カワビタキ Plumbeous water redstart (チトラル)

カイバル・パクトゥンクワ州のチトラルに近いトゥーシ・シャシャ保護区(Tooshi-Shasha conservancy)の河原で見つけたカワビタキのオスです。

 

この日はあいにくの雨。その雨も雪に変わろうとしていました。マーコール Markhor の観察のために訪れ、午後に河原に来ることが多いよ、と言われ待機。その間に、カワビタキ Plumbeous water reed startとシロボウシカワビタキ White-capped water redstartを観察することができました。

 

尾羽を広げたカワビタキのオス。

カワビタキは南アジア、東南アジア、中国の標高2,000m~4,000m付近で繁殖し、冬は少し低いところへ降りてきて越冬します。パキスタンでは北部の標高があまり高くない山岳地帯で見られ、チトラル付近やマリーでは多いようです。

 

川の上の山の斜面を見ると、カシミール・マーコールの群れが。しかも立派な角のオスがいます!

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Observation :Dec 2020, Tooshi-Shasha conservancy, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

Reference : Helm field guides “Birds of Pakistan”

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ヒマラヤハゲワシ Himalayan griffon vulture (チトラル・ゴル国立公園)

パキスタン北部、カイバル・パクトゥンクワ州チトラル・ゴル国立公園のヒマラヤハゲワシです。

7,750ヘクタールのチトラル・ゴル国立公園には3つの深い谷があり、ハゲワシ類の観察には絶好の場所。マーコールの観察のために訪れたのですが、「崖から落ちて死んだマーコールにハゲワシたちが集まっているので見に行かないか」と誘われ、道なき山の斜面を歩き谷を見渡す断崖へ向かいました。

死んだマーコールは見えませんでしたが、谷を飛翔するヒマラヤハゲワシ、クロハゲワシ、そしてヒゲワシやイヌワシの姿が。しかもアイレベルでの飛翔もあり、たまらない光景でした。

 

ヒマラヤハゲワシ Himalayan griffon vulture ( Himalayan vulture) です。大ヒマラヤ山脈と隣接するチベット高原、パミール高原に生息するハゲワシで、パキスタンでは北部山岳地帯で見ることができます。

翼を広げると3mにもなる大きなハゲワシで、かつてはパキスタン北部で広く見られたそうですが、パキスタン中南部に生息するベンガルハゲワシと同様で、獣医薬ジクロフェナクに汚染された家畜の死肉を食べたことにより、その数が減ったと言われています。(※2006年にジクロフェナクは南アジアの国全域で使用禁止され、個体数の回復が期待されています)

 

ヒマラヤハゲワシの成鳥です。若鳥は首毛も含め全体が黒っぽい茶色です。

 

断崖のヒマラヤハゲワシとクロハゲワシ Cinereous Vulture。

 

この日、少なくとも4羽のヒマラヤハゲワシ、1羽のクロハゲワシ、複数のカラス(おそらくワタリガラス)が1頭のマーコールに集まっていました。この死んだマーコール、国立公園のレンジャーの話によるとユキヒョウやオオカミに襲われたのではなく、野犬の群れに追いこまれて崖から落ちて死んだといいます。

確かに、マーコールが一斉に走っているとその向こうに野犬の姿がありました。もしそれがユキヒョウだったら、夢のような光景なのですが。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020, Chitral Gol National Park, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

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クロハゲワシ Cinereous Vulture (チトラル・ゴル国立公園)

カイバル・パクトゥンホア州のチトラル・ゴル国立公園で観察したクロハゲワシ Cinereous Vultureです。Cinereousとはラテン語で「灰色の」の意味があり、別の英名では Eurasian Black Vulture とも呼ばれています。

 

クロハゲワシ Cinereous Vulture はユーラシア―大陸中央の山岳地帯に生息する、大型のハゲワシ。ユーラシア大陸のハゲワシとしてはヒマラヤハゲワシ Himalyan Griffon Vulture と並んで大きなハゲワシで、開翼長も2.5~3m近く、羽の幅も広く、ずっしりと重いハゲワシです。

