「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」前編

 

2024年シーズン「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」のフォトレポートが、紙谷哲平ツアーリーダーより届きました。トレッキング前半部【アスコーレ→ジョラ→スカム・ツォク→パイユ→コボルツェ→ウルドゥカス】までを写真で辿ります。

まずはイスラマバートからトレッカーの玄関口スカルドゥの街へ国内線で移動します。天気が良ければナンガパルバットをはじめとする絶景の山岳フライトですが、今回は曇っていて見ることはできませんでした。しかし、フライトがキャンセルになると陸路で2日間かかるため、無事に到着したことがなによりです。

 

トレッカーの玄関口であるスカルドゥの街

翌日はスカルドゥ滞在またはデオサイ高原にオプショナルツアーで訪問する日程でした。その翌日にトレッキングのスタート地点、アスコーレへと向かいます!道中はシガール渓谷のビューポイントや、砂丘が広がるサルフランガ寒冷地砂漠を眺めながら谷の奥へと進んでいきます。アスコーレへと近づくにつれ道は険しく、川沿いスレスレのアップダウンが多くなっていきます。車酔いしやすい方には試練の道です。

 

ジープでアスコーレに向かう

●トレッキング1日目 (アスコーレ → コラフォン → ジョラ)

いよいよ緑豊かなアスコーレ村からトレッキング開始!途中、この近辺で人が住む最後の集落であるテステ村前のオフィスで手続き。この先は人の住まない広大な道が始まります。

 

緑豊かなアスコーレ村からスタート
人の住まない荒涼とした大地をゆく

出発から約4時間半後、ラトック山群から流れるビアフォ氷河のエンドモレーン内のキャンプ地コラフォンで昼食。腹拵えの後も引き続き川沿いを歩いていき、ドモルド川の対岸にジョラキャンプが見えて来ました。ここで最近開通した、スノーレオパルド橋を渡りnewジョラキャンプへ到着しました。

 

ビアフォ氷河内のコラフォンでランチ
河原沿いのNewジョラキャンプ

●トレッキング2日目 (ジョラ → スカムツォク)

ブラルドゥ川沿いにジープ道を緩やかにアップダウンしながら進み、後半は山道を崖沿いに歩いて行きます。遠くにスカムツォクが見えてきたところで山間に世界第12位の高峰ブロードピーク(8051m)を確認。本日の天気では見れない可能性が高いと思っていたので、ラッキーでした。

 

彼方に8000m峰ブロードピークが見えます

スカムツォクに着いたのは11:20ということで、出発から約4時間半後でした。昼食後、ティータイムを挟んでのんびりとした時間を過ごしました。この日と翌日の午後は休養をしながら、鋭気を養いました。

 

スカムツォクキャンプと大きな虹
スカムツォクキャンプではカレーの夕食でした

●トレッキング3日目 (スカムツォク → パイユ)

この日は氷河前の憩いのキャンプ、パイユまでの半日行動を歩く日となります。スカムツォクより緩やかなアップダウンを過ぎて2時間半ほどすると、バルトロ氷河が見え始めます。トランゴキャッスルやカテドラルなど、バルトロを代表する山々も展望できました。

 

本日も崖道をアップダウンしながら奥へと進みます
バランスをとりながら丸太橋を通過
バルトロ氷河がついに見えてきます

ルート後半は山肌のトラバース道を歩き、ポプラの生い茂るパイユキャンプ(3450m)に到着。水も綺麗な山水がジャバジャバ出ており、洗濯される方もたくさんいらっしゃいました。ダイニングテントの椅子をテント前に持ってきてリラックスする、昼下がりの時間でした。翌日はコボルツェまでの1日行程なので、昼食後は休養の時間とさせて頂きました。

 

パイユ直前は再び崖道に入り、アップダウンが少し増えます
木陰が嬉しいパイユのキャンプ地。氷河上は日陰が全くありません。

●トレッキング4日目 (パイユ → コボルツェ)

いよいよバルトロ氷河に入っていく長い1日です。気合いを入れて出発しました。バルトロ氷河へと歩いて行き、90分もすれば氷河舌端部に到着。

 

いよいよバルトロ氷河舌端部へ

最初こそ少し晴れ間が見えましたが、パイユの下の方から雲が上がってきて雨が降り始めました。氷河の出口から山肌を緩やかに進み、谷が作り出した台地のようなリリゴにて昼食。ここから土砂崩れの恐れのある斜面をヘルメットをつけながら通過し、氷河川の対岸に見えてきたキャンプがまさにとコボルツェ(3940m)です!

