杏の花咲く、春の桃源郷フンザ

3月下旬、フンザの谷が淡いピンク色の杏の花に包まれました。畑には小麦の新芽の緑が。フンザは1947年の印パ分離独立後も1974年まで藩王が支配していました。ブルシャスキー語を話す、ブルショーの人々が暮らす谷です。

 

フンザは「桃源郷」と謳われ、「長寿の里」として知られています。この美しさ、果樹に支えられた村の暮らしが「長寿の秘訣」なのかもしれません。

ブルショー Brushoの人々が話す言葉、ブルシャスキー語 Burushaski は「孤立した言語」で他のいかなる言語とも関連性が見つかっていません。インド・アーリア系民族の到来以前にこの地に存在した言語集団の末裔ではないか、と言われています。フンザ谷、フンザ川をはさんで対岸のナガール谷、ワハーン回廊へ通じるヤスィーン谷、イシュコマン谷にもブルシャスキー語を話す人々が暮らしています。

 

バルティット村の中心地の景色です。昔は大きな建物というと、藩王の居城だったバルティットフォート Baltit FortとダルバールホテルDarbar Hotelくらいでしたが、今は大きな建物(ホテル)が目立つようになってきました。

 

バルティット村から望むラカポシ Rakaposhi (7,788m)。フンザ川対岸のナガール谷の山で、フンザのいたるところから展望できる名峰です。

 

同じくバルティット村から望むディラン峰 Diran  (7,266m)。

 

杏の花咲くアルティット村 Altit Village とドゥイカル Duikal の間を歩いてみました。

 

満開に咲き誇る杏。杏の実、その種、種から取る油がどんなに暮らしの中で大切かがわかります。

 

アルティット村はたくさんの杏の果樹に覆われていました。村歩きでは美しい村人との出会いが。フンザの人々、ブルショー人は見た目も色が白く、髪の毛の色が薄い人が多くいます。

 

可愛らしい子供たちとの出会いが。

 

この日のランチは、バルティット村のアミンさんの家でフンザの郷土料理を用意してもらいました。

 

ちょうど写真家・中西俊貴さんの撮影ツアーがフンザに来ており、郷土料理を作る様子を撮影。

 

フンザを代表するメニュー ドウドスープ Dowdo Soup を準備しています。

 

大変美味なチーズチャパティ(ブルシャスキー語でブルスシャピック Burus Sapik)を作っています。フンザのチーズ、ミント、トマト、ネギ、玉ねぎ、果実オイルが小麦のチャパティで巻かれています。とてもヘルシーで、パキスタンに来て食事に困っているベジタリアンの方にもおすすめです。

 

本日のランチ。果実油をたっぷり使った郷土料理、フンザの郷土ワインとの相性も抜群です。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : March 2023, Hunza, Gilgit-Baltistan

西遊旅行のパキスタンツアー一覧

※パキスタンでの旅行現地手配を承っております。お問い合わせ・ご相談は、西遊旅行Indus Caravan へ!

*Please follow us on YoutubeInstagram & Facebook

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > フンザ
タグ: , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,

桃源郷フンザのおみやげ

7,000m級のカラコルムの高峰群に抱かれ、「桃源郷」とも呼ばれるフンザの里。
フンザで人気のお土産をいくつかご紹介します。

フンザの中心地、カリマバードのメインストリートには特産品を売るバザールが並びます。規模は大きくありませんが、観光の合間に気軽に散策を楽しめる場所です。

 

カリマバードのバザール

最初にご紹介するのは、フンザの特産品ともいえるドライフルーツとナッツ。

杏などの果物の栽培が盛んなフンザでは、果実の収穫後すぐに種を取り出し天日干しをし、保存食としてドライフルーツにします。ドライアプリコットは一般的なものと比べると色は茶色く、食感も硬めですが、これは添加物が一切使われていない証。噛むほどに杏の華やかな香りが広がり、つい癖になる味わいです。

ナッツは新鮮なクルミやアーモンド、アプリコットシード(杏仁)が有名。アプリコットシードは一見アーモンドに似ていますが、その名の通り、杏仁豆腐でおなじみの独特な香りが楽しめます。少し苦味はありますが、免疫を高める効果があるといわれています。

その他にもさくらんぼや桑の実、梨のドライフルーツもなかなかこの地でしか手に入らないのでおすすめです。

 

お土産屋さんで売られるドライフルーツ

バザールでは木工製品のお土産も目立ちます。杏の木やくるみの木は木工細工にも適しているため、それらの木材を使った置物や小物入れ、食器などが並びます。

 

杏の木やくるみの木でできたスプーン。アーティストが毎日一つ一つ手作りしています。

 

精巧な彫刻が施されたティッシュボックス

フンザの伝統的な刺繍をあしらった手工芸品も人気のお土産の一つ。ウール製のバッグやスリッパ、帽子に鮮やかな刺繍が施されています。

 

ポーチバッグ
スリッパ

また、フンザ周辺の北部パキスタンは数多くの天然石の原産地。専門店では水晶、アクアマリン、トパーズ、ガーネット、ブラックトルマリンなど色とりどりの天然石を扱っており、小さい原石などは比較的安価で手に入れることができます。
お気に入りの石や誕生石などを探してみるのも特別なお土産になりそうです。

 

アクアマリンの原石

バザール散策で一息つきたくなったら、Cafe De Hunza(カフェ・ド・フンザ)に立ち寄るのもおすすめ。

ここではフンザのくるみをたっぷりと使った名物のくるみケーキがいただけます。
コーヒーとの相性は抜群。ケーキはお持ち帰りもできます。

 