 

クロハゲワシは遠目には、頭の一部とくちばし以外黒く、成鳥は頭の一部と首毛が薄いブラウンで若鳥はより全体に黒くなります。この写真の個体は若い鳥のようですね。

一般的に、クロハゲワシは冬の間は平野部や砂漠に降りてきて、断崖をねぐらとして過ごしますが、この冬の時期に標高3,000mを越える山岳地帯にいるのは、若鳥だからでしょうか。

 

ヒマラヤハゲワシに混じって旋回していましたが、クロハゲワシ、獲物に着陸のようです!

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020, Chitral Gol National Park, Chitral, Khyber Pakhtun Khwa

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冬のロワリ・トンネル ~ ロワリ峠の記憶

ロワリ峠 Lowari pass はペシャワール・ディール方面とチトラルを繫ぐ峠。ヒンドゥークシュ山脈の支脈、ヒンドゥラージ山脈の峠で標高はおよそ3,100m。峠として標高が高いわけではありませんが、この山岳地帯で一番低く通りやすかったポイントがここです。

峠は11~5月の積雪の間は車は通行できず、人々は雪の中を歩いて移動するしかありませんでした。その道中、雪崩で命を失った人も多かったといいます。

 

ロワリ峠の道を行くトラック。雪解けの水で未舗装の道がぬかるみ、落石も絶えない道でした。

 

峠のチトラル側はヘアピンカーブの繰り返しです。

 

ロワリ峠のチトラル側の麓にあるチャイハナで休憩するトラック。針葉樹に囲まれた小さな谷にあるチャイハナで、峠越えのあとの休憩に人気があった場所です。

 

でも、この光景も過去のものとなりました。ロワリ・トンネルが2017年に開通し、2018年から一般車両も通れるようになりました。

 

ロワリ峠にトンネルを作る計画は2005年に始まり、2009年までは韓国の会社が建設に関わっていましたが途中で中断していました。2013年より建設が再開され、2017年7月に開通しました。

 

トンネルは2つで 8.5キロのトンネルと1.9キロのトンネルに分かれ、合計10.4キロ、パキスタンで最長のトンネルです。

安全のために双方向からの車両の通行がコントロールされており、待たされることもありますが、ロワリ峠を延々と登り・下りする時間と労力、途中でトラックが動けなくなって移動できなくなり、先が見えなくなるような不安も解消されます。

しかし、やはりパキスタン。トンネルの中を家畜を連れた地元民が歩き、トンネルを出ると道がぬかるみ、さっそくトラックが動けなくなったりしていました。

 

雪景色のロワリ峠の麓の村

 

チトラル方面を陸路で訪れるには、ギルギット・バルティスタン州からシャンドゥール峠を越えて入るか、ペシャワール方面からロワリ峠を越えて入るしか方法はありませんでした。そしていずれの峠も冬の間は雪で閉ざされていました。

ロワリ・トンネルの誕生は、これまで冬の間は「陸の孤島」だったチトラルの村に大きな変化をもたらすことでしょう。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

※ロワリ・トンネルは2020年に、ロワリ峠の写真は2014年以前に撮影したものです。

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ガヒラート・ゴレーン保護区のマーコール

マーコールの観察で訪れた、チトラルの町から南東にあるガヒラート・ゴレーン保護区 Gahirat (Gehret) Goleen Conservancy。

チトラル付近のマーコールを観察できる保護区・国立公園に比べると谷が狭く、切り立った岩山が印象的な、風光明媚な谷です。トゥーシ・シャシャ保護区と同様、周辺の村の共同体による管理下にあり、年に1頭のトロフィー・ハンティングが認められている保護区です。

 

チトラル川に沿った幹線道路からそれて保護区に入ると、なかなかの悪路。途中、大理石の山を通り、小川を渡っていきます。

 

昨晩の雪が岩肌に残っています。

 

