「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」後編

K2B.C.から望むK2の朝焼け

2024年シーズン「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」のフォトレポートが、紙谷哲平ツアーリーダーより届きました。ドローン撮影した貴重な空撮写真も多く掲載しています。

 

トレッキング後半部【ウルドゥカス→ゴレⅡ→コンコルディア→ブロードピークB.C.(K2B.C.)→コンコルディア】を写真で辿ります。

 

●トレッキング7日目 (ウルドゥカス → ゴレII)

ウルドゥカスより7時に出発し、30分もしないうちにバルトロ氷河へ。本日のルートはひたすらバルトロ氷河のモレーンをアップダウンしながら進んでいきます。快晴だったので氷河上とはいえ、日が上がってくると日射のため体感温度が上がってきます。薄着でモレーンを奥へと進んで行きました。

 

正面に高く聳える山はガッシャーブルムIV峰(7,925m)
氷河湖の奥にガッシャーブルム山群

世界22位、K1の測量記号を持つマッシャーブルム(7,821m)

 

11:45に昼食場所のゴレI(4100m)に到着し、氷河の真ん中で食卓を広げて贅沢なランチとなりました。往路ではここには泊まらずゴレⅡまで進んでいきます。

 

ゴレⅠ(4100m)に到着。氷河の真ん中で食卓を広げて贅沢なランチ
バルトロ氷河の厚さは約100m、マンション25階に相当します

更に2時間半ほど進み、同じく氷河キャンプであるゴレII(4380)に15:00到着です!ゴレⅡからは氷の上で寝ることになり、気温も朝晩は下がっていきます。往路では曇っていたのですが、帰路のゴレⅠではガッシャーブルム山群が抜群の展望でした。ただし朝の気温はー6℃。手がかじかみました。

 

マッシャーブルムの景観が良好のゴレⅡキャンプにて。キッチンとダイニングの様子
マッシャーブルムの上にかかる天の川
これは帰路に撮影した写真です。

●トレッキング8~9日目 (ゴレII → コンコルディア)

氷河のキャンプで朝起きて、今までよりも確かに感じる冷気に味が引き締まります。少し薄曇りの中を、目的地コンコルディアに向けて出発。前日に引き続き、ひたすら氷河のモレーンのアップダウンになります。ですが道はかなり緩やかで、平坦な箇所も多かったため歩きやすかった印象です。

 

雲間から朝日が照らす中、氷の世界を歩いてコンコルディアを目指します

 

午後からかなり冷たい雨が降り始め、終盤の疲れた体には堪えました…。更に奥地へと行き、K2が目の前に見えるキャンプ地へ。ついに折り返し地点であるコンコルディアキャンプに到着です!残念ながらK2は雲の中で姿を現しませんでしたが、まだまだチャンスがあります。コンコルディアキャンプでも休養日を兼ねて2日間滞在しました。

 

到着したコンコルディアは積雪で白銀の世界になっていました
迫力のセラック帯!

●トレッキング10日目 (コンコルディア → ブロードピークB.C.)

朝はシンシンと降りしきる雪で目が覚めました。視界もほぼゼロでポーターさんや馬が進むことも困難だったため、出発を一時見送り待機。9時前に太陽がさし、一気に青空が広がって遅めの出発!

 

早朝は雪がシンシンと降りしきり視界ゼロだったのが、9時頃から晴れてきました
いざブロードピークBCへ出発
普段のモレーンが雪化粧され幻想的な世界に

歩き始め10分でチェーンスパイク&軽アイゼンに履き替え、セラック帯を通過。とはいえルートが少し変わったらしく、非常になだらかなセラックでスパイク無しでも十分行けるレベルだったので、少し拍子抜けだったでしょうか。大きなモレーンのアップダウンが終わると、ゴドウィン・オースティン氷河のサイドモレーンをただひたすらに緩やかに歩いていく道のりで、ブロードピークBCには14:00頃到着しました。

 

ゴドウィン・オースティン氷河ど真ん中のブロードピークBC
BCから見るブロードピークは3峰に分かれます。左奥からブロードピーク北峰、ブロードピーク中央峰、ブロードピーク主峰(8051m)
朝焼けのK2(8611m)は荘厳の一言

●トレッキング11日目 (ブロードピークB.C. → K2B.C.往復)

いよいよK2B.C.を目指します!ブロードピークB.C.からの日帰り往復の行程です。7時に出発し、モレーンの横の氷地帯を平坦に歩く非常に快適な登りが2時間半ほど続きました。その後はごちゃごちゃのモレーンのアップダウンを経て最初の目的地K2メモリアルへ。かなり切り立った岩の斜面に作られているため上がるのに苦労しましたが、K2を始めとするバルトロ氷河の山々で命を落とした多くのクライマーの慰霊碑を参拝しました。岩塔の下まで降りてきてからおにぎりなど簡単な昼食をとり、緩やかなモレーンを更に進んでついにK2ベースキャンプに11:30到着です!