 

この小さな木製橋のおかげで渡渉せずに済みました。橋を渡りコボルツェキャンプへ

コボルツェキャンプの夜、北極星とトランゴキャッスル、ビアレ、カテドラル

●トレッキング5~6日目 (コボルツェ → ウルドゥカス)

半日行程で、4時間かけウルドゥカス(4050m)へ。本日はバルトロ氷河には入らず、その支流にある無名氷河を二つ渡って行きます。緩やかな山肌のアッパダウンを進みながら、ひとつ目の無名氷河に入ったあたりでブロードピーク、ガッシャーブルムII,III,IVなどが見えるポイントがありますが、今回は雲で見えずでした。

 

コボルツェからの朝焼けを展望。正面の岩峰はトランゴキャッスル(5753m)
バルトロ氷河には入らず、側面斜面のトラバース。アップダウンが続いていきます

ウルドゥカスは『割れた大岩』という意味で実際に巨岩が散見される、山肌のキャンプになります。真正面はバルトロ氷河、そしてその奥にはトランゴ山群、カテドラル、またビアレから流れ落ちる ビアレ氷河など、名だたる名峰&氷河のパノラマが広がっていました。

 

2連泊するウルドゥカスはバルトロ氷河を見下ろす高展望地です
ウルドゥカスの大岩から望むバルトロ氷河と岩峰群
これから進む方面のバルトロ氷河と名峰群

水道もあるこのキャンプでは休養日含め2泊します。気持ち的にもだいぶ楽だったのではないでしょうか。旅を支えてくれている現地のスタッフさんたちも一息ついて、アリさんの音頭でポーターさん達が歌っていました。

 

アリさんの音頭でポーターさん達が歌っていました。彼らの支えなくしてこの旅は実現できません。

 

後編に続く…

Photo & text : Teppei Kamitani

 

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K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

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タルパンのアルターロック<祭壇の岩>、インダス河畔の岩刻画

タルパンのアルターロック(Alter Rock)「祭壇の岩」はインダス川北岸の砂地にあります。仏教モチーフより動物を中心としたモチーフが描かれた岩です。この古代シルクロードの魅力に満ちた岩刻画をご紹介します。

古来より多くの旅人が行き来したタルパン。最初にこの場所を選び彫刻をしたのは遊牧民でした。アルターロックの正面の岩面はさまざまな動物、屠殺シーンが描かれ、まさに「祭壇」として使われていたのかもしれません。

 

アルターロック、全景

このアルターロック(Alter Rock)の岩の岩刻画の中でも際立つのが、この「生贄を持つ戦士」の絵。生贄なのか狩猟した動物(多くの資料にはヤギとなっていますが動物好きの私にはアイベックスに見えます)を屠るシーンのようですが、大きなナイフを持つ中央アジア風の人物の姿が大変特徴的です。
この男性の服装は当時の騎馬遊牧民の衣装だと考えられ、紀元前3世紀から紀元後3世紀までイラン高原で栄えた王朝、パルティア(Parthian)の人物ではないかとされています。

パルティアは現在のトルクメニスタンで発祥し、イラン高原を中心に紀元前3世紀から広く西アジアを支配し、その治世末期の紀元20年頃分派し、ゴンドファルネス王によってインド・パルティア王国が建てられました。タキシラも一時都としたインド・パルティアはこのインダス河一帯でも活躍していたのでしょう。

この動物を生贄(または屠る)岩刻画のモチーフは殺生を禁ずる仏教の影響より、中央アジア民族の影響が強かったことが伺えます。

 

前足を45度にまげた、デザイン化された馬(また一角獣)の図です。
このポーズは”Knielauf”と呼ばれる表現で古代ギリシャで飛翔を描く際に見られた表現で、アケメネス朝ペルシャの芸術でも見られます。この馬はたてがみと尾が結ばれまるで弓のように見えます。

 

デザイン化したアイベックスでしょうか。目が円い、ことなるスタイルのイラン的な表現です。

 