ガヒラート・ゴレン保護区は1998年に設立された95,000ヘクタールの共同体の保護区です。峻険な岩山に囲まれ、限られた斜面にはセイヨウヒイラギ Quercus ilex、ヒマラヤスギ Cidrus deodara、チルゴザマツ Pinus gerardiana が見られます。

 

岩山を背景に、マーコールのメスが現れました。あー、もしこれが角の大きなオスだったら良かったのに・・・と思ってしまう、絵になる景色。

 

メスを求めてオスが現れました。この時期に見られるマーコールのオスは、繁殖可能なメスを探し続けています。

このガヒラート・ゴレーン保護区のマーコールの群れのサイズは、トゥーシ・シャシャ保護区の群れが25~57頭に対し、10~21頭と小さく、この険しい環境によるものではないかとのことでした。

 

若いオスが角を合わせる練習をしています。どの群れでも、オスがメスを追いかけるホットな光景が見られる面白い季節です。

 

Photo & text :Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020, Gahirat (Gehrait) Goleen Conservancy, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

Special Thanks : KPK Wildlife department, WWF Pakistan, TOMO Akiyama

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ヒゲワシ(チトラル・ゴル国立公園)

はじめてこの鳥を見たのはインドのラダックでした。「え、誰コレ!?」って聞いたら「ラマガイエ」という返事。そのスペルもLammergeir、どう発音するのか謎でしたが、みんなラマガイエと言うのでそう発音しています。

この名は古いドイツ語の呼び名だそうで、より一般的には英語でBearded Vulture。でも「ラマガイエ」と呼びたくなる、かっこいい名前です。

 

ヒンドゥークシュの山を背景に飛ぶヒゲワシ。観察したのはチトラル・ゴル国立公園です。

ヒゲワシはユーラシア大陸中央部の山岳地帯、東アフリカ・南ヨーロッパの一部の山岳地帯、切り立った断崖で見られる鳥。大きな鳥で、全長115㎝、翼を広げると3m近くになります。ヒゲワシは英名にvultureとついていてハゲワシの仲間のように思われますが、何よりも羽毛のある頭部が全然違います。

 

ヒゲワシは動物の死骸、特に古くなった肉、骨髄が好物。大きな骨を落として割ったり、岩を使って骨を砕く様子も観察されています。

 

ハゲワシが空を舞っていると「どこで動物が死んでいるなー」と思うのですが、ハゲワシの次の段階にやってくるのがこのヒゲワシだそうです。そしてこのヒゲワシ、脊椎動物の中で唯一、食のほとんど(70~90%!)を骨から摂取している動物です。

 

アラビアンナイトに出てくる「怪鳥ロック」がこの鳥がモデルとか、古代ペルシャの「怪鳥ホマ」だとか諸説ありますが、古代の人々にとっても特別な存在だった鳥のようです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation :Dec 2020, Chitral Gol National Park, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

Special Thanks : KPK Wildlife Department, WWF Pakistan, Tomo AKIYAMA

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カシミール・マーコール(トゥーシ・シャシャ保護区)

Markhorは日本語でマーコールと発音する、ウシ科ヤギ属の動物でヤギ科で最も体が大きいヤギの仲間。

このマーコールのオスは、動物ファン、いえ「角もの(Horned Animal)ファン」にはたまらない、「角のある動物の王様」「野生ヤギの王様」なのです。

インド西部、中央アジアに生息していますがコア・ゾーンはパキスタンの山岳地帯。一時は密猟などで生息数が減りましたが、2020年現在、コントロールされたトロフィー・ハンティングだけが認められ違法な狩猟が取り締まられた結果、生息数は大きく回復にあるようです。

 

訪れたのはトゥーシ・シャシャ保護区(Tooshi-Shasha Conservancy )。川の対岸にマーコールを見るチャンスがある場所です。

1979年、1,045ヘクタールから始まったトゥーシ保護区は1998年に20,000ヘクタールに拡張され、周囲の7つ村の共同体管理の保護区となりました。狩猟が禁止されている国立公園と違い、管理下の狩猟が認められている保護区です。

