11月上旬、カラーシャの谷・ボンボレット村を訪問しました。もう少し早く行くことができれば”とうもろこしの収穫”をするカラーシャ族の美しい光景を見ることができたのですが、代わりに冬支度をする村の様子を見ることができました。
この季節になると観光客の姿もほとんどなく、村の様子も落ち着いていました。
アユンの町を通り抜け、カラーシャの谷へと向かいます。その途中に見られるのがこの景色。アユンの丘の向こうにそびえる、ヒンドゥークシュ最高峰ティリチミール(7,708m)の雄姿です。朝の光を受け、巨大な山塊が輝いていました。
つり橋を渡ると、ボンボレット谷とランブール谷の分岐点につきます。ここから西側のボンボレット谷へ。
カラーシャ族の家屋が見えてきました。山の斜面に建てられた木造の家でテラス、屋根が効率よく利用されています。
民家の庭で羊を可愛がるカラーシャの少女を見つけました。その美しい光景にうっとりします。
木をくり抜いた階段を上がり、シャーマンの女性の家へ行ってみました。
シャーマンの女性の家のテラスです。話によると、彼女は未来を予知したり、失くしたものを探す力があったため、みんなの希望を受けシャーマンになったとのことでした。
シャーマンのお宅。灯は入り口だけで、伝統的なカラーシャ族のシンプルな暮らしでした。さらに村を散策。
村の葬儀場にある木像。
カラーシャの手作りワイン。
屋根の上で脱穀作業をする女性。収穫後ならではの景色。
うれしかったのは、以前よく訪問していたアニッシュ村の学校の先生のお宅のお嬢さんが、お母さんになっていたことです。
2年ぶりに訪れたボンボレット村。ムスリム人口が増え、カラーシャの少女たちも以前に比べヴェールを被る姿が増えています。民族衣装の刺繍の色見にも流行があり、だいぶ派手になっていました。
近代化、より楽な暮らしへの変化は求められるものです。しかし、急激に古来より培われてきた伝統が失われるのを見るのは残念でありません。パキスタン・イスラム共和国で生きる、貴重な信仰を持つ民族カラーシャの文化と伝統の存続を強く祈ります。
Photo & text : Mariko SAWADA
Visit : Nov 2021, Bumburet, Kalash Valley, Khyber-Pakhtunkhwa
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