角をデザイン化したシカのような生き物と、それを追う2つの尾を持つ生き物の図です。パキスタンで野生動物の観察をしている私には、崖にいるアイベックスを襲うユキヒョウに見えます。面白いのは崖のように見えるギザギザの線の先にヘビの頭があることです。
「これは前にはヘビがいて、後ろにはユキヒョウがいて、さらに狩人と猟犬がいて、行き場を失って困っているアイベックスの図です」と教えてくれた人がいました。
このような波状のようなデザインは南シベリアのアルタイ地方の芸術によく見られる特徴だそうです。

このアルターロックにおいて、イラン的な要素の岩刻画が見られることは、すでにアケメネス朝時代にガンダーラ、タキシラがサトラップであったことから驚くことはありませんが、世界でも有数の山脈地帯を越えた北にある南シベリアのアルタイ地方とこのインダス河畔地域に交流があったことは驚かされます。

 

光背持つ大きな仏陀座像と同じく光背を持つ4つの小さな仏陀座像の図です。どの仏陀像も定印 を結び、その衣装は両肩を隠し、衣紋が平行に優雅に描かれています。このような衣紋はインドでAD320~550年に栄えたグプタ朝で見られるデザインに似ています。同じ岩にアイベックスと思われる生き物が描かれていますが、その動きと方向から先にこのアイベックスが描かれ、その上に仏陀像が描かれたと考えられます。

このアルターロック岩刻画の製作年代ですが、仏教モチーフ以外のものは紀元前1千年期半ばごろのものと推測されています。

 

アルターロックの西側のパネルも岩刻画で覆われてます。

 

インダス河畔の岩刻画の中でもマスターピースとも言えるアルターロック。
繰り返し言い続けていますが、これらの岩絵がダムにより永久に失われることが残念でありません。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

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シャティアールの岩刻画  失われるインダス河畔の岩刻画・シルクロードの遺産

インダス川にできる2つのダムのため、永久に失われることになる貴重なシルクロードの遺産、”インダス河畔の岩刻画”について記録しています。

 

圧巻のストゥーパ描写とインスクリプション、”シャティアールの岩刻画”

 

カラコルムハイウェイから少しそれてインダス川へ下った斜面にあるシャティアールの岩刻画群。インダス川の南岸に位置し、東のダレル谷と西のタンギール谷の間にある、当時の旅人、交易キャラバン、巡礼者にとってとても重要であったことがわかります。仏教以前と考えられる岩刻画から、ガンダーラ全盛期のもの、ポスト・ガンダーラ期と考えられるものまでその図象は多岐にわたります。

まず、一番有名な岩刻画です。これは一般の観光客の方でもバスから降りてみて「あ、すごい」と思っていただける岩刻画です。

 

大きな岩の中心には、ベルをたくさんつけた繊細な描写がなされた大きなストゥーパ、左には「シビ王ジャータカ」を描いた図、右には奉献ストゥーパが描かれています。岩の左側には、このストゥーパの建立者の名前がカロシュティー文字で刻まれ5世紀ごろのものであることがわかっています。ストゥーパと奉献ストゥーパの間にはブラフミー文字とソグド文字で人物の名前が刻まれています。

 

メインストゥーパの三段の階段の両側には中央アジア風の衣装を着た信者が描かれています。この階段は4つの「階段のモチーフ」で飾られた台座へと続きます。2本の柱が梁をささえ、ドーム状のストゥーパが載っています。ベルは梁、ストゥーパ、龕にもつけられています。ストゥーパの上には傘蓋が載せられ、旗が両側にはためき、まるでアーチのように描写されています。ベルは傘蓋にもつけられ、この岩刻画を他のストゥーパとは違う、斬新なものにしています。

 

メインストゥーパの右側にある奉献ストゥーパは4段の階段が高い基壇へと続き、三角形のストゥーパ、その上に傘蓋、そして旗がうねってたなびいてる様が描かれています。メインストゥーパとは異なるスタイルのものです。

 

この左側の図は、「シビ王ジャータカ」が描かれています。

 

シビ王ジャータカについて

(ジャータカはお釈迦様が誕生される前のお話です)シビ王という心やさしい王がいました。シビ王のところに鷹に追われた鳩が飛んで来て、命ごいをしました。そこに鷹がやってきて、鷹は王様に「私は何日も食べておらず、鳩を食べないと死んでしまいます。あなたは鳩と私の命のどちらが大切だと思っているのか」と問いました。そこでシビ王は鷹の命も大切だと思い、自分の足の肉を鳩と同じ重さに切り取り天秤の上に置きました。しかし鳩の方が重かったので、再び肉を切り取って置きましたが釣り合いません。シビ王は深く考え、自分の体を天秤に乗せると釣り合ったのです。王様は鷹に「どうぞ私を食べて元気になって下さい」と言いました。シビ王は自らの命を鷹に与ることで鳩の命を救おうとしました。シビ王の心を知った鷹は帝釈天の姿で表れ、シビ王の行動を「あなたは将来仏陀になるでしょう」と敬いました。