狩猟のため野生動物が人をおそれるのが普通のパキスタン。それでもこのトゥーシ・シャシャ保護区では近くで観察することができした。

 

マーコールのオスです。この付近でみられるマーコールは「カシミール・マーコール」と呼ばれる亜種。パキスタンの北部ではギルギット周辺に生息する「アストール・マーコール」とこの「カシミール・マーコール」の2種が見られます。

立派な角のオスです。この季節、雌を求めて標高の低い地域へやってきます。

 

カシミール・マーコールのグループ。普段、雌と若いオスが一緒に群れでいますが、この季節はオスが合流します。

 

オスが降りてきました。

 

近いです。雄の角は最大で160センチ(63インチ)にもなるそうです。ちなみに雌の角は25センチ(10インチ)で小さく、角だけでなく、体の大きさも全然違います。

 

さて、もっと近づいてきたオス。表情が何やら・・・怪しい。

 

口をむいたり、舌を出したり・・・フレーメン反応でしょうか、発情周期にある雌に反応しているようです。

 

繁殖の季節=マーコールの恋の季節は、悲しいことに人間による「ハンティング・シーズン」。大きな角を狙ったハンターが「許可証」をオークションで獲得してやってきます。

 

2020年はコロナのことがあり、オークションで「許可証」は売れたけどハンターが本当に来るかどうかはわからない、と聞いていましたが、私たちが訪れた翌日に外国からハンターが到着しました。20,000ヘクタールのトゥーシ・シャシャ保護区に生息するとされる1,400頭ほど(2015年の調査による)のマーコールのうち、毎年2頭が「トロフィー・ハンティング」として献上されます。

カシミール・マーコールのオークションはUS$9000~10,000からスタートし、一番高値を付けた人が落札します。この収益の8割がコミュニティに還元され、学校・医療などのために使われています。

 

2頭のトロフィー・ハンティングが地元の収益となり、種の保護につながっている・・・これが、現在のパキスタンの「野生」と「人々の暮らし」の共存のひとつの形のようです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Observation : Dec 2020,  Tooshi-Shasha Conservancy, Chitral, Khyber Paktunkhwa

Special Thanks : KPK Wildlife Department, WWF Pakistan, TOMO Akiyama

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カシミールマーコールとガヒラートキャッスル1912 

カシミールマーコールの観察の際にハンターの知人に紹介されたホテルが、ガヒラートキャスルホテル1912 (Gahirat Catsle Hotel 1912) 。チトラール周辺には旧チトラル藩王国系列の宿がいくつかありますが、このガヒラートキャッスルは95,000ヘクタールものプライベートゲームリザーブを持ち、そこではおよそ700頭のカシミールマーコールが暮らしています。

 

朝、夕にはガヒラートキャッスルの近くからヒンドゥークシュ最高峰ティリチミール7,708m の姿を、開けたチトラール渓谷の先に完璧に望むことができます。

 

ガヒラートキャッスルの所有する、ガヒラート保護区  Gahirat Community Game Reserve (Gahirat Conservancy)。チトラール川に注ぐガヒラート川を遡った山岳地帯にあります。その植生はカシミールマーコールには理想的な環境で、また谷が狭いので私たちの観察にも適しているのです。

 

雌のカシミールマーコールがこちらを見ています。

 

2009年、現支配人がカシミールマーコールの保護を始めたとき、このゲームリザーブにはわずか60頭ほどのカシミールマーコールしかいませんでした。その後、トロフィーハンティングの規則にのっとり徹底した保護と違法ハンティングの取り締まりをすることで、2019年現在およそ700頭に増えたといいます。