 

そしてK2B.C.へ歩き出します
バルトロ氷河の山々で命を落とした数々のクライマーの慰霊碑
K2BCに(5150m)到達。倒れていた”K2BC”看板をガイドさんがモレーンの中から探してきてくれて記念撮影

●トレッキング12日目 (ブロードピークB.C. → コンコルディア)

連泊したブロードピークB.C.では5:35頃から朝焼けに輝くK2が顔を出し、皆さん世界第二の高峰に見入っているようでした。朝食後はコンコルディアへと帰ります。

 

ブロードピークB.C.から望む朝焼けに輝くK2

ベースキャンプの様子。皆さん世界第二の高峰に見入っておられました。

行きと同じく、とても緩やかなモレーンをひたすら3時間ほど歩き、アーミーキャンプを通過。モレーン&セラック帯の歩き1時間でコンコルディアに到着です。コンコルディアではスタッフさんが全く同じ立地にキャンプを設営していてくれ、ウェルカムドリンクと昼食まですでに用意してくれていました。いつも迅速な仕事をしてもらい感謝の一語に尽きます。

 

再びセラック帯をゆるりと通過しコンコルディアへと戻ります
ミトレピークとセラック帯の奥に見える我々のキャンプ
夜は月明かりが山を照らし美しい光景でした

そしてコンコルディアからK2に別れを告げて、更に5日をかけて往路を引き返しアスコーレで長いトレッキングが終了します。全行程17日間に及ぶ山行でした。ゴールではスタッフさんたちがお祝いしてくれ、コーラで乾杯。人生でこんなにコーラを美味しく感じたことはないというコメントも出ました。頑張って歩き切ったあとだからこそ、そう感じたのだと思います。本当にお疲れ様でした。

 

Photo & text : Teppei Kamitani

Visit : Aug-Sep 2024 Baltoro Galcier- K2BC

 

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「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」前編

 

2024年シーズン「バルトロ氷河からブロードピークB.C.を経てK2B.C.へ」のフォトレポートが、紙谷哲平ツアーリーダーより届きました。トレッキング前半部【アスコーレ→ジョラ→スカム・ツォク→パイユ→コボルツェ→ウルドゥカス】までを写真で辿ります。

まずはイスラマバートからトレッカーの玄関口スカルドゥの街へ国内線で移動します。天気が良ければナンガパルバットをはじめとする絶景の山岳フライトですが、今回は曇っていて見ることはできませんでした。しかし、フライトがキャンセルになると陸路で2日間かかるため、無事に到着したことがなによりです。

 

トレッカーの玄関口であるスカルドゥの街

翌日はスカルドゥ滞在またはデオサイ高原にオプショナルツアーで訪問する日程でした。その翌日にトレッキングのスタート地点、アスコーレへと向かいます!道中はシガール渓谷のビューポイントや、砂丘が広がるサルフランガ寒冷地砂漠を眺めながら谷の奥へと進んでいきます。アスコーレへと近づくにつれ道は険しく、川沿いスレスレのアップダウンが多くなっていきます。車酔いしやすい方には試練の道です。

 

ジープでアスコーレに向かう

●トレッキング1日目 (アスコーレ → コラフォン → ジョラ)

いよいよ緑豊かなアスコーレ村からトレッキング開始!途中、この近辺で人が住む最後の集落であるテステ村前のオフィスで手続き。この先は人の住まない広大な道が始まります。

 

緑豊かなアスコーレ村からスタート
人の住まない荒涼とした大地をゆく

出発から約4時間半後、ラトック山群から流れるビアフォ氷河のエンドモレーン内のキャンプ地コラフォンで昼食。腹拵えの後も引き続き川沿いを歩いていき、ドモルド川の対岸にジョラキャンプが見えて来ました。ここで最近開通した、スノーレオパルド橋を渡りnewジョラキャンプへ到着しました。

 

ビアフォ氷河内のコラフォンでランチ
河原沿いのNewジョラキャンプ

●トレッキング2日目 (ジョラ → スカムツォク)

ブラルドゥ川沿いにジープ道を緩やかにアップダウンしながら進み、後半は山道を崖沿いに歩いて行きます。遠くにスカムツォクが見えてきたところで山間に世界第12位の高峰ブロードピーク(8051m)を確認。本日の天気では見れない可能性が高いと思っていたので、ラッキーでした。

 

彼方に8000m峰ブロードピークが見えます

スカムツォクに着いたのは11:20ということで、出発から約4時間半後でした。昼食後、ティータイムを挟んでのんびりとした時間を過ごしました。この日と翌日の午後は休養をしながら、鋭気を養いました。

 

スカムツォクキャンプと大きな虹
スカムツォクキャンプではカレーの夕食でした

●トレッキング3日目 (スカムツォク → パイユ)

この日は氷河前の憩いのキャンプ、パイユまでの半日行動を歩く日となります。スカムツォクより緩やかなアップダウンを過ぎて2時間半ほどすると、バルトロ氷河が見え始めます。トランゴキャッスルやカテドラルなど、バルトロを代表する山々も展望できました。