※「シビ王ジャータカ」「シビ王と鷹と鳩」は様々なお寺さまのWEBサイトで詳しく紹介されています。ぜひ検索なさってください。

 

この岩刻画では、仏陀が洞窟の中に座し、「鳩」を手にしています。右に描かれている人物は天秤を持っています。この天秤にのっているものは鳩の命を救うために切り取られたシビ王の肉です。鳩を抱く仏陀の下には信者が両側に描かれています。

 

以上がメインストゥーパの説明ですが、シャティアールには他にも、特徴的で貴重な岩刻画がたくさん残されています。

 

ストゥーパの反対側の岩に描かれているもので、右側がヤントラ Yantra、左下がラビリンス Labyrinthとされている図象です。

これは ゾグド人のタムガです。タムガ Tamgaは、古代ユーラシア大陸の遊牧民やその影響を受けた文化圏で使用されていた紋章のようなものです。岩刻画では下記の写真のように現れます。

 

トール ( Thor ) の岩刻画にはサマルカンドの町のタムガが発見されてるそうです。

 

これはとても見えにくいのですが、中央に杯のようなものを持つ人物像がわかりますでしょうか?

祭壇の前で儀式をしているソグド人とされる岩刻画です。ソグド人なので拝火壇でしょうか。

 

 

最後に、この地を行き来した人々が描いた動物たちを紹介します。インダス川上流部やギルギット川、フンザ川流域の岩刻画はアイベックスが中心でユキヒョウやマーコールも見られますが、ここではフタコブラクダ、アジアゾウの姿が。シルクロードのキャラバンはとってもロマンですし、ゾウの描写はインドが近くなったことを感じさせます。初めてゾウを見た中央アジアの旅人はそれは驚いたことでしょう。

下記の図象以外もラクダやゾウに見える岩刻画が何点かありましたが、確実そうなものだけここにあげました。

 

フタコブラクダ の岩刻画  Petroglyph of Bactrian Camel
ガンと思われる鳥の岩刻画   Petroglyph of Goose
ゾウの岩刻画   Petroglyph of Asian Elephant
フタコブラクダ の岩刻画  Petroglyph of Bactrian Camel

何度行っても新しい発見があるシャティアールの岩刻画です。

 

ところで岩刻画のあるサイトから眺める村は、水没による補償金目当てで急ピッチで建てられた住居でいっぱいです。古の岩壁画のまわりの環境もずいぶん変わってしまいました。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

※記事について:古い書籍をもとに記事を書いています。別の見解や説明も存在するかと思います。勉強したいので是非お知らせくださるとうれしいです。Reference:”Human records on Karakorum Highway” “The Indus, cradle and crossroads of Civilization”

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早春のシガール渓谷

ノウルーズ(2023年は3月21日)の直後にシガール渓谷を訪れました。ノウルーズはイラン暦の新年ですが、北部パキスタンでも祝われます。ペルシャ語でノウ=新しい、ルーズ=日を意味し、春分の日にあたります。この日を境に畑仕事を始めたり、新しいことを始めたりします。

イスラマバードからスカルドゥへの国内線は冬の間を温かいイスラマバードで過ごしたお年寄りがたくさん乗っていました。厳しい冬を息子や孫のいるイスラマバードやカラチで過ごし、ノウルーズのころに村へ戻る・・・そんな村人で満席のフライトでした。

 

谷の入り口から望むシガール村

シガール渓谷は「カラコルム」へのゲートウェイと呼ばれ、この「シガール・ロード」が自動車道最終地点アスコーレへと続きます。アスコーレからトレッキング・登山が始まり、バルトロ氷河を歩きK2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群のベースキャンプへ向かいます。K2を目指すほとんどの人が通る道です。シガール川はバルトロ氷河とビアフォ氷河から出る、ブラルドゥ川 Braldu River が流れ混んでいます。

 

杏の花

訪れた時期は杏の花が満開に向かう時期でした。本当に「満開」と呼べるのは1~2日だけ。標高や日当たり、水の量で咲き方に違いがあり、いろんな場所で異なるステージの杏の花を見ることができました。