ガヒラートコミュニティーゲームリザーブでのトロフィーハンティングは年に1頭と決められています。政府が提示する金額が1頭 USD100,000(およそ1,100万円)。これをハンティング事業者がオークションで落とし顧客に販売するというシステムです。この1頭のトロフィーハンティングのために9名のゲームキーパーが違法ハンティングの取り締まりを行っていました。この収益の大部分がコミュニティに還元されていくのです。

 

ガリア―トコミュニティゲームリザーブでは2000年からオフィシャルなトロフィーハンティングが始まり、2019年までに18個体の記録があります。そのトロフィーハンティングの対象となるのは角の長さが40インチ以上の年をとったものに限られます。

ホテルの居間に展示されているカシミールマーコールは現支配人のおじいさんにあたる方のトロフィーでその角は58インチ、世界で3番目に大きい角のカシミールマーコールのトロフィーです。

私はハンティングもトロフィーハンティングも反対ですが、この行動がカシミールマーコールの個体数を増やし、地元住民に保護の理解を促していることは、違法ハンティングが横行していた時よりずっといいのかな、と思います。

 

さて、ゲームリザーブから帰ってきたら待っているのがこのガヒラートキャッスル1912。建物に入るとヘリテージな逸品が迎えてくれます。

 

 

チトラール川に面したコテージ。ホテル自体が川沿いの果樹に囲まれた緑の中にあります。

 

ホオジロヒヨドリ Himalayan Bulbul のペア

 

そして、朝6時半・・・小鳥たちのさえずりが聞こえてきます。庭の真ん中に出て野鳥を観察する至福のひととき。45分の朝の観察で ホオジロヒヨドリ Himalayan Bulbul、シロミミヒヨドリ White-eared Bulbul、オオルリチョウ Blue-whistling Thrush、シジュウカラ Great Tit 、スズメ Eurasian tree sparrow、バンクハッカ Bank  Myna、ムナフガビチョウStreaked Laughingthrush などを観察することができました。

 

自然の中の滞在も素晴らしい、ガヒラートキャッスルです。

 

Photo & Text : Mariko SAWADA

Visit :Oct 2019, Gahirat Catsle 1912 & Gahirat Community Game Reserve, Chitral,  Khyber Pakhtunkhwa

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カシミール・マーコールの親子(トゥーシ・シャシャ保護区)

チトラール周辺の山岳地帯では、希少なマーコールと出会うことができます。マーコールはパキスタンの国獣 National Animal of Pakistan であり、チトラール周辺で見られるのはカシミール・マーコール Kashimir Markhor。

マーコールはインド西部や中央アジアの山岳地帯にも生息しますが、一番の生息地はパキスタン。北部パキスタンではギルギット周辺でアストール・マーコール Astor Markhorが生息しています。

 

チトラールの町から少し離れた場所にあるトゥーシ・シャシャ保護区( Tooshi-Shasha conservancy ) では川の対岸に、本当に近い距離でマーコールを観察することができました。

夕方近くになると、マーコールの群れが川に水を飲みにやってきます。ここではたくさんのメスと子供たちを観察することができました。ではオスはどこに??

オスは1年のほとんどを高地で過ごし、12月の繁殖の季節になると降りてくるのだそうです。

 

マーコールが木登りして葉を食べています!

 

親子マーコールが後ろ足で立って葉を食べる、なんと可愛らしい光景!

 

しっかり食べて、これからやってくる厳しいを冬を越えなくてはなりません。1年目の冬を生き残れるかが勝負です。

 

この滞在中に、トゥーシ・シャシャ保護区に何頭のカシミール・マーコールがいるか調べることはできませんでしたが、すぐそばにあるチトラール・ゴル国立公園ではその数が増え2,500頭ほどはいるとのこと。

実際に、トゥーシ・シャシャ保護区でもチトラール・ゴル国立公園でもカシミール・マーコールと出会うことができました。次は立派な角のカシミール・マーコールと出会いたいものです。

 

Photo & text : Mariko SAWADA

Visit : Oct 2019, Tooshi-Shasha Conservancy, Chitral, Khyber Pakhtunkhwa

 

 

 

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