 

本日も崖道をアップダウンしながら奥へと進みます
バランスをとりながら丸太橋を通過
バルトロ氷河がついに見えてきます

ルート後半は山肌のトラバース道を歩き、ポプラの生い茂るパイユキャンプ(3450m)に到着。水も綺麗な山水がジャバジャバ出ており、洗濯される方もたくさんいらっしゃいました。ダイニングテントの椅子をテント前に持ってきてリラックスする、昼下がりの時間でした。翌日はコボルツェまでの1日行程なので、昼食後は休養の時間とさせて頂きました。

 

パイユ直前は再び崖道に入り、アップダウンが少し増えます
木陰が嬉しいパイユのキャンプ地。氷河上は日陰が全くありません。

●トレッキング4日目 (パイユ → コボルツェ)

いよいよバルトロ氷河に入っていく長い1日です。気合いを入れて出発しました。バルトロ氷河へと歩いて行き、90分もすれば氷河舌端部に到着。

 

いよいよバルトロ氷河舌端部へ

最初こそ少し晴れ間が見えましたが、パイユの下の方から雲が上がってきて雨が降り始めました。氷河の出口から山肌を緩やかに進み、谷が作り出した台地のようなリリゴにて昼食。ここから土砂崩れの恐れのある斜面をヘルメットをつけながら通過し、氷河川の対岸に見えてきたキャンプがまさにとコボルツェ(3940m)です!

 

この小さな木製橋のおかげで渡渉せずに済みました。橋を渡りコボルツェキャンプへ

コボルツェキャンプの夜、北極星とトランゴキャッスル、ビアレ、カテドラル

●トレッキング5~6日目 (コボルツェ → ウルドゥカス)

半日行程で、4時間かけウルドゥカス(4050m)へ。本日はバルトロ氷河には入らず、その支流にある無名氷河を二つ渡って行きます。緩やかな山肌のアッパダウンを進みながら、ひとつ目の無名氷河に入ったあたりでブロードピーク、ガッシャーブルムII,III,IVなどが見えるポイントがありますが、今回は雲で見えずでした。

 

コボルツェからの朝焼けを展望。正面の岩峰はトランゴキャッスル(5753m)
バルトロ氷河には入らず、側面斜面のトラバース。アップダウンが続いていきます

ウルドゥカスは『割れた大岩』という意味で実際に巨岩が散見される、山肌のキャンプになります。真正面はバルトロ氷河、そしてその奥にはトランゴ山群、カテドラル、またビアレから流れ落ちる ビアレ氷河など、名だたる名峰&氷河のパノラマが広がっていました。

 

2連泊するウルドゥカスはバルトロ氷河を見下ろす高展望地です
ウルドゥカスの大岩から望むバルトロ氷河と岩峰群
これから進む方面のバルトロ氷河と名峰群

水道もあるこのキャンプでは休養日含め2泊します。気持ち的にもだいぶ楽だったのではないでしょうか。旅を支えてくれている現地のスタッフさんたちも一息ついて、アリさんの音頭でポーターさん達が歌っていました。

 

アリさんの音頭でポーターさん達が歌っていました。彼らの支えなくしてこの旅は実現できません。

 

後編に続く…

Photo & text : Teppei Kamitani

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シムシャール・パミールトレッキングとミングリク・サール(6,050m)登頂 Part-1

シュイズへラブで放牧されるヤクたち
シュイズへラブで放牧されるヤク

2024年8月下旬から9月にかけてシムシャール・パミールの6,000m峰を目指した山旅の記録です。場所は「カラコルムの空白地帯」とも称され、トレッカーが訪れることも稀なシムシャール・パミール。私自身、2011年の夏に初めて訪問して以来、毎年のように“帰省”している場所です。

 

この地域は厳しい自然の中で放牧地を移動しながら、ワヒ族がヤギ、羊、ヤクを放牧しています。かつては移動しながら女性達が夏を過ごし乳製品を作っていましたが、暮らしの近代化が進み今は行われなくなてしまいました。(過去のシムシャールの夏の暮らしはこちらの記事をご覧ください。

>>Shimshal Pamir シムシャール・パミール ある夏のクッチ

 

「シムシャール・パミール」の旅では、ワヒ族の夏の放牧地の暮らしにふれることができます。実際のところ、シムシャール村を出発しこの「夏の放牧地」を訪れるだけでも十分ハードなトレッキングですが、さらにその先に待つ6,000m峰への登頂は達成感が大きく、とても満足度の高いルートです。

 

トレッキングルート
トレッキングルート

■トレッキング1日目 シムシャール村(3,100m)→ガーレ・サール(3,670m)