 

シガール村はシガール渓谷で一番大きな村です。セレナホテルチェーンの経営するシガール・フォート Shigar Fortは古い藩主の居城を改装した素敵なホテル。そしてホテルの周りを歩くと、村の子供の姿が。

 

シガール村にて
シガール村にて

シガール村も以前に比べると、素朴な村というイメージよりはより発展し、中心部は車が多くなりましたが、歩いて村をめぐると景色も、村人とも素敵な出会いがあります。

 

最近はシガール村のさらに奥、ハシュピの果樹園 Hashupi Fruit Garden まで足を延ばす人が増えました。シガール村からハシュピ村までの渓谷と村の景色は大変美しいものです。そしてまだまだ素朴です。

 

村の子供たちとの触れ合いの時間
杏の花を撮影

早朝はサルフランガ 寒冷地砂漠へ。

 

サルフランガ寒冷地砂漠はインダス川の河畔、シガール渓谷への入り口にあります。砂丘を雪山バックに望むことができる絶景ポイントです。

 

サルフランガ砂丘の上から見た、フサイナバード村
砂丘の上から望むカラコルムの雪山

そして朝の撮影の後はピクニックの朝食、チャイが最高!

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : March 2023, Shigar Valley, Skardu, Gilgit-Baltistan

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コンコルディア360度! CONCORDIA 360 DEGREE

6月半ば、本当に雲一つない、クリスタルクリアーな朝を迎えたコンコルディア滞在。手動パーンでガタついた映像ですが、コンコルディアからの360度の映像をまとめてみました。

CONCORDIA 360 DEGREE

 

Image by Mariko SAWADA

A big thank you to the the whole Baltoro Glacier trekking team for working with us!

 

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コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

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Our Baltoro Trek in 1 min !

2022年6月、パンデミック後初めて実施したバルトロ氷河トレッキングの映像をスタッフ中心の映像でまとめました!今シーズン何度もコンコルディアを往復したガイド、キッチンスタッフ、サーダー、ポーターさんたち、お疲れさまでした!

 

Our Baltoro Trek in 1 min

 

 

Image by  Mariko SAWADA

A big thank you to the the whole Baltoro Glacier trekking team for working with us!

 

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K2・バルトロ氷河トレッキング2022 (vol.5) ゴレⅡからコンコルディアへ

いよいよコンコルディアを目指す日です。ゴレⅡの氷河上のキャンプは寒く(6月ですもんね)、早々の支度をして出発。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.02 パイユからコボルツェへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

ゴレⅡ(4,271m)からコンコルディアモールド(4,393m) まで6kmほど歩き軽食、そこからコンコルディアのキャンプ (4,596m)まで7.5Kmを歩きました。コンコルディアの山がどんどん近づくのでテンション上がるトレッキングです。

 

ゴレⅡのキャンプの朝です。今日は曇りがちな日になりそうですが、天気予報ではコンコルディア滞在のまる2日は晴れそうなので期待したいところです。それにしても、雲の合間から朝日を浴びて浮かび上がるマッシャーブルムは格別でした。

 

ポーターさんたちが急いでいます。コンコルディアまでの契約のポーターさん&ラバたちはさっさと荷物を上げて降りてくる予定です。氷河の上は家畜にとっても厳しい環境、むやみに滞在させる場所ではありません。

 

ポーターさんの吐く息が白いです。

 

マッシャーブルムを後にし、出発です。

 

私たちの荷物を載せた馬(この子はラバでなく馬)。今年、カーキグリーンのダッフルバックを西遊旅行とIndus Caravanのロゴを入れて新調したばかりです。

 

コンコルディアモールドと呼ばれる場所で軽食。

 

このあたりからは北に中国との国境にある山、ムスターグタワーMuztagh Tower(7,273m)が見えます。「ムスターグ」という名をこの地域でよく聞きますが、トュルク系諸民族の言葉で「氷雪の山」という意味を持ちます。

 

進行方向のガッシャーブルム山群が近づいてきました。

 

コンコルディア到着前のガッシャーブルム山群の景色。

 

ゴミだらけのパキスタン軍のキャンプ、CNKP(Central Karakoram National Park)のキャンプ場を越え、ようやく私たちのキャンプへ到着です。3連泊になるのでようやくゆっくりできます。

 