キャラメルでからめたくるみがぎっしり入った名物ケーキ

Cafe De Hunzaではお土産用にアプリコットオイルも販売していました。
喉の痛みや滋養効果があり、サラサラしているのでスキンケアとしても使える万能オイルです。

 

アプリコットシードオイル

ドライフルーツに木工品、ナッツ、オイル…と杏を良いところを余す事なく使用していて、フンザの人々にとって杏は生活に欠かせない、とても大切な存在なのだなと感じます。

まだまだご紹介しきれていないものもたくさんありますが、フンザを訪れた際にはぜひ、バザール散策でフンザならではの「桃源郷土産」を探してみてはいかがでしょうか。

 

Photo &Text : Madoka Nishioka

Visit : March 2023, Karimabad, Hunza, Gilgit-Baltistan

西遊旅行のパキスタンツアー一覧

※パキスタンでの旅行現地手配を承っております。お問い合わせ・ご相談は、西遊旅行Indus Caravan へ!

*Please follow us on YoutubeInstagram & Facebook

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > フンザ
タグ: , , , , , , , , , , , , , , , ,

春のスカルドゥへ

国内線でスカルドゥに到着すると、その風景に驚き、ほぼすべての観光客が写真を撮ります。航空機はインダス川の河畔の雪をいだいた高峰群に囲まれた砂漠の空港に着陸します。

 

標高2,230mの砂漠にあるスカルドゥの空港。昨年「国際空港」に昇格しました。最近はスカルドゥ線の運航率が良くなり、夏にはイスラマバードだけでなくカラチやラホールからも飛ぶようになりました。が、フライトキャンセルの場合カラチからは陸路ではこれません。外国人観光客はやはりイスラマバードからの便を選ぶのが安全です。

イスラマバード~スカルドゥフライトの映像、ナンガパルバットが目の前に!

 

空港から20分ほどでスカルドゥの町に到着です。バルティ族が暮らし、スカルドゥはバルティ語で2つの高い場所の間にある土地を意味します。かつてはチベットの一部であり、カシミールへの交易の中心地もありました。後にイスラム化し、1947年の印パ分離独立の後、帰属をめぐって3回の戦争を経てパキスタンに。

 

到着した3月23日はパキスタンデー Pakistan Dayでした。1940年3月22日、全インドムスリム連盟の大会でジンナーがパキスタンの建国提案し、翌23日に建国を満場一致で決議した日です。独立記念日と同じく、重要なパキスタンの記念日。

学校でイベントがあったのでしょう、子供たちが国旗を手にして道を歩いています。

 

スカルドゥのバザールです。豆、穀物を売る商店。

 

スカルドゥの郊外にあるコワルド村 Kowardo village から買い出しに来ていた村人。顔つきが少しチベットっぽいですね、フンザ地方やパンジャブ地方とは異なります。

バルティの男性は強いことで知られ、夏にはK2ベースキャンプのトレッキングや登山で活躍しています。

 

バザールにはパンジャーブ地方の「ソルトレンジ  塩の山脈」で採掘されているピンクソルトの岩塩もありました。家畜になめさせたり、小さなブロックは「ナムキンチャイ(塩味のチャイ)」を飲むときに利用されます。

ソルトレンジ-ヒマラヤ岩塩ついて

 

スカルドゥの野菜市場、パンジャブ地方からの野菜や果物も届きます。

 

この日、スカルドゥの杏はほぼ満開を迎えていました。

 

スカルドゥ渓谷のフサイナバード村  Hussain Abad village から見たインダス川。この時期のインダス川は氷河のとけた水が混じらず、きれいな青色をしています。

インダス川はインドのラダックから流れてきます。延長3,180Kmの大河インダスは、その93%はパキスタン内を流れています。北部山岳地帯を出てからパキスタンを縦断するようにアラビア海へと注ぎます。

 

スカルドゥからギルギットへ向かう道から振り返ったスカルドゥ渓谷。幅10Km、長さ40Kmもあるこの大きな渓谷は、320万年前から完新世の間にインダス川とシガール川の氷河が広げたものだといいます。

 

カラコルムハイウェイとスカルドゥを結ぶ、「スカルドゥロード Skardu Road」へ入る前に最後の景色を撮影。スカルドゥの谷は、春は杏の花に、夏は緑に、秋は黄金のポプラに包まれる、大変美しい場所なのです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : March 2023, Skardu, Gilgiti-Baltistan

西遊旅行のパキスタンツアー一覧

※パキスタンでの旅行現地手配を承っております。お問い合わせ・ご相談は、西遊旅行Indus Caravan へ!

*Please follow us on YoutubeInstagram & Facebook

カテゴリ:■ギルギット・バルティスタン州 > スカルドゥ
タグ: , , , , , , , , , , , , , , , ,

(動画)杏の花咲くカイバル村

4月下旬、例年より遅れて杏の花が満開となった上部フンザのカイバル村の景色です。上部フンザにも開発の波が押し寄せています。いつまでもこの美しい村の景色が続くことを望みます。

 

Apricot Blossom in Khyber / 杏の花咲く北部パキスタン

 

Videography : Mariko SAWADA

Visit : April 2021, Khyber, Gilgit-Baltistan

Special Thanks : Hunza Hill-Gah – Khyber

カテゴリ:◆ギルギット・バルティスタン州の動画 > ■ vlog / 動画 - 絶景パキスタン > ■ギルギット・バルティスタン州 > 上部フンザ > カイバル
タグ: , , , , , , , , , , , , , , , ,