初日はシムシャール村からガーレ・サール (3,670m)を目指します。小さな吊り橋(Michael Bridge)を渡り、ヤズギール氷河のエンドモレーンを眼前に望みながらシムシャール川沿いを直進。平坦な道ではありますが、川岸の大きい石がゴロゴロしていて歩きにくい箇所もあります。今回は川の水量が多く、ヤクは対岸からロープを渡して、引っ張って渡らせていました。

 

ヤクに乗って移動することもできます。「ヤク・サファリ」と呼ばれています。
ヤクに乗って移動することもできます。「ヤク・サファリ」と呼ばれています。
ヤズギール氷河のエンドモレーンを眼前に望みムシャール川沿いを直進
ヤズギール氷河のエンドモレーンを眼前に望みムシャール川沿いを直進

シムシャール川と支流のパミール・タング川が合流するポイントの橋で川を渡り、その先の小屋で昼食。この後から急登が始まります。まだ登り慣れていない足腰には堪えます…。

 

急登が始まります
急登が始まります

徐々にヤズギール氷河を見下ろす角度が変わり、しばらくして展望のよいキャンプ地に到着です。日が落ちると、シムシャール村の夕景を見ることができました。

 

展望のよいキャンプ地に到着
展望のよいキャンプ地に到着

■トレッキング2日目 プリエン・サール(3,850m)へ

ここからは絶壁、ランドスライド地帯など少々危ない箇所を歩きます。緊張感が高まると一層疲労が増します。やがて、急な谷を下りるとパスト・フルズィン(3,550m)のキャンプ地がみえてきました。さらに崖道を進み、休憩場所となるウッチ・フルズィン(3,365m)に到着。

 

谷を見下ろしながら歩く
谷を見下ろしながら歩く
ウッチ・フルズィンにて休憩
ウッチ・フルズィンにて休憩

吊り橋を対岸へ渡り、危険なトラバースを進みプリエン・ベン(3,596m)へ。緊張が続くルートですが、無事に谷を見下ろすポイントまで辿り着きました。

 

吊り橋をわたり対岸へ
吊り橋をわたり対岸へ
危険なトラバース
急な斜面のトラバース
プリエン・ベンを見下ろす展望地から、右上のコル(パスト・ダルワザ)まで ジグザグに急斜面を登る先行ポーター組を眺める
プリエン・ベンを見下ろす展望地から、右上のコル(パスト・ダルワザ)まで ジグザグに急斜面を登る先行ポーターを眺める

いよいよ、高低差約320mの急な登りに差し掛かります。足を滑らすことのないよう、スタッフと共にマンツーマンで一歩一 登ります。

 

標高差約320mの登り
高低差約320mの登り

無事に登りきった先は、石で作られた門のあるパスト・ダルワザ(下の門)。さらに石と木の階段を手を使いながら登り、ウッチ・ダルワザ(上の門)へ。宿泊地プリエン・サール(3,850m)に到着です!アプローチの核心部を無事に越えました。そして前方にはミングリク・サールの頭が見えてきました。

 

パスト・ダルワザ(下の門)
パスト・ダルワザ(下の門)
プリエン・サールのキャンプ地 左奥にはミングリク・サール(6,050m)の頂上がみえる
プリエン・サールのキャンプ地 左奥にはミングリク・サール(6,050m)の頂上がみえる

■トレッキング3日目 シュイズへラブ(4,350m)へ

今日は夏村シュイズヘラブを目指します。朝、ホワイトホルン(6,400m 左)とディスタギル・サール(7,885m)が太陽の光を浴びて、輝いていました。

 

朝日に輝くディスタギル・サール(7,885m)とディスタギル・サール(7,885m 影がついている奥の峰)
朝日に輝くディスタギル・サール(7,885m/左)とディスタギル・サール(7,885m/影がついている奥の峰)

前日とはうってかわって広々としたルートを進んでいきます。アルバ・プリエン(復路のキャンプ地)を経て進み、シュイズヘラブの川とガンジ・ドールの川との合流地点を越えていきます。

 

川の合流地点を目指す
川の合流地点を目指す

柳の木が生えるチコールで昼食。シュイズへラブ川沿いに進み、夏村が近付いてくると放牧されているヤクたちの姿が現れました。シュイズへラブはシムシャール村から移牧して登ってきたヤギや羊、ヤクが放牧されながら夏を過ごす村です。

 

チコールでパスタランチ
チコールでパスタランチ
ヤクの親子
ヤクの親子

■トレッキング4日目 シュイズヘラブ(4,350m)滞在

休養日です。ヤクの乳絞りや夏の住居の訪問などワヒ族の夏のパミールの暮らしを見学。ヤクは、ヤギ、羊とは異なり迫力があります。

 

家畜とともに生きるワヒ族の暮らしを見学
家畜とともに生きるワヒ族の暮らし
ヤクの乳絞り体験
ヤクの乳絞り
ヤクミルク
ヤクミルク

その後高所順応も兼ねて、隣丘のグルチンワシュク・サム(4,600m)までハイキング。標高差250mの登りです。上部では登頂日のガレ場登りの練習になりました。

 