ミトレピーク Mitre Peak(6,010m)を背景に、キッチンテントとダイニングテント。この日は夜から雪が降り始めました。

 

夜、積雪が収まった時に撮影した一枚。ブロードピークBroad Peak (8,051m)、K2(8,611m)は雲に包まれ、地面に雪。明日の朝が楽しみです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Trek date : Mid -JUN 2022

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K2・バルトロ氷河トレッキング2022 (vol.4) ウルドゥカスからゴレⅡへ

いよいよバルトロ氷河上でのキャンプが始まります。今日も短い目の行程で、ウルドゥカス(4,061m)からゴレⅠ(4,185m)まで歩きランチ、その後ゴレⅡ(4,271m)へと進めます。ウルドゥカスを出てすぐにバルトロ氷河に入りアップダウンを繰り返します。

ゴレⅠからゴレⅡの間の5キロの行程は南にマッシャーブルム(K1、7,821m)の正面(東)にGⅣ(7,925m)、北にムスターグタワー(7,273m)といよいよ高峰群の写真を撮影しながらのトレッキング。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.02 パイユからコボルツェへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

朝のウルドゥカスのキャンプからの景色です。パイユピークからビアレまでこれまで見たバルトロ氷河の北にある高峰群のおさらいです。

 

早朝から続々と遠征隊と私たちのポーターが出発します。私たちはゴレⅡまでの行程ですが、遠征隊はここから一気にコンコルディアかベースキャンプへ。荷揚げのみのポーターたちにとってはさっさと運び上げて戻って次の仕事を取りたいところです。

 

バルトロ氷河上をキャラバンをなしてコンコルディアを目指すラバやポーターさんたち。

 

登りで座りやすい岩があるところで休憩。

 

氷河が溶け、崩れ、そのルートは刻々と変わっていきます。

 

氷河の切れ目に生じた川をいくつも越えていきます。

 

正面のGⅣがどんどん近くなってきました!

 

ゴレⅠ(4,185m)のランチの場所に到着です。ちょっと早すぎるランチだったのでゆっくり休憩。

 

お天気のいい日の氷河上ランチ、格別です。

 

昼食後の行程は、マシャーブルム<K1>の展望尽くし。

 

バルトロ氷河上から見たマッシャーブルム。標高は7,821mと世界22位で、パキスタン国内では11位の高さの山です。マッシャーブルムはバルトロ氷河からだけでなく、南側のフーシェ谷から簡単なハイキングで展望することもできます。

 

マッシャーブルムのピーク<7,821m>。1856年、イギリス軍のカラコルム山脈測量によりカラコルムの1号峰として”K1”と名付けられました。

 

マッシャーブルムを南に臨みながら氷河を進み、間もなく本日のキャンプ地ゴレⅡ(4,271m)です。

 

ゴレⅡのキャンプ地からも「たっぷりマッシャーブルム」でした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Trek Date : Early of JUN, 2022

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K2・バルトロ氷河トレッキング2022 (vol.3) コボルツェからウルドゥカスへ

コボルツェ(3,834m) からウルドゥカス(4,061m)のキャンプへと移動するおよそ7kmと短い行程の一日です。途中、ウルドゥカスピークス(Urdukas Peaks)から発する氷河を2つ渡り、ついに今晩から4,000m以上でのキャンプです。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.02 パイユからコボルツェへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

コボルツェを出て間もなくウルドヵスピークスからの氷河を渡ります。足元は大きな岩ごろごろ。

 

遠征隊の荷物を積んだラバが続々と通り過ぎます。ポーターに聞いたところ、2つの遠征隊がパイユからウルドゥカスを目指していると。キャンプ場が混雑しそうです。

 

氷河の水を飲む、バルティ族のポーターさん。

 

ウルドゥカスが近づくと緑が増え、高山植物の花が咲いていました。これ以降のキャンプはすべて氷河上になるため、荷を運ぶ動物たちにとってフレッシュな草が食べられるのはここが最後です。

 

それにしてもキャンプ地とその上の動物たちが放牧されている付近は花が沢山咲いていました。

 

7月上旬まで花が見られるとのこと。花だけでなく、野鳥も一番多くの種類がいられました。

 

キバシガラス yellow-billed Chough、Pyrrhocorax graculus。雑食でキャンプ場の周りで人間が出発するのを待っています。

 

