグセレモニーのスタジアムから出てまっすぐ進むとまもなく右手にイミグレーションオフィス。この付近では「両替」をあっせんする人もいます。

イミグレーションオフィスでは、空港の入国カードとは違いずいぶん詳しく書かなくてはならないA4サイズの入国カードを書きました。(2019年3月現在)

荷物をX線に通し、税関を抜けます。ここからまださらにラホール側に歩いていくと、ようやく出迎えに来てくれた西遊パキスタン支店(Indus Caravan)のスタッフが。ここからラホールまであと1時間です!

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit : Mar 2019, Wagha Border, Punjab

カテゴリ:ワガ国境 > ■パンジャブ州
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印パ国境越え・アタリからワガへ

印パの緊張が高まった2019年3月に越えた、印パ国境。これまでに比べて、確かに軍人の顔つきが厳しかったかな?と感じる以外は本当に平和な国境越えでした。
朝8時50分のアムリトサル行き国内線。1時間で到着し、空港から国境のアタリまでは車で30分。

 

アタリが近づくと正面に大きなインドとパキスタン国旗掲揚ポールが見えてきます。この時はパキスタン側だけ旗が上がっていました。

 

こういう標識を見ると国境情緒が盛り上がります!

国境の施設につくと入口でエントリーを済ませ、イミグレーションと税関のある建物へ。ここからは写真撮影禁止です。荷物のセキュリティーチェックを終えイミグレへ。ここではパスポートを提出するだけ。そして荷物をX線にかけ、カスタムフォームを記入。税関は国境を越える人で少し時間がかかりました。ちなみに、デリー・ラホール間を走る「印パ国境越えフレンドシップバス」と重なると、先が見えないくらい時間がかかることがあります。

 

カスタムを越えると国境のフラッグセレモニーのスタジアムがあるところまでバスで移動します。

 

フラッグセレモニーのスタジアムに到着するとここからは写真撮影が可能。ちなみに、荷物を運ぶポーターを利用するとかなり高くに要求されますので覚悟して下さい。

 

ゲートでパスポートのチェックを受け、歩いていよいよパキスタンへ!

 

目の前にパキスタン

 

パキスタン側の国境では記念撮影する旅行者たちの姿が。

国境警備の人が、Welcome to Pakistan, please show me your passport、と。パキスタンへ到着したのはインド時間の12:00、パキスタン時間の11:30でした。

 

Photo & Text :Mariko SAWADA

Visit : March 219, India-Pakistan border crossing, Attari to Wagha

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パスニの砂丘にて(バロチスタン)


パスニの砂丘にて・・・

2月訪れたバロチスタン州のパスニ。町のはずれにある砂丘に行ってみました。もちろんサハラ砂漠やルブアルハーリー砂漠なんかとは比べ物にならない小規模な砂漠ですが、写真の撮りようによってはステキな砂漠に見えます。

 

シムシャール出身のアズィーズさん、砂丘をどんどん登って満面の笑み。初めて見る砂丘です。

 

西遊パキスタン(Indus Caravan)スタッフのアドナーンさん、「モロッコにいるみたいに見えない?」とこちらもうれしくてしょうがいない様子。

 

そして西遊旅行初のバロチスタンツアーに参加してくださった皆様、エスコートしてくださったマクラーニー族、バローチー族の地元警察チームです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA 

Visit : Feb 2019 – Pasni, Balochistan

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ヒマラヤアイベックス(クンジュラブ国立公園)

2018年の年末年始はクンジュラーブ国立公園で過ごしました。お世話になっている国立公園のスタッフの方の手配で国立公園内に滞在。寒さも厳しく苦労はいっぱいでしたが大自然の中で過ごした貴重なお正月でした。

 

カラコルムハイウェイから見たアイベックスの姿。

 

求愛の季節。オスがメスを追いかけていました。

 

移動するアイベックス、美しい光景です。

 

道路近くに現れた若いオス。パキスタン北部のアイベックスは英語ではHimalayan IbexとかSiberian Ibexと呼ばれる亜種(Capra sibirica)。この中でも生息地域によってさらに分類されているようです。

 

クンジュラブ国立公園、標高4,500m付近にいた若いアイベックスです。

 

Photo & Text: Mariko SAWADA

Obeservation : Khunjerab National Park

Special thanks : Mr.Sultan Gohar – Khunjerab National Park

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シマシャコ Grey Francolin (バロチスタン)

バロチスタンのクンドマリール Kund Malirにある宿の庭に暮らすシマシャコ Grey Francolinです。大きな鳴き声がしたので探したら、すぐそばにいました。この宿の庭は完全にこのシマシャコご夫婦のテリトリーになっているようで、人が通ろうが車が入ってこようが億することはありません。

 

シマシャコはインド亜大陸の乾燥した平地に暮らしています。インドでもそうですが、土地開発で住処を奪われている野鳥です。インドのハリヤナ州で早朝にバードウォッチングでシマシャコを観察に行ったことがあるのですが、その時はとてもシャイな印象だったので、駐車場を闊歩している姿にちょっと驚きました。

 

そして、地面にスリスリしています、大変愛らしい光景でした。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Feb2019, Kund Malir, Balochistan

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エジプトハゲワシ Egyptian Vulture(バロチスタン)

バロチスタンのマクラーンコーストで観察したエジプトハゲワシ Egyptian Vultureです。イベリア半島から北アフリカ、インドにかけての広い地域で観察される鳥ですが、夏にバロチスタンで繁殖しています。かつては一般的な野鳥でしたがその数は減り、今では見ることが少なくなった鳥でもあります。

 

60~70センチと小型のハゲワシで頭は小さくとがっていて顔は黄色い皮膚が露出しています。成鳥は濁った白い色で翼を上からたところです。

 

翼を下から見たところ。マクラーンコーストの漁村の上をしばらく飛んでいました。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Feb 2019, Makran Coast -Balochistan

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冬のカイバル村のアイベックス

1月のカイバル村にはたくさんのアイベックスが来ているよ、と言われさっそく行ってみました。クンジュラーブ川の対岸の農地の斜面にたくさんいました。クンジュラーブ国立公園よりも近くで観察できました。

 

パキスタン北部のアイベックスは英語ではHimalayan IbexとかSiberian Ibexと呼ばれる亜種(Capra sibirica)。この地域では12月~1月はアイベックスの繁殖の季節。オスがメスを追いかけます。

 

アイベックスの子供が生まれるのは6月です。

 

美しい雪のカイバル村、Juniper Valley。

 

シロガシラジョウビタキ White-winged redstartのつがいの姿も。冬の上部フンザの村ではシロガシラジョウビタキの姿をよく目にします。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation : Jan 2019, Khyber Village – Gilgit-Baltistan

Thanks to Mr.Irfan -khuber village, Mr.Sultan Gohar -Khunjerab National Park

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