グルチンワシュク・サムの丘にて
グルチンワシュク・サムの丘にて
登頂日のアンザイレン下山練習を兼ねて高所順応
登頂日のアンザイレン下山練習を兼ねて高所順応

■トレッキング5日目 シュイズヘラブ(4,350m)→ミングリク・サールB.C.(4,730m)

ミングリク・サールB.C.まで約3~4時間の道のりです。途中、ミングリク・サールを左手に通り過ぎます。角度によってはなだらかな山に見え、山麓にはザック・ゾーイ(小湖)とルップ・ゾーイ(大湖)の2つがあります。今回はザック・ゾーイ沿いにB.C.を設置しました。

 

ザック・ゾーイ沿いにB.C.を設置
ザック・ゾーイ沿いにB.C.を設置

天気予報では翌日から回復に向かうとのことだったので、もう1日高所順応日を設けることとしました。その間、シュウェルトで4万ルピーで購入してきた羊を捌き、日本風カレーでいただきました。

■トレッキング6日目 ミングリク・サールB.C.(4,730m)滞在

夜から雪が降り積もり、ベースキャンプは雪景色へと様変わりしました。気温も氷点下となり冷え込んできました。今日は動けないかと思っていましたが、雪が止んだので登頂ルートの視察も兼ねて高所順応トレッキングに出かけました。太陽が出て、どんどん天気が回復に向かっている様子が見てとれます。地面の雪もどんどん融けてゆきました。

 

高所順応トレッキングに出発!
高所順応トレッキングへ
高所順応途中(約4,000m)にB.C.方面を振り返る。
約4,000m付近でB.C.方面を振り返る。

午後は、装備チェックをしたり、ゆったりと過ごしました。体を動かしたいメンバーはさらに奥の村シュウェルト(4,670m)まで訪問しました。

 

ウスユキソウ属の花も逞しく咲いている
ウスユキソウ属の花
B.C.(4,730m)から望んだミングリク・サール(6,050m)
B.C.(4,730m)から望んだミングリク・サール(6,050m)

ミングリク・サールもはっきりと確認でき、士気も高まります。

後編へつづく。

 

 

Photo & Text : Osamu KUSUNOKI

Visit : Aug-Sep 2024, Shimshal Pamir, Shimshal, Gilgit-Baltistan

 

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デオサイ高原の5,000m峰、シャトゥン・ピーク登頂

2020年の夏に出発予定だった「デオサイ高原、シャトゥン・ピーク登頂」企画、コロナ禍でキャンセルとなって以来、念願のツアーを2023年夏に実現することができました。ガレ場続きのルートは大変でしたが、無事5名のメンバーと登頂を果たすことが出来ました。手厚いサポートをしてくれた登山ガイドやサトパラ村からのポーター達に感謝です。

 

山頂からの360度のパノラマビュー。気分は高所クライマー!

 

チラスからアストール渓谷を走りデオサイ高原へと上がります。途中、ナンガパルバットの圧巻の景色。デオサイ高原に上がると美しいショーサル湖畔でキャンプ。大変美しい場所ですが、標高4,200m近いキャンプ地で深夜まで騒々しい音楽で騒いでいるパキスタン国内観光客に驚きました。が、メイン道を外れると他に誰もいない秘境エリアに入り本来のデオサイ高原のが広がります。ベースキャンプからも世界第9位の高峰ナンガパルバット(8,126m)が見えます。

 

登山の序盤はのんびりしたルート、キンポウゲやサクラソウの群生に目を癒されながら歩いて行きます。後に困難なガレ場続きのルートが待っているとはつゆ知らず。

 

ルート上は山上湖が点在しています。とても美しい谷です。前方の雪山が今回目指すシャトゥン・ピーク!

 

サクラソウの群生地を歩きキャンプ1を目指します。楽なのはこの辺りまで。

 

ガレ場のキャンプ1に到着。さてどこにテントを張ろうか。

 

ガレ場の上で寝るよりは、雪の上がずっと快適です。雪渓が残っていてよかった、いよいよ明日早朝山頂アタックです!

 

キャンプ1から山頂までは95%がガレ場のルート。永遠に続くように思える急登をただひたすらに登ります。

 

立ち止まって振り替えると素晴らしい展望が広がります。

 

山の向こうはインド側のカシミール地方。シュリーナガルもすぐ近くです。インドヒマラヤの名峰ヌン峰・クン峰も見えました。

 

世界第9位峰ナンガパルバット8,126mも見えます。

 

ガレ場の急登もあと少し。稜線が近づいてきました。

 

稜線に出ると後は雪渓を登るだけです。日も高くなってきました。

 

5名のメンバーとガイド、ポーター達とシャトゥンピーク(5,260m)登頂に成功です!バックはナンガパルバット!