ベニハシガラス Red-billed Cough、 Pyrrhocorax pyrrhocorax。木の実や昆虫などを採餌しますが、ここでは雑食のキバシガラスと一緒に残飯を狙っていました。こんなに厳しい環境下ですから何でもご馳走です。バルトロ氷河トレッキング中は、キバシガラスの方が多く、ベニハシガラスの方が稀です

 

上記2つのカラス科の野鳥に加え、ワタリガラスの姿も。この地域のワタリガラスは亜種C. c. tibetanus(英名でTibetan ravenと呼ばれることも)で、ワタリガラスの中で一番大きくゴージャスです。このキャンプ地以降、コンコルディアまでいずれのキャンプ地でもこの3種のカラスの仲間を見ることになります。

 

撮影できてうれしかったのが、このムネアカマシコ Red-fronted Rose finch、Carpodacus puniceus。分布図によるとチベット高原周辺の高山に生息している鳥です。

 

我々がキャンプ地に到着したときは自分達だけでしたが、そのあと続々と2隊が到着。

 

夕方までにキャンプ場はとても賑やかになりました。ウルドゥカスのキャンプ地の問題は常設トイレが非常に遠いこと。欧米人はともかく、トイレの近い日本人にはつらいものです(うまくいくと、管理人にお願いしてMyトイレテントを建ててもらえます)。我々は1泊でしたが、パイユから1日でウルドゥカスまで来るグループは2泊してまる1日休養をとったりする場所です。

 

この日、渡したちが連れてきたヤギが解体され、我々には「レバーの炭火焼」が提供され、スタッフは腸を使った煮込み料理を楽しみました。このヤギの肉は最終日まで私たちの糧となりました。ちなみに登頂隊のグループはヤクやゾ(ヤクと牛の交雑種)を連れていました。

 

夕食前のキャンプ場からの景色。バルトロ氷河とその向こうにトランゴキャッスル(Trango Catsle)とウリビアホ(Uri Biaho)。

 

日が落ちたウルドゥカスのキャンプ場西側。背後にウルドゥカスピークス(Urdukas Peaks)の一部が顔を出し、間もなくここから月が上がりました。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Trek date : early JUN, 2022

 

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K2・バルトロ氷河トレッキング 2022 (vol.2) パイユからコボルツェへ

本日はパイユからコボルツェへの行程です。バルトロ氷河のルートは氷河が動いたり崩れたりするため毎年、いやその時によってルートが変わり距離も変動します。今年は氷河の真ん中付近を進み、リリゴ(Liligo)キャプ手前でモレーンに上がりました。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.02 パイユからコボルツェへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

距離にして15キロ、標高3,420mのパイユ(Paiju)から3,834mのコボルツェ(Khoburtse)までの行程で、我々には無理のない行程でしたが、欧米の多くのトレッカーは一気にウルドゥカス(Urdukas)を目指します。

 

パイユのキャンプ地から北側のブラルドゥ川の川岸を4kmほど歩いたところからバルトロ氷河に上がります。

 

ブラルドゥ渓谷(Braldu valley)を作り出す、バルトロ氷河から流れ出す水。

 

背景にトランゴタワーズ(Trango Towers)。

 

バルトロ氷河上から見たグレートトランゴタワー(Great Trango Tower)、6,286m。トランゴタワーズは世界有数の大岩崖を擁することで知られています。

 

休憩タイム。

 

リリゴ(Liligo)を越えてからの景色。バルトロ氷河の向こうにバルトロカテードラル(Baltoro Cathedral)とロブサンスパイア(Lobsang Spire)。

 

到着したコボルツェ(Khoburtse)のキャンプ地。パイユやウルドゥカスに比べ小さなキャンプ地です。今晩も貸し切りでした。

 

我々のキッチン。トレッキング中の夕食は毎日18時30分頃と早めです。

 

夕食も済み、日が暮れたコボルツェのキャンプ地。ポーターさんたちの天幕に明かりが灯りました。そして山も晴れてきました。

 

左がパイユピーク(Paiju Peak)、右(手前)がウリビアホ (Uli Biaho)。

 

コボルツェのキャンプ場はトランゴキャッスル (右手)(Trango castle)がの目の前です。

 

今日も、静かな夜を迎えることができました。

 

Text & Photo : Mariko SAWADA

Trek Date : Early JUN, 2022

*The altitudes and distances traveled from site to site that are listed, are based on our own measurements and GPS equipment. Please note that these may differ from other reference materials.

 

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