 

山頂からはK2をはじめバルトロ山群も展望する事が出来ました。つまりここからはパキスタンにある8,000峰5座、ナンガパルバット(8,126m)、K2(8,611m)、ブロードピーク(8,051m)、ガッシャーブルムⅠ(8,068m)、ガッシャーブルムⅡ(8,034m)のすべてを展望できるという事になります。天気に恵まれ、風もなく好天。この後、急なガレ場の下りが待っていることはとりあえず忘れて、約1時間近く山頂に滞在して至福の時を味わいました。

 

Image & text : Tomoaki TSUTSUMI

Tour conducted in July 2023, Deosai National Park, Gilgit-Baltistan

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コンコルディア360度! CONCORDIA 360 DEGREE

6月半ば、本当に雲一つない、クリスタルクリアーな朝を迎えたコンコルディア滞在。手動パーンでガタついた映像ですが、コンコルディアからの360度の映像をまとめてみました。

CONCORDIA 360 DEGREE

 

Image by Mariko SAWADA

A big thank you to the the whole Baltoro Glacier trekking team for working with us!

 

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Our Baltoro Trek in 1 min !

2022年6月、パンデミック後初めて実施したバルトロ氷河トレッキングの映像をスタッフ中心の映像でまとめました!今シーズン何度もコンコルディアを往復したガイド、キッチンスタッフ、サーダー、ポーターさんたち、お疲れさまでした!

 

Our Baltoro Trek in 1 min

 

 

Image by  Mariko SAWADA

A big thank you to the the whole Baltoro Glacier trekking team for working with us!

 

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コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

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コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

コンコルディア Concordia。バルトロ氷河トレッキングの到着地。360度をK2とカラコルム高峰群に囲まれた憧れの場所。

コンコルディア Concordiaとは「合流・調和」を意味するラテン語で、バルトロ氷河とゴドウィン・オースティン氷河の合流点にこの名がつけられました。登頂を目指す人々はここからK2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群のベースキャンプへ、ゴンドゴロ・ラ(峠)へと向かいます。

 

コンコルディアに到着した翌朝、キャンプ地は雪に覆われました。雲が切れ好天が予想される状態で、せっかくの機会に撮影準備。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

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K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

 

キャンプ地の向こうのK2が雲の間から現れます。雲の切れ目から見えるK2、最も見たかった瞬間です。

 

K2がクリアーになってきました。エベレストに次ぐ、世界第2の高峰で8,611m。大変カッコイイ山です。

 

ブロードピーク Broad Peak (8,051m)はK2より先に全貌を現しました。ブロードピークはその山容の通り、頂上部の幅が広く、「広い頂」を意味する英名「ブロードピーク」と名付けられています。世界第12位の高峰で、初めての8,000m峰登頂チャレンジにも選ばれる山です。

 

雲一つない一日となりました。キャンプ地から少し歩いてエンジェルピーク Angel Sar (6,858m)の見える場所から撮影。ここからは東にガッシャーブルム山群 Gasherbrum Group、南にバルトロカンリ Baltoro Kangriやチョゴリサ Chogolisa もすべて見えるポイントです。

 

エンジェルピーク Angel Sar(6,858m) 、K2の北西すぐそばの美しい山です。

 

コンコルディアから見る、バルトロカンリBaltoro Kangri。西から東へといくつかのピークがあり、最高所は7,312mと言われています。

 

左にVigne Peak(6,195m)、右にKhmal Gri(6,851m)。中央の氷壁の奥に見える平らな山がチョゴリサ Chogolisa(7,668m)。この谷を西へ進むと有名なゴンドゴロラ峠 Gondogoro-laがあり、フーシェ谷へぬけることができます。

 

日中、キャンプ地でくつろぐポーターさんたち。歌い、踊って、過ごします。彼らはひと夏をアスコーレからコンコルディア&ベースキャンプの往復を繰り返し、シーズンが終わるまで村には戻りません。長年一緒に働いてくれているありがたいメンバーです。

 

バルティの人が「プランタ」と呼んでいる揚げパン。プラタのことかな?と思ったのですが、揚げパンです。揚げたてのプランタの美味しいこと。

 

そしてお決まりの記念撮影。2022年6月13日、コロナ・パンデミック以降、西遊旅行の初のバルトロ氷河トレック、コンコルディア到着です。ガイドもポーターも私たちも仕事が戻ってきたことに感謝です。今シーズンのコンコルディア入り、2隊目でした。

 

せっかくなので、ガモウバッグ講習。

 

今年のコンコルディアはなんと4Gネットワークがあるのです!SCO(パキスタン山岳地帯の携帯ネットワーク会社)の4GがゴレⅡあたりから入り、コンコルディアからライブ配信。一番のメリットはお天気予報が見れることですね!

 

夕日があたる、ガッシャーブルム Gasherbrum Ⅳ(7,925m)。コンコルディアにそびえるガッシャーブルム山群のピークです。

 

月が上がりきる前に夜のK2とブロードピークを撮影。

 

3日滞在して唯一撮れた星空K2。暗くなるとすぐにK2に月明かりがあたってしまいます。

 

キャンプ地の南側のミトレピーク Mitre peak (6,010m)から月が上がります。日の出ではありません。

 

ガッシャーブルム山群から、上がる太陽の光。

 

ガッシャーブルムⅣ峰の肩から朝日が昇りました。

 

コンコルディアで迎えた朝日。

 

本日も、快晴。

 

晴天が続くと余裕が出てきてスタッフがいろんな記念撮影をします。K2を背後に脱ぎ始めたり。

夢のような時間も終わり、翌日、コンコルディアを後にしました。

 

Image & Text : Mariko SAWADA

Trek Date : Mid-JUN 2022

※各キャンプ地の高度・移動距離は自身の一般的なGPSでの計測によるものを使用しています。既存の本やサイトと誤差がありますので予めご了承ください。

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K2・バルトロ氷河トレッキング2022 (vol.5) ゴレⅡからコンコルディアへ

いよいよコンコルディアを目指す日です。ゴレⅡの氷河上のキャンプは寒く(6月ですもんね)、早々の支度をして出発。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.02 パイユからコボルツェへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

ゴレⅡ(4,271m)からコンコルディアモールド(4,393m) まで6kmほど歩き軽食、そこからコンコルディアのキャンプ (4,596m)まで7.5Kmを歩きました。コンコルディアの山がどんどん近づくのでテンション上がるトレッキングです。

 

ゴレⅡのキャンプの朝です。今日は曇りがちな日になりそうですが、天気予報ではコンコルディア滞在のまる2日は晴れそうなので期待したいところです。それにしても、雲の合間から朝日を浴びて浮かび上がるマッシャーブルムは格別でした。

 

ポーターさんたちが急いでいます。コンコルディアまでの契約のポーターさん&ラバたちはさっさと荷物を上げて降りてくる予定です。氷河の上は家畜にとっても厳しい環境、むやみに滞在させる場所ではありません。

 

ポーターさんの吐く息が白いです。

 

マッシャーブルムを後にし、出発です。

 

私たちの荷物を載せた馬(この子はラバでなく馬)。今年、カーキグリーンのダッフルバックを西遊旅行とIndus Caravanのロゴを入れて新調したばかりです。

 

コンコルディアモールドと呼ばれる場所で軽食。

 

このあたりからは北に中国との国境にある山、ムスターグタワーMuztagh Tower(7,273m)が見えます。「ムスターグ」という名をこの地域でよく聞きますが、トュルク系諸民族の言葉で「氷雪の山」という意味を持ちます。

 

進行方向のガッシャーブルム山群が近づいてきました。

 

コンコルディア到着前のガッシャーブルム山群の景色。

 

ゴミだらけのパキスタン軍のキャンプ、CNKP(Central Karakoram National Park)のキャンプ場を越え、ようやく私たちのキャンプへ到着です。3連泊になるのでようやくゆっくりできます。

 

ミトレピーク Mitre Peak(6,010m)を背景に、キッチンテントとダイニングテント。この日は夜から雪が降り始めました。

 

夜、積雪が収まった時に撮影した一枚。ブロードピークBroad Peak (8,051m)、K2(8,611m)は雲に包まれ、地面に雪。明日の朝が楽しみです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Trek date : Mid -JUN 2022

※各キャンプ地の高度・移動距離は自身の一般的なGPSでの計測によるものを使用しています。既存の本やサイトと誤差がありますので予めご了承ください。

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K2・バルトロ氷河トレッキング2022 (vol.4) ウルドゥカスからゴレⅡへ

いよいよバルトロ氷河上でのキャンプが始まります。今日も短い目の行程で、ウルドゥカス(4,061m)からゴレⅠ(4,185m)まで歩きランチ、その後ゴレⅡ(4,271m)へと進めます。ウルドゥカスを出てすぐにバルトロ氷河に入りアップダウンを繰り返します。

ゴレⅠからゴレⅡの間の5キロの行程は南にマッシャーブルム(K1、7,821m)の正面(東)にGⅣ(7,925m)、北にムスターグタワー(7,273m)といよいよ高峰群の写真を撮影しながらのトレッキング。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.02 パイユからコボルツェへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

朝のウルドゥカスのキャンプからの景色です。パイユピークからビアレまでこれまで見たバルトロ氷河の北にある高峰群のおさらいです。

 

早朝から続々と遠征隊と私たちのポーターが出発します。私たちはゴレⅡまでの行程ですが、遠征隊はここから一気にコンコルディアかベースキャンプへ。荷揚げのみのポーターたちにとってはさっさと運び上げて戻って次の仕事を取りたいところです。

 

バルトロ氷河上をキャラバンをなしてコンコルディアを目指すラバやポーターさんたち。

 

登りで座りやすい岩があるところで休憩。

 

氷河が溶け、崩れ、そのルートは刻々と変わっていきます。

 

氷河の切れ目に生じた川をいくつも越えていきます。

 

正面のGⅣがどんどん近くなってきました!

 

ゴレⅠ(4,185m)のランチの場所に到着です。ちょっと早すぎるランチだったのでゆっくり休憩。

 

お天気のいい日の氷河上ランチ、格別です。

 

昼食後の行程は、マシャーブルム<K1>の展望尽くし。

 

バルトロ氷河上から見たマッシャーブルム。標高は7,821mと世界22位で、パキスタン国内では11位の高さの山です。マッシャーブルムはバルトロ氷河からだけでなく、南側のフーシェ谷から簡単なハイキングで展望することもできます。

 

マッシャーブルムのピーク<7,821m>。1856年、イギリス軍のカラコルム山脈測量によりカラコルムの1号峰として”K1”と名付けられました。

 

マッシャーブルムを南に臨みながら氷河を進み、間もなく本日のキャンプ地ゴレⅡ(4,271m)です。

 

ゴレⅡのキャンプ地からも「たっぷりマッシャーブルム」でした。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Trek Date : Early of JUN, 2022

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K2・バルトロ氷河トレッキング2022 (vol.3) コボルツェからウルドゥカスへ

コボルツェ(3,834m) からウルドゥカス(4,061m)のキャンプへと移動するおよそ7kmと短い行程の一日です。途中、ウルドゥカスピークス(Urdukas Peaks)から発する氷河を2つ渡り、ついに今晩から4,000m以上でのキャンプです。

 

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.01 スカルドゥからパイユへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.02 パイユからコボルツェへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.03 コボルツェからウルドゥカスへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.04 ウルドゥカスからゴレⅡへ

K2・バルトロ氷河トレッキング vol.05  ゴレⅡからコンコルディアへ

コンコルディア滞在、K2、ブロードピーク、ガッシャーブルム山群、カラコルムの高峰群に囲まれて

 

コボルツェを出て間もなくウルドヵスピークスからの氷河を渡ります。足元は大きな岩ごろごろ。

 

遠征隊の荷物を積んだラバが続々と通り過ぎます。ポーターに聞いたところ、2つの遠征隊がパイユからウルドゥカスを目指していると。キャンプ場が混雑しそうです。

 

氷河の水を飲む、バルティ族のポーターさん。

 

ウルドゥカスが近づくと緑が増え、高山植物の花が咲いていました。これ以降のキャンプはすべて氷河上になるため、荷を運ぶ動物たちにとってフレッシュな草が食べられるのはここが最後です。

 

それにしてもキャンプ地とその上の動物たちが放牧されている付近は花が沢山咲いていました。

 

7月上旬まで花が見られるとのこと。花だけでなく、野鳥も一番多くの種類がいられました。

 

キバシガラス yellow-billed Chough、Pyrrhocorax graculus。雑食でキャンプ場の周りで人間が出発するのを待っています。

 

ベニハシガラス Red-billed Cough、 Pyrrhocorax pyrrhocorax。木の実や昆虫などを採餌しますが、ここでは雑食のキバシガラスと一緒に残飯を狙っていました。こんなに厳しい環境下ですから何でもご馳走です。バルトロ氷河トレッキング中は、キバシガラスの方が多く、ベニハシガラスの方が稀です

 

上記2つのカラス科の野鳥に加え、ワタリガラスの姿も。この地域のワタリガラスは亜種C. c. tibetanus(英名でTibetan ravenと呼ばれることも)で、ワタリガラスの中で一番大きくゴージャスです。このキャンプ地以降、コンコルディアまでいずれのキャンプ地でもこの3種のカラスの仲間を見ることになります。

 

撮影できてうれしかったのが、このムネアカマシコ Red-fronted Rose finch、Carpodacus puniceus。分布図によるとチベット高原周辺の高山に生息している鳥です。

 

我々がキャンプ地に到着したときは自分達だけでしたが、そのあと続々と2隊が到着。

 

夕方までにキャンプ場はとても賑やかになりました。ウルドゥカスのキャンプ地の問題は常設トイレが非常に遠いこと。欧米人はともかく、トイレの近い日本人にはつらいものです(うまくいくと、管理人にお願いしてMyトイレテントを建ててもらえます)。我々は1泊でしたが、パイユから1日でウルドゥカスまで来るグループは2泊してまる1日休養をとったりする場所です。

 

この日、渡したちが連れてきたヤギが解体され、我々には「レバーの炭火焼」が提供され、スタッフは腸を使った煮込み料理を楽しみました。このヤギの肉は最終日まで私たちの糧となりました。ちなみに登頂隊のグループはヤクやゾ(ヤクと牛の交雑種)を連れていました。

 

夕食前のキャンプ場からの景色。バルトロ氷河とその向こうにトランゴキャッスル(Trango Catsle)とウリビアホ(Uri Biaho)。

 

日が落ちたウルドゥカスのキャンプ場西側。背後にウルドゥカスピークス(Urdukas Peaks)の一部が顔を出し、間もなくここから月が上がりました。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Trek date : early JUN, 2022

 

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